蜘蛛ですが、なにか?

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蜘蛛ですが、なにか?
ジャンル 異世界ファンタジー
小説
著者 馬場翁
イラスト 輝竜司
出版社 KADOKAWA
レーベル カドカワBOOKS
巻数 既刊9巻(2018年7月現在)
漫画
原作・原案など 馬場翁
作画 かかし朝浩
出版社 KADOKAWA角川書店
掲載誌 ヤングエースUP
レーベル カドカワコミックス・エース
発表期間 2015年12月22日 - 連載中
巻数 既刊5巻(2018年7月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル
ポータル 文学

蜘蛛ですが、なにか?』(くもですが、なにか?)は、馬場翁(ばばおきな)によるライトノベル。およびかかし朝浩作画の『ヤングエースUP』(KADOKAWA角川書店)で連載中の同名漫画作品。

概要[編集]

小説家になろう』にて連載されたWeb小説を元に、2015年12月10日、KADOKAWAのWeb小説レーベルカドカワBOOKSより単行本化された[1]。イラストは輝竜司が担当している。

同月よりかかし朝浩作画でwebコミックも公開されている。こちらも2016年7月7日に単行本化された[2]。『このライトノベルがすごい!』2017年版で単行本・ノベルズ部門第3位、2018年版で同部門第2位。第9巻発売時点で、シリーズ累計発行部数120万部超。

主人公である蜘蛛に転生した“私”たち魔物サイドと、“シュン(S)”を中心とした人間サイドの視点が交互に入れ替わり、一見無関係に進行しているふたつの視点が実は密接に関係しあっていたことが話の展開につれてわかる、という独特の構成がなされている。Web版と書籍版の基本設定は同じだが、細かい差異や展開の違いも存在する。コミカライズ版は書籍版に準拠しているが、一部を除き主人公視点のみで展開される。ちなみに、コミカライズ版は輝竜司のキャラクターデザインをかかしが再現できないなどの理由から、主人公をはじめ一部のキャラクターがオリジナルのデザインに変更されている。

2016年2月3日よりテレビCM、公式PVとラジオドラマが公開されており、主人公とナレーションの声を上坂すみれが担当している。

2018年7月10日小説版9巻リリースと同時にアニメ化企画が進行中である事が発表された。

作者は執筆開始の1年前から『小説家になろう』の作品を読みはじめ、特に『転生したらスライムだった件』の影響を強く受けて異世界転生の中でも「魔物転生」と呼ばれるジャンルに当たるこの作品の連載を開始した。当時同サイトで流行していたお約束を意図的に外す定石外しを行って作品を構築していった。また、コミカライズ担当者のかかし朝浩との対談の中でゲーム『モンスターハンター』のファンであり、主人公の戦闘スタイルに影響を受けたと語っている。巻の進行につれてWeb版から展開を軌道修正した結果として1巻では全体の三分の一、2、3巻では半分以上が加筆修正されており[3]、6、7巻は全文書き下ろしとなる。

あらすじ[編集]

地球人の知らない、スキルやステータスといったシステムに支配された異世界。そこでは常に勇者と魔王、人族と魔族が争いを続けていた。そこで勇者と魔王が放った魔法は世界の枠さえ飛び越え、勇者と魔王自身を滅ぼしても止まることはなかった。その力の一部は次元の壁をも突き抜け、日本のある高校の教室で炸裂してしまう。

そこにいた生徒と教師は全員死亡。しかし彼らの魂は、勇者と魔王がいた世界に逆流し、そこで転生することになる。しかも全員が、前世の記憶を持ったまま。ほとんどの者は人間に転生するが、人族でも魔族でもなく、本来なら知性を持たないはずの「魔物」に転生してしまった者も数人いた。

その中の一人、よりによって蜘蛛の魔物に転生してしまった少女は、生き延びるために必死の努力を重ねる内、異世界でも過大と言えるほどの力を手に入れ、その過程で世界の真実を目にすることになる。

一方で、王国の王子に転生した少年は、与えられた環境の中で悩み、理不尽に襲いかかった陰謀を前に仲間と共にあがく。やがて少女の足跡を追うことになった彼は、結果として遂に、世界の真実を知ることになる。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

主人公サイド[編集]

“私” / “白(しろ)” / “白織(しらおり)”
  • 声:上坂すみれ (ラジオドラマ版)/悠木碧
  • 前世の名前:?[注 1]
  • 種族:スモールレッサータラテクト→スモールタラテクト→スモールポイズンタラテクト→ゾア・エレ→エデ・サイネ→ザナ・ホロワ→アラクネ[注 2]→神
  • 主な所持スキル:蜘蛛糸、毒牙、韋駄天、毒合成、禁忌、並列思考、腐蝕耐性、不死、産卵、死滅の邪眼、空間魔法、鎌の才能、傲慢、忍耐、叡智、怠惰、救恤など。
主人公。異世界で蜘蛛の魔物に転生してしまい、生き延びるために必死の努力を重ねる。口癖は「ないわー」。
転生先の大迷宮で最底辺の種族に生まれてしまったものの、人の知識と知性、転生特典としてステータス向上系スキル「韋駄天」を持っていたことが幸いし、罠と策を駆使して生と死が紙一重の生存競争を勝ち残っていく。
自らを歯牙にもかけない強大な敵相手に敗北と挫折を重ねるが、性格は極めて楽天的で反省はしても後には引かずに屈辱感をバネに奮起するタイプである。前世の記憶によると家庭内に居場所がなく、クラスでも遠巻きにされる孤独な立場にいたらしく自己評価はかなり低い。そのため、転生後初めて手に入れることが出来た自分だけの居場所「マイホーム」と誇りをとても大事に思っており、生き残ることを最優先にしながらそれらを投げ捨てることはしない。
ちなみに毒物かマズいものしか食べるものが無かった環境からスタートしたためか、食べ物や美味しいものへの執着も強い。殺した相手への敬意といざという時の備えの両面を兼ねて、食生活がある程度改善した後も残さず完食する主義を基本的には貫く。
本人は自覚していないが意外とお人好しかつ世話焼きで、迷宮内外での数少ない人族との遭遇でも、襲っていた魔物や盗賊を倒して危機に陥っている者を救う・無償で不特定多数に治療を施すといった行動を行う。一方、迷宮内で培ったシビアな思考に基づき、向けられた敵対行動には虐殺も選択肢に入れる。特に後者の行動から「迷宮の悪夢」という異名によって人族の間で知られることになった。
自称コミュ障の通り対人経験には乏しい。心の声では多弁かつ饒舌でもいざ人を相手にすると極めて難儀することを自覚しており、生来の無表情と無口ぶりも相まって他者からは何を考えているのかあまり理解されない。一方で酒癖が悪く、笑い上戸かつ絡み酒のため酔うと普段の思考形態がだだ洩れになり、極めて陽気な本性が露わになる。酔っ払い特有のタガが外れた奇行を時たま行いつつ、普段からの観察に基づいた的確な助言などもごく自然に行っているが、泥酔しているためかこの間のことは本人の記憶には全く残っていない。そのため時折、周囲との間で認識にズレが生じることがある。
中盤、紆余曲折を経て神に至る進化「神化」を成し遂げる。このことが原因でシステムサポートから外れ、システムの補助なしで神にとって必携と言える「魔術」を発動させる術を知らないまま、神となった。その結果「神たる莫大なエネルギーを有しながら、凡人レベルの能力」で再出発することを余儀なくされた。なお、外見上は美しいアルビノの、完全な人型の少女というアラクネ時代の上半身を踏襲したものになっている。ただし眼球だけはひとつの瞳の中に四つの虹彩が収まっており左右合わせて計八つという異様なものになっている。そのため人々の奇異の視線を避けるために目を閉じて過ごしていることが多い。
その後、ふとしたきっかけを機にかつての力を取り戻すことになった。ただし、当初再現できたのは糸の作成に始まり、魔族領到着後も身体強化や空間魔法など一部のスキルを再現するに留まったため、試行錯誤を繰り返している。ただし、本人も全貌を理解しきれていないものの、その精度や絶対量などはシステム内スキルに比べて大幅に向上している。その頃に邪神Dから持ち掛けられた誘いに乗り、空間魔法を用いて一時的に地球に転移、おのれのルーツを知ることになる。
なお、ファンや広報担当者の間では「蜘蛛子」の愛称が定着しているが、本人がこう名乗ったのは本編中では一度きりである。中盤において、アリエルから「白」という名前を贈られ、神化した際に邪神Dから「白織」と正式に命名されることになる[注 3]
ソフィア・ケレン(Sophia Keren)
  • 前世の名前:根岸 彰子(ねぎし しょうこ)
  • 種族:人族/吸血鬼
  • 主な所持スキル:上位吸血鬼、帝王、嫉妬、苦痛無効、痛覚無効、状態異常無効など
サリエーラ国、ケレン伯爵家令嬢。両親とも人族でありながら、転生特典として「吸血鬼」のスキルを得て吸血鬼に転生した少女。
前世では痩せこけた身体、青白い肌、虚ろな目、長い犬歯という不気味な外見で、陰で「リアルホラー子、略してリホ子」などと呼ばれていた。その容姿から来る劣等感から暗い性格になってしまい、クラスの中で孤立。容姿に恵まれたクラスメイトにひどく嫉妬していた。転生して望み通り美貌を得るが、まだ赤ん坊の内に戦争に巻き込まれ、異世界での両親と家を失ってしまう。その上ポティマスらの襲撃により殺されかけたところを、主人公とアリエルに助けられ保護される。
その後、魔族領を目指すアリエルの旅に同行し、その旅程の中で暇潰しを兼ねた主人公の手による英才教育を施され、自傷を含む過酷な内容に辟易しながらも幼少期からスキルとステータスを大きく伸ばしていく。
その結果として齢五歳の時には伝説級の魔物の爪を素材にした業物の大剣による近接戦闘を基本としつつ、得意とする氷・水系魔法などによる中遠距離攻撃、吸血鬼特有の不死性に由来する耐久性と眷属作成や支配による小技に加え、酸攻撃などのスキルを複合させた戦闘スタイルを確立させた。なお、切り札となる「嫉妬」のスキルは絆を確立させたメラゾフィスへ近づく異性への悋気という形で着々と妬みの感情と下位スキルを成長させた結果獲得した。
後に、管理者側に着いた転生者の一人として、美しく成長した姿でシュンたちの前に立ちはだかる。妖艶にしてはかなげな美貌の持ち主だが、その外見に見合わず、シュンらをして傷一つつけることができない圧倒的な力を有する。
性格の方も真祖の吸血鬼にふさわしく気まぐれで、他者のことを余裕綽々で見下すなど、堂の入った態度に変化を遂げている。ただし精神年齢の方はあまり成長しておらず、身近な者からは子供っぽい性格を見透かされている。
  • メラゾフィス(Merazophis)
かつてケレン伯爵夫妻の腹心であった男性。主人の伴侶であるセラス夫人への恋心を心の中に秘め、夫に悟られながらも忠誠と友情を疑われることのない誠実さと不器用なほどの真面目さを持つ。正しく堅忍と忠義を体現したような人物である。
ケレン領滅亡の際夫妻から娘ソフィアを託されるが、直後にポティマスらに襲われ瀕死の重傷を負う。その際、彼を救おうとしたソフィアに吸血され、眷属である吸血鬼と化した。その直後、主人公たちの保護を受け、行動を共にする。当初はすべてを失い吸血鬼となったことへの虚無感と人間性との葛藤によって、酒の席で激高することもあったが主人公の言葉で吹っ切れ、ソフィアに捧げる絶対的な忠誠を新たなものにしている。
二度に渡って主君を守り切れなかった悔悟の裏返しもあって愚直に鍛錬を重ねたようで、クニヒコとアサカ相手に本体でない分身で十全に渡り合う実力を得た。主人のソフィアがそれ以上の強さを持つため、自らが守護に値する存在か苦悩しているが、主従が互いにかける信頼は本物で、普段から傲岸不遜な主も彼に対してはやわらかな労いの言葉をかける。
ラース
  • 前世の名前:笹島 京也(ささじま きょうや)
  • 種族:ゴブリン→(オーガ系の魔物数種)→鬼人
  • 主な所持スキル:憤怒、幻想武器錬成、剣神、射出、斬撃無効、苦痛無効など
前世でシュンとカティアの親友だった少年。エルフの里に侵攻した魔族軍の一員として、防衛に当たった彼らと再会を果たす。
魔物に転生した者の一人でゴブリンから進化を繰り返すことで、最終的に鬼人となる。転生者が魔物から進化して人型になると、前世の顔になるらしく、彼もその顔は前世と同じ[注 2]。ただし小柄だった前世とは異なり、長身の筋骨逞しい身体で、「」らしく額に二本の角が生えている。
温厚かつ理知的な好青年だが、一方で強すぎる正義感を持ち、心の底には強い暴力衝動を宿している。幸か不幸か喧嘩は強く、小中学校時代は「いじめを止めること」や「不良を返り討ちにすること」で暴力を正当化していた。しかしその結果、周囲から孤立。そんな自分に嫌気がさして、高校入学後は暴力を振るわなくなっていた。
転生後は目を背けたくなるような苦難[注 4]を味わい、「憤怒」の支配者スキルを得て支配から脱却する。
MPを消費するだけで武器を生み出せる固有スキル「幻想武器錬成」を持ち、様々な特殊効果を備えた「魔剣」を用いて戦う。戦闘では優れた剣技はもちろん、使い捨ての剣に爆発の効果を持たせて地雷代わりに敷設する、射出して敵を殺傷するなどの手管も用いる。
「憤怒」を発動しすぎた結果、理性を失ってしまい、己の意志に反して無差別殺戮を繰り返すことになった。「ラース」の名はそんな自分へ自嘲の意味を込めて「憤怒」そのものの意味に改名したものである。暴走の最終局面、ソフィアを軸とする転生者たちと交戦して敗北するとともに正気を取り戻し、アリエル率いる魔族陣営に合流することになった。
ユーゴー・バン・レングザンド(Hugo Baint Renxandt)
  • 前世の名前:夏目 健吾(なつめ けんご)
  • 種族:人族
  • 主な所持スキル:色欲、強欲、呪怨魔法など
レングザント帝国の王太子。わがままで傲慢なガキ大将的性格。前世ではクラスの男子生徒のボス的存在だった。加えて転生後、境遇にも資質にも恵まれて増長した結果、数々の暴走と言って過言ではない行動に出る。
シュンたち転生者と同時期に学園に入学し、彼ら同様に不世出の天才として持て囃される。しかし、自分の上を行く才能を示したシュンを目障りな邪魔者と判断し、陰謀を用いて殺そうとするが、察知したフィリメスに阻止され大半の力を奪われる。
その後は憎しみから七大罪スキルの「色欲」と「強欲」を取得する。魔族の侵攻という非常時に関わらず「色欲」を用いて監視から脱すると、帝国と王国の首脳部を洗脳して両国を掌握、帝国軍を大量動員してエルフの里に侵攻するという暴挙に出た。
また前後して「強欲」の効果によって味方を含む大量殺戮を自らの手で行ったことで相当の力を得ていたが、歪な成長であったためバランス良く高水準のステータスを持つシュンには敵わず一蹴されてしまう。ついでに、協力者と思い込んでいたソフィアに思うがまま踊らされていたという事実を知らされた。web版ではこの直後、ラースに頭を踏み潰されて死亡したが、書籍版では突如として現れた「白」に昏倒させられる形で生存している。
ユーリーン・ウレン
  • 前世の名前:長谷部 結花(はせべ ゆいか)
  • 種族:人族
通称ユーリ。聖アレイウス教国の聖女候補。金髪碧眼の神秘的かつ可憐な少女。
赤ん坊の時、転生先の両親に捨てられたところを神言教の教会に拾われ養育される。二重の意味で身寄りをなくしたショックと孤独感の裏返しから、日本語で語りかけてくれる神言をよすがとして心の底から信仰することになった。神言教への傾倒は相当なもので、前世のクラスメートと遭遇した際も二の口告げず布教から会話に入るほどである。
ユーゴーらによるエルフの里侵攻の際には彼らと同行し、過激さと狂信性を増した言動でエルフのことを神敵と断じて襲い掛かる。
ギュリエディストディエス(Güliedistodiez)
システムの管理者の一人で、作中で舞台となる世界の神に相当する存在。誠実な人物で主人公に対する物腰も真摯なもの。真面目な人柄もあって世界の現状に対して苦悩している。ここに至るまで有効な手を打つことが出来なかった。自身が動けば最短で解決する事項であっても思うように動けないことが多かったためである。主人公は彼の抱える複雑な感情を理解しつつも、拘泥せずに自らの計画を進めることにする。
アリエルとは古くからの知己同士だが、互いに管轄する魔物を含め不干渉の立場を貫いている。一方で自分より上位の権限を持つ管理者Dの意向に背けば我が身が危うくなると知りつつも、とある局面でアリエルに助け舟を出したこともあった。
長く面妖な名前であるためか、主人公からは茶目っ気を込めて主にギュリギュリと呼ばれている。全身を真っ黒な甲冑で包み、唯一露出した顔も浅黒く黒髪を持つことから単に“黒”とも。ただし、瞳の色は紅い。
エルロー大迷宮に配置された地龍をはじめに龍の主に当たる存在でもあり、配下に様々な役目を命じて世界を管理している。彼が火龍レンドの死を感知したことが主人公と接触を図るきっかけとなった。 
アリエル(Ariel)
  • 種族:オリジンタラテクト
  • 主な所持スキル:暴食、神龍結界、深淵魔法など
またの名を「最古の神獣」とも呼ばれる当代の「魔王」。外見は10代前半ほどの美少女だが、その本質は蜘蛛であり、現存する蜘蛛の魔物を遡るとすべて彼女に行き当たる。
つまり主人公にとっても始祖にあたる存在であり、本人は冗談めかして「おばあちゃんよ」とうそぶくような間柄。最も有力な配下であり、分身と言えるクイーンタラテクトの一体が主人公の(“並列意思”による魂レベルの)攻撃によって危機に陥っていることを分身からの要請によって知り、それを食い止めるために主人公と敵対するが、主人公のスキルによって生まれた“並列意思の一人(元・体担当)”と融合して若干の変質を起こす。
本来の性格は臆病なものだったらしく、エルフの不穏な動きや世界の危機に対しても及び腰だった。主人公のお気楽な気性と転生者由来の知識が流入したことによって、フレンドリーを気取りながらも肝心なところで脱力必死の台詞を繰り出す残念な性格へと変化を遂げた。一方、年長者らしい振る舞いと硬軟織り交ぜた心配りをソフィアたちに対して時折見せるほか、長命の者らしい貫禄も健在である。また必要になればいくらでも冷酷になれ、配下に対しては堂に入った脅しも行う。
主人公との間で数度の会敵を繰り返して毎回瞬殺するが、手管を変えて蘇生する度に強くなっていく彼女に恐怖を覚え、戦力の穴埋めを兼ねて同盟を提案し、成立させる。はじめは打算に基づく懐柔のはずだったが、旅を続け共に死線をくぐる中でいつしか純粋な友情に変化し、そのことから無防備な状態に陥った主人公に対して無償の献身を見せたこともあった。
同盟以後は覚悟を決めて就任したはいいが、主人公のせいで停滞していた魔王としての活動を活発化させた。長期に渡る準備期間を経た後に人族と魔族の間の全面戦争“人魔大戦”を引き起こし、直後自ら兵を率いてエルフの里侵攻を開始する。
外見上侮られることも多いが実際のレベルは3桁に達しており、ステータスもすべての項目がカンストに迫る9万の大台に乗るなど、ほぼ隙のない耐性を備えた怪物。システムの影響下にあるもので彼女を倒せる者は、勇者を除いて事実上存在しない。
女神サリエルに多大な恩義を感じており、心の底から敬愛している。そのため、女神の献身によって成立する世界で安穏と暮らしている人間に対して表に出ることこそないが憎悪を抱いており、その感情は眷属にも伝播している。また「世界の害悪」としてエルフ、特にエルフの長ポティマスを敵視しており、エルフを根絶やしにすることを悲願としている。

勇者サイド[編集]

シュレイン・ザガン・アナレイト(Schlain Zagan Analeit)
  • 前世の名前:山田 俊輔(やまだ しゅんすけ)
  • 種族:人族
  • 主な所持スキル:千里眼、天の加護、慈悲、禁忌など
通称シュン。アナレイト王国第4王子。
前世は一般的だが快活な少年で、転生を経た後も前世からの知人友人の変化に驚き悩みつつも本質は変わっていない。
王族としての義務を自覚し、弱者を守ることを当然のことと思い、それでも他者の命を奪うことに躊躇いを覚える、絵に描いたような典型的勇者。
先代勇者である兄ユリウスの死により勇者の座と称号を受け継ぐが、直後にユーゴーとその背後にいる管理者らの陰謀によって父王を殺され、祖国を追われることになった。
かろうじて脱出に成功した仲間たちと共に、人族に混乱をもたらすユーゴー打倒を目指すが、その先に明確なビジョンを持てていないことに悩み、それでも前に進んでいく。
カルナティア・セリ・アナバルド(Karnatia Seri Anabald)
  • 前世の名前:大島 叶多(おおしま かなた)
  • 種族:人族
通称カティア。アナレイト王国、アナバルド公爵家令嬢。
赤毛の美少女で、転生者の中で唯一、前世と性別が変わっている。前世ではシュンの親友であり、加えて立場から、再会して以来ほぼ常にシュンと行動を共にしている。
以後、微妙な立場ゆえに異母兄から白眼視されるシュンを、面倒事に巻き込ませないよう立ち回り、彼の支えとなっている。
勝手を知っている前世の知人相手には、日本語の男口調のままで話す。一方現地語で会話する時は、貴族令嬢らしい、しとやかで気品のある喋り方をしている。
この切り替えは本人の中ではごく自然なものであり、肉体の変化と現地での教育の成果もあって、ナチュラルに女性陣に馴染んでいる。
ユリウスをはじめ、シュンを取り巻くほとんどの者たちから、「シュンの彼女」と思われている。カティア自身のシュンに対する思いも、当初は親友に対するものだったが、本人も自覚しないまま徐々に変化し続け、ある事件を経て異性として彼に恋するようになる。しかしシュン自身はカティアの想いには未だ気づかず、結果としてカティアの片想い状態となっている。以後は、旅の中でシュンの思わせぶりな言葉に一喜一憂したり、仲間の女性陣に愛想よく振るまいながらも、自分のことを女として見てくれない彼の朴念仁っぷりにやきもきしている。
フェイルーン(Feirune)
  • 前世の名前:漆原 美麗(しのはら みれい)
  • 種族:地竜(下位種)→(数種の地竜)→光竜
  • 主な所持スキル:地竜、光竜、飛翔、重魔法など
通称フェイ。地竜に転生した少女[注 5]。書籍版にのみ登場する[注 6]
まだ卵の内にアナレイト王家に献上され、シュンのペットとなる。シュンの勇者継承に伴って光竜となり、人化および飛行が可能となる。主人公やラースと同じく、人化した時の顔は前世と同じ[注 2][注 7]。しかし背中から羽毛の付いた翼が生えており、どこか天使を思わせる印象。また、縦長の瞳孔や、腕の竜鱗など、外見的特徴に竜族を思わせるものがいくつかある。
ちなみに卵の時に迷宮に潜った冒険者によって親から引き離され、その冒険者が主人公の張った罠に掛かったことで卵を放置して離脱、結果として主人公に拾われたことがある。当時主人公は非力だったため、頑丈な殻を割ることが出来なかったものの、危うく食べられるところだった。その後、主人公のマイホーム(巣)が別の冒険者に焼き討ちされた際に回収され、後にアナレイト王家に献上されている。
本来、竜の卵は親から魔力を与えられて孵化するところが、親から引き離されたことで孵化まで7~8年[注 8]要したため、転生者の中で唯一実年齢が幼くなっている。しかし、魔物であるためほんの数年で成竜まで成長して、人化した姿はシュンたちと同年齢ぐらいの容姿になっている。
前世では美人で、クラスの女子の中心的存在だった。自分に優る美貌を持ちながら、どこ吹く風で無視を貫く若葉姫色のことを一方的に敵視し、いやがらせを繰り返していた。当の本人からは全く相手にされなかったものの、自身は魔物に転生してしまった現状もあって、そのことを深く反省している。
ざっくばらんで明るく、同時に観察眼に優れる。魔物ということもあって人間と比べ生理的感覚などは異なるものの、シュンたちの内面をよく理解している。竜としての優れた本能と感覚を有しており、シュンたちのことをどこか保護者的視線で見守っていた。 
単純なステータスで言うならシュン一行の中では最強。高いステータスに加え、人化した状態でも質量が変わらないため格闘戦の能力が変わらない。竜の姿に戻った際は、シュンたちを乗せて空を飛ぶことも出来るほど巨大。
フィリメス・ハァイフェナス(Filimøs Harrifenas)
  • 前世の名前:岡崎 香奈美(おかざき かなみ)
  • 種族:エルフ
  • 主な所持スキル:嵐天魔法、生徒名簿など
愛称「岡ちゃん」。エルフの少女に転生した担任教師。担当教科は古典。外見は幼いが、他の転生者と肉体年齢に差はない。生徒たちの過去・現在・未来を知る固有スキル「生徒名簿」を持つ[注 9]
前世からの愛称から想像できるように、生徒からは慕われつつもかなり残念な先生として扱われている。語尾の「ですぅ」、口癖の「萌え~」などは生徒に親しみを持たれるために最近のラノベやアニメを勉強した結果、半ば趣味と化して定着してしまったものらしい。ただし、非常時にはこれらの口調もなりを潜める。蜘蛛など一般的に忌避される生き物に親しみを持つというややズレた感性の持ち主でもある。
転生先の父はエルフの長ポティマス。教師としての責任感の強さと「生徒名簿」の記述が教え子全員の死を示唆する異常な内容だったことから危機感を覚え、赤子の内から念話を用いて彼に接触し協力を打診する。互いに親子の情は皆無といっていいものの、岡はポティマスのことをどこか信頼できなくても生徒を預けるしかない協力者として認識している。
その後は前世での生徒たちを救うため自身は幼少期から早々に鍛える一方、彼らを保護するために合法・非合法含めて様々な画策をする。それらが教え子たちの意志に反し、敵意を買う結果になっていることを自覚しているが、それらの悲しみをおくびに出すことなく活動している。
その結果、シュンたちに学園で接触した時点で、王貴族や魔物に生まれた者を除き、過半数の転生者をエルフの里に確保。死亡者を4名までに抑えることに成功した。
暴走したユーゴーを止めようとし、一度は大半のスキルを奪うことに成功する。しかしそのせいで逆恨みを買ってしまい、エルフの里の戦闘では「強欲」の支配者スキルを得た彼に敗北した。
アナ
ハーフエルフの女性。外見は20代だが、実年齢は50を越えている。クレベアと共にシュンが幼児の頃から彼の侍女をしていた。魔法の腕もかなりのもの。フェイルーンの育成係も兼任していたが、スパルタな育成を施しているため、フェイルーンからは若干の苦手意識を抱かれている模様。
過去、ハーフエルフであったためにエルフの里から追放されており、それがトラウマになって自己評価はかなり低い。そのため、自分を拾い上げ人として扱ってくれた王家に多大な恩義を抱いていた。しかしユーゴーの洗脳であっさりシュンに刃を向けることになってしまい、洗脳が解けた後はことさら深い自責の念を抱いている。それゆえ、罪を少しでも贖おうと王国を追われたシュン一行に同行する。
ハイリンス
アナレイト王国クォート公爵家の次男。
勇者ユリウスの幼馴染にしてパーティの盾役だったが、「白」と呼ばれる魔王軍第10軍団長との戦いでただ一人生き残る。新たな勇者となったシュンを守ることを誓う。
役割柄、仲間の安全を第一とする判断を下すことが多い。

その他の転生者[編集]

工藤 沙智(くどう さち)
エルフの里に保護されている転生者の一人で、前世でクラス委員長をしていた少女。それだけに真面目で口うるさく、前世では身勝手な夏目(ユーゴ―)やいい加減な漆原(フェイ)とそりが合わず、対立することも多かった。幼い頃拉致同然に連れて来られたため、エルフに対し不信感を抱いている。
ウギオ
  • 前世の名前:荻原 健一(おぎわら けんいち)
通称オギ。同じくエルフの里で保護されている転生者の一人。前世ではサッカー部員で、シュンやカティアとも、ユーゴーとも仲が良かった。エルフの里では調理担当。
田川 邦彦(たがわ くにひこ)
通称クニヒコ。転生後は冒険者をしており、業界では最高位到達も間近と呼ばれる俊英として知られている。エルフの里にいる仲間とは頻繁に連絡をとり合っている。アサカとは前世でも今世でも幼なじみで行動を共にしている。
櫛谷 麻香(くしたに あさか)
通称アサカ。クニヒコとコンビを組んで、冒険者をしている少女。彼とは前世でも幼なじみだったが、こちらでも同じ傭兵団に生まれて一緒に育った。無鉄砲な傾向のある相方に対するストッパー役だが、最終的には彼の意思を尊重することが多い。
サジン
  • 前世の名前:草間 忍(くさま しのぶ)
前世でラースこと笹島京也と仲の良かった少年。聖アレイウス教国の暗部に所属する父の下に生まれ、長じては父同様に各種の工作に当たっている。
転生者としてはユニークスキル「忍者」を有しており、発生させた分身と瞬時に本体の位置を入れ替えることで敵の目を欺き、回避する。転生者としては規格外のソフィア、ラースには及ばないもののシュン一行ら鍛えた転生者と戦える水準には達しているそれなりの強者である。
前世ではクラス一のお調子者で、そんな気性は暗部に属している今も全く変わっていない。エルフの里攻防戦では、転移陣からシュン一行の前に単身姿を見せ、昔通りの軽口を叩きながら、結果としては捕縛されずにエルフの退路となる転移陣を破壊するという任務を成し遂げ、同時に撤退していった。
相川 恋
津島 大
槙 将羽登
瀬川 柊子
古田 美央
手鞠川 咲(てまりかわ-)
飯島 愛子
外岡 久美子
小暮 直史(こぐれ なおふみ)
「生徒名簿」の効果によって死亡が確認された四人の生徒のひとり。
桜崎 一成(さくらざき いっせい)
「生徒名簿」の効果によって死亡が確認された四人の生徒のひとり。
前世でユーゴ―こと夏目健吾の親友だった男子生徒。夏目がクラス内でリーダー格として振る舞えていたのは彼が周囲との緩衝役・調整役を務めていたのが大きかったらしく、ユーゴーが増長して暴走したのは彼の不在が響いたためとシュンは分析している。
林 康太(はやし こうた)
「生徒名簿」の効果によって死亡が確認された四人の生徒のひとり。
若葉 姫色(わかば ひいろ)
「生徒名簿」の効果によって死亡が確認された四人の生徒のひとり。
クラスの誰とも接点を持とうとせず、目立たないよう振る舞っていたのに関わらず隠しきれない美貌によって一部クラスメートから崇拝に似た感情さえ向けられていた女子生徒。
自他ともに、"主人公の前世"として認識されているが、「『生徒名簿』で死亡と判断されている」ことや「魔王第十軍団長・白と同じ容姿をしている」ことなど、不可解な点が多い。

人族勢力[編集]

ダスティン六十一世(Dustin XXXXXXI)
神言教第五十七代教皇。何かにつけて沈思黙考する癖がある。
死に際しても来世へ記憶を引き継ぎ保持し続ける支配者スキル「節制」を有しており、転生によって何度姿形が変わろうと揺るがない理念を糧に神言教のトップとして活動を続けている。今世の姿は市井に紛れていても違和感のない好々爺然とした痩身の老人で、単純な強さを取ってもさほどのものではない。彼の本質はどれだけの犠牲を払ったとしても狂うことも現実から目を背けることもなく、葛藤しながらも前進していこうという意志そのものにある。長い付き合いを持つアリエルをして彼を「化物」と認め、讃えている。
弁舌に長けた扇動者であり「神言教」の教義は幾度も転生を積み重ねる中で人族全体の存続という目的のための方便として彼が確立させたものである。世界の裏側に女神サリエルがいると知りながらも宗教的情熱でなく、人族という大の虫を救うために動いている。そのためには個人という小の虫を殺すことにはためらいを見せず、何よりも自身の命を投げうつことに躊躇することはない。
また、ソフィア、メラゾフィスの主従にとっては色々な意味で仇になる人物。女神教の存在自体が人族の安寧への障りとなると判断した彼が宗教的影響力と諜報を駆使してサリエーラ国を滅ぼそうとした結果、彼女たちの故郷であるケレン領は戦火に包まれることになった。その後、ふたりと対峙することになるが、書籍版においてはメラゾフィスの言葉によって、年相応に老い疲れた心情を吐露する一幕もあった。
ジョン・ケレン
サリエーラ国ケレン伯爵。ソフィアの父。人格的にも能力的にも尊敬に値する人物らしく、部下や領民からも慕われていた。「迷宮の悪夢」が自領内に出現したと同時に妻子を救い、領民に無償の治療を行ったことに対してちぐはぐなものを感じており、命の恩人を信奉する妻をよそに、その正体について頭を悩ませていた。
時を同じくしてオウツ国が仕掛けてきた挑発行為と、問題行為を繰り返す派遣外交官の対処に追われ、戦争回避のため尽力するも果たせず、ケレン領がオウツ国軍に蹂躙される中、ポティマスらによって殺害された。
セラス・ケレン
サリエーラ国ケレン伯爵夫人。ソフィアの母。お嬢様育ちだが芯は強い女性。女神教の熱心な信者でもあり、盗賊に襲われた自分たちを救ってくれた主人公のことを伝承にある女神に仕える神獣としての蜘蛛と同一視してしまう。
そのため、彼女が領内で神獣の存在を喧伝する形になってしまい、夫や黒幕を含め誰一人として全体像を理解しない構図へと事態を複雑化させる一助を担ってしまった。ケレン領滅亡の際、メラゾフィスに愛娘を託すが夫に殉じる形で殺害された。
バスガス
冒険者以外の商人や旅人、調査目的の人物・集団をガイドする職業「迷宮案内人」に就いている男性。ゴイエフの父。口は悪いが、依頼人の身を守ろうとする腕と責任感は確かなもの。魔物の大発生(実態は大移動)を調査しに来た帝国の一団を案内し「迷宮の悪夢」と初めて遭遇した。
後に息子のゴイエフに代わって、大陸に渡るべく大迷宮突破を望むシュン一行を案内した。この時点では既に引退しているが、戦士としてのレベルも未だに一般的な冒険者を上回る強者である。一行の強さは認めたが、危うげに突っ走る傾向のあるシュンの性格を見越して苦言をかけている。
ゴイエフ
迷宮案内人。タラテクト変異種の調査に来た勇者ユリウスのパーティを案内した。
当初、シュン一行は迷宮案内に彼の伝手を求めたが、帝国の圧力に対して妻子のある身では抗しきれないとして、不本意ながらに断る。

アナレイト王国[編集]

シリウス
国王。私人としては公務の中あまり接触を持てていない子との交流を大事にし、身内の命を大事に思うなど良き家庭人と思われるが、為政者としては凡庸と評されている。
人魔大戦緒戦での兄ユリウスの死を受け、勇者の称号を引き継ぎ混乱するユリウスへ罪を押し付けるべく「洗脳」を受けたスーレシアの攻撃を受け死亡。
スーレシア
通称スー。シュンの異母妹。第2王女。
転生者である兄に匹敵するほどの天才だが、周囲から見ても仲が良いを通り越して異様なほどに兄のことを慕っている
正室である母からは色々と吹き込まれているが、実際のところ彼女から兄に向ける感情は本物、シュンに近づく女性にはあからさまな悋気を向ける。
ユリウス・ザガン・アナレイト(Julius Zagan Analeit)
シュンとスーの兄。アナレイト王国第2王子にして「勇者」。
温厚な人柄と自己犠牲の精神を併せ持つ勇者の鑑ともいえる人物だった。人魔大戦に仲間たちと共に従軍したが戦死。個の力で戦線のひとつをこじあけ、第七軍団長ブロウと一騎打ちに持ち込み彼を斃したが、直後現れた第十軍団長“白”の腐蝕攻撃を受けて死亡した。これにより勇者の称号と愛用のマフラーがシュンに渡る事になる。
幼い頃に主人公や魔王と遭遇し、圧倒的な強さに恐怖しながらも勇者として立ち向かおうとしたことがある。この体験がトラウマになっており、蜘蛛を見かけると反射的に駆除してしまうようになった。
ロナントに師事していたことがあり、その影響で剣よりも魔法が得意。
サイリス
第1王子。
正室の子であり、政治面も見ていたため順当にいけば彼が次の王位を継ぐことになるはずだったが、異母弟たちの活躍に対して危機感を覚えていた。
ユーゴーらと結託し、父を亡き者とすると同時にその罪を弟たちに擦り付けることで自らの王位を確実にすることを狙った。
しかし、ユーゴーに裏切られて洗脳された結果、王位への執着をうわ言のように垂れ流す廃人のような状態にされてしまう。共にいた他の人質たちは事前の仕込みによって首をはねられたところをシュンによって蘇生されたものの、彼は一人捨て置かれた。
レストン
第3王子。組織にとらわれない自由人。
裏ではエルフとのコネクションを有しており、岡に「勇者」を引き継いで危険な身の上になった弟シュンの保護を依頼している。
ヤーナ
勇者ユリウスと対になる聖女。
光魔法と回復魔法を得意とし、ユリウス一行を後衛役として支えた。人魔大戦で第十軍団長“白”の腐蝕攻撃を受けて死亡した。
ジスカン
ホーキン
クレベア
シュンの侍女。剣術指南役でもある。

レングザンド帝国[編集]

ロナント・オロゾイ(Ronandt-)
  • 主な所持スキル:獄炎魔法、治療魔法、空間魔法、鑑定、痛覚無効など
史上最年少でレングザント帝国筆頭宮廷魔導士に就任し、現在もその地位にあって人族最高の実力を誇る老魔法使い。一見すると気さくな人物だが、その実奔放で身勝手。些事を厭って周囲にぶん投げることも多いが、魔法のこととなると目の色を変える「魔法馬鹿」である。
かつては己の実力を鼻にかけ世界で並ぶものなしという自負に満ちていたが、エルロー大迷宮の調査に随行した際に主人公に出会ったことが人生の転機となった。
主人公に危うく殺されかけそうになったものの、スキル「魔導の極み」を見出したことがきっかけとなり、彼女の魔法の実力を理解。上には上がいるという事実を前に無力感と謙虚さを覚え、自己鍛錬に精を出すようになった。弟子に対してもこの経験は幾度も説かれており、内心では死に急ぐことを愚と思って何よりも嫌っている。
その後は主人公のことを勝手に師と仰ぎ、数々の奇行を繰り返す。主人公の影を追って大迷宮に転移し、Web版では魔王から産卵のスキルで逃げてきたことで弱体化した主人公と共に修業した。書籍版では主人公は不在だったが、彼女の残した蜘蛛たちの生存競争に感激を繰り返し、全裸となって修行に励んだ。その中でギュリエディストディエスと出会うなどしたことで自分が魔導の真髄を目指すことになった原点を思い出す。混乱の中、幼い勇者ユリウスの覚悟を見て老いた自分に代わって人族の守護という目的を託すにはふさわしいと判断したことで、彼を弟子に取った。
人魔大戦では戦線のひとつを受け持って参戦し、軍団長の一人を討ち取るなどの活躍を見せた。
シュン一行がレストン王子とアナバルド公爵夫妻の奪還を目指し王宮に襲撃をかけた際はちょうど防衛に当たっていた。長距離狙撃じみた正確かつ高威力の魔法によって、彼らに力の差を見せつけたが、距離を詰められたところで教え子の弟に情けをかけ、全力とも本意とも思えないやる気のない言葉を残して撤退した。
オーレル・シュタット(Aurel Stadt)
ロナントの弟子兼世話係の、御転婆眼鏡少女。貧乏田舎貴族の末娘で、主の巻き起こす奇行に対し、齢8歳にして舌鋒鋭くツッコミを入れる剛の者である。
能力や素質は非常に優秀で、黙っていれば見た目も良い。しかし「~っす」と語尾につける独特の口調が邪魔をしている。そのせいで苦労もしているのだが、本人に直す気は無い。勇者ユリウスのロナントへの弟子入りの後に彼女自身も師事することになり、幼くして最上位系統の魔法を扱えるまでに成長した。
ブイリムス
レングザント帝国の召喚士。魔物を使役する「調教」のスキルを持つ。帝国の調査隊が確認した「迷宮の悪夢」の使役、もしくは討伐を命ぜられ、付けられた精鋭およびロナントと共にエルロー大迷宮に派遣される。その結果主人公と交戦する羽目になり、部隊を全滅させられ自身も重傷を負う。長く家に帰れない中で、ようやく生まれた我が子の顔を見るのを楽しみにしていた矢先の出来事だった。
その後、部隊全滅の責任、危険な魔物を世に解き放ってしまった責任、その際に出た被害の責任を取らされ、魔の山脈に左遷されてしまう。巻き返しのために、特異なゴブリン(後のラース)の「武器錬成」のスキルに目をつけ、スキルで奴隷化する。最期は「憤怒」の支配者スキルを得たラースに敗れ、無念を表に出しながら息絶えた。
なお、彼の娘は転生者の一人であったことが作中で示唆されている。書籍7巻目次の背景に描かれた調査リストによると女子では唯一レングザンド帝国出身の「手鞠川咲」が該当する。
ティーバ

魔族勢力[編集]

バルト・フィサロ(Balto Phthalo)
魔族を動かす実務担当。公爵位に就き、首都周辺を統治する。また、先代魔王の時世から魔族領の政治の要として日々の激務に耐えてきた。
第四軍団長も兼任していたが、魔族全体を見るために、後にメラゾフィスに団長の座を譲った。魔王の圧倒的かつ底知れない実力を理解しており、彼女の采配によって魔族に無意味に見える犠牲が出る現実に対して歯噛みしながら従っている。
アーグナー・ライセップ(Erguner Ricep)
第一軍団長。人族領と直接対峙する領地を治める「辺境伯」。
バルトをして魔王になると相応しいという実力と風格を兼ね揃えた古参軍団長で、軍事の中心人物でもある。疲弊した魔族領をエルフから引き出した援助まで密かに用いてある程度立て直し、規格外の強者であるアリエル相手に面従腹背の態度を取っていながら尻尾を掴ませない食わせ者。
人魔大戦では人族側の最重要拠点である「クソリオン砦」の攻略を担当し、互角の戦力で攻め手に関わらず戦況を拮抗させるが、魔王によって召喚されたクイーンタラテクトによる無差別攻撃を受けて軍は壊滅的な損害を受けアーグナー自身も命を落とす。
サーナトリア
第二軍団長。
サキュバス族の血を引くと噂される肉感的な美女。策を弄すのを得意とする。暴君として振る舞う魔王アリエルを打倒するため裏でコゴウをはじめ他の軍団長と手を組もうとしているが、その動きを当の魔王からは見透かされている。
人魔大戦ではアノグラッチの群れを人族にけしかけ、攻略を担当した「オークン砦」を自軍を無血のまま壊滅させた。
コゴウ
第三軍団長。
たどたどしい喋り方が特徴的な巨漢で、見た目通りあまり頭の回る方ではない。犠牲を払う人族との戦争を憂いている。
メラゾフィス(Merazophis)
第四軍団長。吸血鬼。
詳細は、「主人公サイド」の「メラゾフィス」の項を参照。
ダラド
第五軍団長。
魔王へ忠誠を誓う武人。
ヒュウイ
第六軍団長。見た目通しの若齢でありながらこの地位に上り詰めた魔法の天才だった。
人魔大戦ではロナントによる攻勢に晒され、戦死した。
ブロウ・フィサロ(Blow Phthalo)
第七軍団長。バルトの弟。
理知的な兄とは正反対で見た目も言動も粗野な人物だが、性根はまっすぐで公務にも真面目に当たっている。主人公に一目惚れしているが、第一印象のままの蛮行を働いたことから、当の本人からは内心「チンピラ」扱いされている。その手前、彼なりに不器用でわかりやすい好意を向けていても届いているとは言えない。
恐怖政治を敷く魔王相手にも突っかかっていく反骨心旺盛な性格。人魔大戦で勇者ユリウスと一騎打ちに挑み、敗死した。
書籍版では、第四軍所属であり、忙しい兄に代わって軍団を動かす、実質的な第四軍の指揮官となっている。
ラース 
第八軍団長。その正体は、魔物に転生した転生者のひとりである笹島京也。
詳細は、「主人公サイド」の「ラース」の項を参照。
黒 
第九軍団長。その正体は、管理者のひとりであるギュリエディストディエス。
詳細は、「主人公サイド」の「ギュリエディストディエス」の項を参照。
白 
第十軍団長。
色白な肌に純白のローブを纏った、すべてが真っ白な少女。勇者ユリウスを腐蝕攻撃で殺害した張本人。ソフィアからは「ご主人様」と呼ばれ、彼女が逆らえない対象。
フィリメスの「生徒名簿」で「死亡」と判断されたはずの転生者・若葉姫色と同じ容姿をしているが、彼女やその転生先と自覚している白織との関係性は不明。

その他・不明[編集]

ポティマス・ハァイフェナス(Potimas Harrifenas)
太古からエルフの頂点として君臨し続ける族長。一族からは神のような存在として敬されている絶対的存在。自分以外のすべての存在を見下している傲岸不遜なエゴイストで、一々他人の感情を逆撫でせずにはいられない無礼な言動が特徴的である。彼にとっては自分の子も多少価値のある駒に過ぎない。
その正体はかつてシステム適用以前の世界でMAエネルギーを発見し、成果物である兵器の設計図を世界各国に持ち込んだ天才科学者。ある目的のため一貫して動いているが、そのためには生命倫理など溝に捨てるような実験や成果を見せ、世界を破滅の間際に追い込んでおきながら素知らぬ顔で居続ける。そのためアリエルをはじめ、彼の本性を知る者からは蛇蝎の如く嫌われている。
長年に渡ってエルフの里から出てこずに、世界各国に手駒を用いた情報網を築く程度で研究はともかく積極的な活動は行っていなかった。手元に転生者のひとりである「岡」が来たことをきっかけに他の転生者に興味を持ち、表向きは彼女の希望に沿う形で誘拐を行ってその多くを手元に拉致した。その過程の中で古くからの敵対者であるアリエルやダスティンとの抗争を激化させる。
様々な陰謀を巡らせつつ、シュンらとはアナレイト王国に親善大使として赴任することで接触する。ユーゴーたちが引き起こした王国クーデターによってソフィアの手にかかり死亡したかに思われていたが、生存していた。生存のからくりは外界では彼の外見を模した機械人形グローリアなどが代わりに動いているため。それらを叩いたところで本体に痛手を与えることはできない。その後も機械仕掛けの身体に意識を宿した姿が度々本編に登場するが、現在のところ、生身の彼自身が登場したことはない。基本的にスキルに頼らないか無効化する戦法を利用するが、アリエルによると彼も支配者スキルのひとつ「勤勉」を所有している。
書籍版では、かつて彼が設計した対龍兵器の暴走によって星そのものに危機が訪れたことから、敵対関係であるダスティン、アリエルおよびギュリエディストディエスと共闘。しかし、提供した侵入用兵器にわざと欠陥を残していたり、隙あらばアリエルと主人公の殺害を企てたりと、己の身の危機的状況さえも利用して敵を排除しようとする。
サリエル
異世界の女神。神言教と女神教の信仰の対象でもある。
D
世界最悪の邪神を自称する謎の女性。作中ではその多くの場面で唐突に出現させたスマホを介し声だけで出演するが、底知れなさと美しさや意図を示しつつ、何の感情も悟らせない恐ろしい存在であることを表している。他に「死神」や「邪神」、「最終の神」などの異称も並びたてられる、神の世界でも屈指の実力者である。
作品の舞台となった星における管理者の一人に一応数えられているが、ギュリエディストディエスらとは隔絶して強大な存在である。直接世界の創造や管理運営に携わっているわけではなく、システムを提供しただけだと本人は語る。神らしく人間のことを観察するに留めて直接的な干渉を避ける超然とした存在だが、それとは別に愉快犯的な言動や悪戯が目立つ。本人は邪神だからと言ってそれらについて悪びれる様子を全く見せない。予定調和を良しとせず、不確定であることに重きを持ち、結果がどう転んだとしても面白いか否かを行動原理とする。
実は教室で起きた魔法の炸裂の際、D自身もそこにいた。本人にはほとんど影響がなかったものの、自分の巻き添えになって死んでしまった者たちに最低限の道義的責任を感じたことから、彼らの魂を保護して異世界に転生させた。つまりは物語の元凶の一人。
一方で蜘蛛に転生した“私”に対しては例外的に唐突に出現させたスマホを介して接触し、暇潰しのおもちゃ呼ばわりしながらも助言をするなど、明らかに気に入った素振りと肩入れを見せている。 
主人公が神化した際に、一時的に保護する形で自分の元へ召喚。その際に、主人公はDの顔を見たら自分がどうにかなるような恐怖感に常に苛まれていた様が描写されていた。後に、現代日本に呼ぶ形で二者は邂逅を果たし、主人公は自身が一体どのような存在であるかを知ることになる。
マザー
全世界に五体存在したクイーンタラテクトは魔王アリエルに直接分身として生み出された魔物。推定全高30mを越える巨体と平均2万台のステータスを有する。記録では歴代勇者の一人が軍勢と共に刺し違えたのが唯一の討伐例と伝わる、冒険者にとっては挑むこと自体が論外な神話クラスのモンスターである。
ここではエルロー大迷宮最下層に巣を構え、主人公の転生先となったスモールレッサータラテクトを「産卵」した一体を指す。マザーは迷宮内の全タラテクト種の親となる存在であり「眷属支配」のスキルを用い、ピラミッド構造の頂点に立つことで巨大な群れを支配下に置いていた。やがて彼女は迷宮内で急激な成長と進化を重ねた主人公を発見する。これに対して直接精神干渉を行うものの、それを主人公が察知したことから彼女とその傘下にあるタラテクト種、主人であるアリエルをも巻き込んだ戦いが幕を開けることになった。
マザーの呼称は転生直後の主人公が名付けたものだが、双方にとって親子の情といえる物は皆無。マザーも高い知性を持っていたようだが、結局一度たりとも会話を交わすことは無かった。その後の経緯として直接戦闘は無謀と判断した主人公が双方の魂のつながりを利用して、彼女の魂に自分の分身といえる「並列意思」を流し込む。
外道攻撃の応用で魂を少しずつ削っていくことで現実での弱体化も待った。ただし、その後の展開はWeb版と書籍版で大きく異なる。
地龍アラバ
地龍の一体で、エルロー大迷宮下層から最下層にかけてテリトリーを構える。他の龍同様、アラバは固有の名前である。
主人公に初めて明確な形で死の恐怖を味合わせ、誇りのためにもやがて越えなければいけない壁として認識した因縁の相手。上層から下層へ落下した際、下層から縦穴を利用しての脱出を試みた際の二度に渡って主人公の前に現れ、見逃すかもしくは気づかずに去っていった。やがてステータスを同等にまで近づけた主人公との間に激戦を繰り広げる。
平均ステータス4千台、隙ない耐性と龍固有の優秀なスキルを備えた強敵。その上、最下層で同等のステータスを持つ魔物相手に危うげなく勝利を収める知能の高さと豊富な戦闘経験を有した。他の地龍同様、強者を認め尊ぶ価値観を持っていたようで主人公との間に互いに会話を交わすことこそなかったものの、敗北した際には彼女のことを認め讃えるように穏やかな瞳のままに死を受け入れた。
アラバの撃破から数日後、主人公はエルロー大迷宮からの脱出を成功させ、マザーとの戦いを本格化させることになる。
風龍ヒュバン
書籍版のみ登場。翼竜を想起させる姿を持つ風龍の一体で、サリエーラ国・レングザンド帝国間に存在する荒野地帯をテリトリーとする風竜/龍たちのリーダー。彼らは旧文明時代の爆弾によって汚染された大地を浄化するという役目を担っている。
口調も性格も軽薄な気取り屋だが、どこか憎めない三枚目的役回りの龍。外見はともかく言動は誇り高い龍の枠に入らないが、一方で除染任務は真摯に果たし、浮上したGフリートを食い止めるべく動員された際は勇敢に死さえ覚悟のうえで戦った。主人公も第一印象のチャラさをずっと引きずりながらも、自身を乗せながら華麗な空戦を成し、敵要塞内への突破口を開いた実力を見て認識を改めている。
最古参の龍の一体ということもあり、速度は3万の大台に乗り、他ステータスも控えめながらも1万以上を数える紛れもない強者。Gフリート落着後は生還し、部下の竜たちとともに同要塞の解体などの新たな任務に従事している。
氷龍ニーア
書籍版のみ登場。氷の彫刻や女性的な優美さを思わせる優美な輪郭を持つ龍。人族と魔族の領域を隔てる天険「魔の山脈」の頂点に立つ存在でもある。
性別は女性で口調や性格も高慢で古風な姫を思わせるものだが、遠回しな言い方で好物の酒をねだったり、主へ確かな忠義心を持ちながらも生き汚いところがあるなど、内面は意外と俗っぽいところがある。彼女のテリトリーが常時氷雪と極低温に覆われているのは自身の影響あってのものらしく、その他に地龍ガキアに次ぐ堅さを持つと豪語するなど防御力も非常に高い。
龍としては珍しく搦め手も積極的に用いる老獪さを持つこともあって、これらを駆使して持久戦に回った彼女を倒すのは困難を極める。
本編中では理性なきままにテリトリー内を荒らし回るラースに不快感を覚えつつも彼と遭遇。主君であるギュリエストディエスから受けた転生者は手出し無用との通達を一応守り、境遇を憐れんだこともあって、放置したうえで凍死を待つ方針に切り替える。その後は通行の自由を求めるアリエルに主の威光を借りて挨拶を交わすが、既に開き直っている彼女からは一方的に脅されるという形で終わった。
しかし当のラースは生存しており、思うように動けない主君から足止めをせよという命令を受け、彼女の眷属である多くの氷竜/氷龍たちを使い潰す羽目になる。
自身も無力化のために交戦せよという任に嫌々ながら当たるが、ラースに自慢の防御を切り崩されて重傷を負う羽目になった。

用語[編集]

世界観[編集]

人族
魔族との間で世界の文明圏を二分する知的種族。
他作品の一般的な人間種族と比べて明確な差異はない。
魔族
人族との間で世界の文明圏を二分する知的種族。
人族に比べ、長命で老化も遅く強さにおいて平均的には勝るが出生率が低く人口で劣る。その他、外見で明確に人族との間に区別できるような違いは存在しない。
人魔大戦
エルフ
特徴としては尖った耳介とほっそりとした肢体や極めて長命で秀麗な容姿を持つ、ファンタジー作品における典型的エルフ。成長速度は人族の1/2で寿命そのものは10倍以上。森で暮らす菜食主義者で、弓射や魔法に長けている。
種族全体の傾向として、自尊心が強く他種族に対して極めて排他的である。特にハーフエルフに対する蔑視感情が色濃い。世界最高峰の魔物でも突破不可能な結界に守られたエルフの里に本拠を構えており、東京二十三区程度の面積を持つそこで自給自足して暮らしている。その実態はポティマスが自身の手駒として作ったクローン。大多数のエルフは「量産品」でフィリメス(岡ちゃん)はちょっと手を入れた「カスタム品」。そのため個体によっては能力や老化の仕方に差異がある。
管理者(かんりしゃ)
作中の舞台となる星で適用されるスキルなどの「システム(後述)」を管理する役割を担う人物の総称。
俗に「神」とも言われ、それに相応しい強大な権限を有しているがシステムの最高責任者であるDによって制限が掛けられており、十全にその力が振るわれる機会は少ない。システムそのものには影響を受けていないため、システム下の星から離れても高度な魔術構築に由来する強大な力に制限はかかることはない。
魔術(まじゅつ)
魔力を認識し、加工することで様々な現象を引き起こす技術体系。システムはこれに則って運用されている。
狭義の「管理者」もしくは広義の「神」は魔術をごく自然に行使することで超常の現象を引き起こす。システム内ではステータスとして認識される強大な身体能力や魔法構築なども本来は「神」が一から構築したものをシステム内存在は仕組みを理解せずに受益しているに過ぎない。本来は力とその行使者という形でセットになった関係である。結果として得られる現象は同じだが、システムを介さず魔術を使用する難易度は高い。
MAエネルギー
星の生命力や万物の魂に言い換えられる根源的エネルギー。
作中の舞台となった星で過去人間が発見したが、それと前後して当時星に在住していた真なる龍族との間に戦争が勃発する。生存競争の中で、人間はMAエネルギーを用いた兵器を多く開発運用し龍に対抗しようとするが、これらの乱用によって枯渇は一気に加速することになり当然の帰結として星自体の命運も途絶えかける。戦争の当事者だった龍族も一人を除いて星を去った。
その結果、現代の地球を凌駕するまでに栄えていた機械文明は崩壊し、一気に文明レベルが退行した。それと同時期に後述のシステムが星に適用され、かつての文明の記憶もその後の混乱と時間経過によってごくわずかな識者の記憶に残る程度にまで失われてしまう。現代日本から高校生たちが転生してきたのはそれから長い時間が経ってからである。
グローリア
ポティマスおよびその配下であるエルフが開発、製造した機械兵器。一般のエルフにはその存在を秘匿されており、運用に携わる者は限られている。
ポティマスそのままの外見を取りながら実質はアンドロイドで、両腕に機関銃と光弾を発射する砲を搭載した最新型を皮切りに作中では様々なタイプが登場している。
転生者(てんせいしゃ)
現代日本の一般的高校生+担任教師だったが、冒頭で謎の攻撃に巻き込まれて死亡。本作の舞台となる異世界に転生してしまった男女の総称。
転生者には後述のスキルポイントや魂と相性の良い「固有スキル」が付与され、強者に成長しやすい傾向にある。また、転生前後を問わず見目麗しい容姿に生まれるが出生後の環境はまちまち。幼児期に命を落としかねない過酷な環境や、人族ですらなく生存競争を強制される魔物に生まれてしまった者も存在する。性別が変わったり前世とは違う種族に転生した者は人間基準の美的感覚を持ちながら種族的な感覚が強くなっており、異種族(または「同性」)となった存在には異性としての魅力を感じなくなっている。
魔物から進化を重ねて人間に近い姿を獲得した場合、前世に似た顔貌になる。ちなみに主人公は誕生した時点で自力活動可能だったため、大半の転生者より10年以上早く活動を開始している。生まれたのも半年ほど早く、アラクネに進化した時点でも他の転生者は1歳児程度の時期だった。
冒険者(ぼうけんしゃ)
人族の生活圏に侵入した魔物を駆除する職業者。有力な魔物の発生を確認した場合、その芽を摘むための間引きにも当たる。
討伐する魔物にはステータスやスキル、生態などを考慮した上で難易度を設定している。内訳は成人男性なら特に留意を必要しない最低クラスの「F」から龍など軍勢規模の動員や各国を代表する強者を必要とする「S」まで幅広い。あくまで人族の強さに準拠した格付けであるため、それを越えた強さの魔物は「オーバーSランク」もしくは太古から存在している「神話クラス」などと呼ばれ、ほぼ対処不可能なものとして扱われる。
勇者(ゆうしゃ)
人族の守護者たるものに贈られる称号。魔族の王としての称号である「魔王」とセットとなった存在であり、同時期に一人しかこの称号を付与されることはないため、唯一性が保証されている。魔王が圧倒的強者に与えられる称号であるため、魔王に対して「一時的に致命的打撃を与えうる力を発揮する能力」をもつ。
また、称号とは別にスキルとして「勇者」や「魔王」も存在する。
ダズトルディア大陸
全域が人族の勢力圏に当たる大陸。
カサナガラ大陸
世界最大の大陸で人族と魔族が争う地。
エルロー大迷宮
二つの大陸を地下でつなぐ、巨大な地下洞窟。大陸間の水上交通が水龍の跋扈によって寸断されている中、貴重な陸路として人族の間では重宝されている。
大まかに最下層・下層・中層・上層に分かれる、異世界最大のダンジョンである。ただし、生息するクイーンタラテクトが地形をブレスなどによって激変させることもあり、構造と言っても大まかな区分でしかない。主人公が数ヶ月で踏破した面積から推察したところ、その一部だけでも北海道に匹敵すると推定した。
上層
大迷宮の入り口となる、一般的な洞窟のイメージに最も近い階層。マザー=クイーンタラテクトの産卵ポイントであり、つまり主人公が生まれた場所でもある。
生息する魔物は比較的弱いが、毒など搦め手を持つ種も多い。二つの大陸を行き来する交通路としても利用されているのは主にここで、冒険者以外の商人や旅人、調査目的の人物・集団をガイドする「迷宮案内人」と呼ばれる職業も存在する。
中層
灼熱のマグマが流れ、炎への完全耐性を持つ火竜種が悠々と泳ぎまわる階層。冒険者にとっては侵入を試みる階層ですらない。
上位の竜種を除けば、全般的な魔物の強さは上層と大差ないが種族的に火に弱いタラテクト種にとっては侵入、落下自体が致命傷になりかねない地形となって立ちはだかる。主人公は下層でのアノグラッチの大群との戦いを経て中層への道を発見。地形に試行錯誤しながら火竜との戦いを繰り返してレベルを大きく上げていった。
下層
中層の下にある階層。上層と比べ、生息する魔物の強さが一気に跳ね上がる。
中層を経由する通路以外に、マザーが上層との行き来のために貫通させた巨大な縦穴などでも繋がっている。人族にとって未踏の領域ではないのはここから落下して生還したわずかな者の証言による。
最下層
最深部に位置する階層。クイーンタラテクトや古株の地龍などが棲んでいる。

魔物[編集]

竜、蜘蛛などを筆頭に人族魔族問わず被害をもたらすモンスターの総称。いわゆるゴブリンなどの亜人も魔物に含まれる。
自然発生するわけではなく繁殖活動を行い生態系を築くなどは通常の生物に近いが、生存競争を潜り抜けて一定のレベルに達した魔物は「進化」[注 10]という現象を経て爆発的に能力を上げていく。
その結果、ステータス面で人間を凌駕することになるが高位の竜などを除いては知性に乏しい。また、自意識を持っていてもスキルを自発的に鍛えるという発想を持つものは皆無に等しいため、災害クラスの魔物を除けば人族や魔族でも太刀打ちできるものになっている。
タラテクト
蜘蛛型の魔物の総称。
蜘蛛糸と毒牙のスキルをデフォルトで有する。一般人にさえ討伐が可能な最下級の「スモールレッサータラテクト」から一挙一投足が災害になる最上位種族「クイーンタラテクト」まで同じ進化ツリー内でも強さ・大きさのばらつきが非常に広いことで知られている。
ちなみにこれらの魔物は獲物を直接咀嚼しており、現実の蜘蛛に見られる体外消化は行わない。
スモールレッサータラテクト
劣化種(レッサー)や幼体(スモール)と名がつく通りタラテクト種でも最弱の種族。迷宮内の食物連鎖でも最底辺に当たる魔物で、体長も1メートル程度とタラテクト種としては小型[注 11]である。
一桁台から始まるステータスに加え、知能も低く大抵は愚直に突っ込むことしかしないので討伐は容易である。ただし稀に造網性の個体がおり、巣自体は非常に頑強なため危険性が跳ね上がる。本体と蜘蛛糸は炎に弱いため、冒険者は対策として着火手段を用意することがセオリーとなっている。
順当に巨大化もしくは、蜘蛛という生物としての精度を突き詰めた上位の種族に「レッサータラテクト」→「タラテクト」→「グレータータラテクト」→「アークタラテクト」という進化ツリーが存在し、いずれもクイーンタラテクトが支配下に置いていた。
一方、主人公は迷宮内で小回りが利かなくなる巨大化を嫌い、また上位の進化を視野に入れて出発点であるこの種から「スモールタラテクト」→「スモールポイズンタラテクト」→「ゾア・エレ」といった小型のタラテクト種を進化ルートとし、強くなっていった。
ゾア・エレ
前一対の歩脚先端が鎌状に変化した蜘蛛の魔物。進化条件は「一定以上のステータスと暗殺者の称号を持つ小型の蜘蛛型魔物」であること。鎌状の脚を用いることで極めて強力な「腐蝕攻撃」が可能。以後の進化形態すべてに受け継がれることになる。「腐蝕攻撃」によって相手を滅すると共に自身も自滅することから不吉を表す蜘蛛の魔物と言われており、魔物としてはCランクながら「腐蝕攻撃」にさえ注意していれば対処は難しくないとされる。
ゾア・エレに進化してから後述のアラクネに至るまで人族に目撃され、恐怖と慈悲を振りまき続けた結果が主人公に対する異称「迷宮の悪夢」である。
エデ・サイネ
進化前のゾア・エレと同様に前一対の歩脚先端が鎌状で、全体的に黒いが背中に白い髑髏模様を持つ蜘蛛の魔物。進化条件は「ゾア・エレLv20」であること。
進化の際に「腐蝕耐性」を得るが、それ以上に強力な腐蝕属性の「死滅の邪眼」をも得るため、ゾア・エレと同様に普通は自滅するように設計されている。
ザナ・ホロワ
ゾア・エレから派生する蜘蛛型魔物では最上位に位置し、進化ツリー上ではクイーンタラテクトに匹敵する魔物。
管理者Dいわく進化ツリーの途上で腐蝕属性で自滅を誘導するという設計上の罠を配したため、今までに発生が確認されていない種である。一部の攻撃を除けばシステム内で殺害されることがなくなるというスキル「不死」を有している。
アラクネ
蜘蛛の頭部に当たる部位から人間の腰から上の上半身を生やした半人半蜘蛛の魔物。進化条件は『「傲慢」を保持した小型から中型の蜘蛛型モンスターがレベル50に達すること』という厳しい条件を有する。「傲慢」が支配者スキルであり作中の世界では一人しか取得できないため、アラクネも常に1体以上は存在しない魔物となっている。
高レベルの「鑑定」で閲覧できる進化ツリーで存在を知った主人公がコンピューターRPGに見られるデザインを鑑みて魅力的な進化先として認識する。人間とコミュニケーションを取る手段は何かと考え、消極的かつ便宜的な目標として設定した種族であるが、マザーを撃破し魔王の襲撃を切り抜けた主人公が紆余曲折を経て進化しただけあり、進化直後でもステータスは平均3万台に達した。彼女の感激は格別で、前世の記憶にある「若葉姫色」そのものの姿を得たことで狂喜のあまり小躍りしていた[注 2]が、アリエルたちとの旅の途上では下半身が蜘蛛ということもあって人の街に赴くことができず、街から離れた場所で留守番させられていた。
戦闘面でも糸も出せる器用な指先や広く旋回可能な視界を持つ上半身を得たことで融通を増しており、従来の蜘蛛型の半身の頭脳もそのまま柔軟に姿勢制御を行うなど、二つの身体に二つの脳を持つ、蜘蛛に騎乗した人間とでもいうべき存在となっている。そのため、仮に片方の頭脳がやられても、もう一方の頭脳が生きていれば死ぬことはなく普通に行動可能となる。
ちなみにタラテクトにとっては通常の進化ツリーから外れた種として設定されており、ザナ・ホロワ同様に人族にとっては未確認の種族である。なお、蜘蛛型の半身の前脚2本は依然として鎌状となっており、主人公はこの脚を自ら切り落として人型が用いる武器として用いることとした。
悪夢の残滓
エルロー大迷宮に出没するタラテクトの亜種。かつて「迷宮の悪夢」と呼ばれた魔物と似た姿と生態をしていることからそう呼ばれる。「念話」を介した人語による意思疎通を可能とする高い知能を持ち、高レベルの魔法を使いこなす。個々が各国の精鋭によって討伐が可能というレベルの強さを持っている上に、巨大な群れも形成している。その正体は主人公が自身のスペアとして「産卵」のスキルで生み出したものだが、Web版と書籍版では成立した経緯が異なる。以下書籍版での経緯。
マザーを通じた「眷属支配」は途切れているためアリエルではなく、主人公の眷属という形になっている。当初は主人公から分離された(アリエルと融合した元・身体担当を除く)9体の「並列意思」が管理していたが、喰らったマザーの魂の影響で人間を嫌悪し、全滅させることが解決の早道という短絡的発想に至り、「産卵」と迷宮内の生態系を壊すことも厭わない強引なレベリングによって無数の眷属による群れを手駒として形成する。 
彼女たちは群れを率いて手始めとしてケレン領都に攻め入ったが、ギュリエストディエスの警告によって早期の内に察知した主人公と交戦。主人公とはスキルやステータスを共有する関係にあったが、魂に変化が生じていたためかスキルの主導権は主人公(本体)に握られており、9体すべてが宿っていた肉体を破壊されて、本体に回収された。残った自我も希薄な無数の眷属は主人公による大規模転移魔法によって元いた大迷宮に逆戻りすることになる。
パペットタラテクト
アリエル直属に当たる人形型の魔物、通称「人形蜘蛛」。本体に当たる手のひらサイズの小型の蜘蛛が心臓部に存在しており、糸を介して人型を操作している。6本の腕にはそれぞれ武器を握り、平均ステータスも1万台と高い。マザーに攻撃を仕掛けた主人公の下にアリエルからの援軍として送り込まれ、対人戦闘経験に乏しい彼女を苦戦させたが罠によって11体中7体は撃破される。
残る4体は主人公の監視も兼ねてアリエル一行と行動を共にする。当初はマネキン同然の粗末なルックスだったが、主人公が外装の人形へ糸を駆使した魔改造を施したことによって人間と見分けがつかない美少女へと驚きの変貌を遂げた。この際、主人から「アエル(Ael)」「サエル(Sael)」「リエル(Riel)」「フィエル(Fiel)」と個体名が与えられている[注 12]。主人公曰く、女子力高いらしい。
竜/龍
異世界においてタラテクト種と対を為す強大な魔物。
下位の竜は野生生物とさして変わらない知能しか持たないが、進化を繰り返した上位の竜は相応の知性を有する。長く歳を経て竜から進化した「龍」に至っては個体名を持っており、種族の傾向に従いつつ個性豊かなステータスと性格を有する。また、上位竜以上は「逆鱗」など竜種特有の優れたスキルを持っており、魔法をはじめとした防御耐性が非常に高い。それに加えて象徴する属性を完全に無効化する。
エルロー大迷宮に生息し、全般的に爬虫類や陸生の恐竜に似た姿を持つ「地竜(龍)」」、同じく大迷宮の中層に居を構え海棲生物に似た下位竜から西洋竜に似た上位種へ進化していく「火竜(龍)」、その他に鮫や首長竜に似た「水竜(龍)」など多種多様な種が存在するが、最上位の龍はいずれも希少である。
エルローゲーレイシュー
大迷宮下層に生息。外見と動きを見てタニシと虫を折衷した印象を抱いた主人公からは「タニシ虫」という通称で呼ばれている。
緩慢な動きで地面や壁を這いまわる小型の魔物で、生息数も多い。攻撃性はないが腐蝕属性を持っており耐性を持たない状態で食らうことは即、死を招く。散々毒持ちの魔物の味を経験してきた主人公をして筆舌にし難い凶悪な味だったらしく、初見でなんとなく食べてみた際はHPをすり減らしながらも、既に持っていた腐蝕耐性もあってなんとか完食している。
アノグラッチ
大迷宮下層や人族・魔族境界地帯などに生息。定期的に大繁殖しては巨大な群れを形成する猿の魔物。後述の行動を引き起こす固有スキル「復讐」を有している。
個体が死の淵に瀕した時、叫び声もしくは何らかの信号を発して群れの本体にそれを伝達、群れはどのような犠牲を払おうとも殺害の下手人を特定して追い詰め殺すという性質を持つ。この生態は人族や魔族にも、通称「復讐猿」と呼ばれるこの魔物に手を出すことをしてはならないという不文律で伝わっている。
その性質を知る由もなかった主人公は下層探索中、単独で行動していた個体を殺害。所属していた群れ全体による復讐の標的になってしまう。ちなみに襲い掛かった第一陣だけでも50体以上、全体を数えると更に膨大な数を主人公は相手にしたが、それでも同種の中では最小規模の群れに過ぎなかった。
バグラグラッチ
上記アノグラッチの進化形。進化前と比較すると、鰐のように突き出て獰猛な印象を与える大顎が特徴的。
時にアノグラッチの群れに紛れるが、進化前と異なり少数で行動する。ステータスも平均攻撃・防御・速度が500程度に上がっているが「復讐」のスキルを持たないため、危険性が進化前に比べて落ちるという珍しい魔物である。
アノグラッチの進化形ではあるが群れのリーダーではないためか、バグラグラッチが窮地に陥っても他のアノグラッチが救援行動に出ることはないようである。

国家・組織[編集]

アナレイト王国
ダストルディア大陸の有力国家。シュンやカティアの転生先。西端部に、エルロー大迷宮のダストルディア大陸側からの侵入口を抱えている。
サリエーラ国
カサナガラ大陸南端部を支配する国家。ソフィアの転生先ケレン領は、この東端部に位置する。
オウツ国
エルロー大迷宮のカサナガラ大陸側からの侵入口を抱える国家。
レングザンド帝国にとっては実質属国扱いされる小国で、大迷宮から得られる富によって国を成り立たせている。魔物を監視するための砦が「迷宮の悪夢」によって崩壊させられ、当の魔物が不仲のサリエーラ国ケレン領内でほぼ無償で治癒を施していると知ったため、それを口実に他の神言教国家からの協力を取り付けたうえで戦争を仕掛ける。
レングザンド帝国
カサナガラ大陸における人族最大の国家。
魔族との勢力争いの最前線に立つ強国。元首およびその太子の号は「国王」と「王子」だが、強さを尊ぶ気風から初代国王の異称を取って国王は「剣帝」とも呼ばれる。
神言教
スキルの獲得やレベルの上昇に伴って、システムの影響下にあるものの意識内にはその情報を伝えるシステムメッセージが流れる。この声を神の言葉として崇めるのが「神言教」である。
宗教国家「聖アレイウス教国」を総本山とする異世界最大の宗教で、最高位の聖職者である教皇は人族最大の権力者と言われている。勇者およびその補佐を行う聖女の認定にも携わり、教えは人族の間に広く浸透しているが、ひとことでいえば「神の声をより多く聞くために、スキルやレベルを上げよ」というもの。
自然発生するにはいささか無理のある教義である通り、興りは一人の男が人族を存立させ続けるための方便として作り上げたものである。
女神教
神言教に次いで有力な宗教で、サリエーラ国の国教。女神を崇め、日々感謝を捧げることを旨とする。その教えはひとことで言えば、「スキルを捧げれば救われる」というもの。
実は神言教も女神教も、信じる神は同じ。しかし人族の中でそれを知るのは、神言教の中枢部に限られている。

システム[編集]

異世界において「スキル」や「ステータス」などを成り立たせている法則の総称。その実態は女神サリエルを人柱にして成り立っているものである。
従来から存在した通常の物理法則に上乗せする形で邪神Dによって設計されたが、彼女の趣味によって極めてゲーム的なものに仕上がっている。本来なら魔力に非常に複雑な工程を経由させないと発動しない「魔法」を比較的簡単に扱うことが出来るよう補助したり、自重を支えることも怪しい巨大な魔物が自由に動けたりと、効果は非常に広域に渡っており異世界の住人は意識しないまま日々恩恵を受けて暮らしている。
ステータス
後述のスキル「鑑定」によって閲覧可能となる数値化されたパラメーター。
種族名、レベル、個体名、HP(ヒットポイント、緑)、MP(マジックポイント、青)、SP(スタミナポイント、黄・赤[注 13])が数値と色分けされたバーで表示されるほか、平均的な攻撃能力・防御能力・魔法能力・抵抗力・速度能力、スキルや称号の一覧、所有するスキルポイントが表記される。なお、これらは鑑定のレベルによって読める部分は変化する。
レベル
他者を殺害することで得られる経験値を貯めることで上昇する、その種族としての強さの目安。レベルアップに伴い、ステータスが上昇しスキル熟練度にボーナスが入る。魔物の場合、低級な種族の場合は多くの場合10が上限でカンストすると進化先が提示される。進化を繰り返した先の上位種族であるほど上限レベルは上がっていく。なお、パーティーを組むなどして複数人が戦闘に参加した際、経験値は共同戦果として共有され、特定の魔物を倒す取得条件を持つ「龍殺し」などの称号もこの際は全員に認められる。
例外的に、転生者はレベルアップの際にダメージの回復と状態異常の解除がなされる。主人公は脱皮という形で行われた。

スキル[編集]

ステータス向上や魔法の使用、特定の属性攻撃の強化をもたらすなど様々な効果を持つ。種類は多岐にわたるが戦闘に役立つものしか存在せず、俗にいう生産系スキルは存在しない。多くの場合では特定の行動や訓練を繰り返すことで、精神系スキルの場合は様々な感情や思考を体験することによって獲得した熟練度が一定の値に達した際に取得、もしくはスキルレベルが上昇していく。「スキルポイント」を消費することでも獲得できる。スキルレベルは一部例外を除いて最高は10。カンストするとより上位のスキルがあればそちらに更新されるほか、新たに取得した場合も包括するスキルがあればそちらに統合される。
異世界の文明を成り立たせている存在だが、性質ゆえに一人が持てるスキルには限界がある。上層階級は体系的なスキルの知識を有しており、効率的に子女を育成している。なお、転生者が認識するスキル名や魔法名のほぼすべてが漢字による熟語表記に統一されている。
スキルポイント
レベルアップなどの際に加算され、そのポイント内でならスキルの取得を可能とする数値。知的生物はスキルを取得したい旨を意識することでシステムに問い合わせることができ、該当する名前のスキルが存在した場合、スキルポイントを支払うことで即座に獲得することが出来る。
ちなみに獲得に必要なポイントはスキルとの相性もあって各人で異なり、例としてカティアは「鑑定」を取得するのに1000P必要としたが、シュンや主人公は100Pで取得できた。転生者はスキルポイントが出生時にボーナスで付加されているが、カティアが「5万P」、シュンが「10万P」、主人公は「100P」など格差がある。
支配者スキル
他のスキルとは一線を画す強力なスキル。傲慢・怠惰・色欲・強欲・憤怒・嫉妬・暴食の七大罪シリーズと、慈悲・忍耐・救恤・節制・勤勉・謙譲・純潔の七美徳シリーズ、加えて「叡智」の15種類が存在し、スキル自体にも相当なステータス補正効果があるが、「○○の支配者」という称号も与えられてチート級スキルも取得、更なるステータス補正や取得スキルの解禁もされる。
効果および付属されるスキルは勿論のこと、支配者スキルの所持者は管理者に対していくつか要望を通す権限を付与されるという特徴を有している。その権限のひとつとして、このスキルを有する者は他者からの鑑定を妨害という形で弾くことができる。
ただし七大罪スキルは保有者の精神に多大な悪影響を与え、場合によっては自滅に導くこともある危険なスキルでもある。
傲慢(ごうまん)
取得する経験値と熟練度を大幅に上昇させ、各能力の成長値も上昇させる支配者スキル。
付属する「傲慢の支配者」は更に能力値を嵩上げする効果と、暗黒系魔法の最高位である「深淵魔法」と効果不明の「奈落」という2つのスキルを得る称号である。
怠惰(たいだ)
発動者を除く周辺の存在すべてのHP・MP・SPの消費を大幅に増加させる支配者スキル。
支配者スキルとしては例外的に精神に変容が生じないが、これは周囲の足を引っ張ることで強制的に怠惰にさせるという一種の皮肉を込めたスキルであるためである。
色欲(しきよく)
対象者に「催眠」「洗脳」「魅了」のステータス異常を付与する支配者スキル。被与者は従来の価値観を無視し自覚もないうちに、付与者の意のままに従わせられることになる。持続時間が極端に短い通常の「洗脳」に比べて「色欲」の効果は極めて強力であり、通常の手段での解除も難しい。
強欲(ごうよく)
殺した相手のステータス・スキル・スキルポイントを一部奪う事が出来る支配者スキル。
憤怒(ふんぬ)
自らを狂戦士と化す支配者スキル。理性を失う代わりに全ステータスを飛躍的に上昇させる。
戦闘力を飛躍的に上昇させるが肉体を制御不能となり、スキルが解除されるまで本能的に戦闘や殺戮を続ける。一度発動すると解除不能になる恐れもある。
下位スキルは「怒」およびその上位の「激怒」。主人公は下位スキルを獲得した際に一度試したが、その時点で危険と判断して以降は一度も発動していない。
嫉妬(しっと)
相手のスキルを強制的に使用不能とする(封印する)支配者スキル。発動が遅く時間を相当に要する欠点があるが、同等の支配者スキルにも有効。
下位スキルは「羨望」およびその上位の「妬心」。
暴食(ぼうしょく)
あらゆるものを可食とし、自らのエネルギーにすることが出来る支配者スキル。物質のみならず、魔法や結界なども対象になる。
慈悲(じひ)
システム内で唯一と思しき「死者蘇生」の機能を持つ支配者スキル。
MP消費は大きく、遺体の損壊状態や死亡から数分経過などで効果を発揮しなくなるなど制約も大きいが、最大のデメリットとして効果を発揮するだけで「禁忌」のスキルレベルが1ずつ上昇していく。ひそかに取得していたシュンは不安を覚えつつも大切な人の蘇生のために否が応にも発動する事態に追い込まれるが、最終的には自分を庇ったアナに使用したことで管理者Dが用意した「禁忌」の罠にかかることになった。
忍耐(にんたい)
MPを消費することでHPを1P残し、死亡を回避する支配者スキル。
付属する「忍耐の支配者」は防御・抵抗の能力上昇。邪眼系スキルの解禁。耐性系のスキル熟練度に+補正がかかる。外道耐性の最終形であるスキル「外道無効」と、システム内に蓄積された罪科に応じた抵抗不可ダメージを与えるスキル「断罪」を得る称号である。
節制(せっせい)
前世の記憶を保持したままの転生を可能とする支配者スキル。実質的な不死に等しくなる。
叡智(えいち)
主人公の何気ない愚痴を聞き入れた管理者Dが探知と鑑定を統合して作成した新たな支配者スキル。支配者を含む他者のステータスを一通り閲覧可能とし、存在するスキルと取得に必要なスキルポイントを全て確認できるという機能を有する。従来の探知に加えオートマッピング機能や一度鑑定したものの位置を把握する追跡機能も含有している。
付属する「叡智の支配者」はシステム内における魔法構築などを最大限にまで補助、補正するスキル「魔導の極み」と各種ステータスを+補正および成長補正するスキル「星魔」を得る称号である。
韋駄天(いだてん)
「速度」に上方修正をかけるステータス向上系スキル。ステータス項目ごとに各種ある同系統の中で「速度」における最高ランクのスキルである。
スキルレベル×100分、平均速度に補正がかかり、レベルアップ時にはスキルレベル×10分、ステータスに成長補正が乗る。
主人公は転生特典としてこのスキルを付与されていたため、出生直後からの生存競争を切り抜けることが出来た。ちなみに主人公の前世の記憶によると、当時ハマっていたオンラインゲームの持ちアバターの異名が「韋駄天のハゲさん」である。
同列のスキルとして「天命」、「天魔」、「天動」、「富天」、「剛毅」、「城塞」、「天道」、「天守」が存在し、それぞれHP、MP、SP(黄)、SP(赤)、攻撃、防御、魔法、抵抗に上方修正がかかる。
蜘蛛糸(くもいと)
蜘蛛型の魔物が有する初期スキル。
粘性や伸縮性などに優れた蜘蛛の糸を体内で生成し、体外に射出することが出来る。糸はレベル1の段階で現実世界の強度に比肩するほどに頑丈であり、主人公はこの糸を駆使して罠を張り、糸自体にも工夫や応用を重ねることで数多くの格上の魔物を拘束し仕留めてきた。
余談だが、蜘蛛糸は魔力伝達媒体としても優秀であり主人公が手慰みに拵えていた「糸玉」は高値で流通することになった。これには上層に主人公がマイホームを構えていた時、焼き打ちにあって本人が逃亡したところをフェイルーンの卵とともに回収されたもので、しばらく同種の魔物を狩ることが流行ったという経緯がある。
関連するスキルに体外に出て物体と認識された糸を含め自由に操作する「操糸」、糸に「斬」属性を付与する「斬糸」、糸による攻撃力を上昇させる補正スキル「糸の才能(天才)」などが存在する。上位スキルの「万能糸」は「蜘蛛糸」に「斬糸」などを統合し、カスタマイズ性を更に上げたスキル。最上位の「神織糸」は着色や質感に至るまで変更を行うことができ、人体の皮膚構造などがもたらす複雑な感触などの再現も可能となる。
過食(かしょく)
ステータス補強スキルのひとつ。これを取得するとステータスのSP(赤)数値の隣に「+○○」と表記され、上限を超えて喰ったSP(赤)をストックできる。
肉体の容積を超えて喰うことが可能となり、スキルレベル×100分までストックされる。デメリットとして種族によっては「太る」とのこと。上位スキルとして「飽食(ほうしょく)」があり、スキルレベル×1000分までストックされる。主人公は「暴食」が来ると思っていたが、こちらは支配者スキルであり、アリエルが有していた。
魔法(まほう)
深淵魔法(しんえんまほう)
「影魔法」「闇魔法」「暗黒魔法」と段階を踏んで強化されていく暗黒系魔法の最高位に位置する魔法。
レベル1の「地獄門」の時点で文字通り炸裂地点の地形を消滅させるなど威力は魔法の中でも群を抜いているが、構築難易度は非常に高く発動にかかる時間の長さから実戦での使用は難しい。「叡智」など各種スキルの後押しを受けた主人公でさえ専業の「並列意思」を必要とした。
なお、レベル2以降の魔法の内容は曖昧だが物騒な記述に終始しており、実際に発動させた際に何が起こるのかは不明。魂を分解するという裏効果を有しており、この効力は「不死」さえ貫通して対象を滅しきれる。
下位魔法の「影魔法」は影を操る魔法、レベル10までの内容を見た後も主人公は微妙と評した。反面「闇魔法」「暗黒魔法」は実用性のある攻撃魔法が揃っており、主人公は闇属性の球体を発射する「闇弾」「暗黒弾」などを使用している。
空間魔法(くうかんまほう)
空間転移や空間の切断など、空間に関する特性を有する魔法。上位魔法に「次元魔法」が存在する。
利便性が高い反面、構築難易度は高く、常人が実用の域に達するためには他のスキルを捨ててすべてこのスキルの鍛錬に費やす覚悟が必要になる。実用的な「長距離転移」を行える術者となれば、事実上、国家の要人専属となる非常に希少な魔法である。
習得できる魔法は対象となる目標物を設定する「座標指定」にはじまり、所有物を異空間に収納または取り出す「空納」など。
特定の地点間を双方向でつなぎ、長距離転移を行う「転移門」など似た特性を持つ物品も存在するが、そちらも戦略的観点から国家の厳重な管理下にあることが多い。なお、主人公は闇や腐蝕属性に並んで空間に対する高い適性を持っており、習得して以降は戦略の要として使いこなしている。
属性耐性(ぞくせいたいせい)
何らかの負荷に伴い取得される常時発動型防御スキル。酸・毒・麻痺・炎熱などの物理的耐性から気絶・恐怖・苦痛などの精神的なバッドステータスまで多岐にわたる。
レベル上昇につれて「軽減」や「無効」というスキルに発展することもあるが、基本的に獲得しやすい耐性は得意とする属性攻撃と同種である。種族的な弱点属性を潰すことは困難を極める。また、一部の属性攻撃や魔眼系スキルなどを発動させた際の反動ダメージを抑えるためにも対応する耐性は必須となる。
苦痛耐性
痛覚による行動ペナルティを軽減して行動できる。
低レベルの段階では「痛みを我慢できる」という程度だが最終的には「苦痛無効」から「痛覚軽減」という派生スキルが発生する。つまり「痛覚軽減」が派生するまでは行動ができるだけで痛みは全く軽減されていない。「痛覚軽減」が最終段階に至った際取得できる「痛覚無効」は痛覚を一切感じなくし、危険信号という形の情報だけで受け取ることを可能とする。
なお、同じ痛覚でも外道属性に分類される種の痛みには効果がないため、探知の痛みは軽減できない。
外道耐性
魂に直接攻撃する外道属性に対する防御耐性。
外道魔法や外道攻撃を受けることはもちろん「探知」や「鑑定」などの、情報過多による疼痛等によっても熟練度が獲得できる。魅了など精神を冒すステータス異常への抵抗にも関わることから、外道属性は精神や自我に関わる特質を持っている。
腐蝕耐性
死の崩壊を意味する腐蝕属性に対する防御耐性。
腐蝕属性は強力な一方、反動も強烈で耐性を持たないまま腐蝕属性の攻撃を行うと自滅は必至である。この攻撃を行える者自体がごく少数に限られ、くわえて即死攻撃であること、耐性を得られる称号が稀少であることがあって腐蝕属性(耐性)の運用はかなり難しい。
鑑定(かんてい)
無機物から魔物まで視界に入れて念じたものの情報を得る情報収集系スキル。
レベル1ではそれこそ見ればわかる程度の大雑把なことしかわからないが、レベルの上昇につれて得られる情報は精度を増していく。個体名の表示、ステータスバー・ステータス項目の追加、固有名詞の説明、鑑定した先の二重鑑定などレベルの上昇は目に見えて性能を上げるものとなっている。
主人公が最初にスキルポイントを消費して獲得したスキルであり、当初は性能の低さに後悔していたものの次第に手のひらを返して「鑑定様」と持ち上げるまでになっている。転生して右も左もわからなかった主人公にとっては唯一といってよい情報源の上、対魔物戦で失敗して詳細なステータスがわからなくてもそれは彼我の戦力差が開いていることの証明であり、不意打ちと逃走を前提に戦略を組み立てていく彼女にとっては生命線となるスキルである。
一方、人間社会では上層階級に高レベルの鑑定スキルを発動させることが出来る「鑑定石」というアイテムが流通していること、専門の「鑑定士」と呼ばれる職業が存在することからあまり重きを置かれるスキルではない。また、レベリングはあまり効率の良いものではなく[注 14]、鑑定の常時発動(短時間で多数の対象を鑑定したり、視界内に存在するもの全てを鑑定対象にした場合)は「鑑定酔い」と呼ばれる頭痛や気分の悪化を招く。
鑑定を受けた者は微妙な不快感を味わう。相手の了承を得ずに鑑定を行うことはあまり行儀のいい行為としては扱われない。対象が魔物であるなら敵意の増大を招くなど、便利さの反面意外なデメリットの多さも目立つスキルである。
鑑定石
鑑定スキルと同じ効果を発揮するアイテム。スキル同様にレベルがあり、高レベルの石は場合によっては国宝扱いされる。
探知(たんち)
魔力感知をはじめとしたすべての感知系を統合した情報収集系スキル。
「鑑定」とは逆に、レベル1の段階から莫大な情報が得られるが、使用者は叩き込まれる情報を処理しきれず激痛に襲われる。また、探知に含まれるスキルの個別発動もできないため、魔法を使うための前提になる「魔力感知」も潰される。
つまり取得したら魔法が使えなくなる、高性能過ぎるためレベルアップも早くさらに実用が遠のくという悪循環に陥る。主人公の場合は「外道無効」を取得できたため使用に耐えることができた。
千里眼(せんりがん)
五感強化系スキルのひとつ「視覚強化」から派生し、視野をズームチェンジできるスキル「望遠」の上位スキル。発展したことで物質透過機能も加わっており、障害物を無視した視界を得る。
さらなる上位スキルの「万里眼」は遠隔視機能も加わっており、一般的な千里眼のイメージに近い。また「邪眼」系スキルとの併用も可能となっている。
並列意思(へいれついし)
自身の意識を分割し、同等の思考を持つ存在を作り出すスキル。劇中では、主人公とカティアが習得。
複数の事柄を同時に思考する際それを補助する「並列思考」から発展する。複数の意思が分担することで剣で戦いながら魔法を使うなど、複数の作業を同時処理できる。デメリットとしてスキルの使用中は「意図的な多重人格」ともいえる状態となり、どの意思がオリジナルなのかわからなくなる。
主人公の場合、分離していた並列意思が「他者と融合」したり、「他者の魂を喰った」などの影響で変質した結果、本体とは別の結論に至る事態にも陥った。
カティアの場合、前世の"男(叶多)"としての人格と今世の"女(カティア)"としての人格の間で、齟齬ないし軋轢が生じていたところに、ユーゴーの洗脳を受けたことで習得したようで、シュンと敵対する"カティア"を"叶多"が止める際に使用された模様。洗脳が解けた後は前述のリスクを避けるため、使用されていない。
産卵(さんらん)
無性生殖を行い、劣化コピーした自身の分身を生み出すスキル。産み出した分身は「眷属支配」を用いれば配下として意のままに動かすことも出来る。産み出せる卵の大きさは母体に依存する。なお、竜をはじめに卵生の魔物は多く確認されているが、作品の記述範囲内でこのスキルの保有が確実なのは最上位のタラテクト種のみである。
主人公はこのスキルによって確保した、自我も存在しないまっさらな肉体に魂を移すことでアリエルの「深淵魔法」を回避した。この事を知ったアリエルはこの手法を疑似的な転生を果たすものと評している。同時に、どこにあるとも知れない無数の卵と幾つかある「並列意思」をすべて破壊しない限り主人公を殺し切れないと判断し、敵対する道を完全に捨て去ることになる。 
吸血鬼(きゅうけつき)
「火竜」や「地龍」などの竜種系スキル同様、レベルアップにつれてアクティブやパッシブなど様々な効果を発揮するスキル内スキルを取得できる種族スキル。
このスキルは保有者が望んだ場合、吸血によって伝染する。保有者は鋭く発達した犬歯を持ち、魔眼などのスキルも付与、直射日光を浴びることや長期間人血を摂取しない場合弱体化する。つまりはパブリックイメージに近い種族としての吸血鬼に変化する。
ソフィアの場合は奇しくも前世において「吸血鬼」というあだ名で呼ばれ、美に対しても渇望があったためか転生特典としてこのスキルが与えられた。これによって「生まれながらの吸血鬼」という条件を満たしたため、吸血鬼のデメリット効果を無視できる称号「真祖」を得て不自由なく人間生活ができていた。
禁忌(きんき)
「血縁喰ライ」などネガティブなイメージの称号や支配者スキルなどの獲得、行使などに伴い付与またはレベルアップしていくスキル。
鑑定した際も警句が表示されるだけで、具体的に何が起こるかは明言されない。一見するとメリットも存在しない不安を煽るだけのスキルだが、レベル10に達した瞬間、世界の真実を直接脳内に叩き込まれ理解させられるというデメリット効果を発動させる。
この際に得られる情報は現地出身の人間にとっては時に発狂者を出すほど耐え難いものであり、身の破滅を招く。またこのスキルの獲得は、社会不安を招く恐れから神言教により規制されており、人間社会では発見次第即座に弾圧対象になる。
現地に大した思い入れが無く、また魔物であった主人公にとってこれらのデメリットはほとんど痛痒にならなかったが、邪神Dが仕掛けた上記二段構えの罠のことをえげつないとも評している。主人公は世界の真実についての情報を得たことで、具体的な目標を定めることになった。いわば作品の転機となったスキルのひとつである。
n%I=W
転生者に必ず付与されている謎のスキル。鑑定不可。別の見方をするならば、「このスキルを保持している≒転生者」となる、転生者の証とも言える。
念話 
文字通り、頭に思い描いたことを言葉として周囲の他者に伝達することができるスキル。作中では発声機能を持たない魔物や赤子が、他者とコミュニケーションを取るために使用した。
ただし、念話の内容は第三者から傍受される危険性もある。また、翻訳機能は付いていないため、転生者が取得する際は現地語を併せて習得する必要がある。上位スキルに遠隔地にいる他者との意思疎通を行うことができる「遠話」が存在し、神言教はこのスキルの保有者を各地に配置することで情報網を円滑に運用している。

称号[編集]

特定の行動を取ることによってシステムから付与される呼び名。上述の支配者スキルを含めて「特定のスキルを取得した場合」にも付与される。
称号ごとに何らかの特典とひとつにつき2つのスキルが獲得した者に与えられる。
悪食(あくじき)
毒物やそれに準ずる物質などを一定量・期間、摂取した者に付与される称号。
付与スキルは「毒耐性」と「腐蝕耐性」。効果としては消化器が強化される。ただし限度はあり、元々の耐性が低いと肝臓などが毒素を処理しきれず病気になる[注 15]
殺戮者(さつりくしゃ)
人族、魔族、妖精(エルフ)、魔物など特定の種族をそれぞれ一定数殺害した際に付与される称号。
下位の称号に「〇〇殺し」、上位に「〇〇の天災」が存在し、該当する種族に与えるダメージ量を上方修正させる。例外的に「龍」は希少性のためか一体倒すだけで「龍殺し」の称号が獲得できた。

書誌情報[編集]

小説[編集]

漫画[編集]

脚注[編集]

注釈
  1. ^ 本人は前世の名は「若葉 姫色(わかば ひいろ)」と認識しているが、鑑定のスキルを使っても個体名は「なし」と表記される。他の転生者の場合は鑑定を使うと、転生してからの現在の名と前世の名が同時に表記される。
  2. ^ a b c d 魔物から人型に近い姿へ進化した転生者は前世に極めて近い容貌を得る。この際、実年齢が出生から数歳であったとしても外見年齢は成人に近い。
  3. ^ 書籍版の展開。Web版ではアリエルとの和解(同盟成立)のタイミングが異なるため、命名はDから賜る1回のみである。
  4. ^ Web版ではゴブリンとはいえ、「ラズラズ」と名付けられて家族と共に平穏に暮らしていたが、村を襲った帝国の魔物使いに支配され、実の妹に手をかけさせられた上、その肉を喰わされた。
  5. ^ Web版に登場したシュンの騎竜が、書籍化の際設定を変更された模様。
  6. ^ 2017年9月現在では、Web版にも登場しているが、他の転生者と同様にエルフの里に軟禁されていた設定に変更されている。
  7. ^ なお、人化の際に衣服までは創造できないため、普段着用している衣服は現地で購入した人間用のものであり、人化/竜化の前後で衣類を着脱する必要がある。
  8. ^ 単行本第4巻巻末の年表によれば、シュンやユーゴーの誕生は王国歴841年、フェイが孵化したのは848年である。
  9. ^ ただしその未来とは「このまま行った場合」の未来であり、確定したものではない。
  10. ^ この場合の進化とは、生物界における進化とは異なる。主人公は「ポケットなモンスターをゲットするアレ」と評している。
  11. ^ 成体にあたるレッサータラテクトは5メートル程
  12. ^ 実は、この世界には「命名」というスキルで「名を与えることで相手を支配する手段」も存在する(主人公には効果は無かった)。アリエルが名を与えたのは主人公が名を付けることでパペットたちを支配されるのを防ぐ意味合いもあった。
  13. ^ 黄色は「瞬発力」で赤は「持久力」。赤のスタミナを使い果たすと「餓死」という扱いで一気にHPが減る。
  14. ^ 一度鑑定したものを繰り返して鑑定しても熟練度にはならない。再鑑定するには、しばらく間を置かねばならず、引っ切り無しに鑑定を繰り返してレベルを上げようとするなら「旅をする」くらいしないと鑑定対象がすぐになくなってしまう。
  15. ^ 5巻140Pでは貧民の子が悪食の称号を持っていたが、肝臓ガンを患っていた。これはスキルが進化する前に肝臓の処理許容量を超えたためと予想される。
出典

外部リンク[編集]