駅そば

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。多摩に暇人 (会話 | 投稿記録) による 2016年3月29日 (火) 07:06個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (著書がある鈴木 弘毅以外のサイトを除去)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

駅そば(えきそば)は、日本の鉄道駅構内において蕎麦(そば)を提供する飲食店及びその蕎麦である。多くが立ち食いそば店の形式で運営されている。

概要

立ち食いそば店(お馴染田舎そば 池袋店、既に閉店)の食券販売機。駅そば店でも一般的に採用されている。suicaなど、ICカード乗車券による支払にも対応している。

駅構内における立ち食いそば店は、主として、駅弁を販売する業者により運営されてきた店舗と、鉄道事業者(主に旧国鉄)が余剰人員対策として直営(あるいは関連会社)により展開してきた店舗に大別される[1]。明治時代後期には、そばを提供する店が軽井沢駅、長万部駅、森駅にできた[2]。長かった列車の停車時間や乗り換え時などの空き時間に気軽に摂食出来るサービスとしても広まり[3]、またホーム上の駅そば店では停車時間の短縮に対応して、列車内へ持ち込んで食べられるように持ち帰り容器込みで販売される形態も広まった。

しかし元々の運営形態である「駅弁販売業者の運営」と「鉄道事業者の余剰人員対策」は、前者が駅弁事業の不振や経営者の高齢化により事業者が撤退、後者は余剰人員そのものの整理・鉄道事業者内のグループ再編により閉店が相次いでおり、その後継として鉄道事業者系の外食企業が参入するケースが増えており、元々別事業者による運営だったことから駅毎に異なっていた駅そばの味付けが画一化される傾向にあると報じられている(かつてJR東日本駅構内の駅そばの大半を、同社の子会社である日本レストランエンタプライズが「あじさい茶屋」として統一した際、各店の味が同じで味も平凡なために苦情が相次いだという[1])。また(駅弁事業の不振にもつながることだが)鉄道そのものの利便性が向上し、駅に滞在しなければいけない時間が減少していることも、駅そば店にとって逆風となっているとの指摘もある[3]

屋号

鉄道事業者ごとに、関連会社によるチェーンを展開したり、共通の屋号を設けている例がある。また、駅弁店などが複数の駅で営業している場合も見られる。一方で、駅によって独自の屋号を持つことも多い。

西日本、特に関西ではうどんがメニューの中心だが、屋号には「そば」を用いていることが多く、蕎麦の販売割合は4〜5割程度との調査結果がある[4]。要因のひとつとして「そばの方が早く食べられるイメージがある」との見解が示されている[4]

関連事項

脚注

  1. ^ a b 伊藤唯行 (2016年3月2日). “変わる首都圏の駅そば 老舗から系列へ…画一化に嘆きも”. 朝日新聞. http://www.asahi.com/articles/ASJ2K45KYJ2KUTIL01C.html 2016年3月14日閲覧。 
  2. ^ 坂崎仁紀『ちょっとそばでも』廣済堂出版、2013年。
  3. ^ a b “函館から消える駅そば 五稜郭駅内、店舗老朽化で”. 北海道新聞. (2016年2月28日). http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/donan/1-0239861.html 2016年3月14日閲覧。 
  4. ^ a b “<データ読解>駅の立ち食い、うどん優勢”. 日本経済新聞(日経ネット関西版). (2008年3月10日) 

外部リンク