名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜

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名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件
〜史上最悪の2日間〜
アニメ
原作 青山剛昌
監督 山本泰一郎
脚本 内田けんじ
キャラクターデザイン 須藤昌朋
音楽 大野克夫
アニメーション制作 トムス・エンタテイメント V1Studio
製作 小学館読売テレビ、トムス・エンタテイメント
放送局 読売テレビ
放送期間 2014年12月26日 - (同日)
その他 2時間スペシャル番組
テンプレート - ノート

名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』(めいたんていコナン えどがわコナンしっそうじけん しじょうさいあくのふつかかん)は、2014年12月26日に『金曜ロードSHOW!』で放送されたテレビアニメ『名探偵コナン』のスペシャル番組。

概要

漫画『名探偵コナン』連載20周年記念TVアニメ2時間スペシャル企画。制作は同年4月に発表された。前週の同年12月19日放送の劇場版第12作『名探偵コナン 戦慄の楽譜』と合わせ、「名探偵コナンまつり」として放送された。

脚本は映画『鍵泥棒のメソッド』で監督・脚本を担当した内田けんじで、1926年に起きた『アガサ・クリスティ失踪事件』を元にしたストーリーに『鍵泥棒のメソッド』の登場人物が絡む内容となっている。

ゲスト声優として香川照之広末涼子が、『鍵泥棒のメソッド』での役を再び演じる。なお、同作品の主人公である桜井は、堺雅人ではなく声優の岩永哲哉が演じる。

メインキャラクターでストーリーに絡むのはコナンを除くと蘭・小五郎・灰原・博士の4人だけであり、歩美・元太・光彦は序盤と中盤の学校シーンにだけ登場する。目暮警部をはじめとする警視庁側のレギュラーキャラクターや鈴木園子は登場せず、工藤優作(声なし)はコンドウ関係の事件捜査に協力した人物としてコナンの回想に登場する。

本作は『金曜ロードSHOW!』枠のため、喫煙シーンが多くある他、犯人がポイ捨てをするシーンもある。また、銭湯では女性の全裸シーンがある上に尻まで描かれるなど、大人向けの演出が目立っている。

怪盗キッドは、本編終了後の『名探偵コナン 業火の向日葵』のインフォメーションで登場する。

オープニングでのメインテーマは、『名探偵コナン 絶海の探偵』バージョンが使用された。また、オープニング映像は劇場版からの流用であるが、最後の「真実はいつもひとつ!」の部分のみ新規作画となっている。

小説版は2014年12月24日に小学館ジュニア文庫から発売された他[1]、DVD版は原作単行本第86巻の付録として発売され、BD版は2015年10月23日に発売された[2]

関東地区における平均視聴率は12.1%を記録した[3]

ストーリー

阿笠博士の家の風呂が故障してしまい、蘭、灰原と共に銭湯を訪れたコナンは足を滑らせて転倒し、気絶してしまう。気絶したコナンを車に乗せたのは、裏世界で「アドリブのタツ」として知られる入れ墨の男・タツ、そして「伝説の殺し屋」とされるコンドウの2人だった。銭湯でとある任務を行っていたタツとコンドウは、それに不信感を抱いたコナンを連れ去ったのだ。しかも、コナンは目を覚ますと記憶喪失になってしまっていた。

そして、毛利探偵事務所には香苗という美女が浮気調査の依頼に訪れる。元便利屋だという夫の仕事場へ向かう小五郎が夫の写真を見ると、そこにはコンドウの姿があった。それに加え、あの貧乏役者・桜井がまたも事件に絡む。

登場人物

メインキャラクター

ゲストキャラクター

メインゲスト

コンドウ / 山崎 信一郎(やまざきしん いちろう)
声 - 香川照之
便利屋。裏世界では「伝説の殺し屋」として顔を知られている。
本作のもう1人の主人公。その正体は、標的を守る為に逃亡させて、依頼人と標的の双方から報酬を得る逃がし屋。妻の香苗と同様に優しい性格で、コナン達を救うために尽力する。隠し部屋には様々な変装グッズと拳銃を隠し持っており、拳銃を装備して愛する妻に別れの言葉を残した後で敵のアジトに侵入。監視カメラを掻い潜りながらエムを追い詰めたが、阿笠博士と灰原哀を人質に取られ、ニホリカ国女王と子供達の乗った車にトラックで突入して自爆するように要求される。
水嶋 香苗(みずしま かなえ)
声 - 広末涼子
ブランド雑誌「VIP」の女性編集長。
コンドウこと山崎信一郎の妻。毛利探偵事務所を夫の浮気調査の為に訪れた。小五郎も鼻の下を伸ばすほどの美人で、口数こそ少ないが、真摯に夫を愛している。実は、アパートにある自宅の隣もコンドウの仕事場になっているのだが、壁が回転扉の様な状態になっており、偶然にも小五郎がその壁を押した事で発見した。香苗も隣室の存在には気が付いていなかった。終盤に人質に取られてしまい、コンドウに爆弾を積んだトラックごと自爆するように強制させられてしまう。

犯人グループ

タツ
声 - 草尾毅
裏世界では、アドリブでピンチを切り抜ける「アドリブのタツ」と呼ばれている。
右手に龍の入れ墨をしている男。銭湯で全裸のコナンを連れ去り、持ち前のアドリブ能力を活かして、コナンのスマホから新一と食事に行ったと蘭にメールを送った。だが、この行動が蘭の嫉妬を招いて、進んで事件に首を突っ込ませる原因となってしまう。自分達に指令を出している黒幕の正体には気が付いていないらしく、コンドウにも警戒するよう呼びかけている。ナナとは交際しており、2人がアパートで調査をしている最中に、コンドウの正体に気が付いた。
ナナ
声 - 深見梨加
裏世界では「詐欺師のナナ」と呼ばれている。
黒幕に最も近い存在で、コンドウやエムに尊大な態度で指令を与える女性。拳銃の扱いにも長けており、用済みとなれば、仲間すら冷酷に切り捨てる性格。グループの中では頭脳派だが、コンドウに睡眠薬入りのワインを飲まされて眠りこけてしまい、コナンとコンドウに秘密裏に接触されてしまうなど、少々間が抜けている。また、車を運転している最中に灰原と出会い、隙を突かれて腕時計型麻酔銃を撃ち込まれてしまい、車を灰原に奪われてしまった。
エム
声 - 水島裕
裏世界では「天才ハッカーのエム」と呼ばれている。
サングラスをした色黒の金髪男。銭湯で転んで気を失ったコナンを眠らせて、コンドウとタツに引き渡した。更に追跡を察したナナからの指示で、阿笠博士と灰原の乗っているビートルを襲撃する。ナナ曰く料理の腕は悪いらしく、自身も料理人ではないと皮肉で返していた。横浜赤レンガ倉庫で開催する「仮面ヤイバー展」に爆弾を仕掛けるも、爆弾が作動しない事に動揺して、コンドウに背後を取られてしまう。しかし、黒幕に助けられ、奪った拳銃を所持してアジトに立て籠もる。
マル
声 - 田原アルノ
裏世界では「鍵屋のマル」と呼ばれている空き巣常習犯の老人。コナンに睡眠薬を飲ませて眠らせる。
ジョー
声 - 白石稔
裏世界では「運び屋のジョー」と呼ばれている茶髪の男。黒幕の命令によりトラックで爆弾を運んだが、黒幕に裏切られ警察に逮捕される。

警察関係者

亀田 寛吉(かめだ かんきち)
声 - 秋元羊介
警部補。部下からは「チョーさん」と呼ばれており、逮捕されたジョーの取り調べをしていた。コンドウを都市伝説と称して信じられずにいる。
佐野 恵一(さの けいいち)
声 - 蓮池龍三
亀田警部補の部下で、階級は巡査部長。亀田に引き連れられて、水嶋香苗が経営する出版社を訪れた。社内を興味本位で見渡すなど若い面が強調されている。
捜査員
声 - 田中亮一杉山大
ニホリカ国の女王と王子達の警備を担当する捜査官。王子達が仮面ヤイバ―の大ファンの為、仮面ヤイバーショーを見たいと言う要求に頭を抱える。

その他のキャラクター

桜井 武史(さくらい たけし)
声 - 岩永哲哉
本作とコラボした『鍵泥棒のメソッド』の主人公である売れない貧乏役者。いい加減な性格だが根はお人好し。かつてコンドウに成り済ます経験をした。
外国人の男
声 - 佐藤正治辻親八
冒頭でゴルフをしていた外国人の老人。髭の老人が背の低い老人に、コンドウにニホリカ国の女王と王子達の抹殺を依頼したと告白していた。
銭湯のおばあちゃん
声 - 真山亜子
銭湯の受付にいた老婆。コナンが知り合いと名乗る2人組の男に病院へ運ばれた事を蘭と灰原に、コナンの荷物を女性が取りに来た事を阿笠博士に伝えた。
女性アナウンサー
声 - 百々麻子浅川悠
冒頭のニュースで、ニホリカ国首相の来日や爆弾盗難弾事件を伝えていた。また、コナンが連れ去られたアジトでは、工場の爆発炎上事件を伝えていた。
編集長
声 - 楠大典
ゴシップ雑誌「実話ダイナマイト」の編集長。亀田警部補の捜査に応じて、コンドウについての質問に答えていた。『鍵泥棒のメソッド』にも登場している。

音楽

主題歌

DYNAMITE
歌・作詞 - 倉木麻衣、作曲 - Tesung Kim/Coach&Sendo/Katerina Bramley、編曲 - Coach&Sendo
発売レーベル:ノーザンミュージック

挿入歌

無敵なハート
歌・作詞 - 倉木麻衣、作曲 - 平賀貴大 / 望月由絵、編曲 - 佐藤俊 / 田尻尋一

スタッフ

  • 原作 - 青山剛昌
  • 監督・絵コンテ - 山本泰一郎
  • 企画 - 週刊少年サンデー編集部
  • 原案協力 - 佐上靖之、縄田正樹、鳥光裕、小倉功雅、大嶋一範、薄谷正和
  • 製作 - 都築伸一郎、小石川伸哉、吉田力雄
  • 脚本 - 内田けんじ
  • 脚本協力 - 赤城聡
  • キャスティング協力 - 杉野剛
  • 絵コンテ協力 - 寺岡巌
  • 演出 - 山本泰一郎、永岡智佳、矢野孝典
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 須藤昌朋
  • 作画監督 - 中島里恵、高橋成之、かわむらあきお、広中千恵美、福永智子、野武洋行、岩井伸之、岩佐裕子、平山智
  • アクション作画監督 - 清水義治
  • メカ作画監督 - 水村良男
  • デザインワークス - 小川浩
  • 色彩設計 - 中尾聡子
  • 色指定・仕上検査 - 中尾聡子、古河寿子、大本真希、金子直美
  • 特殊効果 - 林好美
  • 美術監督 - 福島孝喜
  • 撮影監督 - 小川隆久
  • メインタイトルCGアニメーション - 西山仁
  • 音楽 - 大野克夫
  • 音響監督 - 浦上靖夫浦上慶子
  • ミキサー - 田中章喜
  • アシスタントミキサー - 田口信孝
  • 制作デスク - 太田恵理子
  • 効果 - 横山正和横山亜紀
  • 編集 - 岡田輝満
  • 制作担当 - 三浦陽児
  • 制作進行 - 岡田悠平、安部祐二郎、宇高大介、原屋哲朗
  • 文芸担当 - 小宅由貴恵、黒柳尚己
  • 設定進行 - 下村弘樹
  • アシスタントプロデュサー - 近藤秀峰、米倉功人
  • プロデューサー - 諏訪道彦浅井認、石山桂一
  • アニメーション制作 - TMS/V1Studio
  • 製作 - 小学館読売テレビトムス・エンタテイメント

脚注

注釈

  1. ^ 本編の完結後、番組終盤に登場。翌年の劇場版の告知に至るつなぎとして登場したため、映像ソフト版には収録なし。

出典

  1. ^ 青山 剛昌、百瀬 しのぶ『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』小学館小学館ジュニア文庫〉、2014年12月24日。ASIN 409230787XISBN 978-4092307872OCLC 899971350全国書誌番号:22516687 
  2. ^ 劇場版「名探偵コナン 業火の向日葵」Blu-ray&DVD発売記念キャンペーン”. Being. 2015年9月3日閲覧。
  3. ^ バックナンバー2014年度(Vol.52)”. 週間高世帯視聴率番組10バックナンバー. ビデオリサーチ (2015年1月1日). 2015年9月4日閲覧。

外部リンク