ショートプレート

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アメリカ式の牛肉の部位
日本式だと「ともばら」の一部

ショートプレート英語: short plate)は、牛肉の部位の1つ。

概要[編集]

アメリカ合衆国式の分類であり、リブ(あばら肉)の下にある部分で、第6肋骨から第12肋骨までのばら肉である[1]

日本式の部位だと、トモバラを中央で2分割したうちばらそとばらの内、そとばらに属する[2]。そとばらは、フランク(さきにく)、ショートプレート、インサイドスカートに分かれる[2]

利用[編集]

ショートプレートは、表面の脂肪や筋肉間の脂肪が多い傾向はあるが、肉には甘味と旨味があり[1]ステーキ焼肉しゃぶしゃぶすきやきバーベキュー煮込みに適する[1][2]。ショートプレートを細分化した焼肉用カット規格としてカルビプレート、スーパーパストラミ、カルビプレートアイなども開発されている[1]

日本ではスライスされたショートプレートが安価な牛肉として、牛丼や食べ放題の焼き肉などへの需要が高い[3]

アメリカ合衆国では、かつてはハンバーガー向けの挽き肉の材料として用いられたこともあるが、脂肪が多すぎることから敬遠される部位でもある[3]。そのため、1970年代に日本がアメリカ合衆国からの牛肉輸入が本格化した際には、アメリカ合衆国産牛ショートプレートは低価格の部位であった[3]

1990年代以降、日本では牛肉の輸入自由化や円高などの影響と、牛丼チェーンの店舗数増加、コンビニ弁当の普及もあって、アメリカ合衆国産ショートプレートのほとんどを日本は購入することになった[3]

2000年代になると牛丼やしゃぶしゃぶ、すきやきが日本以外にも広く普及をはじめたことから、ショートプレート需要が中華人民共和国東南アジアでも高まり、2010年代終盤には中華人民共和国と日本とでアメリカ合衆国産ショートプレートの買い付け競争が発生するようにもなった[3]

出典[編集]

  1. ^ a b c d №121ショートプレートのフル活用術” (PDF). 米国食肉輸出連合会. 2023年10月28日閲覧。
  2. ^ a b c 原料肉概要” (PDF). 農林水産省. 2023年10月28日閲覧。
  3. ^ a b c d e 高橋寛 (2019年11月18日). “牛丼に必須の「牛バラ肉(ショートプレート)」 日本が中国に買い負ける日”. 週刊エコノミストonline. 食肉大争奪. 2023年10月28日閲覧。

関連項目[編集]