大國魂神社
大國魂神社 | |
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所在地 | 東京都府中市宮町3-1 |
位置 | 北緯35度40分02.4秒 東経139度28分44.4秒 / 北緯35.667333度 東経139.479000度 |
主祭神 | 大國魂大神 |
社格等 | 武蔵国総社・旧官幣小社・別表神社 |
創建 | 伝景行天皇41年(111年カ) |
本殿の様式 | 三間社流造銅板葺 |
別名 | 六所宮 |
札所等 | 東京五社 |
例祭 | 5月5日 |
主な神事 | くらやみ祭(4月30日-5月6日) |
大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)は東京都府中市にある神社である。武蔵国の総社で六社を合祀しており、特に格式の高い「東京五社」の一つ[1]となっている。「大国魂神社」と表記される場合もある。
概要
![]() ![]() ![]() 馬場大門のケヤキ並木の北端。江戸時代にはここに一の鳥居があった。 ![]() ![]() |
景行天皇41年(111年カ)5月5日に創建と伝えられ、源頼朝が妻の安産祈願をした・源頼義と義家が奥州戦に向かう際に戦勝祈願をするなど、由緒ある神社。例大祭は、関東三大奇祭の一つであるくらやみ祭りとして有名であり、境内には結婚式場が建造されているなど、縁結びの神としても知られている。鉄道駅から近い市街地の中心部に位置するにもかかわらず、緑の杜に囲まれた神社である。
境内には、本殿・拝殿・松尾神社・巽神社・東照宮・授与所・待合所・住吉神社・大鷲神社・神楽殿・宝物殿・中雀門・手水舎・廻廊・社務所・結婚式場・鼓楼・随神門・忠魂碑・日露戦役記念碑・相撲場・みやのめ神社・参道・大鳥居・稲荷神社・馬場大門のケヤキ並木・御旅所があり、多くの文化財が存在する。
境内地は、かつての武蔵国の国府跡で、境内地と市道を挟んで東側の市有地が「武蔵国府跡(武蔵国衙跡地区)」として国の史跡に指定されている。東側市有地は「武蔵国衙跡地区」として整備されており、柱跡が表示され、展示室が設けられている。本神社は府中宿の中心部近くにあり、大鳥居から武蔵国分寺や武蔵国分尼寺まで道が整備されていた。(武蔵国を参照)
境内は、全面禁煙で自転車乗車も禁止されている。
祭神
大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)を祀る。大國魂大神は大国主命と同神とされる。
- 六所宮
武蔵国の総社として、下記六社を合祀している。なお、下記六社は創建当時の一之宮から六之宮までであり、武州六社明神と言われていた。創立の初期には創建日5月5日、武蔵国中の神官が集まり祈祷を行った。
一之宮 | 小野神社 | 東京都多摩市一ノ宮一丁目・府中市住吉町 |
二之宮 | 二宮神社 | 東京都あきる野市二宮 |
三之宮 | 氷川神社 | 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町四丁目 |
四之宮 | 秩父神社 | 埼玉県秩父市番場町 |
五之宮 | 金鑚神社 | 埼玉県児玉郡神川町二ノ宮 |
六之宮 | 杉山神社 | 神奈川県横浜市緑区西八朔町宮前(異説あり) |
歴史
- 社伝『府中六所社伝』などに記された伝承によれば、景行天皇41年5月5日に大國魂大神がこの地に降臨し、それを郷民が祀った社が起源という。その後出雲臣の祖神天穂日命の後裔が武蔵国造に任ぜられ社の奉仕を行ってから、代々の国造が奉仕してその祭務を行ったと伝承されている[2]。社号は「大國魂神社」となる。
- 大化元年(645年)の 大化の改新のとき、武蔵の国府を社有地内に置かれ、社を国衙の斎場とし、国司が奉仕して、国内の祭務を総轄する社になった。国司が国内社の奉幣巡拝、又は神事執行等の便により国内諸神を配祀して、武蔵総社の起源になった。社号が「武蔵総社」となる。
- その後に武蔵国内の著名の神、六所(6社の神)を奉祀して、社号が「武蔵総社六所宮」となる。
- 康平5年(1062年)に、前九年合戦平定の際に源頼義・義家父子が、欅の苗千本を寄進する。(現在、国の天然記念物に指定されている「馬場大門のケヤキ並木」の起源。)また、神前にすももを供物として供したことから、後年この日とされる7月20日に毎年「すもも祭り」が行われるようになる。
- 寿永元年(1182年)に、源頼朝が葛西三郎清重を使節として、政子の安産の祈願が行われた。
- 文治2年(1186年)源頼朝は武蔵守義信を奉行として社殿を造営した
- 貞永元年2月(1232年)、執権北条泰時の代にも社殿を修造した。
- 天正18年(1590年)8月、徳川家康が江戸へ入城してからは、 武蔵国の総社として、社領五百石を寄進し、社殿及びその他の造営を行われた。
- 正保3年(1646年)10月、類焼により社殿が焼失。
- 寛文7年(1667年)、徳川家綱の命により、久世大和守広之が社殿を造営し現在に至る。
- 慶応年間(19世紀中半)、檜皮葺が銅板葺に改められた。
- 明治元年(1868年)、准勅祭社に準ぜられた
- 明治4年(1872年)、社号を「大國魂神社」に改めた。
- 明治7年(1875年)、県社に列せられた。
- 明治18年(1886年)、官幣小社に列せられた。
- 平成23年(2011年)齋館の新築、随神門の改築、手水舎の移設。
祭祀
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1月 | 1日 | 歳旦祭 年祝祭 | 6月 | 1日 | 東照宮例祭 | ||
2日 | 海幸・山幸祭 | 夏至の日 | 夏至祭 | ||||
3日 | 元始祭 | 30日 | 大祓式 | ||||
15日 | 日吉神社例祭 | 7月 | 12日 | 青袖祭 | |||
2月 | 3日 | 節分祭 | 宮乃咩神社 | ||||
11日 | 紀元節祭 | 13日 | 杉舞祭 | ||||
15日 | 坪宮例祭 | 20日 | すもも祭[3] | ||||
17日 | 祈年祭 | 8月 | 1日 | 相撲祭 | |||
25日 | 天神社例祭 | 7日 | 風祭 | ||||
3月 | 4日 | 氷雨祭 | 15日 | 国府八幡宮例祭 | |||
神戸稲荷神社例祭 | 9月 | 13日 | 松尾神社例祭 | ||||
10日 | 春季祭 | 秋分の日 | 秋季皇霊祭遙拝式 | ||||
春分の日 | 春季皇霊祭遙拝式 | 24日 | 忠魂碑慰霊祭 | ||||
4月 | 1日 | 巽神社例祭 | 27日 | 秋季祭(くり祭) | |||
滝神社例祭 | 28日 | ||||||
30日 | 品川海上禊祓式 | 例 大 祭 く ら や み 祭 |
10月 | 1日 | 住吉神社例祭 | ||
5月 | 1日 | 祈晴祭 | 11月 | 3日 | 文化祭 | ||
2日 | 御鏡磨式 | 酉の日 | 酉の市 | ||||
3日 | 競馬式 | 15日 | 七五三詣り | ||||
4日 | 御綱祭 | 23日 | 新嘗祭 | ||||
5日 | 動座祭 | 12月 | 冬至の日 | 冬至祭 | |||
御輿渡卸 | 23日 | 天王誕生祭 | |||||
6日 | 還御の儀 | 27日 | 煤払祭 | ||||
鎮座祭 | 31日 | 大祓式・除夜祭 |
- 例大祭
大國魂神社の例大祭は、関東三大奇祭の一つであるくらやみ祭りである。この祭りは毎年4月30日から5月6日にかけて行われており、本来歌垣の性格を帯びていたが、明治時代になってその淫靡な風習は改められた。また、夜間に実施されていた祭礼の行事も昭和34年(1959年)より夕刻の実施となった。
宵宮となる5月3日には、参道であるケヤキ並木において古式競馬式と府中囃子の競演、5月4日には旧甲州街道にて20台あまりの山車行列が行われる。例大祭当日となる5月5日には、6張の大太鼓に先導されて、8基の神輿が御旅所まで渡御する。神輿が御旅所に到着したのち神事を行い、一夜あけて6日早朝より神社への還御が行われる。5日の神輿渡御が深夜に町中の灯を消して闇の中で行われたため、くらやみ祭りと呼ばれる。以前は東京競馬場の開催を自粛していたが、平成19年(2007年)は競馬が開催された。
摂末社・付属社
宮乃咩神社
宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)外2柱 - 大國魂神社の摂社
- 祭神 天鈿女命(あめのうづめのみこと)
- 例祭 7月12日
- 創建 伝景行天皇朝
演芸の神、安産の神として崇敬されている。
坪宮
坪宮(つぼみや) - 大國魂神社の摂社
松尾神社
松尾神社(まつおじんじゃ) - 大國魂神社の末社
醸造の守護神と共に開拓の粗神として神徳高き神
巽神社
巽神社(たつみじんじゃ) - 大國魂神社の末社
元は市川にあった市神社。その社を大國魂神社の本殿から辰巳(南東)の方向に遷座し時に巽神社という社号になった。
東照宮
東照宮(とうしょうぐう) - 大國魂神社の末社
徳川秀忠によって造営。家康の死後、駿河国久能山により下野国二荒山に祀り直された時に、武蔵野国府の斎場で一夜を明かした遺跡を後生に伝える為造営。
住吉神社
住吉神社(すみよしじんじゃ) - 大國魂神社の末社
御本社は、大阪府住吉区。海上守護の神、除災招福の神。
大鷲神社
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6e/%E9%85%89%E3%81%AE%E5%B8%82Torinoichi002.jpg/300px-%E9%85%89%E3%81%AE%E5%B8%82Torinoichi002.jpg)
大鷲神社(おおとりじんじゃ) - 大國魂神社の末社
本社は、大阪府堺市鳳町の大鳥大社。元は日本武尊が守護する神として信仰、現在では“おとりさま”と称され開運の神・商売繁盛の神として信仰。
神戸稲荷神社
神戸稲荷神社(ごうどいなりじんじゃ) - 大國魂神社の末社
国府八幡宮
国府八幡宮(こくふはちまんぐう) - 大國魂神社の所管社
境内
祭神の「松は憂いもの杉ばかり」との謂れから、境内に松の木が植えられることはなく、地元の府中市では正月の門松に松を使わず「門竹」を使う事が多い。
参道に欅(ケヤキ)が植えられている。これは、源頼義公・義家の「前九年の役」と、徳川家康によるものとされている[4][5]。 東京都立農業高等学校手前のけやき並木北交叉点まで伸びる「ケヤキ並木」は、正式には「馬場大門のケヤキ並木」といい、大正13年に日本で2番目の天然記念物として指定されており、ケヤキ並木としては日本で唯一の天然記念物である。古くは並木の両側が馬場となっており、過去には5月3日より9月晦日まで馬市が立った(詳細は「馬場大門のケヤキ並木」を参照)。
文化財
- 重要文化財「木造狛犬」玉眼 漆箔 本殿と拝殿の間にあった中門に置かれていたもの。
- 東京都指定有形文化財(建造物)「本殿」
- 参道 - 国の天然記念物(大正13年指定) 馬場大門のケヤキ並木(奥州戦の帰りに源頼義と源義家が献木し、後に徳川家康も献木している)
ギャラリー
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随神門と桜(2011年(平成23年)撮影)
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神楽殿前より随神門を望む
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随神門を桜の下より
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大鳥居前
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大鳥居前
交通
最寄駅は、京王線の府中駅、JR南武線と武蔵野線の府中本町駅であり、府中駅方面の桜通りより大鳥居までケヤキ並木が続いており、国の天然記念物に指定されている。かつて、並木の両側は馬場となっていた。
駐車場は東京競馬場に隣接しているため、競馬開催日に観客向けに開放されることがある。
脚注
- ^ 他の四社は東京大神宮、靖国神社、日枝神社、明治神宮 http://www.kankou.kotomeguri.com/tokyo/seven/gosya.html]
- ^ 東京府 (編)「大國魂神社」『東京府西多摩郡南多摩郡北多摩郡名所旧蹟及物産志』東京府、1912年、pp. 92f頁 。
- ^ すもも祭において、烏の絵が描かれた「からす団扇・からす扇子」の頒布が特別に行われる。
- ^ 国天然記念物:馬場大門欅並木と八幡太郎義家銅像
- ^ 府中市役所
参考文献
- 桜井信夫著 大国魂神社監修『大国魂神社の歳時記』ネット武蔵野 2002 ISBN 4944237081 ISBN-13 978-4944237081
関連項目
- 本社は司馬遼太郎著『燃えよ剣』における冒頭の舞台として設定されている。くらやみ祭りの描写が詳細。
- 馬場大門のケヤキ並木