レックス・ティラーソン

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レックス・ティラーソン
Rex Tillerson
Rex Tillerson official portrait.jpg
生年月日 (1952-03-23) 1952年3月23日(66歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 テキサス州ウィチタフォールズ
出身校 テキサス大学オースティン校 BS
前職 エクソンモービル会長兼CEO
ボーイスカウトアメリカ連盟総長
所属政党 共和党
配偶者 レンダ・セントクレア

在任期間 2017年2月1日 - 2018年3月31日
大統領 ドナルド・トランプ
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レックス・ウェイン・ティラーソンRex Wayne Tillerson1952年3月23日 - )は、アメリカ合衆国実業家政治家。第69代アメリカ合衆国国務長官アメリカ石油メジャー最大手のエクソンモービル前会長(chairman of the board)兼最高経営責任者(CEO)[1]。姓は「ティラソン」とも書かれる[2]2018年3月13日にトランプ大統領から、国務長官解任をツイッターにて発表された[3]

略歴[編集]

生い立ち[編集]

1952年アメリカテキサス州ウィチタフォールズでボビー・ジョー・ティラーソンとパティ・スー・パトンの間に生まれた[4]。1970年にハンツビル高校を卒業した[5]。1975年にテキサス大学オースティン校の土木工学科で学士号を得た[6]。大学卒業後の1975年に石油メジャーの旧エクソンに入社し、2006年にエクソンモービル最高経営責任者(CEO)に就任した[7]

2012年ロシア石油最大手の国営ロスネフチセチン社長(元副首相)と北極海黒海の共同開発で合意[1]サハリン1ではタフな交渉を行ったことからロシア大統領ウラジミール・プーチンからも評価された[8]2014年ウクライナ危機では、取引関係にあるロシアへの経済制裁に反対した[1]。ティラーソンのCEO退任後の2018年3月にこの事業提携は解消されることとなった[9]

2016年アメリカ合衆国大統領選挙の際はジェブ・ブッシュ候補を支持するも[10][11]ジョージ・W・ブッシュ政権関係者の推薦[12]共和党予備選挙で勝利したトランプと知己を得る。ティラーソンとともに戦略国際問題研究所で理事[13]を務め、トランプと旧知の仲[14]だったヘンリー・キッシンジャー元国務長官が国務長官への指名を提案したとされる[15]

2016年12月13日、ドナルド・トランプから国務長官に指名された[7][16]上院外交委員会の指名承認公聴会ではロシアによるクリミア・セヴァストポリの編入を批判してウクライナへの武器供与と当面の対ロシア制裁維持を主張した[17][18]。同公聴会ではイラン北朝鮮を「敵 (adversary)」と表現し[19]中華人民共和国による南シナ海での人工島建設と軍事施設の設置についてはロシアのクリミア編入に類似するとして認めない姿勢を明確にすべきだと発言した[20]

2017年1月3日、エクソンモービルは、ティラーソンの国務長官への指名に伴い、利益相反に関する法律の規定要件を満たすため、ティラーソンと同社との関係をすべて絶つ合意をしたことを明らかにした(2017年1月1日にダレン・ウッズがCEOに昇格)[21][22]

国務長官就任[編集]

2017年2月1日、上院により国務長官への就任が賛成56、反対43で承認された(反対票は過去の国務長官承認で最多であり、民主党議員の大半が反対した)[23][24]

2月10日(アメリカ東部時間9日)の中華人民共和国主席習近平との電話会談でトランプ大統領が「一つの中国」の見直しから「一つの中国」政策支持に前言を翻した際には大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー[25]とともにティラーソンの説得があったとされ[26]、公聴会や質疑でも「一つの中国」政策維持を主張していた[20][27]。中国の王毅外相との初会談の際も「一つの中国」政策維持を確認している[28]。中国への春節の祝電もトランプ大統領にティラーソンが提案したとされている[29]

2月16日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と初会談をG20外相会合が開催されているドイツボンで行い、関係改善する前提としてウクライナ東部での停戦遵守を求めた[30][31]。ロシアと意見が一致しない分野では「同盟国の価値と利益を守る」とし[31][32]シリアの反政府勢力をテロリストと扱う限りロシアとは軍事協力しない意向も表明した[33]日本韓国と3か国外相会談も行い、北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難し、を含む「拡大抑止」の提供による日韓両国に対する防衛義務維持に言及した共同声明の作成を主導した[34][35]

2月28日、訪米した中国の外交担当国務委員楊潔篪ワシントン国務省で会談して、高官同士の定期対話が重要であるとの認識で一致し[36]、北朝鮮の核開発の懸念について協議した[36]

3月15日から19日の日程で、国務長官就任後初のアジア歴訪として、日本、韓国、中国の順に訪問[37]。16日に安倍晋三内閣総理大臣首相官邸で会談し、対北朝鮮政策の見直しにおいて「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と圧力路線への移行を鮮明にした[38][39]。これに先立つ岸田文雄外相との会談後の共同記者会見では、「過去20年間努力してきたが、北朝鮮の非核化は失敗した。脅威は増大しており、違うアプローチが必要だ」と発言した[38][40]。韓国から中国に向かう機上のインタビューでは、状況の展開によっては日韓の「核武装の容認」も考慮しなければならないと表明した[41]。18日の北京での王毅外相との会談では再び「一つの中国」政策の堅持を表明し[42]、会談後の共同記者会見では、朝鮮半島の緊張が非常に高くなっていて「事態はかなり危険なレベルに達している」との認識を米中両国が共有し[42][43][44]、北朝鮮の姿勢を転換させるべく「中国との協力を決意した」と述べた[45][46]。19日には、習近平国家主席と人民大会堂で会談した[47][48]。習近平政権が米国に提案[49]してきた「新型大国関係」(衝突・対抗せず、相互尊重し、Win-Winで協力する原則)に事実上同意して多くの観測筋を驚かせた[48][50][51][52]。4月7日に行われた米中首脳会談の最終調整も行った[53]

4月12日、ロシアのモスクワを訪問してプーチン大統領やセルゲイ・ラブロフ外相と会談。ティラーソンは米露関係は低調としつつ追加制裁は準備してないとして対話の維持で合意した[54]。9月8日、プーチン大統領はティラーソンがロシアの在米公館施設閉鎖などの措置をとってることについて「以前ティラーソン氏に友好勲章を授与したが、彼は間違った仲間とともに今は別方向に進んでる」と批判した[55]

9月30日、訪問先の中国で「対話の意思があるか打診してる。意思疎通できるチャンネルはある」とトランプ政権では初めて米朝の水面下での接触を認めたが[56]、その直後に国務省は「北朝鮮に対話への意思は見られない」と声明し[56]、10月1日にトランプ大統領は「チビのロケットマンとの対話、交渉は時間の無駄である。長官はエネルギーを浪費してはならない」とティラーソンに助言したと述べ[57][58]、2日にはホワイトハウスは「北朝鮮と交渉すべき時ではない」と発表した[59]。このことについてメディアはトランプとティラーソンの間に軋轢や確執が存在するという報道を行うもトランプ大統領とティラーソンは否定した[60][61]

12月12日、「北朝鮮との最初の対話を無条件にすることも可能だ」と述べつつ朝鮮半島有事を想定した核の確保と難民対策や38度線を越えた米軍の撤退など具体的対応を中国と協議してることを初めて公表した[62][63][64]。7月にティラーソンはキッシンジャーから「米中は北朝鮮の政権崩壊に向けて在韓米軍撤退などを事前調整すべき」との提言を受けていたとされる[65]。ただし、北朝鮮からの核・ミサイル開発の破棄や挑発の中止を前提とする方針の転換とも受け取れるこの発言については国務省とホワイトハウスや国家安全保障問題担当大統領補佐官ハーバート・マクマスターなどが修正し[66][67]、ティラーソン自身も「挑発の持続的停止が必要」[68]「北朝鮮に有利な前提条件はないという意味だ」[69]と釈明し、北朝鮮の核保有や米国の独自制裁緩和と人道支援再開と米韓合同軍事演習中止は受け入れないと表明した[70]

2018年1月16日、自身の呼びかけ[71]により国連軍派遣国を中心に日本など関係国も加えた外相会合がカナダバンクーバーで開かれ、「北朝鮮が対話路線で我々の意思や結束を分断することは認めない」[72]と述べて海上阻止行動の強化や国連安保理の枠を超えた独自制裁の検討[73]など完全で検証可能かつ不可逆な非核化まで北朝鮮への圧力を継続するとした共同声明を採択した[74]。ティラーソンは「冷戦時代への回帰」と会合に反発する中国とロシアを名指しして制裁履行を求めた[75]。2月に中国の楊潔篪国務委員が訪米した際に対北圧力の最大化で一致[76]して「あなたと私が失敗すれば、戦争になるだろう」と述べた[77]

3月9日からアフリカ5か国の歴訪へ出発するが、同じ週内にトランプ大統領は会見した韓国鄭義溶国家安全保障室長を通じて米朝首脳会談の意向を発表し、多忙と体調不良により訪問2か国目のケニアで行事出席をキャンセルしている[78]。3月13日にトランプ大統領は国務長官の解任を発表し[3]、ティラーソンの後任としてマイク・ポンペオを指名した[3][79]。ティラーソンは退任会見を開き、北朝鮮核問題と米中の関係改善で一定の成果をおさめたと振り返りつつロシアの行動への警戒感を述べた[80][81]。トランプ大統領は解任理由についてイランの核開発問題などをめぐる意見の不一致と述べた[80]。3月31日をもって退任。

脚注[編集]

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公職
先代:
トーマス・A・シャノン・ジュニア
(代理)
アメリカ合衆国国務長官
大統領: ドナルド・トランプ

2017年2月1日 - 2018年3月31日
次代:
ジョン・J・サリバン英語版
(代理)