アウディ・R8 (市販車)

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アウディ・R8は、ドイツの自動車メーカーアウディが製造・販売するクーペ型のスポーツカーである。

初代(2006年-)

アウディ・R8
R8 LMS
概要
製造国 ドイツの旗 ドイツ
販売期間 2006年 -
ボディ
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 ミッドシップ フルタイム4WD
パワートレイン
エンジン 4.2L V8 DOHC FSI直噴
420馬力/43.9kg・m
5.2FSI:5.2L V10 DOHC FSI直噴
525馬力
GT:5.2L V10 DOHC FSI直噴
560馬力
変速機

2007年07月-2013年02月
6速Rトロニック/6速MT
2013年03月-

7速Sトロニック/6速MT
ダブルウィッシュボーン
ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,650mm
全長 4,431mm
全幅 1,907mm
全高 1,249mm
車両重量 1,565kg
その他
タイヤサイズ F:235/35ZR19
R:295/30ZR19
ハンドルの位置 左/右
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2003年フランクフルトモーターショーで披露されたコンセプトカーである「アウディ・ルマン・クワトロ」をベースにしたスポーツカー。随所にR8レースカーのテクノロジーが組み込まれている。

ボディにはASF(アウディ・スペース・フレーム)を採用し、ボディのみで210kgという驚異的な軽さを実現した。また、エンジンフレームの一部にマグネシウム製パーツを採用している(ASFとしては初めて)。ボディはほとんど手作業で作られ、さらにX線でミクロン単位まで溶接部をチェックするなど、細部にわたってこだわっている。

エンジンは、4.2L FSI 直噴 V8 DOHCを搭載。最高出力420ps/7,800rpmを発生する。またエンジン潤滑にはドライサンプ方式が採用され、エンジン搭載位置を下げることで低重心化に貢献している。

トランスミッションは6速Rトロニックを採用。これは、メカニカルギアボックスと電動油圧クラッチを組み合わせたもので、ATモードとMTモードが選択できる。

サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンで、標準搭載のガス封入式ショックアブソーバーと、アウディ マグネティック ライドをオプションで選択可能。ショックアブソーバーに磁性体を含んだフルードを封入しており、磁力でフルードをコントロールすることで素早く繊細なサスペンション制御を可能にし、ダンピング特性が異なる「スポーツ」と「ノーマル」の基本モードを用意して、日常の走行から本格的なスポーツドライビングまで幅広くサポートする。

ドイツ・ネッカーズルムのネッカーズルム工場で1日20台ペースで生産される。

先に本国ドイツやヨーロッパで発売され、日本でも2007年7月から価格1,670万円で発売開始[1]。日本では当初、左ハンドル/4.2リットルV8FSI/6速Rトロニックの仕様のみが発売されたが、2009年2月17日より6速MT仕様を追加[2]。なおR8の販売は日本国内のアウディ正規ディーラーの中でもごく一部の店舗の限定となっている。

2009年1月に開催されたデトロイトショー2009では、『5.2FSIクワトロ』を発表[3]。同モデルは最高出力525ps/8,000rpmを発生する高回転型5.2L V10エンジンを搭載した他、フロントグリルのクローム処理やフロントエアインテークの大型化など、外観にも変更が施されている。価格は1,994万円で、同年4月より予約受付を開始[4]

2010年10月6日に5.2FSIクワトロをベースとしたオープンモデル『スパイダー5.2FSIクワトロ』が発売[5]。価格は2194万円。

当初、R8の右ハンドル車はスパイダーのみだったが、2010年10月26日にクーペモデルの一部改良により、こちらも右ハンドル車が追加されたために以降では左右どちらのハンドルも選択できるようになった。

2012年3月には軽量化とエンジンチューンを施した『GTスパイダー』を全世界333台限定で発売。日本向けは10台。価格は3,064万円。

2013年3月、新型トランスミッションを搭載した2013年モデルを発表[6]。7速デュアル・クラッチ・トランスミッション「Sトロニック」を搭載し、0-100km/hを3.6秒にまで縮めるという進化をもたらした。フェイスリフトも行われている。価格は4.2L V8モデルが1799万円、5.2L V10モデルが2119万円、5.2L V10 Spyderが2339万円。

バリエーション

R8 LMS

市販車のR8をベースとしたFIA GT3クラスのレーシング仕様。レーシングカーのR8とは異なる。ニュルブクリンク耐久シリーズや、2011年に日本のスーパー耐久 ST-Xシリーズに参戦[7]。また、SUPER GTのGT300クラスに2012年シーズンからゲイナー及びaprが2012年モデル・LMSウルトラで、一ツ山レーシングがスーパー耐久やGTアジアILMCなどで使用していたLMSにアップデートキットを組み込み、2台体制で参戦する。

R8 eトロン クワトロ

R8 e-tron

R8をベースとした電気自動車。2次電池を搭載した蓄電容量は、53kWを発生させるリチウムイオンバッテリーが採用され、最高出力313ps、最大トルク500kgmを発生する。2012年後半の市販化を予定[8]

2代目

アウディ・R8
R8 LMS
概要
製造国 ドイツの旗 ドイツ
販売期間 -
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 ミッドシップ フルタイム4WD
パワートレイン
エンジン 5.2L V型10気筒エンジン
最高出力 R8 V10/548ps
R8 V10 plus/619ps
最大トルク R8 V10/55.1kg・m
R8 V10 plus/57.1kg・m
変速機 7速デュアルクラッチ e tronic
-
-
車両寸法
全幅 1909
車両重量 1454kg
その他
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前型に用意されていたV8エンジンモデルは廃止されているが検討はされている模様。エンジンは前型同様。

バリエーション

R8 LMS

ベース車両の2代目への移行に伴いR8 LMSも2代目に移行した。

2015年ニュルブルクリンク24時間レースでのデビュー戦においてクラス優勝および総合優勝を遂げている。

R8 eトロン クワトロ

R8 e-tron

その他

  • ナショナルジオグラフィックの「世界の巨大工場 - アウディ」によると、R8は一日20台が生産され、そのほとんどが熟練工により手作業で製造されているという。また、下記の通り、映画アイアンマンにも主人公の車として登場したが、制作者の予想以上に頑丈であったためラストシーンが一部変更になった。

脚注

関連項目

外部リンク