スズキ・グース

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Goose350
Goose350.jpg
基本情報
排気量クラス 普通自動二輪車
車体型式 NK42A (NJ46A)
エンジン K406(J422)型 348(249)cc 
内径x行程 / 圧縮比 79.0 (73.0)mm x 71.2 (59.6)mm / 9.5 (10.1):1
最高出力 33ps / 8,000rpm
(30ps / 9,000rpm)
最大トルク 3.3kg-m / 6,500rpm
(2.6kg-m / 7,500rpm)
      詳細情報
製造国 日本
製造期間 1991年-1999年(1992年-1993年)
タイプ スーパースポーツ
設計統括
デザイン 萩原直紀(フレーム)
フレーム ダイヤモンド
全長x全幅x全高 1,995mm x 710mm x 1,055mm
ホイールベース 1,350mm
最低地上高 150mm
シート高 770mm
燃料供給装置 キャブレター (BST40(BST33))
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ドライサンプ
駆動方式 チェーン
変速機 常時噛合式・6速リターン
サスペンション テレスコピック
スイングアーム
キャスター / トレール 25.00° / 104mm
ブレーキ 油圧式フローティングシングルディスク
油圧式シングルディスク
タイヤサイズ 110/70-17
140/70-17(130/70-17)
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 15L
燃費
カラーバリエーション ・ベースブルーメタリック
・ピュアレッド
・ウォームシルバーメタリック
・パールキャニオンイエロー / ブラック
・サターンブラックメタリック
(・ブラック)
本体価格 ¥569,000(¥499,000)
備考 ()内はGoose250
先代
後継
姉妹車 / OEM
同クラスの車
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Goose(グース)は、スズキが製造・販売していたオンロードタイプのオートバイ普通自動二輪車)である。先発のGoose350と、排気量ダウン版であるGoose250が存在する。

概要[編集]

Goose350[編集]

1991年に、輸出用エンデューロレーサーであるスズキ・DR350をベースとするエンジンを搭載した、シングルスーパースポーツとして発売される。車名である Goose の由来は、マン島TTのコース上にあるGooseneck(雁の首)という有名なヘアピンコーナーの名にちなんだものである。1991年の東京モーターショーで発表され、ほぼそのままの形で市販された。キャッチコピーは『直線は退屈だ』

エンジンはDR350の物をより高回転型にチューンした、油冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒エンジン。バルブ挟み角・燃焼室形状はDR350と同一だがポート形状は新設計の為、ヘッド部は別部品である(フィンも大型化している)。ピストンは引き続きGSX系のT型が採用されている。また、振動対策としてエンジン前側に新たに一軸バランサを内蔵する。潤滑方式はドライサンプで、エンジン下部に別体式オイルタンクを持つ。増加した熱量対策として1,350kcal/hのオイルクーラーを装備。キャブミクニのBST40(40Φのスリングショットキャブレター)。排気装置は、エキゾーストパイプ部はステンレス、サイレンサーはアルミ、中間部に鉄製チャンバーを設けたダウンタイプとなっている。

車体構成は、フレームはスチールパイプのトラス形状ダイヤモンドフレームにアルミ鋳造製のスイングアームピボットブラケットを組み合わせる。これにフロントはインナー39Φの倒立フォーク、リアはスチール製スイングアームにニューリンク式のシングルショックという構成。スイングアーム後端のチェーンアジャスターは特徴的な偏芯タイプとなっている。ちなみにフレームのデザインはジレラ:サトゥルノをデザインした萩原直起である。

ブレーキは前後油圧シングルで、フロントに300Φのフローティングディスク+トキコ製異径対向4PODキャリパ、リアに210Φディスク+対向2PODキャリパを装備。ホイールはグース独自デザインの5本キャストスポークホイールで、タイヤは純正ではダンロップのD102を装着する。

スタイルは丸目ヘッドライトに砲丸メーター等ネイキッド然としたものだが、トップブリッジ下に付くセパレートハンドル、バックステップ気味のステップ、シングルシート風のテールカウルと、かなりレーシーで独特のデザインを見せる。サイドカバーには名前の由来でもある"グースネック"コーナーをあしらったプレートが埋め込まれる。車体色は、青、赤、銀(フレーム&スイングアーム=ボディ同色)、及び'99の最終型の黄/黒、黒(フォーク=金、フレーム&スイングアーム=銀)の5種類が存在する。

Goose250[編集]

翌92年に、DR350の排気量ダウンモデルであるDR250、これを更に公道走行車としたDR250S(SJ44A)のエンジンを流用した250ccモデルが発売される。DR250との相違点はプラグ径と冷却フィンのサイズ。

エンジン以外の 350 からの主な変更点は、フォークが正立(インナー41Φ)になり、オイルクーラーがオミットされ、チェーンアジャスターが一般的な物になり、リアタイヤが1サイズダウンした程度で、他はほぼ同一コンポーネントとなっている。 250 の車体色は黒(フレーム&スイングアーム&サイドプレート=同色)のみ。

推移[編集]

当モデルは、レプリカブーム只中の四気筒モデル全盛時にあって、スズキが単気筒スーパースポーツの可能性を示そうとした意欲作であった。ワインディングを軽快に走り抜ける事を追求し、ある意味割り切った設計から作られた車体は、絶対的なパワーは無いが切り返しも早くラインコントロールも容易で、タイトなコースシチュエーションではレーサーレプリカモデルとも互角に渡り合える実力を持っていた。

しかしながらスペック競争最盛期の当時にあっては、主たるアピール層である「走りを意識するユーザー」には”カタログスペックの数値の低さ”だけで既にレプリカモデルの対抗枠と見なされず、一般ライダーにとっては”高回転維持を求めるエンジン特性””レーサーレプリカ並のきついライディングポジション””タンデムや荷載を考慮しないセパレートシート”など、快適性や積載性の低さから実用的な用途には向かない性格がマイナス要因となり[要出典]、結果として商業的には不人気車と言わざるを得ないものとなった。前述を踏まえると、玄人好みの、乗り手を選ぶバイクであったと言える[誰によって?]。また、剛性の高過ぎるフロントフォークや、サーキットでも低過ぎるハンドル、太過ぎるリアタイヤなど、「シングルは売れない」という定説を気にするあまり、ユーザー受けを狙い過ぎた感がある[誰によって?]。やり過ぎとも捉えられる過激さがスズキの持ち味[要出典]でもあるが、メーカーが最初からカスタムしたようなバイクは、多くの場合成功しない[要出典]

Goose350の生産時期は1991年 - 1999年、Goose250の生産時期は1992年 - 1993年であり(カタログ上はその後数年間掲載が続く)、全車種とも既に販売終了となっている。Goose350はラインナップに10年近く載り続けたが、総生産台数は6,000台程度にとどまっている。