山万ユーカリが丘線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
山万ユーカリが丘線
ニュータウンや田園地帯の中を走るユーカリが丘線(公園 - 女子大間)
ニュータウンや田園地帯の中を走る
ユーカリが丘線(公園 - 女子大間)
路線総延長 4.1 km
電圧 750 V直流
停車場・施設・接続路線
京成本線
0.0 ユーカリが丘駅
uHST
0.6 地区センター駅
uBHF
1.1
4.1
公園駅 下段は井野駅方面から
uKRW+l uKRWlr uKRW+r
uSTRf uHST
3.6 井野駅
uHST uSTRg
2.0 女子大駅
uSTRlf uHSTq uSTRrf
2.8 中学校駅

uBHF legende
有人駅
uHST legende
無人駅

ユーカリが丘線(ユーカリがおかせん)は、山万が運営する千葉県佐倉市ユーカリが丘駅を起点とするラケット状の線形新交通システム路線である。

概要[編集]

この路線は、不動産会社である「山万」が開発を行っているユーカリが丘ニュータウン内の交通の便を良くする目的で建設され、同社の鉄道事業部が直接運営している。異業種からの鉄道事業への参入は珍しい(「鉄道事業者#異業種からの参入」を参照)。山万社長の嶋田哲夫は「当時の運輸省から不動産業者が電車を走らせるとは何事だと言われたが、熱意を理解して貰い、やり通すことを約束してやらせて貰った」という[1]

第三セクターをのぞく純民間企業経営の新交通システムとしては日本初の事例であり、2013年平成25年)時点でも日本における純民間による新交通システムはこの路線と西武鉄道山口線の2路線しか存在していない。ただし、西武鉄道は普通鉄道も運営しているため新交通システムのみを運営する純民間の交通事業者の路線はここだけになる。

ユーカリが丘 - 公園の区間は両方向に運転される単線、公園 - 女子大 - 公園の区間は片方向にのみ運転される環状線になっており、ユーカリが丘駅を出発した列車は公園駅から環状線を反時計回り環状運転して、同駅から再びユーカリが丘駅に戻る。逆方向に運転される列車はない。

鉄道事業法に基づく「鉄道」で、愛知県小牧市にあった桃花台新交通桃花台線が廃止となった2006年(平成18年)10月1日以降、日本の新交通システムで唯一の案内軌条に中央案内式を採用したものとなっている。この方式は日本車輌などが開発した「VONA」と呼ばれるもので、ユーカリが丘線開業以前には千葉県習志野市にあった谷津遊園で試用されていた。

全線でワンマン運転を行っている。当初は車内自動放送がなく、次駅放送は運転士が行っていたが、後に女性の音声による自動案内放送が行われるようになった。

運賃は均一制となっており、2008年(平成20年)5月現在で大人200円・小児100円である。PASMOSuicaなどの乗車カードは使用できない。

当路線は1982年昭和57年)の開業以来2012年(平成24年)現在まで人身事故などの運行障害の発生が皆無であり、無事故運転を継続している。山万は運転業務の功績が優秀と認められる「鉄道等の運転無事故事業者」として9期連続9回(当路線の一期は3年)の国土交通省関東運輸局長表彰を受けている。また山万は2013年(平成25年)10月、多年にわたり鉄道輸送統計調査の趣旨を理解し正確かつ迅速な報告に努め、国土交通業務に貢献した功績により「第20回「鉄道の日」鉄道関係功労者大臣表彰(鉄道輸送統計調査関係(事業者)部門)」国土交通大臣表彰を受けた[2]

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):4.1km
  • 案内軌条:中央案内式
  • 駅数:6駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電気方式:直流750V

車両[編集]

1000形
1100形-1300形-1200形で組成される3両編成3本が在籍する。中間車にはモーターがない。ユーカリが丘にちなんで、ユーカリを主食とするコアラから「こあら号」の愛称があり、編成ごとに「こあら1号」「こあら2号」「こあら3号」と名付けられている。冷房装置は搭載されていない。
「こあら号」の愛称と前面のコアラのマークは開業10周年の1992年(平成4年)から付けられた。
2007年(平成19年)2月末より開業25周年記念ステッカーを各編成の運転台下に貼付して運行している。このステッカーは編成により色が異なり、第1編成は緑、第2編成は赤、第3編成は黄色がベースになっており、コアラの顔の縁取り部分が路線図になっている。
各編成とも行先表示器は2008年(平成20年)2月にLED式に交換され、「ユーカリが丘線」のロゴと「ワンマン」を常時表示するようになった。また同年6月から行先表示器は運転台からの操作により変更可能となった。主な表示は、「ユーカリが丘線(緑色)」のロゴと「ワンマン」、「女子大(赤色)」のロゴと「ワンマン」(女子大は点滅している)、「回 送(赤色)」である。
開業30周年を迎えた2012年(平成24年)10月には、再リニューアルされた。営業車両の3編成の側面には同時期に登場した「こあらファミリー」のラッピングが施され、前面については第1編成の「こあら1号」が「ココ」、第2編成の「こあら2号」が「ララ」、第3編成の「こあら3号」が「こあらファミリー」のステッカーへと変わった。また、運転台下も30周年記念仕様のステッカーが貼付された(25周年時と同様、編成により色が異なる)[3]

車両

車内

歴史[編集]

駅一覧[編集]

ユーカリが丘駅地区センター駅公園駅女子大駅中学校駅井野駅 → 公園駅 → 地区センター駅 → ユーカリが丘駅

  • 上記の順で(左から右へ)各駅に停車するため、逆方向(右から左へ)の運行はない。
    • ユーカリが丘・地区センター・公園の各駅は2回記載されているが全く同一の駅であり、進行方向が逆となる。また、ユーカリが丘と地区センターの両駅では両方向とも同一ホームへ停車する。
    • 女子大・中学校・井野の各駅では一方向のみの運行である。
  • 車両基地は女子大駅の横にある。そのため同駅を始終着とする運用がごく一部存在する。
  • バリアフリー設備として女子大駅・中学校駅にスロープが設置されている。なお、各駅にエスカレータエレベーターは設置されていなかったが、公園駅にエレベーターを設置予定である[5]
  • 地区センター駅・女子大駅・中学校駅・井野駅は無人駅である。

接続路線[編集]

輸送・収支実績[編集]

年度 旅客輸送人員(千人) 一日1Km平均通過人員(人) 鉄道業営業収入(千円) 鉄道業営業費(千円)
1982 63 654 14,236 55,893
1983
1984 272 348 58,823 263,406
1985 276 371 65,813 267,216
1986 291 411 64,720 239,435
1987 335 77,046 248,282
1988 416 600 84,505 305,715
1989 560 838 99,358 246,871
1990 549 822 114,833 294,666
1991 566 842 127,998 337,678
1992 573 833 120,334 317,659
1993 571 856 129,488 398,887
1994 603 847 129,698 395,992
1995 649 898 136,327 407,689
1996 657 897 233,829 370,090
1997 666 904 221,881 363,361
1998 728 981 235,775 304,898
1999 731 990 232,860 305,080
2000 731 994 220,346 290,380
2001 734 1,001 224,344 291,660
2002 702 958 214,087 286,084
2003 692 940 212,138 332,627
2004 675 911 207,830 261,094
  • 民鉄主要統計『年鑑日本の鉄道』1985年、1987年-2007年

その他[編集]

  • この路線は新交通システムであるが、現地の広告などではしばしばモノレールとして表記されている。
  • 例年7月下旬に公園駅付近で開催される「ユーカリまつり」期間中の16時から21時までは無料運行となる。
  • 一日乗車券は500円で販売されているが、駅などでは全く一日乗車券の案内を行っていない。一日乗車券は山万ユーカリが丘駅のみで購入できる。二日乗車券も発売されており、800円で購入できる。
  • 2008年(平成20年)4月16日から6月30日までの間、山万ユーカリが丘駅をのぞく5駅の新たな名称を募集した。当初は2008年(平成20年)7月31日に新駅名の発表会や除幕式が予定されていた。しかし、期日までに選考ができないまま発表イベントは延期となっていた。最終的には、2009年(平成21年)4月1日に山万は駅名改称を行わないことを発表。地元住民やユーカリが丘線利用者から「駅名を変えないでほしい」との意見が多数寄せられたことを理由としている[6]
  • 現在は全駅が入口・出口ともに自動改札機が設置されている。1990年代初期までは、入口のみ電気機械による自動改札機で、出口は回転する3本のバーにより入退場を規制する回転式ゲート機によるものとなっており、乗車券はゲート機に据え付けられた箱に投入するだけだった。
  • 現在はユーカリが丘線延伸も考えられている[7]

脚注[編集]

[ヘルプ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]