預り (相撲)

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相撲用語としての預り(あずかり)は、引き分けの一種。

文字通り、勝負結果を行司もしくは審判委員が「預かり置く」ことで、物言いのついたきわどい相撲などで、あえて勝敗を決めない場合などに適用された。星取表にはカタカナで「ア」と表記された。ひとつには、江戸時代幕内力士は多く有力大名のお抱えであり、その面子を傷つけないための配慮措置でもあった。記録上は引き分けとしながらも、実際の取組で優勢であった側に、番付編成面で優遇を与える「陰星」(完全に1勝扱いにする場合を「丸星」、0.5勝扱いのときは「半星」と呼んだ)もあった。特に丸星の場合、星取表の右上の、勝ち数を表記するところに「●」を加えた場合もある。

大正頃まで、大部屋同士の意地の張り合いや、大坂相撲と東京相撲との対抗心から来るいざこざも多く、これらをなだめる方便としても預り制度は存続した。また、東西制の導入で優勝争いが勝ち星の合計で争われるようになると、自分の側に優位になるようにと控え力士が物言いをつけるケースも多くなり、その対処としての「預り」も増えた。

昭和の東西合併にともなう制度改正で、取り直しの制度が設けられ、制度としては廃止された。しかし、幕下以下の取組では、あえて勝敗を決する必要がないような場合、便宜的に適用されることもある。この場合は正式には痛み分けの扱いになることが多い[要出典]

祭りでの素人相撲大会などでは、決勝戦や結びの一番は、どちらが勝っても必ず「預り」でしめる慣例になっているものも多い。神事としての相撲に豊作凶作を占う意味もあるため、幸不幸が地域内で偏らないようにするためである。

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