リック・ペリー

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リック・ペリー
Rick Perry
Gov. Perry CPAC February 2015 Blue.jpg
生年月日 (1950-03-04) 1950年3月4日(67歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 テキサス州 ハスケル郡 ペイントクリーク
出身校 テキサスA&M大学 (BS)
所属政党 民主党 (1989年まで)
共和党 (1989年–現在)
配偶者 アニータ・シグペン・ペリー (m. 1982)
子女 2人
サイン Rick Perry signature.svg

在任期間 2017年3月2日 - 現職
大統領 ドナルド・トランプ

Flag of Texas.svg 第47代 テキサス州知事
在任期間 2000年12月21日 - 2015年1月20日

Flag of Texas.svg 第39代 テキサス州副知事
在任期間 1999年1月19日 - 2000年12月21日

Flag of Texas.svg 第9代 テキサス州農務長官
在任期間 1991年1月15日 - 1999年1月19日

Flag of Texas.svg テキサス州下院議員
選挙区 テキサス州下院第64選挙区
在任期間 1985年1月8日 - 1991年1月8日
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リック・ペリー(本名: ジェームズ・リチャード "リック"・ペリー、James Richard "Rick" Perry、1950年3月4日 - )は、アメリカ合衆国政治家。現在、同国エネルギー長官(第14代)。テキサス州知事(第47代、2000年-2015年)などを歴任した。所属は共和党。アニタ・シグペン・ペリー夫人との間に息子グリフィンと娘シドニーがいる。

経歴[編集]

西テキサスのアビリーンから北に位置するペイントクリークで、父ジョセフ・レイ・ペリー (1925年-2017年)と母アメリア・ジューン・ペリーとの間に生まれる。綿花農業を営む父はハスケル郡の郡政委員長と教育委員会のメンバーを務め、第二次世界大戦中は尾部銃手であった[1]

ペリーは父祖がテキサスに移住して以来5世代目にあたる。父方の祖先であるジェーン・キリアンは1832年9歳の時に両親ジョン・ペリーとマリア・ペリーと共にテネシー州からメキシコ領テキサスに移住した。母方の祖先のアイシー・アベルスはミシシッピー州から来たチョクトー族であった[2]

1968年ペイントクリーク高等学校を卒業する。ペリーはボーイスカウトに属しており、アメリカボーイスカウト連盟で最高の進級記章であるイーグルスカウトを得ている。1968年、ペリーはテキサスA&M大学(Texas Agriculture and Mechanical University)に進学し、獣医学を専攻し1972年テキサスA&M大学を卒業する(学士)。在学中は同大学における 士官候補生団(Corps of Cadets)のメンバーとなっている。学業成績GPAは4.0中2.5と芳しくなく、獣医の道ではなく空軍に入隊する道を選んだ。大学卒業後、アメリカ空軍に従軍し、パイロットの訓練を完了した後、1977年に退役するまでの間、アメリカ国内やヨーロッパ中東C-130輸送機の操縦に従事した。退役時の階級は大尉であった。空軍を退役した後、サウスウエスト航空のパイロット訓練のプログラムに参加したが[3]、故郷のテキサスに戻り、父と共に綿花栽培事業に従事する。1982年にエレメンタリースクール以来の幼馴染で恋人で看護師のアニタ・シグペン(Anita Thigpen)と結婚し、ハスケルの外の600平米の家に転居した[3]

議員[編集]

1984年民主党からテキサス州下院議員に当選した。1987年には、当時のテキサス州知事で共和党のビル・クレメンツが提出した57億ドルの増税案に賛成票を投じている。また、年間7200ドルであった州議会議員の報酬を3倍にするという法案を共同執筆している。この法案は州の住民投票により否決されている。1985年に合衆国下院議員で民主党のケント・ハンスが共和党に鞍替えした際には、自分であれば離党し転向するよりむしろ党を変えようとするだろう、残念だ、と『アビリーン・リポーターニュース』紙に語っている[4]。その後、労働者災害補償保険制度の法案を議会に提出し、当時州内の政治に強い影響力をもっていた法廷弁護士たちを怒らせたが、1989年にこの法案は可決した。1988年の合衆国大統領選挙ではアル・ゴアを支持し、テキサス州の民主党大統領選挙予備選でゴアのキャンペーンマネージャーを務める[5]。この際、ジェシー・ジャクソンを支持するジム・ハイタワーに対抗するために「共和党に鞍替えするのでは?」と噂された。テキサス州の共和党委員長フレッド・マイヤーや上院議員フィル・グラムら元民主党の共和党議員からの積極的な勧誘の後、1989年9月29日に所属政党を共和党に変更した。1990年に州農政監察官に共和党候補として立候補し、ハイタワーに勝利して当選した。同州下院議員を歴任後、1998年の中間選挙でテキサス州副知事に当選した。

知事[編集]

2000年アメリカ合衆国大統領選挙で当選したことによってジョージ・W・ブッシュ州知事を辞任したのに伴い、後任として州知事に昇格した。以後2002年2006年2010年の選挙で当選し、州史上最も長い在任期間の知事である。また2011年現在、連続在任としては全米50州で最長期間の知事である(通算では17年目のアイオワ州知事テリー・ブランスタッドが最長である)。またペリーは州知事就任後、同州に100万人の雇用を生み出すことに成功するなどの実績を積んでいる。

2012年アメリカ合衆国大統領選挙の共和党候補が本命不在を叫ばれる中、それまでに出馬を表明した候補に不満のある勢力から、「反ワシントン」色の強いペリーに対する待望論が浮上し、その動向が注目されていた[6]2011年8月13日、南部サウスカロライナ州の集会で、2012年アメリカ合衆国大統領共和党予備選挙に出馬を表明した。しかし、度重なる失言を連発するなどして、評価を下げた。例えば、サウスカロライナ州での討論会で、ペリーは「トルコは北大西洋条約機構(NATO)にとどまるべきか」との質問に「トルコはイスラム教のテロリストに統治された国」と発言した。その上で「加盟の是非を議論するだけでなく、国際援助をゼロにすることも検討すべきだ」と発言した。これは、トルコ政府が17日に異例の抗議声明を発表する騒ぎに発展し、米国務省が釈明に努めるなど国際的な波紋を広げた[7]。11月上旬のテレビ討論会では、肥大化した政府組織をスリムにするために3つの政府機関をつぶすと訴えた。その際、問題の省庁を指折り数え始めたが、「商務省、教育省…」、そして長い沈黙。「あれ、3つ目はなんだったかな?」といい、場内に失笑があふれる中、再度3つの名を挙げようとするが、またも3つ目が思い出せず、他の候補者からは「EPA(環境保護庁)か?」と突っ込まれる。「そうEPA、いやEPAではない。EPAの改革は必要だが…」とペリーは苦笑した。そして3度目の挑戦では2番目の教育省すら忘れ、彼の口からは「商務省」しか出てこなかった。「Oops!(しまった!)」。このしばらく後に、「第3の機関」がエネルギー省だったことを思い出したが、支持率を大きく減らした[8]。2012年1月19日、選挙戦からの撤退を表明し[9]ニュート・ギングリッチ元下院議長の支持を表明した。

2014年8月15日、職権乱用など2件の罪でオースティンの大陪審によって起訴された [10]

2015年に州知事を退任。

2016年アメリカ合衆国大統領選挙[編集]

2015年6月4日、2016年アメリカ合衆国大統領選挙への出馬を表明した[11]。2015年9月、2016年アメリカ合衆国大統領選挙からの撤退を発表する[12]

ドナルド・トランプ政権[編集]

2016年12月14日、次期大統領ドナルド・トランプによって、アメリカ合衆国エネルギー長官に指名された[13]。2017年3月2日に上院にて62対37で承認され即日就任した[14]

2017年6月1日にパリ協定離脱を表明したトランプ政権内で、ペリー長官は地球温暖化懐疑論者といわれているが、レックス・ティラーソン国務長官とともにパリ協定 (気候変動)に留まるよう説得していたと報じられている[15]。トランプ大統領のパリ協定離脱表明直後には中国が気候変動対策でリーダーシップをとることを歓迎[16][17]するとしつつ、パリ協定から離脱しても、依然米国はクリーンテクノロジーでの優位性[18]などから温室効果ガス排出削減のリーダーであり続けると述べた。同年6月6日には、パリ協定離脱反対派であるカリフォルニア州知事ジェリー・ブラウンとともに中国が北京で主催した第8回クリーンエネルギー部長級会議英語版に出席した[19]。中国の張高麗副首相と会談してクリーンエネルギーでの米中協力で一致するも[20]、一地方自治体に対する異例の厚遇である習近平中国国家主席との会見を行ったブラウン知事との対応の違いが目立ったが、[21]。ブラウン知事は中国の『一帯一路』に参加する意向を示し、南京から北の移動に高速鉄道を利用したことが待遇の違いにつながっている[22][23]

人物[編集]

地球温暖化に懐疑的な立場をとっており、大気中の二酸化炭素の増加を抑制する努力が、アメリカ経済に大きな打撃を与えると語っている[24]。 

同性結婚妊娠中絶の合法化に反対の立場を表明している。

聖書の無誤性を信じていると語り[25]インテリジェント・デザイン説を信じていると主張している。2011年8月18日、大統領共和党予備選挙のキャンペーンでニューハンプシャー州を訪れた際に「地球は何歳だと思いますか?」という少年の質問を受けて、自分にはわからない、かなりの年月を経ている、など答えている。さらに、少年(に質問を指示している母親)から進化論について尋ねられ、進化論はひとつの理論であり欠落部があると答えている[26] [27]

中東政策では親イスラエルの立場を取っている。2011年9月20日ニューヨーク市内で開催された記者会見では、パレスチナ国連加盟申請の動きに対して、パレスチナが国家設立に向けて行動する場合、米国はパレスチナへの経済援助を見直すべきである、など主張した(2011年9月23日にパレスチナは国連加盟を申請)[28]

死刑制度を肯定しており、知事就任後、全米の死刑の約4割がテキサス州で執行されている。2004年に死刑が執行されたテキサス州の元死刑囚の男性キャメロン・トッド・ウィリングハムについて、無罪だった可能性を指摘する報告書が相次いでいる。しかし、法廷の過ちを調査する州の委員会が開かれようとした矢先にメンバー4人を相次いで退任させたため、「冤罪死刑執行のもみ消し」と批判された[29][30]

米国在郷軍人会のメンバーである[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b "Texas Governor Rick Perry". Office of the Governor, 2011年9月30日閲覧.
  2. ^ "Perry's Ancestry" 2012 Republican Presidential Candidates.
  3. ^ a b BRYAN BURROUGH (2012年1月). “RICK PERRY HAS THREE STRIKES AGAINST HIM”. Vanity Fair. 2017年5月31日閲覧。
  4. ^ Jay Root, "Taking a Look at the Governor, Back When He Was a Democrat". The New York Times (2011年7月14日), 2011年10月1日閲覧.
  5. ^ Catalina Camia, "Al Gore reflects on Rick Perry." USA Today (2010年9月9日), 2011年10月1日閲覧.
  6. ^ テキサス州知事に待望論 12年米大統領選で共和党」 MSN産経ニュース (2011.6.25), 2011年9月30日閲覧.
  7. ^ http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012011802000192.html
  8. ^ http://www.youtube.com/watch?v=kTNjhcyx7dM
  9. ^ 米大統領選、ペリー氏が撤退を表明 読売新聞 2012年1月20日閲覧
  10. ^ “テキサス州知事が起訴―次期大統領選の共和党候補とも”. (2014年8月16日). http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303959804580095070103155134 2014年8月22日閲覧。 
  11. ^ “共和党指名争い、ペリー氏が出馬 米大統領選”. 朝日新聞. (2015年6月5日). http://www.asahi.com/articles/DA3S11793669.html 2016年3月12日閲覧。 
  12. ^ “リック・ペリー氏、米大統領選の共和党指名争いから離脱”. AFP. (2015年9月12日). http://www.afpbb.com/articles/-/3060099 2016年3月12日閲覧。 
  13. ^ “エネルギー省長官、ペリー氏起用を発表 前テキサス知事”. 朝日新聞. (2016年12月15日). http://www.asahi.com/articles/ASJDG7SQPJDGUHBI046.html 2017年3月3日閲覧。 
  14. ^ “Senate votes to confirm former Texas governor Rick Perry as energy secretary” (英語). The Washington Post (ワシントン・ポスト). (2017年3月2日). https://www.washingtonpost.com/news/energy-environment/wp/2017/03/02/senate-votes-to-confirm-former-texas-governor-rick-perry-as-energy-secretary/?utm_term=.8596523f0a6c 2017年3月3日閲覧。 
  15. ^ Kevin Liptak (2017年5月31日). “Trump expected to withdraw from Paris climate agreemen”. CNN. 2017年5月31日閲覧。
  16. ^ “パリ協定から離脱の米国、エネルギー相「中国が主導権引き継ぐのを歓迎する」―米紙”. Record China. (2017年6月5日). http://www.recordchina.co.jp/b180153-s0-c30.html 2017年6月6日閲覧。 
  17. ^ “US Energy Secretary Perry Says It's Fine if China Takes Leadership on Climate”. WSJ. (2017年6月2日). https://www.wsj.com/articles/u-s-energy-secretary-perry-says-its-fine-if-china-takes-leadership-on-climate-1496410446 2017年6月6日閲覧。 
  18. ^ US energy secretary challenges China to be leader on climate”. ABC (2017年6月6日). 2017年6月7日閲覧。
  19. ^ UPDATE 2-California, China defy US climate retreat with new cleantech tie-up”. ロイター (2017年6月6日). 2017年6月6日閲覧。
  20. ^ China, US call for enhanced energy cooperation”. 新華網 (2017年6月6日). 2017年6月8日閲覧。
  21. ^ “In Beijing, Perry promotes US-China clean energy cooperation”. ABCニュース. (2017年6月8日). http://abcnews.go.com/Politics/wireStory/beijing-perry-promotes-us-china-clean-energy-cooperation-47905197 2017年6月10日閲覧。 
  22. ^ 習近平主席が米カリフォルニア州知事と会談”. 人民網日本語版 (2017年6月7日). 2017年6月10日閲覧。
  23. ^ 米カリフォルニア州知事が中国高速鉄道を絶賛、シュワルツェネッガー氏も関心―台湾メディア”. 人民網日本語版 (2017年6月8日). 2017年6月10日閲覧。
  24. ^ Jason McLure, "Perry says slowing carbon emissions hurts US economy." Reuters (2011年10月1日), 2011年10月1日閲覧.
  25. ^ Christy Hoppe, "Perry believes non-Christians doomed." The Dallas Morning News (2006年11月6日). (アーカイブ, 2011年10月1日閲覧).
  26. ^ Steve Benen, Perry tackles science in N.H.." Washington Monthly (2011年8月18日), 2011年10月1日閲覧.
  27. ^ Catalina Camia, "Rick Perry: Evolution is 'theory' with 'gaps'." USA Today (2011年8月18日), 2011年10月1日閲覧.
  28. ^ "Gov. Perry’s Remarks at Israel-Palestine Press Conference in New York City." http://www.rickperry.org, 2011年10月1日閲覧.
  29. ^ http://www.asahi.com/international/
  30. ^ http://www.youtube.com/watch?v=vyc2PzM593g


公職
先代:
グレース・ボヘネク英語版
代理
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第14代:2017 -
次代:
現職
先代:
ジョージ・W・ブッシュ
Flag of Texas.svg テキサス州知事
第47代:2000 - 2015
次代:
グレッグ・アボット英語版