1966年ドイツグランプリ
レース詳細 | |||
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1966年F1世界選手権全9戦の第6戦 | |||
ニュルブルクリンク北コース(1927-1967) | |||
日程 | 1966年8月7日 | ||
正式名称 | XXVIII Großer Preis von Deutschland | ||
開催地 |
ニュルブルクリンク 西ドイツ ニュルブルク | ||
コース | 恒久的レース施設 | ||
コース長 | 22.810 km (14.168 mi) | ||
レース距離 | 15周 342.15 km (212.52 mi) | ||
決勝日天候 | 曇 (ウエット) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | ロータス-クライマックス | ||
タイム | 8:16.5 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | ジョン・サーティース | クーパー-マセラティ | |
タイム | 8:49.0 (4周目) | ||
決勝順位 | |||
優勝 | ブラバム-レプコ | ||
2位 | クーパー-マセラティ | ||
3位 | クーパー-マセラティ |
1966年ドイツグランプリ (1966 German Grand Prix) は、1966年のF1世界選手権第6戦として、1966年8月7日にニュルブルクリンクで開催された。
ドイツグランプリの開催は28回目で、ニュルブルクリンクの北コースでの開催は22回目である。レースは全長22.81 km (14.17 mi)のコースを15周する342.15 km (212.60 mi)の距離で行われた。
1959年及び1960年のチャンピオンであるジャック・ブラバムがブラバム・BT19で4連勝を挙げ、1964年のチャンピオンであるジョン・サーティースがクーパー・T81でブラバムから43秒遅れの2位、サーティースのチームメイトであるヨッヘン・リントが3位となった。本レースはF2との混走で行われ[1][注 1]、最上位はマトラ・スポールのマトラ・MS5をドライブするジャン=ピエール・ベルトワーズの8位であった。
ジョン・テイラーは1周目にジャッキー・イクスと接触し、コースアウトしてマシンが炎上する事故に遭って大火傷を負い、1ヶ月後に息を引き取った。
優勝したブラバムはポイントを39点とし、2位のグラハム・ヒル(17点)に倍以上の差を付け、6年ぶり3度目のチャンピオン獲得に王手をかけた。
レース概要
[編集]ウエットコンディションのトラックがジャック・ブラバムとジョン・サーティースのバトルを演出した。ブラバムの勝利が確実になったのは、残り2周を切ったところでサーティースのクラッチに異変が見られた時であった。ジム・クラークは非力な2.0Lのクライマックスエンジンでポールポジションを獲得したが[2]、間違ったタイヤを使って溝にスピンしてしまった。フェラーリは246-66を再度登場させ、ルドビコ・スカルフィオッティに与えて3台体制としたが、246-66をドライブしたスカルフィオッティが1列目の4番グリッド[注 2]を確保したのに対し、312をドライブするロレンツォ・バンディーニとマイク・パークスは2列目につけるのがやっとだった。決勝も3台とも優勝争いには程遠く、バンディーニが辛うじて6位に入賞したのみで、パークスとスカルフィオッティはリタイアに終わった[3]。
参加台数を増やすため、F2のマシンも混走した(ピンク地で表記)。この年F2で無敵の快進撃を遂げていた「ブラバム・ホンダ」の参加はなく[注 3]、11台が参加したが、エンジンの最大排気量が1.0LとF1の3分の1でしかなく、F1勢を脅かすほどの存在にはならなかった[1]。このF2マシンが絡む深刻な事故が発生した。ティレルからF2マシンのマトラ・MS5をドライブするジャッキー・イクス(F1デビュー戦[注 4])と、ブラバム・BT11をドライブするプライベーターのジョン・テイラーがクヴィデルバッハとフルークプラッツの間の橋の近くでクラッシュした。このアクシデントでテイラーは大火傷を負い、4週間後に死亡した。
翌年からホーエンラインシケインがスタート・フィニッシュラインのストレートの前に追加されたため、ニュルブルクリンク北コースのオリジナルレイアウトで行われたF1最後のレースとなった。
エントリーリスト
[編集]- 追記
結果
[編集]予選
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | タイム | 差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ジム・クラーク | ロータス-クライマックス | 8:16.5 | - | 1 |
2 | 7 | ジョン・サーティース | クーパー-マセラティ | 8:18.0 | +1.5 | 2 |
3 | 6 | ジャッキー・スチュワート | BRM | 8:18.8 | +2.3 | 3 |
4 | 11 | ルドビコ・スカルフィオッティ | フェラーリ | 8:20.2 | +3.7 | 4 |
5 | 3 | ジャック・ブラバム | ブラバム-レプコ | 8:20.8 | +4.3 | 5 |
6 | 9 | ロレンツォ・バンディーニ | フェラーリ | 8:21.1 | +4.6 | 6 |
7 | 10 | マイク・パークス | フェラーリ | 8:21.7 | +5.2 | 7 |
8 | 12 | ダン・ガーニー | イーグル-クライマックス | 8:22.8 | +6.3 | 8 |
9 | 8 | ヨッヘン・リント | クーパー-マセラティ | 8:27.7 | +11.2 | 9 |
10 | 5 | グラハム・ヒル | BRM | 8:28.6 | +12.1 | 10 |
11 | 14 | ボブ・ボンドゥラント | BRM | 8:33.0 | +16.5 | 11 |
12 | 17 | ヨアキム・ボニエ | クーパー-マセラティ | 8:35.2 | +18.7 | 12 |
13 | 15 | マイク・スペンス | ロータス-BRM | 8:38.6 | +22.1 | 13 |
14 | 19 | ボブ・アンダーソン | ブラバム-クライマックス | 8:42.5 | +26.0 | 14 |
15 | 4 | デニス・ハルム | ブラバム-レプコ | 8:49.3 | +32.8 | 15 |
16 | 27 | ジャッキー・イクス | マトラ-フォード | 8:52.0 | +35.5 | 16 |
17 | 2 | ピーター・アランデル | ロータス-BRM | 8:52.7 | +36.2 | 17 |
18 | 34 | ジャン=ピエール・ベルトワーズ | マトラ-フォード | 9:00.4 | +43.9 | 18 |
19 | 33 | ジョー・シュレッサー | マトラ-フォード | 9:01.5 | +45.0 | 19 |
20 | 31 | ペドロ・ロドリゲス | ロータス-フォード | 9:03.0 | +46.5 | 20 |
21 | 25 | クルト・アーレンスJr. | ブラバム-フォード | 9:04.7 | +48.2 | 21 |
22 | 28 | ハンス・ヘルマン | ブラバム-フォード | 9:05.7 | +49.2 | 22 |
23 | 32 | ピアス・カレッジ | ロータス-フォード | 9:06.0 | +49.5 | 23 |
24 | 29 | アラン・リース | ブラバム-フォード | 9:08.4 | +51.9 | 24 |
25 | 16 | ジョン・テイラー | ブラバム-BRM | 9:08.9 | +52.4 | 25 |
26 | 20 | クリス・ローレンス | クーパー-フェラーリ | 9:10.9 | +54.4 | 26 |
27 | 26 | フーベルト・ハーネ | マトラ-BRM | 9:17.0 | +1:00.5 | 27 |
28 | 35 | シルビオ・モーザー | ブラバム-フォード | 9:17.2 | +1:00.7 | DNS 1 |
29 | 30 | ゲルハルト・ミッター | ロータス-フォード | 9:32.2 | +1:15.7 | DNS 2 |
30 | 18 | ギ・リジェ | クーパー-マセラティ | No time | - | DNS 2 |
ソース:[6]
|
- 追記
決勝
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | グリッド | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ジャック・ブラバム | ブラバム-レプコ | 15 | 2:27:03.0 | 5 | 9 |
2 | 7 | ジョン・サーティース | クーパー-マセラティ | 15 | +44.4 | 2 | 6 |
3 | 8 | ヨッヘン・リント | クーパー-マセラティ | 15 | +2:32.6 | 9 | 4 |
4 | 5 | グラハム・ヒル | BRM | 15 | +6:41.4 | 10 | 3 |
5 | 6 | ジャッキー・スチュワート | BRM | 15 | +8:28.9 | 3 | 2 |
6 | 9 | ロレンツォ・バンディーニ | フェラーリ | 15 | +10:56.4 | 6 | 1 |
7 | 12 | ダン・ガーニー | イーグル-クライマックス | 14 | 電気系統 | 8 | |
8 | 34 | ジャン=ピエール・ベルトワーズ | マトラ-フォード | 14 | +1 Lap | 18 | |
9 | 26 | フーベルト・ハーネ | マトラ-BRM | 14 | +1 Lap | 27 | |
10 | 33 | ジョー・シュレッサー | マトラ-フォード | 14 | +1 Lap | 19 | |
11 | 28 | ハンス・ヘルマン | ブラバム-フォード | 14 | +1 Lap | 22 | |
12 | 2 | ピーター・アランデル | ロータス-BRM | 14 | +1 Lap | 17 | |
Ret | 15 | マイク・スペンス | ロータス-BRM | 12 | オルタネーター | 13 | |
Ret | 1 | ジム・クラーク | ロータス-クライマックス | 11 | アクシデント | 1 | |
Ret | 20 | クリス・ローレンス | クーパー-フェラーリ | 10 | サスペンション | 26 | |
Ret | 11 | ルドビコ・スカルフィオッティ | フェラーリ | 9 | 電気系統 | 4 | |
Ret | 10 | マイク・パークス | フェラーリ | 9 | アクシデント | 7 | |
Ret | 4 | デニス・ハルム | ブラバム-レプコ | 8 | イグニッション | 15 | |
Ret | 31 | ペドロ・ロドリゲス | ロータス-フォード | 7 | エンジン | 20 | |
Ret | 17 | ヨアキム・ボニエ | クーパー-マセラティ | 3 | クラッチ | 12 | |
Ret | 32 | ピアス・カレッジ | ロータス-フォード | 3 | アクシデント | 23 | |
Ret | 29 | アラン・リース | ブラバム-フォード | 3 | エンジン | 24 | |
Ret | 14 | ボブ・ボンドゥラント | BRM | 3 | エンジン | 11 | |
Ret | 19 | ボブ・アンダーソン | ブラバム-クライマックス | 2 | トランスミッション | 14 | |
Ret | 25 | クルト・アーレンスJr. | ブラバム-フォード | 2 | ギアボックス | 21 | |
Ret | 16 | ジョン・テイラー | ブラバム-BRM | 0 | 事故死 | 25 | |
Ret | 27 | ジャッキー・イクス | マトラ-フォード | 0 | アクシデント | 16 | |
DNS | 35 | シルビオ・モーザー | ブラバム-フォード | エンジン | |||
DNS | 30 | ゲルハルト・ミッター | ロータス-フォード | 予選でアクシデント | |||
DNS | 18 | ギ・リジェ | クーパー-マセラティ | 予選でアクシデント | |||
ソース:[7]
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- ジョン・サーティース - 8:49.0 (4周目)
- ラップリーダー[9]
- 1-15=ブラバム(全周回トップ)
- 追記
- ピンク地はF2参加者
第6戦終了時点のランキング
[編集]
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- 注: トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d (林信次 1995, p. 29)
- ^ (林信次 1995, p. 20)
- ^ (アラン・ヘンリー 1989, p. 220)
- ^ “Germany 1966 - Race entrants”. STATS F1. 2019年5月4日閲覧。
- ^ a b c “Germany 1966 - Result”. STATS F1. 2019年5月4日閲覧。
- ^ “Germany 1966 - Qualifications”. STATS F1. 2019年5月4日閲覧。
- ^ “1966 German Grand Prix”. formula1.com. 5 October 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。26 September 2015閲覧。
- ^ “Germany 1966 - Best laps”. STATS F1. 2019年5月4日閲覧。
- ^ “Germany 1966 - Laps led”. STATS F1. 2019年5月4日閲覧。
- ^ a b “Germany 1966 - Championship”. STATS F1. 18 March 2019閲覧。
参照文献
[編集]- en:1966 German Grand Prix(2019年3月18日 12:42:35(UTC))より翻訳
- 林信次『F1全史 1966-1970 [3リッターF1の開幕/ホンダ挑戦期の終わり]』ニューズ出版、1995年。ISBN 4-938495-06-6。
- アラン・ヘンリー『チーム・フェラーリの全て』早川麻百合+島江政弘(訳)、CBS・ソニー出版、1989年12月。ISBN 4-7897-0491-2。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “Formula One World”. 2008年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月16日閲覧。
- Germany 1966 - STATS F1
前戦 1966年オランダグランプリ |
FIA F1世界選手権 1966年シーズン |
次戦 1966年イタリアグランプリ |
前回開催 1965年ドイツグランプリ |
ドイツグランプリ | 次回開催 1967年ドイツグランプリ |