マイク・ナポリ

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マイク・ナポリ
Mike Napoli
シカゴ・カブス コーチ #55
テキサス・レンジャーズでの現役時代
(2017年7月18日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州ハリウッド
生年月日 (1981-10-31) 1981年10月31日(42歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
220 lb =約99.8 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 一塁手捕手
プロ入り 2000年 MLBドラフト17巡目
初出場 2006年5月4日
最終出場 2017年9月14日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴

マイケル・アンソニー・ナポリMichael Anthony "Mike" Napoli, 1981年10月31日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州ハリウッド出身の元プロ野球選手捕手一塁手)、野球指導者。右投右打。2022年シーズンよりMLBシカゴ・カブスで一塁コーチを務める。愛称はポーターホースPorter Horse[1]

経歴[編集]

プロ入りとエンゼルス時代[編集]

ロサンゼルス・エンゼルス時代
(2007年6月25日)

2000年MLBドラフト17巡目(全体500位)でアナハイム・エンゼルスから指名を受け、6月21日にプロ入りする[2]

2006年5月4日にメジャーデビューを果たした。デビュー戦で史上92人目となる初打席初本塁打を放ち、その後も11打席連続出塁を記録。そのまま、正捕手の座を奪取した。7月下旬まで打率3割台を維持していたが、シーズン終盤に打撃不振に陥った。それでも99試合で16本塁打を放った。

2007年は開幕からフル出場し、前年を超える成績を期待されていたが、最終的にはいずれも2006年を下回る10本塁打・34打点という数字に終わった[2]

2008年はMLBシーズン試合数の半数以下である78試合の出場で20本塁打を放ち、長打率.586を記録した[2]

2009年は出場試合数が大幅に増加し、本塁打も2年連続で20の大台を超えた[2]

2010年ケンドリス・モラレスの故障以降、一塁手として起用された。最終的に、打率は5年間のメジャーリーグ生活で下から2番目の.238という数字に終わったが、自己最多の26本塁打、68打点を記録し、初めて規定打席に到達した[2]。これで、本塁打は3年連続で20本以上の数字を残している。

レンジャーズ時代[編集]

テキサス・レンジャーズ時代
(2012年5月10日)

2011年1月21日にバーノン・ウェルズとのトレードで、フアン・リベラとともにトロント・ブルージェイズに移籍した[3]が、その僅か4日後の1月25日に今度はフランク・フランシスコとのトレードでテキサス・レンジャーズに移籍した[4]。レンジャーズでは故障による離脱がありながらも自身初の3割、30本塁打を達成[2]OPSは1.046と捕手としては驚異的な数字を記録した[2]。課題であった守備でも、守備防御点がメジャー1年目以来のプラスを記録した[2]

2012年オールスターゲームに初めて選出された[5]。オフの10月29日にFAとなった。レンジャーズは1330万ドルのクオリファイング・オファーを提示したが、11月2日に拒否した[6]

レッドソックス時代[編集]

ボストン・レッドソックス時代
(2015年4月25日)

2012年12月3日にボストン・レッドソックスと3年総額3900万ドルの契約に合意と報じられた[7]が、身体検査で股関節に懸念点が見つかったため、正式契約が保留となっていた[8]2013年1月22日に1年契約を結んだ[9]

2013年はキャリアで初めて捕手を守らず一塁での出場に専念し、キャリアハイとなる92打点をあげ主軸としてチームのワールドシリーズ制覇に貢献した。10月31日にFAとなり、12月6日に2年総額3200万ドルの契約で合意し[10]。12月12日に球団が正式発表した[11]

2014年も開幕から正一塁手として43試合に出場していたが、4月15日のシカゴ・ホワイトソックス戦で左手薬指を負傷。翌日の試合は欠場したものの、17日の試合から怪我を押しての出場を続けていた。だが、5月25日に15日間の故障者リスト入りした[2]。シーズン全体では、一塁手ないし指名打者として119試合に出場したが、打率.248・17本塁打・55打点に終わった[2]。得点圏では打率.170と打てず、6年連続で20発以上放っていた本塁打も20本未満に終わった[2]。一方、前年比20試合減ながら自己最高の78四球を選んだ[2]

2015年は引き続き一塁手のレギュラーを務めて98試合に出場したが、打率.207、13本塁打、40打点だった[2]

レンジャーズ復帰[編集]

2015年8月7日にウェイバー公示を経て金銭 + 後日発表選手とのトレードにより、古巣・レンジャーズへ移籍した[12][13]。レンジャーズ復帰1号弾は、ナポリにとっての通算200号本塁打であった。守備では一塁手以外に、キャリアで初めて外野(左翼手)も11試合で守った。なお、レッドソックスとの通算では、133試合の出場で打率.224・18本塁打・50打点・3盗塁という成績だった。同年11月2日にFAとなった[2]

インディアンス時代[編集]

クリーブランド・インディアンス時代
(2016年10月6日)

2016年1月5日にクリーブランド・インディアンスと1年契約を結んだ[14]。インディアンスではファーストのレギュラーで起用され、150試合に出場。打率.239、194三振(自己ワースト且つリーグワースト2位)と打撃面では良くなかったが、5年ぶりの30本超となる34本塁打・自身初の100超となる101打点を記録した[2]。オフにFAとなった[2]

2度目のレンジャーズ復帰[編集]

2017年2月16日にレンジャーズと1年600万ドル(2018年は1100万ドルのオプション、250万ドルのバイアウト付き)で契約を結んだ[15]。同年11月6日にFAとなった[2]

インディアンス傘下時代[編集]

2018年2月28日にインディアンスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[16]。この年は傘下のAAA級コロンバス・クリッパーズで8試合に出場したのみだった。オフの12月9日に現役引退を表明した[17]

引退後[編集]

2020年シーズンからはシカゴ・カブスでクオリティ・アシュアランスコーチを務める[18]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2006 LAA 99 325 268 47 61 13 0 16 122 42 2 3 0 1 51 0 5 90 2 .228 .360 .455 .815
2007 75 263 219 40 54 11 1 10 97 34 5 2 1 5 33 2 5 63 5 .247 .351 .443 .794
2008 78 274 227 39 62 9 1 20 133 49 7 3 1 6 35 5 5 70 3 .273 .374 .586 .960
2009 114 432 382 60 104 22 1 20 188 56 3 3 0 3 40 1 7 103 6 .272 .350 .492 .842
2010 140 510 453 60 108 24 1 26 212 68 4 2 0 4 42 2 11 137 15 .238 .316 .468 .784
2011 TEX 113 432 369 72 118 25 0 30 233 75 4 2 0 2 58 2 3 85 10 .320 .414 .631 1.046
2012 108 417 352 53 80 9 2 24 165 56 1 0 0 2 56 5 7 125 9 .227 .343 .469 .812
2013 BOS 139 578 498 79 129 38 2 23 240 92 1 1 0 1 73 3 6 187 15 .259 .360 .482 .842
2014 119 500 415 49 103 20 0 17 174 55 3 2 0 3 78 3 4 133 12 .248 .370 .419 .789
2015 98 378 329 37 68 18 1 13 127 40 3 1 0 1 45 2 3 99 10 .207 .307 .386 .693
TEX 35 91 78 9 23 2 0 5 40 10 0 2 0 0 12 1 1 19 1 .295 .396 .513 .908
'15計 133 469 407 46 91 20 1 18 167 50 3 3 0 1 57 3 4 118 11 .224 .324 .410 .734
2016 CLE 150 645 557 92 133 22 1 34 259 101 5 1 0 5 78 2 5 194 15 .239 .335 .465 .800
2017 TEX 124 485 425 60 82 11 1 29 182 66 1 2 0 3 49 3 7 163 11 .193 .285 .428 .713
MLB:12年 1392 5330 4572 697 1125 224 11 267 2172 744 39 24 2 36 650 31 69 1468 114 .246 .346 .475 .821

記録[編集]

背番号[編集]

  • 44(2006年 - 2010年)
  • 25(2011年 - 2012年、2015年途中 - 同年終了)
  • 12(2013年 - 2015年途中)
  • 26(2016年)
  • 5(2017年)
  • 55(2020年 - )

脚注[編集]

  1. ^ Ryan Posner (2017年8月24日). “Explaining Rangers Players Weekend nicknames” (英語). MLB.com. 2017年8月31日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q MLB公式プロフィール参照。2018年3月2日閲覧。
  3. ^ "Blue Jays trade Wells for Napoli, Rivera" (Press release) (英語). MLB.com (Toronto Blue Jays). 21 January 2011. 2016年1月6日閲覧
  4. ^ "Texas Rangers Acquire Catcher-First Baseman Mike Napoli from Toronto for Pitcher Frank Francisco and Cash Considerations" (Press release) (英語). MLB.com (Texas Rangers). 25 January 2011. 2016年1月6日閲覧
  5. ^ 2012 All-Star Game rosters”. MLB.com. 2016年1月6日閲覧。
  6. ^ T.R. Sullivan (2012年11月2日). “Hamilton receives qualifying offer, Napoli does not” (英語). MLB.com. 2016年1月6日閲覧。
  7. ^ Ian Browne (2012年12月3日). “Napoli, Red Sox agree to three-year contract” (英語). MLB.com. 2016年1月6日閲覧。
  8. ^ National writer: Mike Napoli's hip the cause of Red Sox's consternation; questions mounting about deal” (英語). The Dallas Morning News (2012年12月22日). 2016年1月6日閲覧。
  9. ^ Ben Nicholson-Smith (2013年1月22日). “Red Sox To Sign Mike Napoli” (英語). MLB Trade Rumors. 2018年3月2日閲覧。
  10. ^ Mike Axise (2012年12月6日). “Red Sox agree to re-sign Mike Napoli to two-year contract” (英語). CBS Sports. 2018年3月2日閲覧。
  11. ^ Mark Polishuk (12 December 2013). "Red Sox To Re-Sign Mike Napoli". MLB Trade Rumors (Press release) (英語). 2018年3月2日閲覧
  12. ^ Mike Axisa (2015年8月7日). “Rangers bring back Mike Napoli in trade with Red Sox” (英語). CBS Sports (CBS Interactive). http://www.cbssports.com/mlb/eye-on-baseball/25263263/report-rangers-bring-back-mike-napoli-in-trade-with-red-sox 2016年1月6日閲覧。 
  13. ^ “ナポリがレンジャーズ復帰=米大リーグ”. 時事通信社. (2015年8月8日). http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_date2&k=2015080800162 2016年1月6日閲覧。 
  14. ^ Jordan Bastian (2016年1月5日). “Napoli inks deal to supply power at first base” (英語). MLB.com. 2018年3月2日閲覧。
  15. ^ T.R. Sullivan (2017年2月16日). “Welcome back, Nap: Slugger introduced by Rangers” (英語). MLB.com. 2018年3月2日閲覧。
  16. ^ Jordan Bastian (2017年2月28日). “Napoli's addition perks up Indians camp” (英語). MLB.com. 2018年3月2日閲覧。
  17. ^ Mike Napoli, who made three trips to World Series, announces retirement” (英語). ESPN (2018年12月9日). 2020年1月9日閲覧。
  18. ^ Jordan Bastian (2019年12月9日). “Green new bench coach as Cubs finalize staff” (英語). MLB.com. 2020年1月9日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]