栄 (名古屋市)

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久屋大通公園の希望の泉

(さかえ)とは、愛知県名古屋市中区にある町名、または栄交差点及び名古屋市営地下鉄栄駅名鉄瀬戸線栄町駅を中心として広がる繁華街という。

栄地区は、名古屋市中区の中心部に位置し、名駅と共に、名古屋市を代表する商業エリアである。

概要

栄地区は、東西方向の広小路通と南北方向の大津通が交わる栄交差点を中心として繁華街を形成している。

大津通と並行して、100メートル道路として有名な久屋大通が通っており、この通りは、矢場町から栄を抜け外堀通までは、久屋大通公園として整備されている。この公園内では週末を中心にイベントが盛んに行われる。

また、名古屋のシンボルとしてよく紹介される名古屋テレビ塔は、久屋大通公園内にある。テレビ塔は、夜間ライトアップされ街を彩る。テレビ塔に隣接して、飲食店街やバスターミナルを併設した立体公園オアシス21がある。愛知県立美術館・愛知県芸術劇場などが入る大型文化施設愛知芸術文化センターはオアシス21に隣接する。

松坂屋丸栄三越といった名古屋の3Mとも呼ばれる百貨店(名古屋駅にある名鉄百貨店を加えて4Mという)が揃い、矢場町方面にかけてパルコナディアパークラシックなどの大型ショッピング施設が続く。近年、大津通沿いに高級ブランド店が続々と進出し国内屈指のブランド街ともなっている。インテリアショップや高級家具店も相次いで進出している。

広小路通に並行する錦通には地下鉄東山線、久屋大通には、地下鉄名城線名鉄瀬戸線の各駅が存在し、これらを中心として、栄森の地下街(地下鉄駅コンコース)、サカエチカ(広小路通地下)、セントラルパーク(久屋大通公園北部地下)などの広大な地下街が広がっている。また、久屋大通公園の地下は、市営久屋駐車場、エンゼルパークなどの巨大立体駐車場として整備されている。

錦三(きんさん)、女子大小路(栄ウォーク街)、住吉(プリンセス大通)といった、名古屋の代表的な夜の歓楽街が存在し、夜も賑やかである。

地理

一般的に、栄と呼ばれるのは、住居表示施行前に栄町という町名であった栄交差点を中心としたエリアである。北に隣接する錦、新栄町、東区東桜、さらに錦の北に隣接する丸の内の南側、東区泉の一部なども、栄と呼ばれることが多い。

このように栄地区はとても範囲が広いため、たくさんの通称が存在する。広小路久屋通などの通りの名を用いて呼ぶ地区もあり、錦三(きんさん)などの夜の歓楽街で呼ぶ地区もある。また、ホットペッパーの記事などでは、大阪のようにキタミナミと地区を分けて呼ぶこともある。

町名としては、1966年(昭和41年)に、東を空港線、西を堀川、南を若宮大通、北を広小路通に囲まれた地区一帯を、栄一丁目から栄五丁目までとする新住居表示実施が施行され、それまで存在していた由緒ある旧町名が消滅した。その為、一般的に、伏見駅周辺の栄一丁目、栄二丁目は伏見と、矢場町駅周辺の栄三丁目、栄五丁目は矢場町と、旧町名で呼ばれる地域も多く、栄であるとの認識はあまり浸透していない。

交通

主な施設

一丁目
二丁目
三丁目
四丁目
五丁目
  • NTT中ビル(NTTネオメイト東海支店)
中部日本ビルディング
ラシック

歴史

清洲越しにより、名古屋城下が整備された際、栄地区は城下の南東端にあたり、城下から飯田街道への出口となっていた。人家もまばらな地区であった。

明治になり、県庁、学校など官公施設や銀行、料亭などの商業施設が作られるようになり、また、広小路通沿いに路面電車が開通すると、町として大きく開け、次第に繁華街を形成するようになった。1902年(明治35年)には、千種方面の広小路通が整備されると、名古屋東部の郊外への交通が盛んになった。1910年(明治43年)いとう呉服店(現在の松坂屋の前身)が移転開業し、1915年(大正4年)には百貨店十一屋(現在の丸栄の前身)が開業した。

第二次世界大戦末期には、2年満たない期間だけではあるが、中区の北半分に栄区が設置されたことがある。

第二次世界大戦後は、戦後の復興計画として、久屋大通や錦通の大通りを整備し、その後、そこに、公園、地下鉄、地下街といった公共施設を整備することにより、栄地区は、名古屋の商業の中心地として、大きく発展してきた。

近年は、オアシス21など栄公園の整備などが行われたが、名駅地区の発展が目覚しく、栄地区は、名古屋の中心地である地位は揺るがないものの、今後の活性化策が模索されている。

関連項目