世界終末時計

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世界終末時計。2019年現在は「2分前」となっている。

世界終末時計(せかいしゅうまつどけい、英語: Doomsday clock)とは、核戦争などによる人類(世界[1]や地球[2]と表現されることもある)の絶滅(終末)を午前0時になぞらえ、その終末までの残り時間を「0時まであと何分」という形で象徴的に示す時計である。実際の動く時計ではなく、一般的に時計の45分から正時までの部分を切り出した絵で表される。「運命の日」の時計あるいは単に終末時計[3]ともいう。

概要[編集]

日本への原子爆弾投下から2年後、冷戦時代初期の1947年アメリカ科学誌『原子力科学者会報』(Bulletin of the Atomic Scientists) の表紙絵として誕生した。

以後、同誌は定期的に委員会を設けてその「時刻」の修正を行っている。すなわち、人類滅亡の危険性が高まれば分針は進められ、逆に危険性が下がれば分針が戻されることもある。1989年10月号からは、核兵器からの脅威のみならず、気候変動による環境破壊生命科学の負の側面による脅威なども考慮して、針の動きが決定されている。

これまでもっとも分針が進んだのは、米ソが相次いで水爆実験に成功した1953年北朝鮮の核開発による脅威が高まった2018年2分前[注 1]、もっとも分針が戻ったのはソ連崩壊により冷戦が終結した1991年17分前である[4]

終末時計はいわば仮想的なものであり、『原子力科学者会報』の新年号の表紙などに絵として掲載されているが、シカゴ大学には「オブジェ」が存在する。

推移[編集]

世界終末時計の推移

終末時計 変化 詳細
1947年 7分前   創設。
1949年 3分前 4分進む ソビエト連邦が核実験に成功。
核兵器開発競争の始まり。
1953年 2分前 1分進む アメリカ合衆国とソ連が水爆実験に成功。
1960年 7分前 5分戻る アメリカとソ連の国交回復。
パグウォッシュ会議の開催。
1963年 12分前 5分戻る アメリカとソ連が部分的核実験禁止条約に調印。
1968年 7分前 5分進む フランス中華人民共和国が核実験に成功。
第三次中東戦争ベトナム戦争第二次印パ戦争の発生。
1969年 10分前 3分戻る アメリカの上院核拡散防止条約を批准。
1972年 12分前 2分戻る 米ソがSALT IABM条約を締結。
1974年 9分前 3分進む SALT Iに続く米ソの軍縮交渉難航、両国によるMIRVの配備。
インドが最初の「平和的核爆発」に成功。
1980年 7分前 2分進む 米ソ間の交渉が停滞。国家主義的な地域紛争。
テロリストの脅威が増大する。
南北問題イラン・イラク戦争
1981年 4分前 3分進む 軍拡競争の時代へ。
アフガニスタンポーランド南アフリカにおける人権抑圧が問題に。
1984年 3分前 1分進む 米ソ間の軍拡競争が激化。
1988年 6分前 3分戻る 米ソが中距離核戦力全廃条約を締結。
1990年 10分前 4分戻る 東欧の民主化冷戦の終結。
湾岸戦争
1991年 17分前 7分戻る ソ連崩壊
ユーゴスラビア連邦解体。
1995年 14分前 3分進む ソ連崩壊後もロシアに残る核兵器の不安。
1998年 9分前 5分進む インドとパキスタンが相次いで核兵器の保有を宣言。
2002年 7分前 2分進む 前年にアメリカ同時多発テロが起こる。
アメリカがABM条約からの脱退を宣言。
テロリストによる大量破壊兵器使用の懸念が高まる。
2007年 5分前 2分進む 北朝鮮核実験強行。
イラン核開発問題
地球温暖化の更なる進行。
2010年 6分前 1分戻る バラク・オバマ米大統領による核廃絶運動。
2012年 5分前 1分進む 核兵器拡散の危険性の増大。
福島第一原子力発電所事故を背景とした原子力の安全性への懸念。
2015年 3分前 2分進む 気候変動や核軍備競争のため。
2017年 2分30秒前 30秒進む ドナルド・トランプ米大統領が核廃絶や気候変動対策に対して消極的な発言[5]
2018年 2分前 30秒進む 北朝鮮が行っている核開発の影響による核戦争への懸念[6]

大衆文化への登場[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ もっとも世界が核戦争の危機に瀕したとされる1962年キューバ危機は反映されていない。これは短期間での出来事かつ、危機が起きた時点では詳細な状況とその結果がよく知られていなかったためで、委員会ではその後の米ソホットラインの設置、部分的核実験禁止条約への署名といった動きを受けて、翌年1963年に7分前から12分前まで針を戻している。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]