マイク・ポンペオ
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マイク・ポンペオ Mike Pompeo | |
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生年月日 | 1963年12月30日(57歳) |
出生地 |
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出身校 |
アメリカ陸軍士官学校 ハーバード大学 |
前職 | 法律家 |
所属政党 | 共和党 |
称号 |
![]() 理学学士 法務博士(専門職) |
配偶者 | スーザン・ポンペオ |
子女 | 1人 |
サイン |
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在任期間 | 2018年4月26日 - 2021年1月20日 |
大統領 | ドナルド・トランプ |
在任期間 | 2017年1月23日 - 2018年4月26日 |
大統領 | ドナルド・トランプ |
選挙区 |
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当選回数 | 4回 |
在任期間 | 2011年1月3日 - 2017年1月23日 |
マイケル・リチャード・"マイク"・ポンペオ(英語: Michael Richard "Mike" Pompeo [pɒmˈpeɪoʊ]、1963年12月30日 - )は、アメリカ合衆国の政治家、軍人、弁護士。ドナルド・トランプ政権で第70代アメリカ合衆国国務長官を務めた[4][5][6]。
経歴[編集]
1963年12月30日にカリフォルニア州オレンジで誕生する。サンタアナに住んでいる時に1982年にロス・アミーゴス高校を卒業する。その後ウェストポイントのアメリカ陸軍士官学校に入学して機械工学を学び、1986年にトップの成績で卒業した。1986年から1991年までアメリカ陸軍機甲部隊で働き[7]、次にハーバード大学ロースクールに入学し、ハーバード・ロー・レビューの編集者として法務博士(専門職)の資格を得た。1994年に卒業した後はウィリアムズ&コノリー法律事務所で法律家として働いた[8][9]。 ティーパーティー運動の一人であり、2010年には民主党のラジ・ゴイルを59パーセントの得票を得て打ち破り、2011年から連邦下院議員となった[10][11]。
中央情報局長官[編集]
2016年11月18日にポンペオは中央情報局長官に就任するようドナルド・トランプ次期大統領より指名された[12]。 ポンペオに対する公聴会は2017年1月12日に開催され、1月20日に上院の情報委員会は発声投票で承認した[13]。 2017年1月23日にアメリカ上院はポンペオの中央情報局長官の就任を賛成66・反対32で承認した[14]。
2017年5月に北朝鮮はアメリカ中央情報局と韓国の国家情報院が金正恩委員長の暗殺を試みたと発表し[15][16]、暗殺に関与したアメリカ中央情報局関係者や国家情報院トップの引き渡し[17]と正式な謝罪[18]を要求した。同時期に韓国を訪問したポンペオは金正恩体制への反乱煽動などを脱北した北朝鮮の元駐イギリス公使と協議し[19]、特定の国を対象としたものとしては初めてである北朝鮮を専門とした部署を新設しており[20]、これに対して金委員長暗殺を目的とした動きとする見方もある[21]。また、同年7月にはポンペオは金委員長の排除を示唆した[22]。
2017年4月13日にワシントンD.C.の戦略国際問題研究所で最初の公式講演を行い、我々は大統領と国に情報提供するという単純だが難しい使命を帯びていると語った[23]と述べた。
2018年3月31日に極秘に北朝鮮を訪問して2000年に北朝鮮の首都である平壌を訪問したアメリカのマデレーン・オルブライト国務長官と金正日総書記の直接会談以来のアメリカと北朝鮮のハイレベル対話を金正恩委員長と行い[24]、非核化や拘束されたアメリカ人解放などを議論したとされる[25]。
国務長官[編集]
2018年3月13日にトランプ大統領はレックス・ティラーソン国務長官の解任と、その後任にポンペオを指名したことを発表した[4]。4月26日にアメリカ合衆国上院にて57対42で就任が承認され、これにより第70代アメリカ合衆国国務長官に就任[26]した。同時にアメリカ中央情報局長官の後任はジーナ・ハスペルとなった。
2018年5月9日にアメリカ合衆国国務長官として北朝鮮を訪問してアメリカと北朝鮮の首脳会談を調整し、北朝鮮で拘束されていたアメリカ人3名と共に帰国した[27]。
2018年6月12日にシンガポールで開催された2018年米朝首脳会談でトランプ大統領に同行し、金委員長本人から過去の金委員長の暗殺を示唆した発言について質問された際は「今も殺害を狙っている」とジョークで返した[28]。米朝首脳会談後に自身のツイッターで「アメリカ合衆国大統領と我らのチームが北朝鮮と議題にしたことは北朝鮮国内の人権・宗教の自由・日本人拉致被害者らだ」と明かした[29]。
2019年4月18日に北朝鮮外務省に批判され、2019年2月米朝首脳会談後の米朝協議から自身を外すようアメリカに要求された[30][31][32][33]。
2019年7月25日にトランプ大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談を行い政敵の調査を依頼していたことが後日発覚(ドナルド・トランプとウクライナ論争)。同年9月に民主党は大統領の弾劾を目指して動き出した。調査が進む中でポンペオは電話会談を傍聴していた事実を認めたが、議会の解明協力を拒否。部下の召喚も断った[34]。
2020年8月、中東諸国を歴訪した。イスラエルとアラブ首長国連邦の国交正常化合意を受けたもので、訪問先のアラブ諸国に追随を促す狙い[35]。
2020年10月、アジア諸国歴訪。当初日程では韓国とモンゴルも訪問先に組み入れられていたが、直前になってトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染していることが判明したため両国への訪問はキャンセル。同月4日に日本を訪問して、東京でオーストラリア、インド、日本の外相と会談するスケジュールに短縮された[36]。
2020年10月9日、バチカンを訪問。2019年の訪問時に設定されたフランシスコ教皇との会談はなかったが、ローマ教皇庁に対して中国の宗教弾圧の問題に真剣に取り組むよう申し入れた[37]。
研究員[編集]
2021年1月18日、米政策研究機関ハドソン研究所に2月1日から所属するとツイッターで明らかにした。
政治的スタンス[編集]
中絶[編集]
キリスト教の福音派を信仰し、中絶(Abortion)に強硬に反対している。彼はレイプや近親相姦による妊娠の際の中絶にも反対である[38]。
拷問[編集]
バラク・オバマ大統領がアメリカ中央情報局の”水責め”などの拷問を規制した際には、ポンペオは拷問を行ったのは「拷問者ではなく、愛国者だ」と発言した[39]。
銃器[編集]
全米ライフル協会の終身(生涯)会員である。ポンペオを支持している者が多く、銃規制に反対している。
医療保険[編集]
オバマによる医療保険制度(いわゆるオバマ・ケア)に強く反対している。
WHO[編集]
世界保健機関がテドロス・アダノム事務局長と、事務局長の就任を助けた中国との間で結ばれた取り決めによって左右されていると主張[40]。アメリカは2020年にWHOらの脱退を国際連合に通知し、2021年7月6日に脱退することを決定している[41]。
対中国[編集]
2020年7月8日の記者会見の中で、中国の領土紛争をあおる姿勢を批判。日本の尖閣諸島、ベトナム沖(西沙諸島)の南シナ海進出、ブータンとの国境問題を引き合いに出した[42]。
2020年7月23日にカリフォルニア州のリチャード・ニクソン大統領図書館・博物館で演説を行い、共産主義体制と中国の習近平総書記による覇権主義の動きについて異例の厳しさで批判。対中政策の転換を示唆するとともに、同盟国に対して対中包囲網を提唱した[43]。
2021年1月19日、声明で中国の新疆ウイグル自治区でのウイグル族への弾圧を「ジェノサイド」かつ人道に対する罪と認定したと発表し[44]、これに反発していた中国はトランプ政権からバイデン政権への交代の際にポンぺオらが中国および香港、マカオに入ることを禁じ、ポンペオらに関わる企業や機関との接触や商取引を禁止する措置で報復した[45]。
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ マイク・ポンペイオ|NHK NEWS WEB 2018年5月6日閲覧
- ^ 参議院議員青山繁晴が提唱
- ^ Staff (2011年). “Once a oldier... Always a Soldier”. Legislative Agenda. アメリカ合衆国陸軍協会. 2013年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月26日閲覧。
- ^ a b “トランプ大統領 ティラーソン国務長官を解任”. NHKニュース (日本放送協会). (2018年3月13日) 2018年3月13日閲覧。
- ^ “特朗普解僱國務卿蒂勒森 提名中情局長接任” (中国語). 明報 (2018年3月13日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ “Mike Pompeo, Director of the CIA, will become our new Secretary of State.” (英語). Donald J. Trump. Twitter Inc. (2018年3月13日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ “Trump's CIA pick: Russian hacking 'aggressive action' by senior leaders”. CNN (2017年1月12日). 2017年3月20日閲覧。
- ^ JOSH SIEGEL (2016年11月21日). “WHO IS THE NEW CIA PICK, MIKE POMPEO?”. News Week. 2017年3月20日閲覧。
- ^ JOSH GERSTEIN (2017年1月12日). “Who is Mike Pompeo”. Politico. 2017年3月20日閲覧。
- ^ Daniel S. Levine (2016年11月18日). “Mike Pompeo: 5 Fast Facts You Need to Know”. Heavy. 2017年3月20日閲覧。
- ^ JOEL GEHRKER (2014年10月7日). “Tea-Party Power Endures”. National Review. 2017年3月20日閲覧。
- ^ Mazzetti, Mark; Davis, Julie Hirschfeld (2016年11月18日). “Donald Trump Chooses Mike Pompeo as C.I.A. Director”. The New York Times 2016年11月18日閲覧。
- ^ “PN43 — Mike Pompeo — Central Intelligence Agency”. Congress (2017年1月23日). 2017年3月20日閲覧。
- ^ Greg Miller (2017年1月23日). “Senate confirms Mike Pompeo as CIA director”. The Washington Post. 2017年3月20日閲覧。
- ^ “北朝鮮「韓米情報機関、北首脳部のテロ企図」主張…労働新聞の報道”. 中央日報. (2017年5月12日) 2018年3月14日閲覧。
- ^ “北朝鮮、金正恩氏の暗殺企んだとしてCIAを非難 スパイの存在に言及”. AFP. (2017年5月5日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ “北朝鮮、韓国情報機関トップの引き渡し要求 「正恩氏暗殺計画」で”. CNN. (2017年5月13日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ “北朝鮮が米国に「正式な謝罪」要求、金正恩氏暗殺計画で―米メディア”. Record China. (2017年5月8日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ “CIA長官、脱北元駐英公使と接触 反乱扇動、金正恩体制転覆の可能性など協議”. 産経ニュース. (2017年5月19日) 2018年3月14日閲覧。
- ^ “CIAに北朝鮮対応の専従組織 特定国対象は初めて”. 産経ニュース. (2017年5月12日) 2018年3月14日閲覧。
- ^ “金正恩抹殺に動くのか CIA「北朝鮮専従組織」新設の狙い”. 日刊ゲンダイ. (2017年5月12日) 2018年3月14日閲覧。
- ^ 「金委員長排除狙う可能性も=北朝鮮問題でCIA長官-米」時事通信2017年7月22日
- ^ “Director Pompeo Delivers Remarks at CSIS”. CIA (2017年4月13日). 2017年5月27日閲覧。
- ^ “米CIA長官、金正恩氏と直接会談 トランプ大統領認める”. BBC. (2018年4月18日) 2018年4月19日閲覧。
- ^ “CIA長官、拘束米国人の解放提起=金正恩氏と会談で-ロイター報道”. ロイター. (2018年4月19日) 2018年4月19日閲覧。
- ^ “ポンペオ氏が米国務長官に就任 トランプ政権で2人目”. CNN.co.jp. CNN. (2018年4月27日) 2018年4月27日閲覧。
- ^ “北朝鮮解放の米国人3人が帰国 米朝首脳会談へ前進”. 日本経済新聞. (2018年5月10日) 2018年5月10日閲覧。
- ^ “米国:「今も殺害狙っている」金委員長にポンペオ国務長官”. 日本経済新聞. (2018年6月25日) 2019年4月28日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “北朝鮮、ポンペオ米国務長官は「無鉄砲」 交渉から排除求める”. BBC. BBC. (2019年4月18日) 2019年4月28日閲覧。
- ^ “北朝鮮、ポンペオ米国務長官の排除要求-核巡る直接協議で”. Bloomberg. ブルームバーグ. (2019年4月18日) 2019年4月28日閲覧。
- ^ “北朝鮮、ポンペオ氏の交代要求 朝鮮中央通信”. Bloomberg. 日本経済新聞. (2019年4月18日) 2019年4月28日閲覧。
- ^ “北朝鮮、米朝協議からポンペオ国務長官の排除要求”. Reuter. ロイター. (2019年4月18日) 2019年4月28日閲覧。
- ^ “世界を脅かす国務長官“不在”の米国”. JBpress (2019年10月16日). 2019年10月16日閲覧。
- ^ “ポンペオ氏、スーダンに到着 米国務長官の訪問は15年ぶり”. AFP (2020年8月25日). 2020年8月24日閲覧。
- ^ “米国務長官、アジア歴訪を短縮へ 日本には訪問”. AFP (2020年10月4日). 2020年10月2日閲覧。
- ^ “バチカンは中国の宗教弾圧に「真剣な」対応を、ポンペオ氏求める”. AFP (2020年10月10日). 2020年10月9日閲覧。
- ^ http://www.cosmopolitan.com/.../mike-pompeo-trump-cia-director/
- ^ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161122-00010001-bfj-n...
- ^ “米国務長官、WHOが「英国人の死」招いた コロナ対応めぐり非難”. AFP (2020年7月22日). 2020年7月22日閲覧。
- ^ “アメリカ 1年後のWHO脱退を正式通知”. NHK (2020年7月8日). 2020年7月22日閲覧。
- ^ “中国の「いじめ」許すな 米国務長官、尖閣沖侵入を批判”. 時事通信 (2020年7月9日). 2020年8月17日閲覧。
- ^ “ポンペオ国務長官、対中演説 米、異例の体制批判 「包囲網」形成は不透明”. 毎日新聞 (2020年7月25日). 2020年7月25日閲覧。
- ^ “ポンペオ氏、中国のウイグル族弾圧は「集団殺害」…中国側は「でっち上げだ」”. 読売新聞 (2020年1月20日). 2021年1月23日閲覧。
- ^ “ポンペオ氏ら28人に制裁、中国、米前政権に異例報復”. 産経新聞 (2020年1月21日). 2021年1月23日閲覧。
外部リンク[編集]
公職 | ||
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先代: ジョン・J・サリバン 代行 |
![]() 第70代:2018年4月26日 - 2021年1月20日 |
次代: ダニエル・ベネット・スミス (代理) |
先代: ジョン・オーウェン・ブレナン |
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