レックス・ティラーソン

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レックス・ティラーソン
Rex Tillerson
Rex Tillerson official Transition portrait.jpg
第69代アメリカ合衆国国務長官
就任
2017年2月1日 -
大統領 ドナルド・トランプ
前任者 ジョン・ケリー
第33代ボーイスカウトアメリカ連盟総長
任期
2010–2012
前任者 ジョン・ゴッチョーク
後任者 ウェイン・ペリー
個人情報
生誕 レックス・ウェイン・ティラーソン
(1952-03-23) 1952年3月23日(65歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 テキサス州
ウィチタフォールズ
政党 共和党
配偶者 レンダ・セントクレア
出身校 テキサス大学オースティン校 (BS)
給料 $2720万 (2015年)[1]


レックス・ウェイン・ティラーソンRex Wayne Tillerson1952年3月23日 - )は、第69代アメリカ合衆国国務長官アメリカ石油メジャー最大手のエクソンモービル前会長 (chairman of the board) 兼最高経営責任者 (CEO)[2]ロシアと太いパイプを持つ。2016年12月13日にドナルド・トランプから国務長官に指名された[3][4]。姓は「ティラソン」とも書かれる[5]

略歴[編集]

国務長官就任前[編集]

1952年にアメリカテキサス州で生まれ、1975年に石油メジャーの旧エクソンに入社し、2006年にエクソンモービルの最高経営責任者 (CEO) に就任[4]

2012年にロシア石油最大手の国営ロスネフチセチン社長(元副首相)と北極海黒海の共同開発で合意[2]サハリン1ではタフな交渉を行ったことからロシア大統領ウラジミール・プーチンからも評価された[6]

2014年のウクライナ危機では、ロシアへの経済制裁に反対した[2]

2016年アメリカ合衆国大統領選挙の際はジェブ・ブッシュ候補を支持するも[7][8]ジョージ・W・ブッシュ政権関係者の推薦[9]共和党予備選挙で勝利したトランプと知己を得る。

2016年12月13日、トランプ次期大統領からアメリカ合衆国国務長官に指名されたことが発表された[4]上院外交委員会の指名承認公聴会ではロシアによるクリミア・セヴァストポリの編入を批判してウクライナへの武器供与と当面の対ロシア制裁維持を主張した[10][11]。また、同公聴会ではイラン北朝鮮を「敵 (adversary) 」と表現し[12]中華人民共和国による南シナ海での人工島建設と軍事施設の設置についてはロシアのクリミア編入に類似するとして認めない姿勢を明確にすべきだと発言した[13]

2017年1月3日、エクソンモービルは、ティラーソンの国務長官への指名に伴い、利益相反に関する法律の規定要件を満たすため、ティラーソンと同社との関係をすべて絶つ合意をしたことを明らかにした(2017年1月1日にダレン・ウッズがCEOに昇格)[14][15]

国務長官就任後[編集]

2017年2月1日、上院により国務長官への就任が賛成56、反対43で承認された(反対票は過去の国務長官承認で最多であり、民主党議員の大半が反対した)[16][17]

同年2月10日(アメリカ東部時間9日)の中国国家主席習近平との電話会談でトランプ大統領が「一つの中国」の見直しから「一つの中国」政策支持に前言を翻した際にはティラーソンの尽力があったとされ[18]、公聴会や質疑でも「一つの中国」政策維持を主張していた[13][19]。中国の王毅外相との初会談の際も「一つの中国」政策維持を確認している[20]。また、中国への春節の祝電もトランプ大統領にティラーソンが提案したとされている[21]

同年2月16日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と初会談をG20外相会合が開催されているドイツボンで行い、関係改善する前提としてウクライナ東部での停戦遵守を求めた[22][23]。なお、ロシアと意見が一致しない分野では「同盟国の価値と利益を守る」とし[23][24]シリアの反政府勢力をテロリストと扱う限りロシアとは軍事協力しない意向も表明した[25]。また、日本韓国と3か国外相会談も行い、北朝鮮弾道ミサイル発射を非難し、を含む「拡大抑止」の提供による日韓両国に対する防衛義務維持に言及した共同声明の作成を主導した[26][27]

同年2月28日、訪米した中国の外交担当国務委員楊潔篪ワシントン国務省で会談し、高官同士の定期対話が重要であるとの認識で一致した[28]。また北朝鮮の核開発の懸念についても協議した[28]

3月15日から19日の日程で、国務長官就任後初のアジア歴訪として、日本、韓国、中国の順に訪問[29]。16日に安倍晋三内閣総理大臣首相官邸で会談し、対北朝鮮政策の見直しにおいて「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と圧力路線への移行を鮮明にした[30][31]。これに先立つ岸田文雄外相との会談後の共同記者会見では、「過去20年間努力してきたが、北朝鮮の非核化は失敗した。脅威は増大しており、違うアプローチが必要だ」と発言した[30][32]。韓国から中国に向かう機上のインタビューでは、状況の展開によっては日韓の「核武装の容認」も考慮しなければならないと表明した[33]。18日の北京での王毅外相との会談では再び「一つの中国」政策の堅持を表明し[34]、会談後の共同記者会見では朝鮮半島の緊張が非常に高くなっていて「事態はかなり危険なレベルに達している」との認識を米中両国が共有し[34][35][36]、北朝鮮の姿勢を転換させるべく「中国との協力を決意した」と述べた[37][38]。19日には、習近平国家主席と人民大会堂で会談した[39][40]。習近平政権が米国に提案してきた[41]「新型大国関係」(衝突・対抗せず、相互尊重し、Win-Winで協力する原則)に事実上同意して多くの観測筋を驚かせた[42][40][43][44]

脚注[編集]

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  1. ^ “Profits are down at ExxonMobil, but don't cry for CEO Rex Tillerson” (英語). The Washington Post. (2016年4月29日). https://www.washingtonpost.com/business/economy/profits-are-down-at-exxonmobil-but-dont-cry-for-ceo-rex-tillerson/2016/04/29/d6401e0c-0d60-11e6-a6b6-2e6de3695b0e_story.html?utm_term=.25257206c3b9 2016年12月11日閲覧。 
  2. ^ a b c “米国務長官候補のティラーソン氏、ロシアを警戒「当然」”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年1月12日). http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11572350S7A110C1FF2000/ 2017年1月16日閲覧。 
  3. ^ “トランプ氏、国務長官にエクソンのティラーソンCEO指名”. ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版 (Dow Jones&Company). (2016年12月13日). http://jp.wsj.com/articles/SB12340534005287504876604582493852374087964 2016年12月13日閲覧。 
  4. ^ a b c “トランプ次期大統領、国務長官にエクソンCEOレックス・ティラーソン氏を指名 親ロシア鮮明に”. ハフィントン・ポスト日本版 (ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン). (2016年12月14日). http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/13/trump_n_13616920.html 2017年1月12日閲覧。 
  5. ^ 岸田外務大臣発レックス・ティラソン米国国務長官宛祝辞”. 外務省 (2017年2月2日). 2017年2月6日閲覧。
  6. ^ “プーチン氏が認めた豪腕 ティラーソン米次期国務長官”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2016年12月13日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK13H4P_T11C16A2000000/ 2017年2月15日閲覧。 
  7. ^ Lavelle, Marianne (2016年7月22日). “Fossil Fuel Money Still a Dry Well for Trump Campaign” (英語). InsideClimate News. 2017年2月15日閲覧。
  8. ^ Rex Tillerson of ExxonMobil Expected to Be Named Trump's Secretary of State: Sources” (英語). NBC NEWS. NBCNEWS.COM (2016年12月11日). 2017年2月15日閲覧。
  9. ^ 大統領選で不支持表明のジェブ・ブッシュ氏、トランプ氏の組閣人事をべた褒め”. 東亜日報日本語版 (2017年1月12日). 2017年2月15日閲覧。
  10. ^ 【社説】国務長官にティラーソン氏を”. ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版. Dow Jones&Company (2017年1月12日). 2017年2月15日閲覧。
  11. ^ “Rex Tillerson takes tough line on Russian hacking in tense hearing” (英語). The Washington Times. (2017年1月11日). http://www.washingtontimes.com/news/2017/jan/11/rex-tillerson-us-response-russia-crimea-seizure-wa/ 2017年2月15日閲覧。 
  12. ^ “米次期国務長官「イランと北朝鮮のような敵が重大な脅威」”. デイリーNKジャパン. (2017年1月13日). http://dailynk.jp/archives/81244 2017年2月15日閲覧。 
  13. ^ a b “トランプ政権の次期国務長官「中国に南シナ海の人工島へのアクセス許さず」”. ニューズウィーク日本版. ロイター (CCCメディアハウス). (2017年1月12日). http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6704.php 2017年2月15日閲覧。 
  14. ^ “米エクソン、国務長官指名のティラーソン氏と関係絶つことに合意”. ロイター日本語ニュース (ロイター). (2017年1月4日). http://jp.reuters.com/article/exxon-mobil-tillerson-idJPKBN14O0L2 2017年1月12日閲覧。 
  15. ^ “米エクソン、傍流に成長託す CEOにウッズ氏”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年1月17日). http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11757110W7A110C1FFB000/ 2017年1月17日閲覧。 
  16. ^ Confirmation vote PN25” (英語). United States Senate (2017年2月1日). 2017年2月1日閲覧。
  17. ^ “米上院、ティラーソン国務長官を承認”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年2月2日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN02H0N_S7A200C1000000/?n_cid=NMAIL001 2017年2月3日閲覧。 
  18. ^ “中国巡るトランプ氏の立場修正、ティラーソン国務長官が尽力”. ロイター日本語ニュース (ロイター). (2017年2月13日). http://jp.reuters.com/article/usa-trump-china-call-idJPKBN15S050 2017年2月15日閲覧。 
  19. ^ “「トランプ・習近平」電話会談は、なぜ安倍首相訪米に合わせたのか?”. ニューズウィーク日本版 (CCCメディアハウス). (2017年2月13日). http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-6959_1.php 2017年2月15日閲覧。 
  20. ^ “北朝鮮の挑発抑制、影響力行使を=米国務長官、中国外相と会談-「一つの中国」確認”. 時事ドットコム (時事通信社). (2017年2月18日). http://www.jiji.com/jc/article?k=2017021701301 2017年2月18日閲覧。 
  21. ^ 福島香織 (2017年2月15日). “「一中原則」米中の駆け引きは、中国の勝利か?”. 日経ビジネスオンライン. 日経BP. 2017年2月15日閲覧。
  22. ^ 米閣僚 ロシアとの関係改善に慎重姿勢”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (2017年2月17日). 2017年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月18日閲覧。
  23. ^ a b “米国務長官「ウクライナ停戦順守を」 ロシア外相に”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年2月17日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16HBM_W7A210C1MM8000/?n_cid=NMAIL001 2017年2月18日閲覧。 
  24. ^ 対露関係の改善、分野絞り慎重に…米国務長官”. YOMIURI ONLINE. 読売新聞社 (2017年2月17日). 2017年2月18日閲覧。
  25. ^ ロシアとの軍事協力否定的 米国務長官、シリア情勢で”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2017年2月17日). 2017年2月18日閲覧。
  26. ^ “日米韓外相の共同声明づくり、米国務長官が主導”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年2月17日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H0F_X10C17A2EAF000/ 2017年2月18日閲覧。 
  27. ^ “日米韓外相共同声明の要旨”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年2月18日). http://www.sankei.com/world/news/170218/wor1702180008-n1.html 2017年2月19日閲覧。 
  28. ^ a b “米中、定期対話で一致 外交トップ会談”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年3月1日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H11_R00C17A3EAF000/ 2017年3月1日閲覧。 
  29. ^ “米、北朝鮮包囲網探る 国務長官が15日から日中韓歴訪”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年3月9日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC08H1Z_Y7A300C1PP8000/ 2017年3月17日閲覧。 
  30. ^ a b “対北朝鮮であらゆる選択肢 米、圧力路線鮮明に”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年3月17日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS16H7V_W7A310C1EA1000/ 2017年3月17日閲覧。 
  31. ^ “【米国務長官来日】ティラーソン氏、安倍晋三首相と会談 対北、圧力強化で一致「あらゆる選択肢がテーブルに…」”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年3月16日). http://www.sankei.com/politics/news/170316/plt1703160037-n1.html 2017年3月17日閲覧。 
  32. ^ “【米国務長官来日】ティラーソン氏初の記者会見 北核開発阻止に「新アプローチ必要」”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年3月16日). http://www.sankei.com/world/news/170316/wor1703160040-n1.html 2017年3月17日閲覧。 
  33. ^ “ティラーソン米国務長官、「韓日核武装を容認することも」”. 東亜日報日本語版. (2017年3月20日). http://japanese.donga.com/Home/3/all/27/875795/1 2017年3月21日閲覧。 
  34. ^ a b “【米中外相会談】ティラーソン&王毅「朝鮮半島は危険なレベルに達している」と認識を共有 南シナ海やTHAAD配備では隔たり”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年3月18日). http://www.sankei.com/world/news/170318/wor1703180060-n1.html 2017年3月20日閲覧。 
  35. ^ “米中、首脳会談へ準備 北京で外相会談”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年3月19日). http://www.nikkei.com/article/DGXKZO14261580Y7A310C1EA3000/ 2017年3月20日閲覧。 
  36. ^ “米国務長官、中国外相と会談 北朝鮮対処で協力姿勢”. AFPBB News (AFP通信). (2017年3月19日). http://www.afpbb.com/articles/-/3121941?cx_part=txt_topstory 2017年3月20日閲覧。 
  37. ^ “ティラーソン米国務長官、中国外相と会談 対北朝鮮で協力重視”. Sputnik日本語版 (スプートニク). (2017年3月19日). https://jp.sputniknews.com/politics/201703193447442/ 2017年3月20日閲覧。 
  38. ^ “米国務長官が中国外相と会談、北朝鮮問題で協力迫る”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2017年3月19日). http://www.asahi.com/articles/ASK3L4RSGK3LUHBI014.html 2017年3月20日閲覧。 
  39. ^ “【米中外相会談】ティラーソン米国務長官がトランプ氏の考え伝達「習近平氏との会談楽しみにしている」”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年3月19日). http://www.sankei.com/world/news/170319/wor1703190016-n1.html 2017年3月21日閲覧。 
  40. ^ a b “Rex Tillerson, Xi Jinping Meet In China As Secretary Of State Wraps Asia Tour” (英語). NPR (ナショナル・パブリック・ラジオ). (2017年3月19日). http://www.npr.org/sections/parallels/2017/03/19/520726395/rex-tillerson-xi-jinping-meet-in-china-as-secretary-of-state-wraps-asia-tour 2017年3月21日閲覧。 
  41. ^ “米国のトランプ大統領、楊潔チ国務委員と会見”. 新華網 (新華社). (2017年2月28日). http://jp.xinhuanet.com/2017-02/28/c_136090634.htm 2017年3月21日閲覧。 
  42. ^ “米中「大国関係」容認か、国務長官の発言が波紋”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). (2017年3月22日). http://www.yomiuri.co.jp/world/20170321-OYT1T50142.html 2017年3月23日閲覧。 
  43. ^ “ワシントンポスト「ティラーソン、中国に外交的勝利抱かせた」”. ハンギョレ. (2017年3月20日). http://japan.hani.co.kr/arti/international/26844.html 2017年3月21日閲覧。 
  44. ^ “ティラーソン米国務長官が習近平国家主席と会談、「新型大国関係」を確認―中国紙”. Record China. (2017年3月20日). http://www.recordchina.co.jp/b172679-s0-c10.html 2017年3月21日閲覧。 
公職
先代:
トーマス・シャノン(代行)
アメリカ合衆国国務長官
大統領: ドナルド・トランプ

2017年2月1日 -
次代:
現職