Dear Friend (中森明菜の曲)
「Dear Friend」 | ||||||||||
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中森明菜 の シングル | ||||||||||
初出アルバム『BEST III』 | ||||||||||
B面 | CARIBBEAN | |||||||||
リリース | ||||||||||
規格 | ||||||||||
録音 |
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ジャンル | ポップス、デジタルロック | |||||||||
時間 | ||||||||||
レーベル | ワーナー・パイオニア / リプリーズ・レコード | |||||||||
作詞 | 伊東真由美 | |||||||||
作曲 | 和泉一弥 | |||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||
中森明菜 シングル 年表 | ||||||||||
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「Dear Friend」(ディア・フレンド)は、日本の歌手である中森明菜の楽曲。この楽曲は中森の24枚目のシングルとして、1990年7月17日にワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)のリプリーズ・レコードレーベルよりリリースされた (8cmCD: WPDL-4173, CT: WPSL-4173)。
背景
[編集]「Dear Friend」は、前シングル「LIAR」からおよそ1年3か月ぶりにリリースされた楽曲で、1990年7月17日にCDシングル (8cmCD: WPDL-4173)とシングルカセット (CT: WPSL-4173)の2形態で同時発売された[3][4]。この「Dear Friend」からシングル「Everlasting Love ・ NOT CRAZY TO ME」の間、8cmCDとシングルカセットの形態で同時リリースされた。この楽曲は、作詞家としては初の作品となった伊東真由美による作詞で[5]、和泉一弥が作曲と編曲を手掛け、ストリングス・アレンジを若草恵が務めた[6][7]。「Dear Friend」は、長調(メジャーコード)で明るい楽曲となった[3][6]。
この楽曲も、これまで通り先行で曲が作られてから詞を付す制作手順となった[8]。中森を交えて4・5曲の候補が選曲され、最終的に「Dear Friend」に決定したのは1990年4月であった[8]。その後いくつかの詞の修正を経て同年5月中旬に大凡完成したという[8]。本曲が選出された理由は、「"聴いた人が、勇気や元気が出て、明るくなれる歌"というコンセプトに合っていたからです」とワーナー・パイオニアの藤倉克己チーフ・プロデューサーは述べている[8]。作詞した伊東は、当初中森へのこだわりをふんだんに込めた内容だったが、このコンセプトを受け、これまでの中森の楽曲イメージから離れて書いたという[8]。中森は1990年5月上旬から6月上旬にかけ、同年11月30日に発売された写真集『MY LIFE 1990 A・K・I・N・A NAKAMORI』の撮影と並行して本作のレコーディングと制作に入った[9][1][10]。同年5月9日から5月17日の間、同写真集の撮影でハワイに滞在後、5月19日より、同写真集の撮影とともに本作制作のためニューヨークとバハマへ出発し、レコーディングはザ・ヒット・ファクトリーにて5月25日から5月29日の間に行われた[10][1][9][注 1]。スタジオ・アルバム『CRUISE』のレコーディング時、快調に歌えたことから今回もこのスタジオが選ばれた[8]。1990年5月29日から6月2日の間は、ロサンゼルスで同写真集用の撮影が行われた[1]。同年7月1日からは、「Dear Friend」がラジオにてオンエア解禁され、7月6日放送のテレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』ではミュージック・ビデオ(未発売)が初オンエアされた[10]。
シングル盤「Dear Friend」の2曲目として発表された「CARIBBEAN」は、大西美帆が作詞し、作曲とアレンジは「Dear Friend」に続いて和泉が務めた楽曲である[6]。この楽曲もメジャーコードとなった[6]。「CARIBBEAN」も今回のシングル候補に上がった楽曲で、歌詞の内容は「南の島でリゾートをしている男女の歌」を歌ったものである[8]。
チャート成績
[編集]この楽曲は、オリコン週間シングルチャートでは、1990年7月30日付で初登場し最高順位1位を記録後、1990年8月13日付でも通算2週目となる1位を記録した[3]。同チャートの100位以内においては、計17週に渡ってランクインしている[3]。また、1990年度のオリコン年間シングルチャートでは6位を記録し、およそ55万枚売り上げた[12][3][13]。オリコンは、1990年のシングル年間ベストテンの楽曲の内、この楽曲がタイアップの付いていない楽曲のひとつであることを指摘した上で、この売上枚数について高く評価した[14]。またスポニチアネックスは、この楽曲について「若い男性だけでなく、中年男性も購入したという、それまでの明菜のシングルにはない購買傾向も現れた。」と伝えている[15]。
なお、累計売上を105万枚とする文献もある[16]。
1年ぶりのテレビ出演
[編集]1990年7月17日のシングル・リリース後、同年8月1日に、およそ1年ぶりとなるテレビ生出演をフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオ SUPER』で果たし、ニースからの衛星中継で「Dear Firend」と「CARIBBEAN」の2曲を熱唱した[12][17][10]。他にも1990年8月10日放送『ミュージックステーション』などでも同2曲を披露した[18][10][15]。
収録曲
[編集]# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
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1. | 「Dear Friend」 | 伊東真由美 | 和泉一弥 | 和泉一弥 若草恵(ストリングス・アレンジ) | |
2. | 「CARIBBEAN」 | 大西美帆[19] | 和泉一弥 | 和泉一弥 | |
合計時間: |
規格
[編集]- 1998年11月26日 - 12cmCD: WPC6-8681[20]
- 2008年11月12日 - デジタル・ダウンロード[21][22]
- 2014年6月18日 - 12cmCD, Singles Box 1982-1991の一枚として
クレジット
[編集]セルフカバー
[編集]「Dear Friend」を作詞した伊東が1992年に発表したアルバム『美人声』 (CD: TECN-30156)で、本曲をセルフカバーしている[6][23]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d 『MY LIFE 1990 A・K・I・N・A NAKAMORI NEW YORK・LOS ANGELS』清水伸充(写真)、柴田敬三(発行人)、ほんの木、1990年11月30日。ISBN 4938568152。
- ^ “iTunes - ミュージック - 中森明菜「Dear Friend(オリジナル・シングル・ジャケット)」”. Apple. 2012年8月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g クラブハウス『オリコン No.1 HITS 500 1986〜1994 (下) オリコンチャート1位ヒットソング集』クラブハウス、1998年11月1日、132、184頁頁。ISBN 490649613X。
- ^ 『AKINA』(4×12cmCD)中森明菜、ワーナーミュージック・ジャパン、1993年11月10日。WPCL-770〜3。
- ^ "作詞家は直感で新人に決めた「完璧主義の中森明菜に…スタッフは気が気ではなかった」 個人事務所設立、第1弾シングル". ZAKZAK. 株式会社産経デジタル. 1 November 2022. 2022年11月1日閲覧。
- ^ a b c d e 堤昌司『コンプリート・シングル・コレクションズ〜ファースト・テン・イヤーズ<ライノ・プレミアム・エディション>』(4×12cmCD)中森明菜、ワーナーミュージック・ジャパン、2009年6月10日、30頁。WPCL-10681/84。
- ^ a b 『Dear Friend』(8cmCD, CT)中森明菜、ワーナー・パイオニア、1990年7月17日。WPDL-4173、WPSL-4173。
- ^ a b c d e f g 北島由記子「新曲、衣装、秋のプランは? 中森明菜の最新カタログ。」『JUNON』第18巻第9号、主婦と生活社、1990年9月、21-22頁。
- ^ a b 『MY LIFE 1990 A・K・I・N・A NAKAMORI HAWAI』清水伸充(写真)、柴田敬三(発行人)、ほんの木、1990年11月30日。ISBN 4938568152。
- ^ a b c d e 「中森明菜、約1年ぶりのテレビ生出演!」『ザテレビジョン』第9巻第33号、角川書店、1990年8月、14頁。
- ^ "「中森明菜をコントロールする人がいなくなった…」新イメージで〝輪廻転生〟 新曲プロモーション展開に募る不安". ZAKZAK. 産経デジタル. 15 November 2022. 2022年11月15日閲覧。
- ^ a b “Dear Friend 中森明菜のプロフィールならオリコン芸能人事典-ORICON STYLE”. オリコン. 2011年8月14日閲覧。
- ^ “中森明菜のプロフィール・ヒストリーならオリコン芸能人事典-ORICON STYLE”. オリコン. 2013年5月28日閲覧。
- ^ 小池聰行 編「CLOSE UP 1990シングル年間ベスト10」『オリコン年鑑1991別冊 オリコン・チャート・データ'90』オリジナルコンフィデンス、1991年4月30日。ISBN 4-87131-028-0。
- ^ a b “【1990年8月】Dear Friend/中森明菜 復活!南フランスから注目曲披露 ― スポニチ Sponichi Annex 芸能 365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月”. スポーツニッポン新聞社 (2011年8月1日). 2012年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月9日閲覧。
- ^ 木村恵子『中森明菜 哀しい性』講談社、1994年、204頁。ISBN 4-06-207307-2。
- ^ 『中森明菜 IN 夜のヒットスタジオ』(6DVD)中森明菜、ユニバーサルミュージック合同会社、2010年12月22日、3頁。POBD-22017/22。
- ^ “テレビ朝日|ミュージックステーション”. 出演者ラインナップ > BACK NUMBER > 1990/08/10. テレビ朝日. 2011年8月6日閲覧。
- ^ 「石坂まさをの別名義」という説がある(『昭和歌謡ポップスアルバムガイド 1959-1979』P128 馬飼野元宏監修・編集、シンコーミュージック・エンタテイメント、2015年7月29日発売 ISBN 4-40164-142-6)
- ^ “Dear Friend/中森明菜 本・コミックからDVD・CD・ゲームまで通販なら【TSUTAYAオンラインショッピング】”. カルチュア・コンビニエンス・クラブ. 2012年8月10日閲覧。
- ^ “mora[モーラ] : 中森明菜「Dear Friend」を試聴・ダウンロード”. レーベルゲート. 2012年8月10日閲覧。
- ^ “Dear Friend|中森明菜|試聴・ダウンロード ListenJapan 【 リッスンジャパン 】”. Listen Japan. 2011年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月10日閲覧。
- ^ “美人声 - 伊東真由美 - Yahoo!ミュージック”. Yahoo! JAPAN. 2012年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月29日閲覧。