無縁仏

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無数に並ぶ無縁墓(神戸市立鵯越墓園)

無縁仏(むえんぼとけ)とは、供養する親族や縁者のいなくなった死者またはその霊魂、またはそれらを祭った仏像石仏などを意味する。

概要[編集]

江戸時代頃の墓石

現代の日本では一般に死者は火葬され、に葬られ、子供兄弟など親類縁者によって供養されるが、代を重ねるに連れ、墓の承継者の消滅などによって無縁化する場合が出てくる。こうして埋葬者が無縁仏となった墓は大都市霊園では約10%を超えるほどあるともいわれ、供養塔や無縁仏のみを集めた無縁墓地合祀されたりする。たとえ数代は供養する子孫が続いたとしても、縁者が遠方に移転したり、代が途切れたりすればいずれ無縁仏と化す。確率論的には子々孫々まで供養される可能性の方がはるかに低く、全ての墓はいずれ無縁化する運命をたどる。一部にはこうした考えを背景に墓など作らず、自然葬や海洋散骨などの方法で、直接遺骨などの大自然の循環の中に返させようとする人々もある。これは都市部などに見られる墓地不足、墓園や宗教団体の商業主義に対する反感、宗教観の変化、核家族化、少子化による管理維持への不安なども背景にあるものと考えられる。また一方で、行政側が無縁仏の遺骨の置き場の確保に苦慮するようになり、一部自治体では遺骨を粉砕して無縁仏の減量化を図ったり、遺骨の保管年数を短縮したりするなどのケースが出ている[1]

積み上げられた無縁墓(神戸市立鵯越墓園)

また、しばしば寺院霊園などの広告永代供養を謳うものが多いが、「永代」という言葉の使用による誤解からトラブルが多い。実際には10回忌、30回忌や50回忌までといった内規がある場合が多く注意が必要である。また、霊園の倒産、寺院の廃寺などによりこの「永代」も保証されるわけではもちろんない。

法的処分[編集]

平成11(1999)年3月29日 官報第2594号で公示され、平成11(1999)年5月1日に施行された、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条の改正により、墓地の管理者は、無縁墳墓に関する権利を有する者に対し、1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に1年間掲示して公告し、その期間中にその申し出がなかった旨を記載した書面を管轄する役所に提出することにより、無縁仏を容易に改葬できる仕組みになった。

脚注[編集]

  1. ^ 寄る辺なき遺体、孤独の末路 悩む自治体「粉骨」も 朝日新聞 2014年8月14日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]