1969年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

映像外部リンク
	MLB.comによる動画（英語）
	初回表、ハンク・アーロンの2点本塁打でブレーブスが先制（26秒）
	4回裏、ケン・ボズウェルの2点本塁打でメッツが逆転（26秒）
	5回裏、ウェイン・ギャレットの2点本塁打でメッツが再逆転（31秒）
	9回表、ノーラン・ライアンがトニー・ゴンザレスを三ゴロに打ち取り試合終了、メッツのリーグ優勝が決定（24秒）

	1969年のナショナルリーグ; チャンピオンシップシリーズ
チーム	勝数
ニューヨーク・メッツ	3
アトランタ・ブレーブス	0
	シリーズ情報
試合日程	10月4日–6日
観客動員	3試合合計：15万4587人; 1試合平均：05万1529人
殿堂表彰者	ギル・ホッジス（NYM監督）; ヨギ・ベラ（NYMコーチ）; ノーラン・ライアン（NYM投手）; トム・シーバー（NYM投手）; サチェル・ペイジ（ATLコーチ）; ハンク・アーロン（ATL外野手）; オーランド・セペダ（ATL内野手）; フィル・ニークロ（ATL投手）; アル・バーリック（審判員）
	チーム情報
	ニューヨーク・メッツ（NYM）
GM	ジョニー・マーフィー
監督	ギル・ホッジス
シーズン成績	100勝62敗・勝率.617; 東地区優勝
	アトランタ・ブレーブス（ATL）
GM	ポール・リチャーズ
監督	ラム・ハリス
シーズン成績	093勝69敗・勝率.574; 西地区優勝
	ワールドシリーズ

1969年の野球において、メジャーリーグベースボール（MLB）のポストシーズンは10月4日に開幕した。ナショナルリーグの第1回リーグチャンピオンシップシリーズ（Inaugural National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記）は、同日から6日にかけて計3試合が開催された。その結果、ニューヨーク・メッツ（東地区）がアトランタ・ブレーブス（西地区）を3勝0敗で下し、球団創設8年目で初のナショナルリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

前年までのMLBでは、ナショナルリーグもアメリカンリーグも、総当たりのレギュラーシーズンで最高勝率を記録した球団がそのままリーグ優勝となり、ワールドシリーズへ進出していた。それがこの年から、東・西2地区に分かれてそれぞれのレギュラーシーズン優勝球団を決めたうえで、その地区優勝球団どうしが5戦3勝制のリーグ優勝決定戦で対戦し、そのシリーズを制した球団がワールドシリーズへ進出する方式に改められた。

レギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、メッツが8勝4敗と勝ち越している^[1]。直接対決だけでなくシーズン勝率でもメッツのほうが好成績を残していたが、今シリーズ開幕前の予想ではブレーブスのほうが有利とみられていた^[2]。メッツはブレーブスに1勝もさせず、初戦からの3連勝でリーグ優勝決定戦を突破した。当時はアメリカ合衆国が泥沼化するベトナム戦争に軍事介入していたため、ブレーブスGMのポール・リチャーズは「メッツをベトナムへ送り込もう、あの連中なら戦争も3日で終結させてくれるだろ」と話した^[3]。このあとメッツは、ワールドシリーズでもアメリカンリーグ王者ボルチモア・オリオールズを4勝1敗で下して優勝した。しかしそのワールドシリーズ制覇の衝撃が大きかったがゆえに、今リーグ優勝決定戦については後年に触れられる機会が少ない^[2]。

試合結果[編集]

1969年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月4日に開幕し、3日間で3試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付	試合	ビジター球団（先攻）	スコア	ホーム球団（後攻）	開催球場
10月04日（土）	第1戦	ニューヨーク・メッツ	9－5	アトランタ・ブレーブス	アトランタ・スタジアム	アトランタ・スタジアムシェイ・スタジアム
10月05日（日）	第2戦	ニューヨーク・メッツ	11－6	アトランタ・ブレーブス	アトランタ・スタジアム
10月06日（月）	第3戦	アトランタ・ブレーブス	4－7	ニューヨーク・メッツ	シェイ・スタジアム
優勝：ニューヨーク・メッツ（3勝0敗 / 球団創設8年目で初）

第1戦 10月4日[編集]

アトランタ・スタジアム（ジョージア州アトランタ）


	1	2	3	4	5	6	7	8	9	R	H	E
ニューヨーク・メッツ	0	2	0	2	0	0	0	5	0	9	10	1
アトランタ・ブレーブス	0	1	2	0	1	0	1	0	0	5	10	2

勝：トム・シーバー（1勝）敗：フィル・ニークロ（1敗） S：ロン・テイラー（1S）
本塁打
ATL：トニー・ゴンザレス1号ソロ、ハンク・アーロン1号ソロ
審判
［球審］アル・バーリック
［塁審］一塁: オーギー・ドナテリ、二塁: エド・スドル、三塁: エド・バーゴ
［外審］左翼: クリス・ペレコダス、右翼: メル・スタイナー
昼間試合試合時間: 2時間37分観客: 5万122人
詳細: Baseball-Reference.com

両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・メッツ					アトランタ・ブレーブス
打順	守備	選手	打席	T・シーバー J・グロート E・クレインプール K・ボズウェル W・ギャレット B・ハレルソン C・ジョーンズ T・エイジー A・シャムスキー	打順	守備	選手	打席	P・ニークロ B・ディディエー O・セペダ F・ミヤーン C・ボイヤー G・ガリード R・カーティー T・ゴンザレス H・アーロン
1	中	T・エイジー	右		1	二	F・ミヤーン	右
2	三	W・ギャレット	左		2	中	T・ゴンザレス	左
3	左	C・ジョーンズ	右		3	右	H・アーロン	右
4	右	A・シャムスキー	左		4	左	R・カーティー	右
5	二	K・ボズウェル	左		5	一	O・セペダ	右
6	一	E・クレインプール	左		6	三	C・ボイヤー	右
7	捕	J・グロート	右		7	捕	B・ディディエー	両
8	遊	B・ハレルソン	両		8	遊	G・ガリード	右
9	投	T・シーバー	右		9		P・ニークロ	右
先発投手			投球		先発投手			投球
T・シーバー			右		P・ニークロ			右

第2戦 10月5日[編集]

アトランタ・スタジアム（ジョージア州アトランタ）


	1	2	3	4	5	6	7	8	9	R	H	E
ニューヨーク・メッツ	1	3	2	2	1	0	2	0	0	11	13	1
アトランタ・ブレーブス	0	0	0	1	5	0	0	0	0	6	9	3

勝：ロン・テイラー（1勝1S）敗：ロン・リード（1敗） S：タグ・マグロウ（1S）
本塁打
NYM：トミー・エイジー1号2ラン、ケン・ボズウェル1号2ラン、クレオン・ジョーンズ1号2ラン
ATL：ハンク・アーロン2号3ラン
審判
［球審］オーギー・ドナテリ
［塁審］一塁: エド・スドル、二塁: エド・バーゴ、三塁: クリス・ペレコダス
［外審］左翼: メル・スタイナー、右翼: アル・バーリック
昼間試合試合時間: 3時間10分観客: 5万270人
詳細: Baseball-Reference.com

両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・メッツ					アトランタ・ブレーブス
打順	守備	選手	打席	J・クーズマン J・グロート E・クレインプール K・ボズウェル W・ギャレット B・ハレルソン C・ジョーンズ T・エイジー A・シャムスキー	打順	守備	選手	打席	R・リード B・ディディエー O・セペダ F・ミヤーン C・ボイヤー G・ガリード R・カーティー T・ゴンザレス H・アーロン
1	中	T・エイジー	右		1	二	F・ミヤーン	右
2	三	W・ギャレット	左		2	中	T・ゴンザレス	左
3	左	C・ジョーンズ	右		3	右	H・アーロン	右
4	右	A・シャムスキー	左		4	左	R・カーティー	右
5	二	K・ボズウェル	左		5	一	O・セペダ	右
6	一	E・クレインプール	左		6	三	C・ボイヤー	右
7	捕	J・グロート	右		7	捕	B・ディディエー	両
8	遊	B・ハレルソン	両		8	遊	G・ガリード	右
9	投	J・クーズマン	右		9		R・リード	右
先発投手			投球		先発投手			投球
J・クーズマン			左		R・リード			右

第3戦 10月6日[編集]

シェイ・スタジアム（ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区）


	1	2	3	4	5	6	7	8	9	R	H	E
アトランタ・ブレーブス	2	0	0	0	2	0	0	0	0	4	8	1
ニューヨーク・メッツ	0	0	1	2	3	1	0	0	X	7	14	0

勝：ノーラン・ライアン（1勝）敗：パット・ジャービス（1敗）
本塁打
ATL：ハンク・アーロン3号2ラン、オーランド・セペダ1号2ラン
NYM：トミー・エイジー2号ソロ、ケン・ボズウェル2号2ラン、ウェイン・ギャレット1号2ラン
審判
［球審］エド・スドル
［塁審］一塁: エド・バーゴ、二塁: クリス・ペレコダス、三塁: メル・スタイナー
［外審］左翼: アル・バーリック、右翼: オーギー・ドナテリ
昼間試合試合時間: 2時間24分観客: 5万4195人
詳細: Baseball-Reference.com

両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス					ニューヨーク・メッツ
打順	守備	選手	打席	P・ジャービス B・ディディエー O・セペダ F・ミヤーン C・ボイヤー G・ガリード R・カーティー T・ゴンザレス H・アーロン	打順	守備	選手	打席	G・ジェントリー J・グロート E・クレインプール K・ボズウェル W・ギャレット B・ハレルソン C・ジョーンズ T・エイジー A・シャムスキー
1	二	F・ミヤーン	右		1	中	T・エイジー	右
2	中	T・ゴンザレス	左		2	三	W・ギャレット	左
3	右	H・アーロン	右		3	左	C・ジョーンズ	右
4	左	R・カーティー	右		4	右	A・シャムスキー	左
5	一	O・セペダ	右		5	二	K・ボズウェル	左
6	三	C・ボイヤー	右		6	一	E・クレインプール	左
7	捕	B・ディディエー	両		7	捕	J・グロート	右
8	遊	G・ガリード	右		8	遊	B・ハレルソン	両
9		P・ジャービス	右		9	投	G・ジェントリー	右
先発投手			投球		先発投手			投球
P・ジャービス			右		G・ジェントリー			右

脚注[編集]

注釈[編集]

^ 殿堂入りは指導者としてではなく、一塁手としての功績が評価されてのもの。
^ 殿堂入りは指導者としてではなく、捕手としての功績が評価されてのもの。
^ 殿堂入りは指導者としてではなく、投手としての功績が評価されてのもの。

出典[編集]

^ "1969 New York Mets Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年11月21日閲覧。
^ ^a ^b Anthony Rieber, "1969 Mets outslugged powerful Braves to sweep first NLCS," Newsday, October 5, 2019. 2020年11月21日閲覧。
^ Bruce Watson, "The “Miracle Mets" of '69 Win the World Series," AMERICAN HERITAGE. 2020年11月21日閲覧。

外部リンク[編集]

Baseball-Reference.com（英語）
1969 National League Championship Series - IMDb（英語）

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[1] 殿堂入りは指導者としてではなく、一塁手としての功績が評価されてのもの。

[2] 殿堂入りは指導者としてではなく、捕手としての功績が評価されてのもの。

[3] 殿堂入りは指導者としてではなく、投手としての功績が評価されてのもの。

[4] "1969 New York Mets Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年11月21日閲覧。

[newsdaynlcs-5] Anthony Rieber, "1969 Mets outslugged powerful Braves to sweep first NLCS," Newsday, October 5, 2019. 2020年11月21日閲覧。

[6] Bruce Watson, "The “Miracle Mets" of '69 Win the World Series," AMERICAN HERITAGE. 2020年11月21日閲覧。

[注 1]

[注 2]

[注 3]

[1]

[2]

[3]

表話編歴ニューヨーク・メッツ
球団	歴史選手監督成績エクスパンションドラフト
歴代本拠地	ポロ・グラウンズシェイ・スタジアムシティ・フィールド
文化	サブウェイ・シリーズミスター・メッツシド・フィンチ『ライフ・イズ・ベースボール』
永久欠番	14 17 24 31 36 37 41 42 SHEA NYM
メッツ球団殿堂	ジョーン・ホイットニー・ペイソンケーシー・ステンゲルギル・ホッジスジョージ・ワイスジョニー・マーフィーウィリアム・シェイラルフ・カイナーボブ・マーフィーリンゼイ・ネルソンラスティ・スタウブバド・ハレルソントム・シーバージェリー・クーズマンエド・クレインプールクレオン・ジョーンズジェリー・グロートタグ・マグロウムーキー・ウィルソンキース・ヘルナンデスゲイリー・カータートミー・エイジーフランク・キャッシェンドワイト・グッデンデービー・ジョンソンダリル・ストロベリージョン・フランコマイク・ピアッツァ
ワールドシリーズ優勝（2回）	1969 1986
ワールドシリーズ敗退（3回）	1973 2000 2015
リーグ優勝（5回）	1969 1973 1986 2000 2015
傘下マイナーチーム	シラキュース・メッツ（AAA級）ビンガムトン・ランブルポニーズ（AA級）ブルックリン・サイクロンズ（High-A級）セントルーシー・メッツ（Low-A級）フロリダ・コンプレックスリーグ・メッツ（Rookie級）ドミニカン・サマーリーグ・メッツ（Rookie級）

表話編歴アトランタ・ブレーブス
球団	歴史選手監督成績
歴代本拠地	サウス・エンド・グラウンズコングレス・ストリート・グラウンズフェンウェイ・パークブレーブス・フィールドミルウォーキー・カウンティ・スタジアムアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムターナー・フィールドトゥルーイスト・パーク
文化	トマホーク・チョップ『スラッガーズ・ワイフ』『人生の特等席』
永久欠番	3 6 10 21 25 29 31 35 41 42 44 47
ブレーブス球団殿堂	ハンク・アーロンエディ・マシューズフィル・ニークロウォーレン・スパーンテッド・ターナーデール・マーフィーアーニー・ジョンソンルー・バーデットジョニー・セインビル・バーソロメイデル・クランドールピート・バン・ウィーレンキッド・ニコルズトミー・ホームズスキップ・ケリーポール・スナイダーハーマン・ロングビル・ルーカスラルフ・ガーデビッド・ジャスティスグレッグ・マダックストム・グラビンボビー・コックスジョン・スモルツチッパー・ジョーンズデーブ・パースリーラビット・モランビルハビー・ロペスドン・サットンアンドリュー・ジョーンズジョン・シャーホルツティム・ハドソンジョー・シンプソン
ワールドシリーズ優勝（04回）	1914 1957 1995 2021
ワールドシリーズ敗退（06回）	1948 1958 1991 1992 1996 1999
リーグ優勝（18回）	1877 1878 1883 1891 1892 1893 1897 1898 1914 1948 1957 1958 1991 1992 1995 1996 1999 2021
できごと	1959年のナショナルリーグ優勝決定プレイオフ
傘下マイナーチーム	グウィネット・ストライパーズ（AAA級）ミシシッピ・ブレーブス（AA級）ローム・ブレーブス（High-A級）オーガスタ・グリーンジャケッツ（Low-A級）フロリダ・コンプレックスリーグ・ブレーブス（Rookie級）ドミニカン・サマーリーグ・ブレーブス（Rookie級）