バラバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
イエスの代わりに恩赦を受けたバラバ

バラバギリシャ語: Bαραββᾶς, ラテン文字転写: Barabbas)は、新約聖書福音書に登場するユダヤ人の囚人。イエスの代わりに恩赦を受け、釈放された。

バラバの赦免[編集]

マルコによる福音書によれば、過越し祭のたびの慣例となっていた罪人の恩赦にあたって、総督ピラトはイエスの放免を期して、バラバかイエスかの選択を民衆に迫った。しかし祭司長たちにそそのかされた群集はバラバの赦免とイエスの処刑を要求。ピラトは不本意ながらこれに従ったため、バラバは釈放された。

バラバの罪状[編集]

バラバの罪状は福音書によって異なっている。罪状については触れず(マタイ)、暴動時の殺人(マルコ)、殺人(ルカ)、強盗(ヨハネ)などである。おそらくローマへの武力抵抗を訴えた熱心党の一員だったのではないかと考えられる。福音書は概して、イエス処刑の責任をローマ人でなく、ユダヤ人に帰そうとする傾向があるため、このようなことが実際にあったのかどうかはわからない。また、伝説によればバラバは改心し、熱心にキリストの教えを述べ伝えて殉教したとも伝えられる。

バラバ・イエス[編集]

新共同訳フランシスコ会訳聖書などでは「バラバ・イエス」(マタイ27:16-17)と訳されている。イエス・キリストとは同じイエスという名前であったことになる。本文批評学上は、イエスの名前がバラバと同じであることに対する不快感から「バラバ・イエス」の、「イエス」を意図的に取り除いたとされる。原典に「イエス」の言葉がないのに書き写したクリスチャンが付け加えるということはありえがたいことであるからである。さらに、「イエス」とはありふれた名前であり、少しも不自然ではない。「バラバ」とは「アッバスの子」を意味するが、アラム語の発音での「バラバ・イエス」は「御父(アバ)の御子(イエス)」に非常によく似ている。同じイエスという名を持った2人の人物がいるなら、「どちらのイエスの釈放を望んでいるのか? アッバスの子のイエスか? それとも、自称メシヤのイエスか?」という読み方ができる。

バラバの登場する作品[編集]

そのほか[編集]

  • 推理小説「バラバの方を」(飛鳥部勝則、徳間書店)
  • ミッション・バラバ - バラバを名前の由来とした元極道による伝道集団(代表金沢泰裕の項を参照)