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「TGV」の版間の差分

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== フランス国外への進出 ==
== フランス国外への進出 ==
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国外への延伸である[[ユーロスター]]・[[タリス]]のみならず、[[スペイン]]国鉄[[AVE]]や[[大韓民国|韓国]][[KTX]]など、線路の繋がっていない国へも輸出している。また[[アメリカ合衆国|アメリカ]]へも[[アセラ・エクスプレス]]として輸出された例もある。[[ドイツ]]との連合で臨んだ[[中華民国]]の[[台湾高速鉄道]]では[[日本]]の新幹線に敗れたものの、[[中華人民共和国]]では官民一体となった売り込みの結果[[北京・上海間高速鉄道計画]]で車両の購入が行われた。
国外への延伸である[[ユーロスター]]・[[タリス]]のみならず、[[スペイン]]国鉄[[AVE]]や[[大韓民国|韓国]][[KTX]]など、線路の繋がっていない国へも輸出している。また[[アメリカ合衆国|アメリカ]]へも[[アセラ・エクスプレス]]として輸出された例もある。[[ドイツ]]との連合で臨んだ[[中華民国]]の[[台湾高速鉄道]]では[[日本]]の新幹線に敗れたものの、[[中華人民共和国]]では官民一体となった売り込みの結果[[北京・上海間高速鉄道計画]]で車両の購入が行われた。


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高速鉄道のみならず、鉄道全般に関して長年のライバルであるフランスとドイツが「ヨーロッパ連合」として手を組み、[[新幹線]]を売り込もうとする日本連合に対抗したことでも話題となった(日本連合に対する「[[ネガティブ・キャンペーン]]」も行われた)。しかし、結果的には日本連合に破れた。<!--フランスとドイツが高速鉄道車両の分野で手を組んだのは、2007年現在、これが最初で最後である。 ←最初で最後と言い切れないことは書かない-->
高速鉄道のみならず、鉄道全般に関して長年のライバルであるフランスとドイツが「ヨーロッパ連合」として手を組み、[[新幹線]]を売り込もうとする日本連合に対抗したことでも話題となった(日本連合に対する「[[ネガティブ・キャンペーン]]」も行われた)。しかし、結果的には日本連合に破れた。<!--フランスとドイツが高速鉄道車両の分野で手を組んだのは、2007年現在、これが最初で最後である。 ←最初で最後と言い切れないことは書かない-->

[[2007年]][[10月22日]]に[[モロッコ]]と[[フランス]]がTGVの技術を用いたアフリカ諸国では初の高速鉄道の導入を合意した。フランス国鉄やアルストム、フランス鉄道線路事業公社が受注することになる。計画では[[タンジール]]・[[カサブランカ]]のルートで高速鉄道を運行する計画である。将来的には、[[マラケシュ]]への延伸を含め増大する旅客輸送量に対処するため総延長1,500kmの路線網を2030年頃までに整備する構想もされている。タンジール・ケニトラ間の200kmが最初の区間として2013年に運行の開始が計画されている。18編成のTGV Duplexが導入され、最高運転速度320km/hが計画されている。合わせて、新しい機関車の導入やスピードアップなどモロッコの鉄道近代化も実施される。<ref>http://www.alstom.com/pr_corp_v2/2007/corp/45933.EN.php?languageId=EN&dir=/pr_corp_v2/2007/corp/&idRubriqueCourante=23132 With a very high speed train frame agreement and contracts in rail transport and power generation, Alstom strengthens its commitment to Morocco in a long-term partnership Alstom</ref>
<ref>http://www.afpbb.com/article/politics/2302014/2273348 仏モロッコ間、20億ユーロ超の契約合意 2007年10月24日 AFP</ref>
<ref>http://www.asahi.com/business/update/1028/TKY200710280118.html 仏TGV計画、モロッコに建設技術輸出の実績づくり asahi.com</ref>


== 開発中のTGV ==
== 開発中のTGV ==

2007年11月7日 (水) 12:03時点における版

TGV(テジェヴェ(仏)、英語ではティー・ジー・ヴイと発音)は、フランス国鉄 (SNCF) が運行する高速鉄道の車両、およびそれの運行形態。「高速列車」を意味する 《Train à Grande Vitesse》の略(trainは列車、grandeは大きい、vitesseは速度を意味する)。日本の新幹線の営業速度を初めて塗り替えたことで世界の注目を浴びた。

パリのモンパルナス駅に停車するTGV 第二世代に相当するAtlantiqueの車両

歴史

ファイル:SNCF TGV 001.jpg
TGV001

TGVが最初に考案されたのは1960年代で、これは日本が1959年に新幹線の工事を始めた直後である。

当時はフランス国内でも、他の国々と同様に、エアロトレインのようなホバークラフト磁気浮上式鉄道について研究が行われていた。しかし、実用性や費用の点で数多くの問題があったため、浮上式鉄道による高速化を断念し、鉄道の高速化は鉄軌道+鉄車輪方式で実施することとなった。フランス政府はすぐさま計画を支持し、フランス国鉄は従来の軌道の上を走らせることが出来る高速鉄道車両について、1967年より本格的に研究を開始した。

最初の計画では、ターボプロップエンジンの出力回転軸を発電機に接続し電力に変換して車軸に接続したモーターを駆動するガスタービン電気式機関車として計画された。ガスタービンは小型であり、長時間にわたって高いパフォーマンスを発揮するために最適とされたために選ばれた。このガスタービン電気式機関車は1967年に試作され、量産化もされてイランエジプトにも輸出された。そしてこの技術をそのまま生かし、1972年に最初のTGV車両であるTGV001が試作された。これは4400KWの電力を使用する動力集中連接方式であった。TGV001の外装・内装は共にイギリス生まれのデザイナーであるジャック・クーパーによって設計された。これは以後のTGVのデザインの原型であり、車体前面の「鼻」が特徴的である。

TGV001は空気力学的な流動実験によって車体が設計され、また高速運行中の多量の動力を分散して列車を停止させるためのブレーキ等の新技術を採用しており、時速318kmにまで達することが出来た。これは当時最速の列車であった日本の新幹線の速度を大きく上回っただけでなく、非電化車両として最速の記録を樹立した。

しかし1973年には石油ショックの影響を受けて燃料の価格が急激に上昇したため、ガスタービンによる駆動が非実用的なものとなり、ガスタービンを採用したTGVはTGV001が唯一のものとなった。計画は動力車内のガスタービンで発電する方式から架線から電力を得る電気機関車方式に変更され、その電力はフランス国内に新設された原子力発電所から供給された。

電気牽引方式を取り入れたTGVは1974年に完成した。革新的なモーターの取り付けや、サスペンション、動作制御装置などの試験を繰り返した結果、TGV001と比較して牽引車の重量を2.95トン削減することができた。この試作機は試験中に約1,000,000 km走行した。

1976年にはフランス政府のTGVプロジェクトによって最初のTGV路線であるパリ - リヨン間(パリ - 南東線 (TGV Paris Sud-Est, TGV-PSE) )の建設が始まった。

TGV Sud-Est 開業当時のTGVはオレンジ色だった。

後に2回の車両製作と厳しい試験によって、1980年4月25日に最初の量産型営業車両が完成した。なお、実車はTGV路線の開業前に在来線のパリ - リヨン間で営業運転に使用されている。

翌年の1981年9月27日、初のTGV営業路線としてパリ - リヨン間の南東線が開業、時速260kmでの営業運転が開始された。開業当時はこの2都市を飛行機よりも高速に結ぶ最速の交通手段であった。

  • 1990年:大西洋線での走行試験において、325特別編成が、鉄路を走る列車としては世界最速の515.3km/hを樹立。
    より効果的に速度を向上させるため、車両編成は営業運転時とは違い、連接付随車が3両(両端測定機器搭載車1両を含む)、両端の動力車を含んだ5両編成で行われた。500km/h域においても粘着と走行安定性はかなり余裕があり、この試験結果により320~350km/h営業運転の可能性が実証された。
セーヌ川でお披露目の行われたV150プロジェクト用特別編成
  • 2007年:4月3日、開業前のTGV 東線 (LGV Est) での公式走行試験において、V150プロジェクト用特別編成が574.8km/hを樹立し、325特別編成が1990年に記録した非浮上式列車部門での世界最高速度記録を更新した。
    • V150用特別編成は325と同じ5両編成だが、その編成出力は、325の編成出力約13000KWを大幅に上回る19600KWである。両端2両は動力車で、「TGV-POS」と呼ばれる「TGV東線」開業用の新車輌の4400形動力車2両の出力(9600KW)が大幅に増強(15600KW)されたもの。中間3両は「Duplex」用ダブルデッカー車で、うち中央の1両は1階が電装機器室に変更され、両端の連接付随台車は、新開発の永久磁石同期モーター4個(出力4000KW)で駆動される連接動力台車へと変更された。ダブルデッカーとしたのは、列車上部の凹凸を減らし、空力特性を向上させる狙いがあるとみられる。
    • 試験に際し、架線電圧を25kVから31kVに昇圧し、トラクションを高めるために通常より大きな車輪を使用した。
    • 高性能のインバータ装置と小型軽量高出力の交流電動機の採用が主流となっている中、最高速度350km/h前後の営業運転を目指す「TGV陣営を除く各国」では、「新幹線方式」とも言える動力分散方式が圧倒的主流になっている。しかし、営業運転とはかけ離れたこの速度領域では、両端に機関車を配した「TGV方式」が優位であることを示そうとする、フランスの意地が感じられる。
    • ただし、高速運転の意義としては、上記のような「フランスの意地」以外にも、海外への売り込み(特に中国アメリカブラジルを意識していると言われる)のためのデモンストレーションであるとの見方(英国の報道機関によるTVニュース)や、超高速域での安全性確認による将来の速度向上への布石、あるいは、TGVが歴史的に国内航空網を競争相手として意識せざるを得なかったことなどが挙げられる。
    • 試験はテレビで生中継され、車内及び沿線には報道機関が招かれた。特に、574.8km/h達成予定地点には多くの報道機関が集まり、TGVが速度記録を更新した映像が世界各国で報道された。
    • 生中継のために小型ジェット機が飛ばされ、走行するTGVを上空から追跡しながらの実況中継が実施された。
    • 機関車の側面と中間車の屋上には、フランス国旗色の帯が塗装され、報道機関がどのアングルから撮影しても必ずフランスを意識するように配慮された。
    • なお、フランスでも、機関車+客車方式での高速鉄道から、今後は世界の「主流」となっている、分散動力方式による高速鉄道(AGV)に、開発の軸を移すことにしており、今回の高速試験も、AGV開発のためのデータ収集という側面がある。
  • 2007年6月10日:LGV東線(LGV-Est)開業。TGVがドイツシュトゥットガルト(1日3往復の運転、土曜・日曜は一部運休)、ルクセンブルクスイスバーゼルチューリッヒまで直通する。TGV型車両のドイツ乗り入れは、タリスによるケルン乗り入れに次いで、2例目となる。

軌道

在来線軌間が1067mmとなっている日本に対し、フランスを含むヨーロッパの多くの国では在来線も軌間は1435mmとなっている。そのためTGVはスピードを落とせば在来線をそのまま走ることができる。車両限界なども在来線とほぼ共通の設計になっているため、用地買収の難しい都心への新線建設の必要がないのが特徴である。

TGVがその性能を発揮し高速走行が可能な専用軌道はLGV(Ligne à Grande Vitesse:高速線の意)と呼ばれる。都心では既存の線路を走り、市街地を出ると連絡線から線形の良いLGVに入り高速走行することが多い。この様なことからターミナル駅の駅舎は在来線と共用しているケースが多い。

いずれの路線も複線で、左側通行である。ただし、ヨーロッパで一般的な単線並列方式を採用しており、数十キロ毎に渡り線がある。場所によっては、分岐側制限速度240km/h・直線側制限速度なしの65番高速分岐器(ノーズ可動式)が採用されている(日本では、上越新幹線長野新幹線の分岐点の38番高速分岐器が最大)。

在来列車との共用

ファイル:9702 Coquelles 02.04.04.jpg
シャトル列車や貨物列車と共用されている英仏海峡トンネル

ドイツの高速新線と異なり、貨物列車の運行は考慮されていない。旅客列車についても、ごく一部の例外を除き、ほとんどがTGV型車両による運転である(ただし日本の新幹線のように、完全に高速列車専用というわけではない)。逆に、貨物列車の通過を前提としないことから、最急勾配35パーミル(1000分の35)が許容されており、丘陵地帯をトンネルなしで建設可能で、建設費の圧縮を図っている。

LGVで貨物列車の運行を制限しているのには35パーミルの勾配を許容している以外にも、速度の遅い貨物列車が走行することで本来TGVが持っている走行性能を著しく減らしてしまうと言う点もある。また、TGVの高速走行に起因する乱気流によってすれ違う低速の貨物列車の走行を不安定にさせ貨物列車、旅客列車双方にリスクが発生してしまうことになる。 走行性能の低い列車とTGVの走行を混在させた新線を建設や維持することはコスト高の原因になってしまう。 若干ではあるが路線延長されたLGV大西洋線トゥールへの分岐線や、LGV地中海線で計画中のニームモンペリエへの分岐線などでは貨物列車との混合走行が考慮されている。

英仏海峡トンネルロンドンを結ぶ現在一部開業中のCTRLLGVでは貨物列車の輸送を補助するためにループ線施設が作られたが現在はまだ利用されていない。日本では北海道新幹線開業後、青函トンネルで貨物列車と新幹線の共用で類似した事例が発生するので注目される。LGVのメンテナンスは夜間行われるが、その時TGVは走行しない。しばしば、フランス以外に建設されたLGVでは最初の資金負担の目的でTGV以外の列車も運行している。 ベルギーのLGVではブリュッセルからリエージュへ200km/hの機関車牽引の列車が、建設中のオランダHSL Zuid英国CTRLでは200km/hで結ぶ国内のインターシティサービスなどそれぞれの国で高速新線を活用した、国内輸送の改善が計画されている。

英仏海峡トンネルはLGVではないが、100km/hから160km/hまでの範囲で、混在した貨物輸送、シャトル列車、およびユーロスターの運行を管理するため、保安装置はLGVで利用されているTVMを利用している。状況が異なるので単純な比較は出来ないが、青函トンネルで将来の新幹線開業に備えATC-L型を利用しているのに近い形となっている。160km/hで走るユーロスターとそれより足の遅いシャトル列車との運転間隔など、異なる速度で走る列車の問題を英仏海峡トンネルでは示している。

電力供給

LGV上では、交流電化25KV50Hzとなっている。高速で走行する時、パンタグラフ架線に振動を引き起こすので、架線のワイヤーは通常の路線より強化され張りが強く保たれている。振動による、架線の破断を防ぎ列車を高速で走行させるため、対策が講じなければならない。1990年の最高速度の記録更新試験の時、架線の破断対策が大きな課題であった。そのため、500km/hの走行試験の対応に備え架線の張りはさらに強化しなければならなかった。LGV上では後部のパンタグラフだけ上げ、前部のパンタグラフで引き起こされる振動を避けている。前部の電動車には列車の屋根に沿ってケーブル(高圧母線)が敷かれ電力が供給されている。ユーロスターでは、通常のTGV編成の2倍近くの400m弱の編成長があり振動が減衰する。間隔が十分なため前後両方のパンタグラフを上げることができる。そのため、高圧ケーブルの引き通しはされていない。LGV以外の通常の振動問題のない在来路線や直流区間で走行する時は両方のパンタグラフを上げている。

保安装置

信号の境界を示す標識
nf標識
TGVの運転台

従来の列車が高速新線(LGV)上のTGVに変化し伝統的な線路わきの信号機では運転士にとって確認するには速度が速過ぎるようになり認識が難しくなってしまった。これに代わり信号システムは自動化されたTVM(Transmission Voie-Machine,又はtrack-to-train transmission)と呼ばれる、車内信号方式が採用されている。速度情報等は軌道からパルス信号を通して列車に送られ、運転士は運転台の表示装置で速度、停止・発車の指示、目標速度などを直接確認できる。運転士が間違っている場合には安全に列車を停止させることができる高度に自動化された装置だが、運転士の裁量は完全には取り除かれていない。LGV路線では信号閉塞区間は1500mごとに区切られ、境界は青地の黄色の三角形の標識で示されている。運転台の表示装置には、先に路線の分析に基づいて、列車の現在の区間での最大許容速度と目標速度が示される。最大許容速度は先行列車に近付くと減速し、また分岐の配置、速度規制、列車の最高速度とLGVの終端の距離など様々な条件に基づいて決まる。通常列車は一つの閉塞区間で止まることは出来ない時(数百m~数kmの範囲)、必要な停止の前にいくつかのブロックを徐々に遅くするために運転士に警報が出される。LGVではTVM-430TVM-300の2種類の信号システムが使われている。TVM-430は最新のシステムで最初に導入されたのはLGV北線、ユーロトンネルベルギーなどの路線でTVM-300より多くの情報を提供している。 保安システムは通常、運転士の裁量に任されている部分が新幹線のATCよりも多くある。 最高速度は30km/hに制限されるが運転士は最初の指示が無くても占められた閉塞区間に進入出来る。35km/hを超過すると非常ブレーキがかかる。もし、閉塞区間にNf(仏:non-franchissable)「通過可能ではない」を伴う標識があったならば運転士は閉塞区間へ進入する前、指令所(仏:Poste d'Aiguillage et de Régulation)からの指示を受けなければならない。進路を指令所が許可を出すと運転台上の白色灯が運転士に知らせる。運転士は操作盤のボタンを使用し認め、非常ブレーキは無効にする。もし、省略したならば標識に隣接した軌道回路で非常ブレーキが働く。 列車が、在来線からLGV線内に入ったり出たりする際に軌道回路を通過すると自動的に適切な保安システムに変わる。 例えば、列車がLGV線から離れ在来線へ進入する際、TVMは作動せず従来のKVB(Contrôle Vitesse par Balise又はbeacon speed control:地上信号方式)が有効になる。

TGVの長所として、都市中心部ではなどの既存設備がそのまま使える所にある。パリ中心部には既存路線に乗り入れ、速度の遅い列車と線路を共用している。しかしながら、LGV等の高速新線上では都市から数キロ離れた場所や、田舎などに建設される傾向がある。LGV上のため、都市部の頭端式ホームに比べるとあまり多くの時間を割くこ とをなく止まることが出来る。その代り、LGVは都市を迂回して建設される。駅が新設される時、二つの自治体の中間部などで建設される場合がある。モンソー・レ・ミーヌとル・クルーゾ間の駅[1]や論争の的となっている、アミアンとサン・カンタン間のTGVオート・ピカルディ駅などの例がある。 論調や地元当局はTGVオート・ピカルディ駅がどちらの町からも遠過ぎて、旅行者が鉄道を利用し難いと批判している。この駅の周りは甜菜畑に囲まれているため、「ビートステーション」(英:beet station 仏:la gare des betteraves)とあだ名が付けられている。このようなあだ名は、他の似たような都市部から離れたLGV上の新駅などにも付けられている。 2001年に開業したアヴィニョンTGV駅は建築的に大聖堂のような素晴らしい屋根が特徴的で称賛されている。

車両

  • 2007年現在の営業最高速度は320km/h。2006年9月から、営業速度を360km/hにするための試験運行を開始した。
  • 編成の両端部に連結された電気機関車が牽引する方式で、日本の新幹線とは大きく異なる(動力集中方式を参照)。動力集中方式は客車部分の製造コストが低く、騒音元となるモーターなどが無いために客室部が静かなどのメリットがある反面、分割運転がしにくく加減速性能が劣るというデメリットがある。
  • TGVは基本的に10両固定編成(大西洋線に使用されるTGV-Atlantiqueは12両固定編成)とし、両端に運転席を設けるプッシュプル方式を採用している。
  • 輸送力調整を容易にするため、機関車前頭部に分割併合装置が装備されており、最大2編成併結(合計20両)の重連運転を実施している。(重連の場合、ホームの案内表示に"double traction"と表示されることが多い)
  • 南東線での輸送力不足を解消するため、1995年から客車部分をダブルデッカーにしたTGV-Duplex(デュプレックス)が登場した。まず初めに客車が登場しRéseauの機関車に牽引されて暫定運用についたが、その後専用の機関車が新製されている。
  • 機関車以外は連接台車とし、台車数を減らし、転がり抵抗を減じている。
    新幹線は動力分散方式の上にすべて専用新線で線形もよいため、台車が多い=モーター配置可能箇所が多い方が有利。小田急「SE」車は線形の悪い既存路線で高速を出すために連接化している。
  • 車体幅は、日本の新幹線規格(3.38m)や在来線規格(2.95m)に比べ狭く約2.8mで、一等車では横3列シート(通路を挟み1列と2列)、二等車では横4列シート(通路を挟み左右とも2列)だが、二等車座席は日本の新幹線普通車のみならず、在来線特急普通車のそれと比較してもかなり狭く感じられる。集団見合い式のシート配列となっている他、二等車の座席にはリクライニング機構のないものもある。
  • フランスの複合企業アルストムにより、開発された。
  • 走行地域・乗り入れ国に応じた多種多様な車両が存在する。大別すると、開業当時からのPSE(Paris-Sud-Est)、大西洋線開業時に新製されたAtlantique、既存のTGV走行路線全線(イル・ド・フランス連絡線を含む)、ならびにベルギーイタリア乗り入れのArtésia等他国への乗り入れに対応した汎用型のRéseau(レゾ)、オール2階建てのDuplex(デュプレックス)などがある。
    更にPSEには、スイス乗り入れに対応した編成TGV Lyriaや郵便輸送専用の編成(車体塗色が黄色)、あるいはビュッフェ車や一部1等車まで2等車に改造した編成など、マイナーバージョンが多数存在する。
  • イギリスへ直通するユーロスターオランダドイツへ向かうタリスもTGVの設計思想を踏襲して製造されている。
  • シリコン整流方式、及び多電源の機構は、日本の国鉄401系・421系電車で世界で初めて量産化された技術であり、TGVが最初ではない。
  • 車体塗色は、開業当初のPSEは全体がオレンジ色に近い朱色で、窓周りがブラックのラインとなっていた。現在は他のTGV同様、写真のようなシルバーボディーにブルーのラインが入ったモノに変更されている。この塗色変更は、最高速度の引き上げ改造(270km/h→300km/h)と同時に実施された。
  • 郵便・小荷物輸送専用の黄色いTGV「TGV La Poste」が存在する。
  • 日本の「ドクターイエロー」「East i」のような、総合試験用の編成"TGV Iris 320"が存在する。在来線の電化区間の走行も可能。
  • 動力車は全て交直流対応で、フランス国鉄の標準である直流1500Vと交流25kV50Hzに対応する。編成によっては、これ以外の電源方式にも対応する。

主要諸元

形式 最高速度 旅客定員 編成長 車体幅 重量 電圧 出力
TGV Sud-Est 270km/h (168mph) 新製時
300km/h (186mph) 改良後
345 200.2m (657ft) 2.81m (9.2ft) 385t(424米トン 1.5kV+25kV 6,450kW(25kV)
TGV Atlantique 300km/h (186mph) 485 237.5m (780ft) 2.90m (9.5ft) 444t(489米トン) 1.5kV+25kV 8,800kW(25kV)
TGV Réseau 320km/h (199mph) 377 200m (656ft) 2.90m (9.5ft) 383t(422米トン) 1.5kV+25kV 8,800kW(25kv)
Eurostar Three Capitals 300km/h (186mph) 794 393.7m (1,293ft) 2.81m (9.2ft) 752t(829米トン) 750V+3kV+25kV 12,240kW(25kV)
Eurostar North of London 300km/h (186mph) 596 318.9m (1,033ft) 2.81m (9.2ft) 665t(733米トン) 750V+3kV+25kV 12,240kW(25kV)
TGV Duplex 320km/h (199mph) 512 200m (656ft) 2.90m (9.5ft) 386t(425米トン) 1.5kV+25kV 8,800kW(25kV)
Thalys PBKA 300km/h (186mph) 377 200m (656ft) 2.90m (9.5ft) 385t(424米トン) 1.5kV+3kV+15kV+25kV 8,800kW(25kV)
TGV POS 320km/h (199mph) 377 200m (656ft) 2.90m (9.5ft) 423t(466米トン) 1.5kV+15kV+25kV 9,600kW(25kV)
TGV postal 270km/h (168mph) - 200m (656ft) 2.90m (9.5ft) 345t(380米トン) 1.5kV+25kV 6,450kW(25kV)
TGVの路線網(オレンジ)と欧州の高速鉄道路線網の関係 青はドイツ鉄道ICE、黄はTGVから派生したユーロスター、赤は同じくTGVから派生したタリスの路線を示す。太線は高速走行部分を、中程度の太線は低速で走行する在来線の路線を、細線は計画中の路線を示す。

路線網

フランス国内には、約1,800kmのLGV網(高速新線網)が存在する。パリを中心に放射状に核となる4本の路線とその他の路線で構成されている。

開業済みの路線

ここでは高速運転のできる新線 LGV(Ligne à Grand Vittesse:高速線の意) について挙げることにする。

  • 南東線: パリ - リヨン
  • ローヌ・アルプ線: リヨン近郊 - バランス
  • 地中海線: バランス - アヴィニョン・ニーム 及び マルセイユ
  • 大西洋線: パリ - ル・マン 及び トゥール
  • 北線: パリ - リール - ユーロトンネル
  • 東ヨーロッパ線: パリ - ボードクール(2007年6月10日部分開通)
  • 東連絡線: パリの中心部を経由しないで、郊外で南東線と北線とを直結・直通する高速連絡線。途中には、シャルル・ドゴール空港と直結しているシャルル・ドゴール空港TGV駅、ユーロディズニーランド(現:ディズニーランド・パリ)の最寄り駅であるマルヌ=ラ=ヴァレTGV駅の 2 駅がある。
  • CTRL1期区間
  • ベルギー国内線(HSL 1): フルタン - ブリュッセル
  • ベルギー国内線(HSL 2): ルーヴェン - アンス

現在建設中のもの

今後建設予定のもの

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さらに、パリ北駅パリ・リヨン駅との間を、パリの中心部の地下を通る地下高速新線で結び、北線(北ヨーロッパ線)と南東線(地中海線)とを直結する連絡線の建設も計画されている。

運転

  • ほとんどの列車が、パリを起点に、フランスの各都市を結ぶ。そのため、パリ以外の都市間連絡は、決して便利とは言えない。
  • パリのターミナルは基本的に、地中海線はリヨン駅、大西洋線はモンパルナス駅、北ヨーロッパ線は北駅、東ヨーロッパ線は東駅を、それぞれターミナルとする。
  • パリ中心部を経由せずに、イル・ド・フランス連絡線を経由する列車はIntersecteurs'と呼ばれる。
  • 国際列車としては、スイス・ベルギー・イタリア・ルクセンブルク・ドイツ・モナコへの直通がある。
  • タリスとしてベルギー・オランダ・ドイツに、ユーロスターとしてイギリス・ベルギーに、それぞれ乗り入れる。
  • パターンダイヤ化は、ドイツや日本に比べると、あまり実現していない。一方、2編成連結や続行運転は多く見られる。

他交通機関(特に航空網)との競合

TGVの競合相手は、高速道路(オートルート)もさることながら、特に国内航空網を強く意識している。

航空と競合している一方、強い連携もしている。ド・ゴール空港駅のTGV

フランスの場合、数十万~百万人規模の「都市共同体」と呼ばれる都市圏が国内に点在している一方で、都市圏以外の人口密度が極めて少ない(国土面積が日本の約1.5倍、可住地面積が日本の約3倍であるのに対し、人口は日本の約半分しかない)。また、政治的・経済的に、フランスは首都パリへの一極集中型で、地方都市圏においても、パリとの結びつきが強い。そのため、鉄道運営上の観点からは、パリ(あるいは都市圏)と都市圏を結ぶ「線輸送」が主体となる(この点は日本やドイツと異なる)。ただし、多くの「都市圏」は、首都パリから500km、あるいはそれ以上離れていることが多い(リヨンで約400km、マルセイユで約700km)。

国内航空網は、パリとこれらの都市圏を、ほぼ1時間程度で結び、便数も1日に数十便が、150人乗り程度の小型機で運航されている。そのため、空港アクセス時間を考慮すると、鉄道が航空網に勝つためには、これらの都市圏を、概ね3時間以内で結ぶ必要がある。一方で、比較的短距離の都市相互間の連絡においては、TGVではあまり考慮されていない。

TGVが歴史的に、高速運転に異常なまでの拘りを見せる要因の一つが、このような地理的条件にあるとされる。実際、1990年の515.3km/h世界記録樹立の際には、「1000kmを3時間で結ぶ」という、極めて野心的な戦略が立てられている。

最近では、格安航空会社の登場により、運賃面で鉄道に優位性がなくなりつつあるため、格安航空会社同様に、インターネットによるオンライン予約・クレジットカード決済などを取り入れた格安サービス"iDTGV"も登場している。

今後、TGVと航空網の競合は、周辺諸国をも巻き込み、ますます熾烈になると言われている。

一方で、パリのシャルル・ド・ゴール国際空港や、リヨンのサン=テグジュペリ国際空港には、TGVの駅も設けられており、航空網との連携も行われている。また、ユナイテッド航空コンチネンタル航空のように、TGVに航空便名を付けて、航空便との一貫輸送を行っている事例も存在する。

列車での到達時間範囲(パリ起点) 出典: Les services
年間旅客数(100万)
1981 1.26
1982 6.08
1983 9.20
1984 13.77
1985 15.38
1986 15.57
1987 16.97
1988 18.10
1989 19.16
1990 29.93
1991 37.00
1992 39.30
1993 40.12
1994* 43.91
1995 46.59
1996 55.73
1997** 62.60
1998 71.00
1999 74.00
2000 79.70
2001 83.50
2002 87.90
2003 86.70
2004 90.80
2005 94.00
1994* ユーロスターを含む
1997** タリスを含む

出典:Geschichte

フランス国外への進出

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国外への延伸であるユーロスタータリスのみならず、スペイン国鉄AVE韓国KTXなど、線路の繋がっていない国へも輸出している。またアメリカへもアセラ・エクスプレスとして輸出された例もある。ドイツとの連合で臨んだ中華民国台湾高速鉄道では日本の新幹線に敗れたものの、中華人民共和国では官民一体となった売り込みの結果北京・上海間高速鉄道計画で車両の購入が行われた。

台湾高速鉄道への売込みに際しては、ドイツのICE1の動力車(電気機関車)とTGVの2階建て客車を組み合わせたデモンストレーション編成「ユーロトレイン(Eurotrain)」を走らせた。これは、当初フランスが提案を検討していたTGV-duplex 10両編成やドイツのICE1 14両編成をそのまま導入した場合、いずれも台湾新幹線に要求されていた一編成あたりの定員を確保できなかったためである。客車一両あたりの定員が最も多いのはTGVの2階建て客車だが、これを単純に増結すると当時のTGV用機関車では出力不足となり対応できなかったため、より出力の大きいICE1用機関車と組み合わせるという苦肉の策が採用された。

高速鉄道のみならず、鉄道全般に関して長年のライバルであるフランスとドイツが「ヨーロッパ連合」として手を組み、新幹線を売り込もうとする日本連合に対抗したことでも話題となった(日本連合に対する「ネガティブ・キャンペーン」も行われた)。しかし、結果的には日本連合に破れた。

2007年10月22日モロッコフランスがTGVの技術を用いたアフリカ諸国では初の高速鉄道の導入を合意した。フランス国鉄やアルストム、フランス鉄道線路事業公社が受注することになる。計画ではタンジールカサブランカのルートで高速鉄道を運行する計画である。将来的には、マラケシュへの延伸を含め増大する旅客輸送量に対処するため総延長1,500kmの路線網を2030年頃までに整備する構想もされている。タンジール・ケニトラ間の200kmが最初の区間として2013年に運行の開始が計画されている。18編成のTGV Duplexが導入され、最高運転速度320km/hが計画されている。合わせて、新しい機関車の導入やスピードアップなどモロッコの鉄道近代化も実施される。[1] [2] [3]

開発中のTGV

フランス国鉄アルストムは高速輸送で利用する、新技術を研究している。開発されているTGVはAGV(automotrice à grande vitesse)と呼ばれる編成の単位で日本の新幹線ドイツ鉄道ICE3(シーメンスの製品名ではVelaro)のような動力分散方式である。AGVのデザインではモーターが各車両に装備されている。また、編成の製造コストと安全基準は現行のTGVと同程度とすることとしている。AGVは200mの従来のTGVと同じ編成長で旅客定員が450名に増やすことが出来、目標となる最高速度は350km/hとなっている。 短期的な計画では、現在、併結運転を行っているTGV-Duplexの中間部の機関車2両を2階建て客車に代えて輸送力を10%向上させることが考えられている。機関車を客車に代えることによって不足する出力は、客車の台車にモーターを装備した電動車にすることによって補う。その際、中間の電動車は今までのTGVの客車のような連接台車からボギー台車に変更される。

事故

TGVは20年以上の運行の歴史の中でLGV(高速新線)上では重大な死亡事故は発生していない。3つの脱線事故を含むいくつかの事故が270km/h(168mph)で走行中に発生したが、いずれも車両が転覆するほどの重大事故は起こらなかった。しかしながら、従来からの在来線上では重大な事故も発生している。踏み切りなどの平面交差もあるため、通常の列車と同じくらいの危険度でTGVも事故が発生する。

LGV上

  • 1992年12月14日アヌシーからパリに向かって270km/hで運行されていたTGV920列車(第56編成)がマコン・ロッシェTGV駅で脱線した。前の非常停止によって車輪のフラットを引き起こし、駅進入路のポイントの通過時に関係する台車が脱線した。列車の乗客にけが人は居なかったが、脱線時に巻き上げられた軌道上の砕石によってホーム上で他のTGVを待っていた25人の旅客が、軽傷を負った。
  • 1993年12月21日:ヴァレンシエンヌからパリに向かって運行されていたTGV7150列車(第511編成)が300km/hで走行中、建設前のTGVオート・ピカルディ駅で脱線した。雨が原因によって、軌道下に穴が開いてしまった。穴は第一次世界大戦にさかのぼるがLGV北線の建設中には発見されなかった。前の機関車と4両の客車は脱線したが、残りは軌道上に残った。200名の乗客は軽傷で済んだ。
  • 2000年6月5日:パリからロンドンへ向かっていたユーロスター9073列車(第3101/2編成ベルギー国鉄所有)が250km/hでノール=パ・ド・カレー地域圏のCroisilles付近で脱線した。部品が軌道上に落下し、前部機関車の後部台車の動力伝達機構が無くなった。501名の乗客のうち7名が打撲を負い、他は脱線時に衝撃を受けた。

在来線上

  • 1988年9月28日グルノーブルからパリに向かっていた、TGV736列車(第70編成"Melun" TGV-PSE)が時速105km/hで走行中、100tの変圧器を運んでいた運搬車とイゼール県ヴォアロンの踏み切りで衝突事故を起こした。本来、重量が大きい運搬車は踏み切り内に進入禁止であった。その重量から激しい衝突を起こし、脱線はしなかったが運転士と乗客が合わせて2名が死亡し25名が軽傷を負った。300名が乗車していた。
  • 1991年1月4日:ブレーキ系統の故障後、TGV360列車がシャティオン車両基地から逸走し、列車は空いているパリ・ヴァジラール駅の側線に導かれ車止めに60km/hで衝突した。けが人は居なかったが、機関車と2両の客車は激しい損傷を被り再造されている。
  • 1997年9月25日:パリからダンケルクへ向かっていたTGV7119列車(第502編成)が130km/hで走行中、ダンケルク近くの踏み切りで70tのアスファルト舗装機材と衝突した。機関車は回転し、築堤下に落下。前から2両の客車も軌道から外れ、軌道脇の林で止まった。7名が負傷した。
  • 2001年10月31日:パリからスペイン国境に近いイルンに向かっていたTGV8515列車が130km/hで走行中、フランス南西部のダックス近くで脱線した。10両の客車が脱線し、後部の機関車が転覆。原因は保線の不備であった。
  • 2003年1月30日:ダンケルクからパリに向かって106km/hで走行中のTGVが大型貨物車とフランス北部のエスケルベクの踏み切りで衝突した。前方の機関車は激しい衝撃を受けたが、1台車が脱線しただけで運転士も軽傷で済んだ。
  • 多くの事故後、TGVが運行される在来線上では踏み切りの設備はすべて撤去され立体交差が進められた。

TGVに対する抗議運動

トンネル建設に反対する抗議
デモ隊

最初のTGVに対する環境問題での反対運動は1990年5月にLGV地中海線の計画段階で起こった。抗議団体は鉄道の高架橋を封鎖し、計画中の路線に対して抗議した。抗議団体の主張ではリヨンからマルセーユまでは既存の路線が存在し列車で行けるから新たな路線は必要ないと言うものであった。

Lyon Turin Ferroviaire (LTF)リヨン - シャンベリ - トリノ)はLGVとイタリアTreno Alta Velocità SpA (TAV)が建設する高速新線網に接続させる計画で、イタリアでは論議の対象であった。大部分のイタリアの政党はこの路線の建設に関して賛成しているが、建設が行われる沿線の住民は強く反対している。この路線では長大トンネルが建設されるが、反対者の意見では、トンネル掘削にともなって山間部からアスベストウランなどのような危険物質が空気中に蓄積されることを懸念している。 深刻な健康危機は、放射能を取り除く高い技術を利用することで避けることができた。建設開始の決定は問題解決の検討に要したため6ヶ月遅れてしまった。住民の懸念に加えて、全体として10年に及ぶ国民的な運動はTAV網の整備に反対した。

フランスでは日本などに比べあまり人口密度が高くなくTGVの騒音問題はあまり深刻な問題ではないと一部で見られがち[2]だが、TGVが通過する町村では騒音問題を緩和するためフランス国鉄ではTGVが走行するLGVの大きな区画に沿って、防音壁などを設置している。しかし、対策が施されていない箇所では未だに抗議運動が起こっている。

その他

  • フランスの映画TAXi3で、TGVがダニエルの超高速改造車(タクシー)に追い抜かされるシーンがある。そのシーンの直前のタクシーの速度は、298km/hであった。しかし、その後、タクシーがパトカーに追われると速度を加速し、パトカーを一気に引き離し、併走するTGVも抜いた。そのため、タクシーがTGVを抜かした際の速度は300km/hを優に越えているものと思われる。
  • 2000年前後の数年間という短い期間だけであったが、TGV大西洋線の列車が、ヴァンデ県の郡庁所在地で、大西洋岸のマリンリゾート地でもあるLes Sables-d'Olonne(レ・サーブル・ドロンヌ)まで直通していたことがある。しかし、この区間は当時は非電化であったため、ナントからディーゼル機関車CC72000形)に牽引されて直通していた。ディーゼル機関車は、TGVと連結するために、密着連結器取り付け改造を実施した専用機3両が用意された。

関連商品

外部リンク

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  1. ^ http://www.alstom.com/pr_corp_v2/2007/corp/45933.EN.php?languageId=EN&dir=/pr_corp_v2/2007/corp/&idRubriqueCourante=23132 With a very high speed train frame agreement and contracts in rail transport and power generation, Alstom strengthens its commitment to Morocco in a long-term partnership Alstom
  2. ^ http://www.afpbb.com/article/politics/2302014/2273348 仏モロッコ間、20億ユーロ超の契約合意 2007年10月24日 AFP
  3. ^ http://www.asahi.com/business/update/1028/TKY200710280118.html 仏TGV計画、モロッコに建設技術輸出の実績づくり asahi.com