生前葬

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生前葬(せいぜんそう)とは、存命している人物が自分自身の葬儀を行うこと。

概要[編集]

自らの生があるうちに縁のある人やお世話になった人を招いてお別れと礼を述べるために行なう人が多い。また、本来出席できないはずの自分の葬儀に喪主として参加することができるため、思い通りのやり方で行うことができる。そのため多くは、無宗教であったり、音楽やスライドなどを多用した明るい葬儀であったり、一般の葬儀とは異なるイベント的な葬儀となる。形式はカラオケ大会から立食パーティー、また、自費出版の自分史を配るなど、様々である。

しかし、本人が本当に亡くなった後も、遺族により再び葬儀が行われることもままある。

日本では交際範囲の広い知識人が、自らの社会的活動の終止を告知する機会として開催することが多い。

生前葬を行った主な有名人[編集]

2代目三遊亭金朝
落語家1907年に行った。1909年に死去。
2世曽呂利新左衛門
落語家。 1914年に行った。1923年に死去。
小野田寛郎
大日本帝国陸軍第14方面軍の情報部付として、フィリピン防衛戦に派遣される。終戦後も復員せず行方不明になっていたため、厚生省引上援護局は戸籍法89条に基づいて1959年12月10日に「死亡日・昭和29年5月8日」として「死亡公報」を出し、翌11日に公示され、これに合わせて翌12月12日には小野田元少尉の故郷の和歌山県海南市にて親類の手により葬儀が行われた。しかし1974年、日本の冒険家鈴木紀夫が小野田との接触に成功、3月12日に小野田は日本に帰国する。生前葬を行う意図を親族に伝達する手段は行方不明当時の小野田にはなかったが、1959年の葬儀は結果的に生前葬となった(通常の生前葬とは違い、本人の意図に基づかずに式が執り行われ、また、自分の葬儀が行われていることを本人は知ることができなかった)。2014年死去。
児玉誉士夫
右翼運動家。1960年に生前葬を行った。1984年死去。
月亭可朝
落語家1968年に芸名を桂小米朝から月亭可朝に襲名した際に花月のイベントで、3代目笑福亭仁鶴がお経を読みながら棺桶から出てくるという企画を行った。
水の江瀧子
女優1993年に生前葬を行い、以後芸能界を引退しメディアに露出せず隠居生活を送っていた。2009年死去。
2世茂山千之丞
狂言師。還暦の時に生前葬を行った。2010年死去。
養老孟司
解剖学者2004年11月山口県防府市の多々良学園講堂ホールにて行った。
仰木彬
2004年野球殿堂のパーティーのスピーチで「今日のパーティーでございますが、これは私の生前葬だと思っております」と発言。2005年死去。
辛淑玉
2007年5月5日に、長野県松本市の神宮寺にて生前葬を行った。生前葬を行った理由は、保守論客、死刑を強硬に主張する犯罪被害者・遺族と、肩入れして死刑反対運動を「弾圧」する一部メディア、石原慎太郎批判に本腰を入れない日本人などへの「怒りをぶっつける」ことだという。
久米田康治
漫画家2007年6月21日に『さよなら絶望先生』が第31回講談社漫画賞少年部門を受賞し、その授賞式後の2次会で生前葬が行われた。作風に則った(同氏の項目参照)ネタとしての生前葬である。久米田の生前葬がこのwikipediaに載っていること自体を久米田は作品内でネタにしている。
ビートたけし
お笑いタレント、映画監督2009年4月3日に、バラエティ番組『たけしのニッポンのミカタ!』(テレビ東京)の初回収録にて生前葬を行った(放送は同月10日)。「コントで葬式をやると番組が当たる」というジンクスを参考にしたため。立会人代表は、共演者である国分太一TOKIO)。
桑田佳祐サザンオールスターズのボーカル兼リーダー)
ミュージシャンシンガーソングライター2009年4月20日放送のフジテレビ系『桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜(第2期)』の第1回の企画として、共演者のユースケ・サンタマリア曰く「『リニューアル』として一度桑田佳祐に死んでもらい、『新生桑田佳祐』として生まれ変わってもらおうという意図」のもとで『桑田佳祐追悼特別番組』というタイトルで生前葬を行った。司会として佐々木恭子アナウンサー、ゲストとしてユースケと岸谷五朗が出演。番組の最中に虎の着ぐるみを着た桑田が登場するが、着ぐるみが佐々木・ユースケ・岸谷に見えていないという体で番組が進むため、スケッチブックに「はすい(破水)してます(当時佐々木アナは妊娠中で、同年5月に出産予定だった)」と書いてカメラに出し、その後乳児(の人形)を足元から取り出してみたり、尻尾を股間に挟みそれを用いて自慰を意識される行動を取るなど、好き勝手な行動を連発した。
テリー伊藤
2010年9月18日に、生前葬を実施したと発表。
仲村みう
2011年11月23日に、芸能界引退イベントとして生前葬を実施。
松みのる
2013年2月13日に生前葬を実施[1][2]松竹梅のメンバー。
カンニング竹山
2014年『竹山のやりたい100のこと〜ザキヤマ&河本のイジリ旅〜』の企画で行った。
SMAP
2014年7月26日に、『FNS27時間テレビ』のオープニングの企画として「今までのSMAPから生まれ変わる為に」という名目で、メンバー全員の生前葬が行われた。2016年解散。
小椋佳
2014年9月12日~15日に、生前葬コンサートを開催[3]
AKIRA (プロレスラー)
2014年10月10日に、自身のレスラー生活30周年記念のプロレスイベントとして開催[4]
大橋巨泉
80歳の誕生パーティー「傘寿の会」での本人談[5]。2016年7月12日死去。
有村あるる
怨霊系クリエイターアイドル。2016年11月3日にブログにて死亡報告、葬儀の案内が出される(案内には生前葬と記載)。11月5日に葬儀、その最中に怨霊として蘇るという演出をする。

生前葬を行った架空の人物[編集]

名取羽美
上記の久米田康治の漫画「かってに改蔵」のメイン・ヒロイン。第271話にて生前葬を行っている。(また、クラスメートの生前葬を勝手に行っている。)
糸色 望
上記の久米田康治の漫画「さよなら絶望先生」の主人公。生前葬と似たような形の物を「模死」として行っている。
山遊亭海彦
原作:立川談四楼、作画:さだやす圭の漫画「山遊亭海彦」の主人公。第1話にて生前葬を行っている。
白鳥貞美
監督:倉本聰、主演:中井貴一のテレビドラマ「風のガーデン」の主人公。第8話にて生前葬を行っている。
ジョセフ・ジョースター
荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第二部「戦闘潮流」の主人公。カーズを宇宙へ放逐後、行方不明になっていたためジョセフの友人・仲間たちが通常の葬儀を行っていたが、本人が式場に現れ結果的に生前葬となった(通常の生前葬とは違い、本人が自分の葬儀が行われていることを知らなかった)。
赤木しげる
福本伸行天 天和通りの快男児』の登場人物。晩年重度のアルツハイマーに侵されたため尊厳死を決意し、その決行直前に親しかった人物を集め別れを告げた。

脚注[編集]

  1. ^ 生前葬 松稔ハッピーエンドパーティー
  2. ^ 【松竹梅】松稔 自分史 -生前葬-
  3. ^ 小椋佳、「生前葬コンサート」リハで「さらば青春」など披露|スポーツ報知2014年9月13日閲覧
  4. ^ 10・10AKIRA生前葬に蝶野、船木参加|東スポWeb2014年9月13日閲覧
  5. ^ 小倉キャスターが秘話 巨泉さんからお宝!大量ジャズLPレコード|スポーツ報知2016年7月22日閲覧

関連項目[編集]