八事
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八事 | |
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![]() 八事交差点 | |
北緯35度8分24.73秒 東経136度58分30.88秒 / 北緯35.1402028度 東経136.9752444度 | |
国 |
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都道府県 |
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市 |
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行政区 | 天白区 |
人口 (2019年1月1日現在)[1] | |
• 合計 | 785人 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
468-0071[2] |
市外局番 | 052 |
ナンバープレート | 名古屋 |
八事(やごと)は、愛知県名古屋市天白区の地名、および昭和区・天白区に跨り、かつて「八事山」と呼ばれた丘陵地一帯の広域地名である。現行行政地名としては天白区に天白町大字八事として存在する。
概要[編集]

八事の地名の由来は「岩(や)が凝(こご)る」、つまり地盤が固いことを示したものが変化したものと云われ、ごつごつとした岩の多い山であった[3]。17世紀末に旧飯田街道沿いに開かれた八事山興正寺周辺が門前町として形成され八事山の代名詞となった。明治のころからは名古屋の保養地的地域となり、1907年には愛知馬車鉄道が敷設され、同社の江口理三郎によって「八事遊園地」「尾電八事球場」「競馬場」などの施設が建設された。名古屋財界の社交場である「八勝倶楽部」は1910年に八勝館として料理旅館の経営を開始する[4]。別荘地や名所として発展し、トヨタ自動車創業家の豊田喜一郎や中日新聞創業家の大島家などの多くの実業家たちの別宅が多数立ち並び、路面電車も開通した。この頃から名古屋市内有数の高級住宅街として知られるようになっていく。
広域地名としての八事は興正寺に近い八事交差点周辺のことを指すことが多く、興正寺裏の広い雑木林は興正寺公園となり八事山の面影を残している。
一方、戦後には中京大学、南山大学、名城大学、名古屋大学などがキャンパスを構える名古屋の代表的な学生街としても発展し、周辺一帯は名古屋市の特別用途地区による文教地区に指定されている[5]。地元のとある大学は「名古屋のカルチエ・ラタン」と称していた。
また、山手通等の幹線道路沿いはブランドショップ中心の多くの専門店、ブティックに加え、ショッピングセンターや家電量販店、ホテルに病院、かつては中京テレビ放送が社屋を構えていた商業地区でもあり、通り沿いを中心に多くの高層マンションや商業ビルが林立する。その一方で、閑静な住宅街としての一面も持っており、大通りから離れた丘陵地には低層の高級マンションや広大な敷地の邸宅地も垣間見る事ができる。
さらに、ラーメン店の出店も顕著であり、周辺のいりなか(杁中)、塩釜口界隈を含めラーメン激戦区にもなっている。
歴史[編集]
愛知郡弥富村を前身とする。江戸期は八事村として存在した。
沿革[編集]
- 1878年(明治11年) - 八事村・中根村および名古屋新田の一部が合併し、弥富村となる[6]。
- 1889年(明治22年)10月1日 - 町村制に基づく愛知郡弥富村となる[6][7]。
- 1906年(明治39年)5月10日 - 合併に伴い、天白村大字弥富および呼続町大字弥富に分離される[6][7]。
- 呼続町大字弥富は旧中根村を中心とする区域で、後の南区弥富町(現瑞穂区域)である。以降の詳細については弥富町 (名古屋市)を参照のこと。
- 1907年(明治40年)5月8日 - 天白村大字弥富を大字八事に改称[7]。
- 1928年(昭和3年)3月15日 - 名古屋市中区広路町・南区弥富町との間で境界を変更[6][7]。
- 1934年(昭和9年)
- 1955年(昭和30年)4月5日 - 名古屋市昭和区へ編入し、同区天白町大字八事となる[7]。
- 1971年(昭和46年)10月20日 - 一部が元八事一〜三丁目・道明町・中砂町・池見一〜二丁目となる[7]。
- 1975年(昭和50年)2月1日 - 行政区変更に伴い、一部が天白区天白町大字八事となる[7]。
- 1977年(昭和52年)
- 1980年(昭和55年)10月26日 - 天白区天白町大字八事の一部が同区八事石坂・八事天道・弥生が岡・表山一〜二丁目となり、一部を池見一〜二丁目へ編入[7]。
- 1982年(昭和57年)
- 1985年(昭和60年)8月11日 - 天白区天白町大字八事の一部が同区大坪二丁目・塩釜口一〜二丁目となり、一部を大坪一丁目へ編入[9][7]。
- 1991年(平成3年)9月24日 - 天白区天白町大字八事の一部が同区八事山(町名)となる[10]。
- 1992年(平成4年)10月26日 - 昭和区天白町大字八事の全域が同区八事富士見となり廃止[11]。
八事を含む町名[編集]
天白区[編集]
昭和区[編集]
周辺の教育機関[編集]
大学[編集]
- 国立
- 名古屋大学 東山キャンパス
- 私立
高等学校[編集]
中学校[編集]
小学校[編集]
その他の学校[編集]
名城大学八事キャンパス
周辺施設[編集]
- 興正寺公園
- 八事霊園
- 八勝館
- 八事商店街
- イオン八事店
- ロマンロード専門店街
- ヤマナカ 八事フランテ
- エディオン 八事店
- サーウィンストンホテル
- 三菱UFJ銀行 八事支店
- 三井住友銀行 八事支店
- 愛知銀行 八事支店
- 八事病院
- 名古屋第二赤十字病院
- 中京テレビ放送 旧本社屋(2016年中村区平池町(ささしまライブ24地区)に移転、2018年までに解体)
- 名古屋市東山公園テニスセンター
- 東山公園ゴルフ
札幌かに本家八事店
交通[編集]
鉄道駅[編集]
- 名古屋市営地下鉄鶴舞線
道路[編集]
脚注[編集]
- ^ “町・丁目(大字)別、年齢(10歳階級)別公簿人口(全市・区別)” (日本語). 名古屋市 (2019年1月23日). 2019年2月9日閲覧。
- ^ “天白町八事の郵便番号”. 日本郵便. 2019年11月4日閲覧。
- ^ 名古屋市計画局 1992, p. 695.
- ^ 『古地図で楽しむなごや今昔』溝口常俊(2016)p.165
- ^ “特別用途地区の概要 (PDF)”. 名古屋市住宅都市局建築指導部 (2018年4月). 2019年12月30日閲覧。
- ^ a b c d 名古屋市計画局 1992, p. 801.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 名古屋市計画局 1992, p. 875.
- ^ a b 名古屋市計画局 1992, p. 793.
- ^ a b 名古屋市計画局 1992, p. 874.
- ^ 『広報なごや No.525(天白区版)』名古屋市、1991年9月1日、10頁。
- ^ 『広報なごや No.538(昭和区版)』名古屋市、1992年10月1日、14頁。
参考文献[編集]
- 名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年。全国書誌番号:93012879。
- 「The Showa」委員会『ザ・しょうわ Vol.3 歩いてみませんか昭和区 八事山興正寺』、2000年。
関連項目[編集]
- 「八事」で始まるページの一覧
- 名古屋市の地名
- 八事町 - 愛知県春日井市の地名。当地に住んでいた人の土地を分割したことが由来とされる。
- JR東海八事球場 - 大正時代に建設され、第1回選抜高等学校野球大会が開催された旧山本球場。
- 尾張丘陵 - 八事周辺では「八事丘陵」とも呼ばれる。
外部リンク[編集]
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