みどりの風

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日本の旗 日本政党
みどりの風
Green Wind
成立年月日 2012年7月17日(参院会派成立),
同年11月15日(結党届出),
同年12月28日(政党要件回復)
解散年月日 2013年12月31日[1]
本部所在地
〒141-0021
東京都品川区上大崎三丁目3-9-717[2]
政治的思想・立場 共生社会[3]
環境主義[3]
政党交付金
1億3879万 円
法人番号 7010705001905 ウィキデータを編集
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みどりの風(みどりのかぜ、英語: Green Wind[4])は、2012年から2013年にかけて活動した日本政党・政治団体である。略称みどり[2]

概要

社会保障と税の一体改革関連法案の可決をうけて、民主党を離党した議員3名と、先に国民新党を離党した亀井亜紀子の4名の参議院議員によって参議院院内会派として2012年7月17日に結成された。参議院が良識の府として機能するために、党議拘束は前提としていない[5]。党名の「みどりの風」は、一つは環境、脱原発を表現した「みどり」であり、もう一つは55年体制以前に参議院で勢力をもった会派緑風会をイメージしている。

みどりの政治を掲げて2012年7月に結成された緑の党とは結党時点では関係ない。ただ、みどりの風の共同代表のひとり(当時)である谷岡郁子は2012年11月に緑の党について「同じ“みどり”を掲げる身として、一緒に何らかの関係をつくることはできると思うが、タイミングが重要だ」と話しており、今後の連携も視野に入れていた[6]。2013年参院選を前に緑の党側に参院選での共闘(具体的には名簿届け出政党としての合流など)を申し入れたが、検討の末緑の党側から断られた(後述)。

沿革

2012年7月17日、民主党を離党した谷岡郁子舟山康江行田邦子に加え、国民新党を離党した亀井亜紀子の4名の参議院議員による参議院の院内会派として結成を表明。

2012年11月15日民主党を離党した山崎誠衆議院議員が合流したことにより政党要件を満たし、同日に新党設立を総務相に届け出を行い、参議院議員会館記者会見を開いて新党結成を発表した。単独の党首は置かず、同年12月の第46回衆議院議員総選挙終了まで当初メンバー4人による共同代表制を敷くとしていた。衆議院解散後、民主党所属であった前衆議院議員の福田衣里子初鹿明博も離党して合流した。

2012年11月27日、衆議院議員であった山崎・福田・初鹿の3名が日本未来の党への合流を表明。一方、参議院議員の4名は合流せずみどりの風に在籍したまま日本未来の党と選挙協力を行う。そのため、所属議員が4名となり政党要件を失った。これについて、みどりの風は総選挙に自前で候補者は擁立せず、衆院議員は日本未来の党で活動し、当選後本人の希望があれば復党させる方針を表明した[7]

2012年12月5日、みどりの風に所属する国会議員が4名となり、政党の必要条件5名を満たさなくなったため、「政治資金規正法に基づく政党ではなくなったという解党の届け出」を総務大臣に提出した[8]。政党要件を満たしている間はテレビ局から政党待遇を受けて所属議員がテレビ出演するなどしていた。12月16日に行われた衆議院総選挙の結果、日本未来の党から出馬した前職3名は、全員が落選したが、山崎と初鹿は党員としてみどりの風に復党し、山崎は事務局長に就任した。

2012年12月28日、日本未来の党を離党した亀井静香衆議院議員と新党大地を離党した平山誠参議院議員がみどりの風に合流し、政党要件(所属議員5名以上)を回復、国政政党に復帰した[9]

2013年1月28日に共同代表制を廃止し、代表に谷岡郁子、代表代行に行田邦子、幹事長に亀井亜紀子、政調会長に舟山康江、広報委員長に平山誠を充てる人事を発表した。同党所属の衆議院議員である亀井静香については全員の師匠であり、「肩書を必要としない政治家である亀井先生に小さな所帯の役職をつけることは失礼」として無役とした[10][11]

3月、行田邦子代表代行兼国会対策委員長がみんなの党へ移籍する意向を表明。みんなの党との政策協定を条件に谷岡代表も容認し、同年3月13日に行田は離党した。後任の国会対策委員長には国対委員長代理の平山誠を充て、代表代行職は空席とした。同日、NHK番組「日曜討論」への出演要請がないとの理由により、NHK記者の記者会見への出席を拒否した。

同月21日、政治団体日本未来の党に合併を打診したことを発表した[12]

4月17日に、同年6月23日投開票予定の第19回東京都議会議員選挙目黒区選挙区から目黒区議会議員の鴨志田リエを公認候補として擁立すると発表。鴨志田は所属していた民主党に離党届けを提出し、区議を辞職した。みどりの風として初の地方議会議員選挙であり、来たる参院選の前哨戦でもあるため党として総力を挙げたが、同選挙区の定数3に対し候補者9人中7位で落選した[13][14]

5月17日、日本未来の党の阿部知子代表(衆議院議員)は、国会内でみどりの風の谷岡郁子代表と記者会見し、日本未来の党をみどりの風に合流し、同党に入党することを明らかにした[15]5月29日、阿部の入党と党代表代行就任が正式に発表された[16]。会見では参院選後の情勢次第で更なる合流を望み、「みどり」の名を冠した新党を結成する方針であることが発表され、それまでは政治団体日本未来の党を存続させ、引き続き阿部が代表を務めるとされた。

6月上旬、5月中を回答期限に緑の党に打診していた参院選での共闘協議が物別れに終わったことが発表された。自党への吸収合併を強く主張したみどりの風側と、両党の名前を残した上での統一名簿を模索した緑の党側とで対立があったため。緑の党の漢人明子運営委員長は神奈川新聞社の取材に「党名、選挙の戦い方などで一致点を見いだせなかった。みどりの風とは、組織運営の面でも違いがあった」と説明した[17][18][19]

第183回国会会期末の2013年6月25日安倍晋三内閣総理大臣に対する問責決議案生活の党及び社会民主党とともに参議院に共同提出し可決させた。一方内閣提出の電気事業法改正案や生活保護法改正案などは審議未了のまま廃案となった[20]

同年7月21日に行われた第23回参議院議員通常選挙に国政選挙では初めてとなる党公認候補を8人(現職4人、新人4人)擁立したが、代表である谷岡含む全員が落選し、参議院での議席を失った。またこれにより、7月28日に再び政党ではなくなった[21]。谷岡は代表辞任を表明、党そのものについても「みどりの風の役割は終わった」と解党を示唆した[22]。しかし7月25日、谷岡はTwitterで「私の永田町からの引退は別として、みどりの風は、なくなりません」とのツイートを行い、当面は政治団体として存続させることを明らかにした[23]

その後、衆院に残った亀井静香、阿部知子両議員も会派を結成せずにそれぞれが会派無所属として活動し、2013年12月31日に政治団体を解散した[1]

なお、かつての公式サイトが有していた「mikaze.jp[1]」というドメインは2013年12月に何者かが取得し、2014年7月末現在、「大学で政治経済について勉強している者」がみどりの風についてまとめたと称した形で、諸所にピアノ買い取り業者やリフォーム業者に誘導するリンクが挿入された事実上のアフィリエイトサイトとして運営されている。

政策

基本理念

  • 1.日本型の共生社会~外需依存の経済から内需中心の経済への転換、成長よりも分配を重視した経済政策
  • 2.自然資源の保全と活用~お金では計れない自然資源の役割に価値を与え、国民全体で自然環境や地域を支える仕組みづくり
  • 3.一人ひとりが自らを生かせる日本~同一価値労働に対する同一賃金の実現
  • 4 「ものを言える日本」としての外交~強固でしたたかな外交、第三者的な国際機関の積極的活用

出典[24]

具体政策

経済政策
社会保障
国会改革・憲法
地方自治
領土問題
防衛・在日米軍の基地問題
環境政策

出典[25]

歴代みどりの風代表一覧

みどりの風共同代表

共同代表 就任日
退任日
備考
- 谷岡郁子 (旧みどりの風)
2012年11月15日
2012年12月5日
(新みどりの風)
2012年12月28日
2013年1月28日
4人による共同代表制。政党要件を満たさなくなったため解党。その後、所属議員が6人となったため、政党要件を回復。
行田邦子
舟山康江
亀井亜紀子

みどりの風代表

代表 就任日
退任日
備考
1 谷岡郁子 2013年1月28日
2013年7月22日
再政党化や第183回国会召集に伴い、役割を分担するため単独代表制に変更[26]
第23回参議院議員通常選挙で敗北し、責任を取り辞任。
- 阿部知子 2013年7月22日
2013年12月31日
代表代行

脚注

  1. ^ a b 2014年(平成26年)3月13日総務省告示第83号「政党助成法第二十七条第六項において準用する同法第二十一条第一項の規定による政治団体の解散等の届出があったので公表する件」
  2. ^ a b 2012年(平成24年)12月3日中央選挙管理会告示第22号「衆議院比例代表選出議員の選挙における政党その他の政治団体の名称、略称等について届出があった件」
  3. ^ a b みどりの風とは[リンク切れ]
  4. ^ 結成当初は公式ホームページにて英語名をGreen Wind PartyとしていたがGreen Windに変更した
  5. ^ 亀井亜紀子ホームページ
  6. ^ 「緑の党」 国政へ手探り2012年11月6日 朝刊 東京新聞(2012年11月閲覧)[リンク切れ]
  7. ^ “みどりの風:前職3人、衆院選だけ「未来の党」”. 毎日新聞. (2012年11月29日). http://mainichi.jp/select/news/20121130k0000m010098000c.html 2012年11月29日閲覧。 毎日新聞 同日閲覧[リンク切れ]
  8. ^ みどりの風が解党届け出…政党要件満たさず 2012年12月5日読売新聞 同日閲覧[リンク切れ]
  9. ^ “みどり、国政政党に復帰=亀井、平山氏が合流”. 時事ドットコム. (2012年12月28日). http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012122800618&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter 2012年12月28日閲覧。 [リンク切れ]
  10. ^ “みどりの風、谷岡氏が代表就任 亀井静香氏は無役に”. 朝日新聞. (2013年1月28日). http://www.asahi.com/politics/update/0128/TKY201301280304.html 2013年1月28日閲覧。 
  11. ^ 【記者会見】みどりの風 再結党ならびに新体制について | Green Wind
  12. ^ “みどりの風、未来の党に合併打診 未来側は回答せず”. 朝日新聞. (2013年3月21日). http://www.asahi.com/politics/update/0321/TKY201303210390.html 2013年3月26日閲覧。 
  13. ^ 選挙:都議選・目黒区選挙区 みどりの風が新人 /東京
  14. ^ 東京都議会議員選挙-開票結果
  15. ^ “阿部氏がみどりの風へ、「日本型環境政党に育てる」/神奈川”. 神奈川新聞社. (2013年5月17日). http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1305170027/ 2013年5月18日閲覧。 
  16. ^ “阿部知子衆議院議員が入党、代表代行に就任しました。”. (2013年5月29日). http://mikaze.jp/activity/%e9%98%bf%e9%83%a8%e7%9f%a5%e5%ad%90%e8%a1%86%e8%ad%b0%e9%99%a2%e8%ad%b0%e5%93%a1%e3%81%8c%e5%85%a5%e5%85%9a%e3%80%81%e4%bb%a3%e8%a1%a8%e4%bb%a3%e8%a1%8c%e3%81%ab%e5%b0%b1%e4%bb%bb%e3%81%97%e3%81%be 2013年6月2日閲覧。 
  17. ^ 谷岡 くにこ - 緑の党からの回答がありました。| Facebook
  18. ^ “「みどり」「緑」不一致、参院選合流交渉が物別れ/神奈川”. カナロコ. (2013年6月13日). http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1306130001/ 2013年7月17日閲覧。 
  19. ^ 市民SOHO 蒼生舎: 「緑の党」へのネガティブキャンペーンに対して
  20. ^ “参院、首相問責決議を可決=電気事業法、一転廃案-通常国会閉幕”. 時事通信. (2013年6月26日). http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013062600466 2013年6月26日閲覧。 [リンク切れ]
  21. ^ 2013年(平成25年)9月12日総務省告示第348号「政治資金規正法の規定により政党でなくなった旨を公表する件」
  22. ^ “参院選:みどりの風・谷岡代表 辞任表明 政界引退も”. 毎日新聞. (2013年7月22日). http://mainichi.jp/select/news/20130722k0000e010305000c.html 2013年8月1日閲覧。 [リンク切れ]
  23. ^ 谷岡郁子 7月25日のツイート”. ツイッター (2013年7月25日). 2013年8月10日閲覧。
  24. ^ 【みどりの風の4本柱】人と自然が共生する日本の伝統・文化を誇れる社会へ(2013年2月閲覧)[リンク切れ]
  25. ^ みどりの風 政策ギャラリー(2013年1月閲覧)[リンク切れ]
  26. ^ “みどりの風:代表に谷岡郁子参院議員が就任”. 毎日新聞. (2013年1月28日). http://mainichi.jp/select/news/20130129k0000m010040000c.html [リンク切れ]

外部リンク