葛生化石館
Kuzuu Fossil Museum | |
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建物外観 | |
| 施設情報 | |
| 正式名称 |
佐野市立博物館別館 佐野市葛生化石館[1] |
| 前身 | 葛生町郷土資料室[2] |
| 専門分野 | 自然史 |
| 収蔵作品数 | 収蔵資料数1675点(2012年度)[3] |
| 来館者数 | 17674人(2012年度)[3] |
| 館長 | 配置せず(2012年度)[3] |
| 事業主体 | 佐野市 |
| 管理運営 | 佐野市 |
| 年運営費 | 126万4千円(2012年度)[3] |
| 開館 | 2005年[2] |
| 所在地 |
〒327-0501 |
| 位置 | 北緯36度24分6.05秒 東経139度36分42.23秒 / 北緯36.4016806度 東経139.6117306度 |
| 外部リンク | http://www.city.sano.lg.jp/kuzuufossil/ |
| プロジェクト:GLAM | |
概要
[編集]1979年、葛生町郷土資料室として発足[2]。2004年度、学芸員を配置。2005年度、博物館登録、改装開館した[3]。佐野市立葛生図書館と同一建物にあり、佐野市役所葛生庁舎、佐野市立葛生伝承館、佐野市立吉澤記念美術館、栃木県石灰石工業会館などに近接している。
葛生地域やその周辺には、古生代ペルム紀に古太平洋の真ん中に位置していた海底火山上のサンゴ礁で形成された大きな石灰岩体で、2009年に日本の地質百選に選定された「葛生石灰岩(鍋山石灰岩)」が分布し、その標本などを軸に展示が構成されている[4]。
常設展示は、アンモナイトなど中生代の化石、フズリナやウミユリを始めとするペルム紀の化石、日本全国の石灰石、石灰岩地帯の鍾乳洞や地面の裂け目(裂罅)から出土した新生代第四紀の脊椎動物化石などである[5]。また、展示内容の中でも、ニッポンサイの全身骨格化石、関東地方初のバイソンの化石[6]、世界最小のナウマンゾウの化石[7]などが特色である[2]。
企画展示も行われており、ケナガマンモス、コロンビアマンモス、クロサイ、ニホンオオカミ、イノストランケビア、恐竜などの骨格標本や化石なども展示されている。また、毎年市内の山林で化石採集教室が実施されており、フズリナ、ウミユリ、腕足類、コケムシ、サンゴなどの化石を見つけることができる[8]。
近隣には鍾乳石で知られる宇津野洞窟、石灰石鉱山の眺望が特色の羽鶴峠、化石の探索が可能な嘉多山公園などがあり、化石採集教室や「くずう原人まつり」などのイベントも開催されている[2]。
葛生動物群
[編集]同地域で発見されてきた古生物の生物相は「葛生動物群」として知られ、ニッポンサイ、(ネソリヌス属またはインドサイ属である)シナサイ、バイソン[6]、サイガ[9]、カモシカ[9]、ヤベオオツノジカ[10]、ニホンムカシジカ、ジャコウジカ、ナウマンゾウ、トウヨウゾウ、ライデッカーイノシシ(大型のイノシシの仲間)[11]、クズウテン(ムカシテン)、クズウイタチ(イタチ)、クズウアナグマ(ムカシアナグマ)[12]、タナカグマ(クマ)、タイリクオオカミ[13]、ドール属(アカオオカミ)[13]、トラ、ヨウシトラ(ホラアナライオン)、ヒョウ、オオヤマネコ、タイワンヤマネコ、小型の真無盲腸目[注釈 1]や齧歯類[注釈 2]、ニホンハナガメやミヤタハコガメなどのカメ[14][15]、葛生地区に因んで命名された三葉虫( Pseudophillipsia kuzuensis)や腕足動物(Metriolepis kuzuensis)、新種の腕足動物「クーペリナ・ニッポニカ」などが発見されており[16][17]、当館にも多数の標本が所蔵されている。これらの他にも、不確実ながらもアカシカまたはワピチの可能性もある化石も発見されている[18]。
佐野市では出流原町などからも多様性に富んだ古生物の化石群が出土しており、イシガメ(ヤベイシガメ Clemmys yabei)、ヤベオオツノジカ、トガリネズミ科(シカマトガリネズミ Shikamainosorex densicingulata)、ジネズミ(ニホンモグラジネズミ Anourosorex japonicus)、ステゴドン、タイリクオオカミなど多岐に渡る種類が産出している[19]。また、千波町大釜地区のペルム紀の石灰岩から新種の腕足動物の化石を、学芸員研究チームが発見しており、「Acritosia ogamensis」として2016年に発表している[20]。
なお、「葛生人」または「葛生原人」と称された原人の化石は、後年の調査によって化石人類であるという根拠が希薄になっている[21]。
アクセス
[編集]- 東武佐野線葛生駅より徒歩8分、または、北関東自動車道佐野田沼インターチェンジより15分[2]。入館無料。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ↑ 佐野市立博物館条例
- 1 2 3 4 5 6 川岸等 (2014年8月14日). “【北関東・名所巡り(4)】地球史解明につながる化石の宝庫 栃木・佐野の葛生石灰岩”. 産経新聞. オリジナルの2015年9月24日時点におけるアーカイブ。 2014年10月26日閲覧。
- 1 2 3 4 5 佐野市行政評価システム 葛生化石館運営事業 作成日平成25年6月28日 (PDF)
- ↑ 地質標本館2012年度野外地質観察会「フズリナの化石を探してみよう!」~葛生の石灰岩の観察と鉱山見学~
- ↑ 展示室案内
- 1 2 長谷川善和、奥村よほ子、立川裕康「栃木県葛生地域の石灰岩洞窟堆積物より産出した Bison 化石」(PDF)『群馬県立自然史博物館研究報告』第13号、2009年2月5日、47-52頁、NDLJP:10229193。
- ↑ 「栃木県栃木市鍋山町の採掘場より産出したナウマンゾウについて」 (PDF) 『群馬県立自然史博物館研究報告』第16号、2012年
- ↑ 新着イベント情報
- 1 2 仲谷英夫「日本産の更新世ウシ科化石」(pdf)『化石研究会会誌』第19巻第2号、化石研究会、1987年3月、48-52頁、2025年6月12日閲覧。
- ↑ 土屋健「3 最後の巨獣たち」『古第三紀・新第三紀・第四紀の生物 下巻』群馬県立自然史博物館(監修)、技術評論社、2016年7月23日、115-123頁。ISBN 978-4774182520。
- ↑ 春成秀爾「更新世末の大形獣の絶滅と人類」(pdf)『国立歴史民俗博物館研究報告』第90巻、国立歴史民俗博物館、2001年3月、46頁、doi:10.15024/00000978、ISSN 0286-7400。
- ↑ 通史編 原始・古代・中世. “動物相の変化”. 港区史. デジタル版 港区のあゆみ (港区) 1: 47-48. (2020) 2025年7月19日閲覧。.
- 1 2 長谷川善和、木村敏之、松岡廣繁、甲能直樹、川谷文子「下北半島尻屋崎地域産アカオオカミとタイリクオオカミ化石」(pdf)『群馬県立自然史博物館研究報告』第29巻、群馬県立自然史博物館、2025年3月14日、1-22頁。
- ↑ 佐野市葛生化石館 (2019年11月26日). “ミヤタハコガメ”. 佐野市. 2025年6月12日閲覧。
- ↑ 河村善也「後期更新世以降の小哺乳類」(pdf)『哺乳類科学』第38巻、日本哺乳類学会・J-STAGE、1979年、32-33頁。
- ↑ NariNari (2018年). “栃木県の化石リスト”. TrekGEO. 2025年7月20日閲覧。
- ↑ 「葛生動物群」『改訂新版 世界大百科事典』平凡社。コトバンクより2025年12月16日閲覧。
- ↑ 桑山龍、小沢智生「東シナ海より産出したアカシカ頭蓋化石:更新世におけるアカシカ(Cervus elaphus)の移動(演旨)」『日本古生物学会年会講演予稿集』、日本古生物学会・地質文献データベース(地質調査総合センター)、1997年1月、67頁、2025年6月12日閲覧。
- ↑ 長谷川善和、奥村よほ子、片柳岳巳、北川博通、田中源吾「栃木県佐野市出流原片柳石灰採石場産の狼と象化石」(pdf)『群馬県立自然史博物館研究報告』第17巻、群馬県立自然史博物館、2013年3月13日、61-70。
- ↑ 読売新聞(栃木版)、2016年12月15日、31面掲載
- ↑ 「葛生人」『改訂新版 世界大百科事典』平凡社。コトバンクより2025年12月16日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “佐野市葛生化石館”. 佐野市 (2012年11月3日). 2012年11月23日閲覧。
- “葛生化石館ボランティアのページ”. livedoor Wiki(ウィキ) (2011年6月24日). 2012年11月23日閲覧。