ハーバード大学

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ハーバード大学
Harvard University
ラテン語: Universitas Harvardiana
モットー Veritas
モットー (英語) Truth
種別 私立研究大学
設立年 1636年 (1636)
資金 約370億ドル
学長 アラン・ガーバー(暫定学長)
教員数
2,400人
学生総数 22,000人
学部生 6,700人
大学院生 15,200人
所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
マサチューセッツ州ケンブリッジ
北緯42度22分28秒 西経71度07分01秒 / 北緯42.374444度 西経71.116944度 / 42.374444; -71.116944座標: 北緯42度22分28秒 西経71度07分01秒 / 北緯42.374444度 西経71.116944度 / 42.374444; -71.116944
ノーベル賞受賞者数 160
スクールカラー   クリムゾン
スポーツ 42チーム
ニックネーム Harvard Crimson
NAICU
AICUM
AAU
URA
公式サイト harvard.edu ウィキデータを編集
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ハーバード大学(ハーバードだいがく、英語: Harvard University、略称HU)は、マサチューセッツ州ボストン近郊のケンブリッジに本部を置くアメリカ合衆国私立大学

イギリス植民地時代マサチューセッツ湾植民地政府1636年に設置したアメリカ最古の大学である。各種の大学ランキングでは常に上位に位置する名門校としてアイビー・リーグの一角を占める。校名は創設初期の献金者だったジョン・ハーバードの名前にちなむ[1]

2024年時点で在籍中の学部生・大学院生の数は2万5000人超、教員数約2万人に達する[2]。また大学が行ってきた投資と寄付による大学基金の残高は約7兆8000億円 (507億ドル)と全米トップクラスにある[3]

政財界から学術分野まで幅広い分野で指導的な人材を輩出し続けており、2018年時点で8人のアメリカ合衆国大統領[4]、160人のノーベル賞受賞者(世界1位)・14人のチューリング賞受賞者・48人のピューリッツァー賞受賞者が出ているほか、32人の元留学生が母国で国家元首となっている[5]。また2017年に億万長者(資産10億ドル)となった卒業生の数188人も、全米の大学で最多である[6]

2024年5月現在、同大学経済学部教授であるアラン・ガーバーが暫定学長に就いている[7]

歴史・校風[編集]

イギリス植民地時代の1636年9月18日に招集されたマサチューセッツ湾植民地の議会で「学校またはカレッジ」新設のために資金を支出することが議決されたため[8]、これが創立年とみなされている。創立時は男子校で、1650年には法人化された。

当初はピューリタンの聖職者を育成する機関として意図されており、設立当初の目的は「社会と教会の指導者を育成する」となっており、教育標語はヨハネ福音書17章3節から取った「神とその子キリストを知る」だった。現在でも神学校があり、卒業式にはプロテスタント関係者が参加するなどの関係がある。また、キャンパス内にあるメモリアル教会でも宗教関連の行事が開かれる[要出典]

ハーバードは拡大とともに一般教育機関として成長し、新しい科目や、自由な教育方針が導入されるようになった[1]。とくに18世紀初頭にジョン・レヴェレットが学長に就いたのちこの傾向が加速し、学内の施設が大幅に拡充されるとともに、入学者数も急増していった[1]

1782年の医学部設立とともにカレッジからユニバーシティ (University) となる[9]。1817年にはハーバード・ロー・スクールが設立された[10]

1879年に創立されたラドクリフ女子大学とは、長く姉妹校関係にあったが、1970年代にいたって施設と教員を共有する連携カレッジ制度が創設され、ラドクリフのすべての学位がハーバードから授与されるようになった。1999年にラドクリフが正式にハーバードと合併し、男女共学の学部機関となっている[1]

校風はリベラルと言われることもあるが、政財界の中枢で活躍する卒業生を多く輩出しており保守的とみなされることも多い[1]。2023年の調査では、教員の77%が自らを「リベラル寄り」とみなしている[11]

大学の中核キャンパスは、ボストン近郊ケンブリッジのハーバードヤードにある。3キロほど離れた場所にキャンパスがあるマサチューセッツ工科大学を筆頭に周辺には60を超える大学があり、国内有数の学園都市を形成している。

特筆すべき関係者[編集]

教育内容[編集]

College/school 設立年度
Harvard College 1636年
Medicine 1782年
Divinity 1816年
Law 1817年
Dental Medicine 1867年
Arts and Sciences 1872年
Business 1908年
Extension 1910年
Design 1914年
Education 1920年
Public Health 1922年
Government 1936年
Engineering and Applied Sciences 2007年

学部[編集]

ハーバード・カレッジ。Faculty of Arts and Sciences(ファカルティ・オブ・アーツ・アンド・サイエンシーズ)というリベラルアーツ学部によって運営されている。

ハーバード大学の学生の専攻(concentration)は、他の大学のようにmajor(メイジャー)とは呼ばず、concentration(コンセントレイション)と呼ばれる。その他、他の大学とは学期試験(2セメスター制)の時期が異なるなど、ハーバード大学独自の方式や伝統が見られる。

同じケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学MIT)とは、単位交換などができる姉妹校として基本的に協同的な運営が行われている。近年、MITとハーバード大学の共同事業としてブロード研究所が設立されるなど関係が深まる一方、工学系が弱かったハーバード大学でも工学系学科の充実が行われつつある。

41専攻(政治学歴史学言語学音楽学物理学経済学天文学心理学宗教学統計学社会学神話学人類学環境学生化学生物学化学数学工学文学医学農学性学哲学文学史科学史古典史芸術史、化学物理、コンピューター科学、東アジア研究、英米文学と言語、言語文化、応用数学、ロマンス語、サンスクリット・インド研究、スラブ語、社会科学、特別専攻、視覚環境学、アフリカ・アメリカン研究)

大学院[編集]

キャンパス中央から図書館側を望む(2012年)。

大学院は、学術系大学院のGSASなどのほか、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS、経営大学院ビジネススクール)、ハーバード・エクステンション・スクール英語版ハーバード・ロー・スクール(HLS、法科大学院)、ケネディ・スクール(HKS、行政・政治学大学院)、ハーバード大学医学大学院(医学)など12の専門職大学院とラドクリフ研究所で構成している。

ロースクールはハーバードヤード北側、ケネディスクールはヤードから少し離れた場所にある。ビジネススクールはチャールズ川をはさんだオールストン(ボストン)キャンパスに、メディカルスクールは距離的に離れたロングウッド(ボストン)キャンパスにある。

主要世界大学ランキング[編集]

ハーバードはアメリカの名門大学の中でもとくに成功した教育機関とみなされることが多く[13]、多くの卒業生が政財界・学術分野で成功を収めていることなどから、各種大学ランキングではつねに最上位グループに位置している[14]。また巨額の大学基金を運用することで図書館や体育館など学内施設の更新・充実がさかんに行われており、この点でも大学ランキングでは高い評価を受けている[14]

USニュース大学ランキング(2023年)

  • ベスト・グローバル大学ランキング ─ 第1位[15]
  • 臨床医学、細胞生物学 ─ 第1位

THE世界大学ランキング

  • 世界大学総合ランキング ─ 第4位(2024年)[16]
  • 米国学部ランキング ─ 第1位(2022年)

QS大学ランキング

  • 学部教育ランキング ─ 第1位(2024年)[17]
  • QS世界大学総合ランキング ─ 第4位(2024年)

フォーブズ大学ランキング

  • 学部ランキング ─ 第9位(2023)[13]
  • 私立大学ランキング ─ 第7位

学生生活・課外活動[編集]

キャンパス俯瞰

学生寮[編集]

上級生向けに12の学生寮(ハウス)がある。三月上旬に行われるハウジング・デイ(Housing Day)で 二年生からどこの寮で暮らすのかが知らされ、夏休み明け直前に一斉に引越しをする。二年生以上も、一年おきに部屋が変わる。それぞれの寮に教授が住んでおり、教授宅でのパーティを始めとしたイベントは多岐に渡る。

12寮それぞれがマスコットキャラクター・旗・色を持っており、3月頭に行われるHousing Dayではそれぞれの寮をモチーフにしたビデオを撮影・公開したり、オリジナルのユニフォームを作ったり、着ぐるみを着たりと様々な個性・工夫が凝らされキャンパスは賑わいを見せる。

またダドリー・ハウスはハーバード13番目のハウスとして、大学院生を組織化している。ハーバード大学が、不動産部門、アパートを持っており、大学院生のための住居を斡旋している。コナントホールなどの大学院生専用居住施設もある。

人種構成[編集]

2022年時点でハーバード大学の人種構成は、白人が最も多く36%、アジア系21%、ヒスパニック系12%、黒人11%で、このほかが宇』国籍の学生が11%を占める。[18]

学生会[編集]

学生が代表を務める学部生徒会と大学院生徒会は、12の大学院および専門職大学院の学生を代表するもので、ほとんどの大学院および専門職大学院にも学生自治会がある。[19]

スポーツ[編集]

  • ハーバード大学のスポーツチームは、スクールカラーから「クリムゾン」と呼ばれている。
  • ザ・ゲーム(The Game): 毎秋恒例のイェール大学とのフットボール交流戦。ハーバード大学で行われる場合は、オールストン(ボストン)側にあるハーバードスタジアムが会場。
  • アイスホッケーはハーバード大学が全米大学体育協会(NCAA)の全米選手権チャンピオンになった初めてのスポーツであり、1989年に優勝している。フローズン・フォー(全米ベスト4)にも13回もの進出を果たしており、ハーバード大学の中で最も成功しているチームの一つ。長年のライバルはコーネル大学であり、全米でも有名なカレッジアイスホッケーのライバル関係である。
  • その他、約40個のスポーツチームがある。

その他[編集]

キャンパス[編集]

ハーバード・メディカル・スクール(HMS)

ハーバードヤードには、大学事務や1年次の学生が住む寮のほか、学生戦死者を祈念して作られたメモリアル教会タイタニック号沈没で息子を失ったワイドナー夫妻によって設立されたワイドナー記念図書館、ロマネスク様式建築のセバーホールなどの建築物がある。

ヤード周辺には、南北戦争の戦死者を祈念して作られたメモリアルホール、科学教育施設であるサイエンスセンター、デザイン学関係のガントセンターなどがある。

また、西洋美術のフォッグ美術館、東洋美術のサックラー美術館、ガラス製植物標本で有名な自然史博物館など、常設公開施設もあり、多くの観光者が訪れる場所となっている。

オールドヤード[編集]

ハーバードホール(1766年)、マサチューセッツホール(1720年)、ホールデンチャペルのある付近がハーバード大学の一番古い部分であり、オールドヤードと呼ばれる。ユニバーシティーホール(1815年、ワシントンDCアメリカ合衆国連邦議会議事堂と同じチャールズ・ブルフィンチ英語版設計)の裏側のメモリアル教会、ワイドナー図書館がある部分は、6月に卒業式が行われる広場でターセンテナリー劇場という。[注 1]

ワッズワースハウス[編集]

ワッズワースハウス[en 10]は1726年建築で、19世紀半ばまで学長の住居だった。独立戦争時にジョージ・ワシントンが司令部を置いたことで知られる。

メモリアルホール[編集]

南北戦争の戦死者を祈念して作られたゴシック風建築。内部は、サンダース劇場と呼ばれるコンサートホールになっている。毎年9月末恒例のイグノーベル賞(ノーベル賞のパロディー賞)の授賞式はここで行われる。下部は、ロッカーコモンズと言われ、学生食堂、溜まり場になっている。

フォッグ美術館[編集]

ハーバード大学最古の美術館。西洋美術、印象派やピカソの作品が有名。連結したブッシュ・ライジンガー美術館英語版は、北欧美術

アーサー・M・サックラー美術館[編集]

東洋美術、イスラム美術など非西洋美術が中心。東洋美術、イスラム美術や写本など非西洋美術が中心。

ハーヴァード大学記念教会

自然史博物館[編集]

ハーバード大学の教授であった博物学者ルイ・アガシーの理想である『Study Nature, not books(書籍でなく自然から学べ)』を実現した博物館。鉱物学地質学博物館、比較動物学博物館、有名なガラス製植物標本があるハーバード大学標本館・植物博物館からなっている。ピーボディー考古学・民族学博物館と物理的に接続している。ルイ・アガシーは、大森貝塚を発見したエドワード・S・モースと師弟関係にある。

ホリオキセンター[編集]

ホリオキセンター[en 11]はハーバード大学の運営事務棟。一階には、ハーバード大学の案内所などがある。学生によるハーバード大学ツアーの開始点。

そのほか[編集]

ザ・コープ(: The Coop)ハーバード大学生協であるが、マサチューセッツ工科大学にもある。ハーバードスクエアには、書籍を扱う店とハーバードグッズを扱う店[21]の2店がある。

ハーバード大学に入学した学生は、1年次をハーバードヤードとその周辺にある寮で過ごすが、2年次から4年次卒業までは、「ハウス House」と呼ばれるシステムに属し、大部分の学生がハウスに寄宿する全寮制となっている。ハーバード大学のハウスは、ハーバードヤードからチャールズ川の間を中心に12個ある。それぞれのハウスには、専攻、学年、人種の違う学生が400人ほど集まり、専任の教員がいて指導が行われ、同窓会組織も強い。日本皇后雅子がハーバード在学中に寄宿したローウェルハウスなど、外観が優美な建築物も多い。

図書館[編集]

ワイドナー記念図書館

ハーバード大学図書館英語版は1638年に創設され、アメリカで最も古い図書館である[22]。 学内に分散する図書館群を合計すると1530万冊の蔵書を持ち、学術図書館として世界最大級の規模を誇る[22]。この規模は、米国議会図書館に次いで全米2位の蔵書数であり、世界では米国議会図書館、大英図書館フランス国立図書館に次いで4位となっている。

図書館システムの中心にあるのは、ワイドナー記念図書館であり[22]、その他、90個あまりの図書館を有する。例えば、多数の日本語書籍を所蔵するイェンチン図書館やカウントウェイ医学図書館などがある。

日本との関係[編集]

著名人[編集]

ハーバード大学関係の日本人会[編集]

同志社大学[編集]

ハーバードの授業(夏期集中講義)を、同志社大学のキャンパス・施設において実施している。アメリカから大学の教員・大学生が来日し、講義はすべて英語で行われる。同志社大学の学生もスタディーパートナーとして、講義とフィールドトリップに参加することができるが、交流目的の参加であり、単位は付与されない。

批判・不祥事[編集]

創立者ジョン・ハーバード像として設置されている彫像。「3つの嘘の像[注 2]」の呼び名がある。足に触れると幸運が訪れるという言い伝えがあるため、左の足先がすり減っている。ダニエル・チェスター・フレンチ(1850-1931)作。

学長辞任[編集]

  • 2023年にクローディン・ゲイが黒人として初の学長に就任。しかし同年秋に起きたイスラエルとガザ間での激しい戦闘をめぐり、学内での抗議運動への対処などが融和的だとして議会で批判を集め、また教員時代の研究不正が発覚、1年足らずで辞任した[28]。2024年5月現在、同大学経済学部教授であるアラン・ガーバーが暫定学長に就いている[7]

サマーズ発言と不信任決議[編集]

2005年1月、サマーズ学長が、「科学や工学の分野で秀でた業績を残した女性が少ないのは、男女間に生まれつきの素質の差があるからだ」という趣旨の発言をし、世界中に配信された。これをきっかけに、ハーバードカレッジの教員会が、サマーズ学長を不信任とする決議を採択している。2006年2月21日、同年6月に学長を辞任することを発表した。

カンニング[編集]

2012年5月、リベラルアーツ学部で行われた政治学(「連邦会議入門」)の試験で学生たちのカンニングが発生した。後日、学年の約半数にあたる125名が退学停学、仮進級といった処分を受けた。この5月の試験は「Take Home Exam」と呼ばれ、出題された課題を学生は自宅で答案(レポート)としてまとめて提出するものであった[29]

この試験は、インターネット等の資料の閲覧が認められるものの、丸写しや他の学生との相談による作成は認められていない。しかし多数の学生の答案の回答ぶりがどれも酷似していたことから、大学側が調査を開始し、学生たちの不正行為が判明した。一部の学生側からは、特定の学生のノートをコピーして資料として使用したもので、答案作成そのものを相談して作成した訳ではない、との弁明が出されたが、大学側は大量処分に踏み切った[30]

女子学生のレイプ被害[編集]

2015年9月21日、ハーバード大学は、2014年春に行なった学内での性的暴行、レイプ被害の調査結果を発表した[31]。その結果、ハーバード大学の4年生のうち、3分の1近くが在学中に様々な形での非合意の性行為と性的接触を受けていた、ハーバード大学4年生の女子学生では、そのうち、29.2%が非合意の性行為と性的接触を受けたと回答し、27校の平均値である27.2%を上回っていたという。ハーバード大学のドルー・ギルピン・ファウスト学長は9月21日、全学生と教師あてにメールを送り、そのメールの中で、この状況に対する憂慮を表明した[31][32]

献体臓器売買[編集]

2023年6月15日、ペンシルベニア州ミドル地区連邦検事事務所は、同大医学部の遺体保管責任者ら6名を、献体された遺体から臓器を密売した疑いで起訴した[33]

エピソード[編集]

ホリオキセンター(大学事務棟)

ハーバードと地理学[編集]

アメリカ合衆国最高の教育水準を保つハーバード大学であるが、地理学に関しては1956年以降地理学者がいない状態が続いている[34]。ハーバード大学は、かつて地形輪廻を提唱したウィリアム・モーリス・ディヴィス環境決定論で知られるエルズワース・ハンティントン人文地理現象を自然との関係で捉えようとしたイザイア・ボウマンなどの地理学者を輩出してきた[34]が、1948年2月に財政難を理由に地質・地理学科の地理学部門の閉鎖が決まった[34]

実際には地理学者エドワード・アッカーマン英語版の準教授への昇任をめぐる駆け引きがきっかけとされ、学内からはエドワード・アルマン、学外からはリチャード・ハーツホーンカール・O・サウアーが地理学部門を守るために尽力したが、結局廃止に追い込まれた[34]

杉浦芳夫は、『二〇世紀の地理学者』の中で卒業生のイザイア・ボウマンが時のハーバード大学総長ジェームス・コナントに存続を働きかけていたら、状況は変わっていたかもしれないと述べている[34]。しかしボウマンは、同じ政治地理学分野で考えの合わなかったダウエント・ホイットルセーがハーバード大学で教鞭を執っていたこともあってか、コナントに働きかけをすることをしなかった[34]。閉鎖にともなってアッカーマンはシカゴ大学へ、アルマンはワシントン大学へ移籍し、最後まで残ったホイットルセーは、1956年に急死し、ハーバード大学の地理学は終焉を迎えた[34]

そのほか[編集]

  • 期末試験の最終日前夜、ハーバード大学では、学部生たちによる「産声(Primal Scream)」といわれるイベントが行われる[35]。学生はを問わず衣服を脱ぎ、ハーバードヤードを2周する。2学期制のハーバード大学では、この行事が年2回開催され、その1回は冬に行われることになる。参加者の中にはケープマスクを身につけるものもいるが、全裸の者も多い。ストリーキングが行われる周辺は見物者で埋め尽くされ、開始前には楽隊の演奏がイベントを盛り上げる。2018年現在も行われている。[36]

フィクションに登場したハーバード大学[編集]

  • 小説 『響きと怒り』(W.フォークナー)は代々ハーバード大学に通う名門一族の子弟が主人公。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ここには、ボストンのトリニティー教会設計のリチャードソンがデザインしたロマネスク様式建築セバーホール、イタリアルネサンス様式のボイルストンホールなどがある。ハーバード大学の建物のほとんどすべてに固有名詞が入っており、同じケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学が、建物を番号で呼んでいるのとは対照的である。毎学期の終わり、試験週の始まる前日には、このハーバードヤードで「プライマルスクリーム」と呼ばれる、全裸で学生たちが走り回る伝統が行われる。
  2. ^ 銘版には、「John Harvard Founder 1638」と書かれているが、ジョン・ハーバードは、ハーバード大学創設者ではなく、寄贈者である。ハーバードカレッジの創設は、1638年ではなく1636年。モデルが、1884年作製当時の学生
英語
  1. ^ : Faculty of Arts and Sciences
  2. ^ : Master of Arts
  3. ^ : Master of Science
  4. ^ : Master of Engineering
  5. ^ : Master of Forest Science
  6. ^ : Loeb Drama Center
  7. ^ : Hasty Pudding Theatricals
  8. ^ : Man of the Year
  9. ^ : Woman of the Year
  10. ^ : Wadsworth House
  11. ^ : Holyoke center

出典[編集]

  1. ^ a b c d e Ely Jacques Kahn Jr., Harvard: Through Change and Through Storm (W. W. Norton, 1969)
  2. ^ Fact Book” (英語). Office of Institutional Research & Analytics. 2024年5月12日閲覧。
  3. ^ University, Harvard. “Endowment” (英語). Harvard University. 2024年5月11日閲覧。
  4. ^ Heads of State” (英語). Harvard University. 2019年2月11日閲覧。
  5. ^ Quick Facts” (英語). Harvard University. 2019年2月11日閲覧。
  6. ^ Elkins, Kathleen (2018年5月18日). “The universities that produce the most billionaires”. www.cnbc.com. 2019年2月11日閲覧。
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  11. ^ More Than Three-Quarters of Surveyed Harvard Faculty Identify As Liberal | News | The Harvard Crimson”. www.thecrimson.com. 2024年5月12日閲覧。
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  13. ^ a b Harvard University” (英語). Forbes. 2024年5月12日閲覧。
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関連文献[編集]

  • .Bethell, John T., Harvard observed : an illustrated history of the university in the twentieth century, Cambridge, Mass. : Harvard University Press, 1998.
  • Bradley, Richard, Harvard rules : the struggle for the soul of the world's most powerful university, New York, NY : HarperCollinsPublishers, c2005.
  • Bunting, Bainbridge, Harvard : an architectural history, Cambridge, Mass. : Belknap Press of Harvard University Press, 1985.
  • Wagner, Charles A., Harvard; four centuries and freedoms, New York, Dutton, 1950.
  • 菅野恵理子『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる : 21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』アルテスパブリッシング、201
  • 古村治彦『ハーヴァード大学の秘密』PHP研究所、2014

関連項目[編集]

外部リンク[編集]