知念実希人

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知念 実希人
(ちねん みきと)
誕生 (1978-10-12) 1978年10月12日(43歳)
日本の旗沖縄県南城市
職業 小説家医師
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 東京慈恵会医科大学医学部医学科
活動期間 2012年 -
代表作天久鷹央の推理カルテ」シリーズ
主な受賞歴 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞(2011年)
デビュー作 『誰がための刃 レゾンデートル』
所属 ストレートエッジ
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(ちねん みきと、1978年10月12日[1] -)は、日本の小説家医師[2]沖縄県南城市生まれ[1]東京都在住[3]巣鴨中学校・高等学校[3]東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業[3][4]ストレートエッジ所属。日本内科学会認定医[2]

略歴

沖縄県南城市で生まれるが、1歳にも満たないうちに東京へ戻り、池袋で育つ[1]。子供の頃から江戸川乱歩少年探偵団や、コナン・ドイルシャーロック・ホームズシリーズに親しみ、「ストーリーを作る側になってみたい」という思いを持つが、実際には祖父や父と同じ医師への道に進む[1]。高校生のときに鮎川哲也が編者を務める公募アンソロジー『本格推理』に本名で投稿し、掲載される[5]

2004年に医師国家試験に合格し[1]内科医として勤務。4年間働き内科医の認定医となってから本格的に小説の執筆にとりかかり、以来医師の父親が開業する西東京市の医院で診療活動をしながら執筆活動を続けている[1]。2011年、『誰がための刃 レゾンデートル』(応募時のタイトルは「レゾン・デートル」)で第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞[2]。選考委員の島田荘司は「背後に存在する深い医学的知見に都度圧倒される」と評した[6]。2012年、同作で作家デビュー。Twitterでは医療系のトリビアをつぶやいている[7]

問題発言・批判

李琴峰に対するヘイトスピーチ

2021年9月7日に台湾出身の芥川賞作家李琴峰が、日本の現状に不満があるならば「まず思い切り野党に任せてみてはどうか」と政権交代を提言するツイートを行ったことに対し、知念は8日に「マジでなんで外国籍の作家さんがここまで露骨に日本で政治活動しているのか」「安倍前首相自民党に対するヘイトが迸りすぎていて怖い」とのツイートを行った。李は、知念が李の発言を「外国籍の作家」による「政治活動」と表現した行為は「外国人は(たとえ日本で生活していても)日本の政治について発言するな」というに等しい「国籍差別」にあたるとして、知念にダイレクトメールで抗議をおこなった。9日、知念は、自身の発言が「外国籍の方の政治活動は禁止されている」という誤った認識に基づくものだったとして、発言を撤回し謝罪した[8][9]

安倍晋三銃撃事件に関する発言

銃撃された安倍晋三の治療に当たった奈良県立医科大学附属病院について、自身のTwitterで「(安倍を救命できなかったことに対して)奈良医大にクレームが入っているようだが、絶対にやめるべきだ」という旨ツイートした[10]。これを受けTwitter上では奈良医大に対するクレームを非難するツイートが相次いだが、その後の病院側への取材で実際にはクレームは皆無に等しかったことが判明した[11]

ワクチンに関するツイートに対する批判

小説家・医師の海堂尊は、厚労省新型コロナウイルス感染症対策を批判する文脈で、「(厚労省の)間違った論説のばらまきに一役買った」「政府の政策を擁護する医療従事者集団(の一員)」として知念を批判した。また、国立遺伝学研究所川上浩一教授が「不活化ワクチンの方が広く免疫誘導できる可能性がある」と発言したことに対する知念の批判を、「医学的に知念氏がワクチンについて無知であることを露呈した」としている。さらに、知念がワクチンの誤情報を発信している週刊誌等を非難しながら、自身の同様の行為は訂正しないとして、「異論に対し耳を塞ぐのはまさしくネトウヨと同様の姿勢である」と批判した[12]

文学賞受賞・候補歴

太字が受賞したもの

作品リスト

単著

「死神」シリーズ

  • 優しい死神の飼い方(2013年11月 光文社 / 2016年5月 光文社文庫
  • 黒猫の小夜曲(2015年7月 光文社 / 2018年1月 光文社文庫)
  • 死神と天使の円舞曲(2022年5月 光文社)

天久鷹央の推理カルテシリーズ[18]

表紙イラスト:いとうのいぢ

  • 天久鷹央の推理カルテ(2014年10月 新潮文庫nex
    • 収録作品:泡 / 人魂の原料 / 不可視の胎児 / オーダーメイドの毒薬
  • 天久鷹央の推理カルテII ファントムの病棟(2015年3月 新潮文庫nex)
    • 収録作品:甘い毒 / 吸血鬼症候群 / 天使の舞い降りる夜
  • 天久鷹央の推理カルテIII 密室のパラノイア(2015年6月 新潮文庫nex)
    • 収録作品:閃光の中へ / 拒絶する肌 / 密室で溺れる男
  • スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ(2015年9月 新潮文庫nex) - シリーズ初の長編
  • 天久鷹央の推理カルテIV 悲恋のシンドローム(2016年2月 新潮文庫nex)
    • 収録作品:迷い込んだ呪い / ゴミに眠る宝 / 瞬間移動した女
  • 幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ(2016年9月 新潮文庫nex)
  • 天久鷹央の推理カルテV 神秘のセラピスト(2017年3月 新潮文庫nex)
    • 収録作品:雑踏の腐敗 / 永遠に美しく / 聖者の刻印
  • 甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ(2017年11月 新潮文庫nex)
  • 火焔の凶器 天久鷹央の事件カルテ(2018年9月 新潮文庫nex)
  • 魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ(2019年9月 新潮文庫nex)
  • 神話の密室 天久鷹央の事件カルテ(2020年9月 新潮文庫nex)
  • 久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ(2021年9月 新潮文庫nex)
  • 生命の略奪者 天久鷹央の事件カルテ(2022年9月 新潮文庫nex)

病棟シリーズ

「神酒クリニックで乾杯を」シリーズ

  • 神酒クリニックで乾杯を(2015年10月 角川文庫
  • 神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶(2016年4月 角川文庫)

「祈りのカルテ」シリーズ

  • 祈りのカルテ(2018年3月 KADOKAWA / 2021年2月 角川文庫)
    • 収録作品:彼女が瞳を閉じる理由 / 悪性の境界線 / 冷めない傷痕 / シンデレラの吐息 / 胸に噓を秘めて
  • 祈りのカルテ 再会のセラピー(2022年8月 KADOKAWA

その他の小説

  • 誰がための刃 レゾンデートル(2012年4月 講談社
    • 【改題】レゾンデートル(2019年4月 実業之日本社文庫)
  • ブラッドライン(2013年7月 新潮社
    • 【改題】螺旋の手術室(2017年9月 新潮文庫
  • 改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ(2015年5月 幻冬舎文庫
    • 【改題】リアルフェイス(2018年6月 実業之日本社文庫)
  • 白銀の逃亡者(2016年6月 幻冬舎文庫)
  • あなたのための誘拐(2016年9月 祥伝社
    • 【改題】誘拐遊戯(2019年10月 実業之日本社文庫)
  • 屋上のテロリスト(2017年4月 光文社文庫)
  • 崩れる脳を抱きしめて(2017年9月 実業之日本社 / 2020年10月 実業之日本社文庫)
  • ひとつむぎの手(2018年9月 新潮社 / 2021年5月 新潮文庫)
  • 神のダイスを見上げて(2018年11月 光文社【広島限定カバー】[注 2][20][21] / 2018年12月 光文社 / 2021年7月 光文社文庫)
  • レフトハンド・ブラザーフッド(2019年3月 文藝春秋 / 2021年11月 文春文庫
  • ムゲンのi(2019年9月 双葉社【上・下】 / 2022年2月 双葉文庫【上・下】)
  • 十字架のカルテ(2020年3月 小学館
    • 収録作品:闇を覗く / 母の罪 / 傷の証言 / 時の浸蝕 / 闇の貌
  • 傷痕のメッセージ(2021年3月 KADOKAWA)
  • 硝子の塔の殺人(2021年7月 実業之日本社)
  • 真夜中のマリオネット(2021年12月15日 集英社
  • 機械仕掛けの太陽 (2022年10月 文藝春秋)

アンソロジー

「」内が知念実希人の作品

  • 喧騒の夜想曲(2019年12月 光文社)「永遠に美しく」
  • 医療ミステリーアンソロジー ドクターM(2020年7月 朝日文庫)「人魂の原料」
  • ザ・ベストミステリーズ 2020 推理小説年鑑(2020年10月 講談社)「傷の証言」
  • 島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー(2021年3月 講談社)「七色のネコ」
  • Jミステリー2022 SPRING(2022年4月 光文社文庫)「黒猫と薔薇の折り紙」

その他

  • ファンタジーへの誘い ストーリーテラーのことのは(2016年6月 徳間書店) - インタビュー掲載

メディア・ミックス

映画

テレビドラマ

漫画

脚注

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注釈

  1. ^ 巻末にデビュー作『誰がための刃 レゾンデートル』(2012年)から『ムゲンのi』(2019年)までの自著全作品解説を収録。また、初版限定特典で全冊に知念が直筆サインを入れた。
  2. ^ 広島県と光文社の企画で、単行本が全国発売される前に、広島県内116書店にて限定カバーで先行販売された。

出典

  1. ^ a b c d e f 知念実希人 (2018年5月4日). 「芸術家でなく職人ですから」 現役医師でミステリー作家・知念実希人さんに聞く. インタビュアー:滝本匠. 琉球新報.. https://ryukyushimpo.jp/news/entry-712160.html 2019年5月4日閲覧。 
  2. ^ a b c 『ファンタージーへの誘い ストーリーテラーのことのは』徳間書店刊、115ページより。ISBN 978-4-19-864180-1
  3. ^ a b c 【東京】『崩れる脳を抱きしめて』発売記念イベント第一弾 知念実希人さん 講演会&サイン会が開催!”. 実業之日本社 (2017年9月13日). 2019年5月4日閲覧。
  4. ^ 医療以外の分野に飛び込んだ卒業生”. 東京慈恵会医科大学 医学部医学科 受験生応援サイト. 東京慈恵会医科大学 (2020年12月30日). 2021年4月23日閲覧。
  5. ^ 「小説家になるために内科医になった」―医師で小説家・知念実希人氏に聞く◆Vol.2”. エムスリー株式会社. 2020年10月15日閲覧。
  6. ^ こうもり通信│福山ミステリー文学新人賞│島田荘司選
  7. ^ 毎日見ているとタメになるTwitterアカウント”. マイナビニュース. マイナビ (2013年5月3日). 2013年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月4日閲覧。
  8. ^ “知念実希人氏が謝罪「人間性の問題」芥川賞作家李琴峰さんへの差別的発言”. 日刊スポーツ. (2021年9月9日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202109090000454.html 2022年2月3日閲覧。 
  9. ^ 栗原裕一郎. “「事件」は文芸誌で起きるんじゃないSNSで起きる(『週刊新潮』2021年10月7日号)”. ブックバン. 新潮社. 2022年2月3日閲覧。
  10. ^ 安倍元首相治療の奈良医大病院にクレームで憤る声…「クレームじゃなくて慰労の気持ちを持ってほしい」” (日本語). 中日スポーツ www.chunichi.co.jp (2022年7月9日). 2022年7月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2022年9月22日閲覧。
  11. ^ 「元首相死去によるクレーム殺到はデマ」奈良県立医大病院が否定 - ライブドアニュース” (日本語). SmartFLASH. 2022年9月22日閲覧。
  12. ^ 日本政府はなぜ,パンデミック防止に失敗したのか。――政府とメディアの罪/海堂尊”. 月刊保険診療(2022年1月号). 2022年2月7日閲覧。
  13. ^ 2015年 文庫大賞が決まりました|啓文堂書店”. 啓文堂書店. 2020年3月6日閲覧。
  14. ^ 広島本大賞受賞作・ノミネート作一覧1-11回|文学賞の世界”. prizesworld.com. 2022年8月27日閲覧。
  15. ^ a b 沖縄書店大賞受賞作・ノミネート作一覧1-7回|文学賞の世界”. prizesworld.com. 2022年8月27日閲覧。
  16. ^ a b c これまでの本屋大賞 | 本屋大賞”. www.hontai.or.jp. 2022年8月27日閲覧。
  17. ^ これまでの本屋大賞 | 本屋大賞”. www.hontai.or.jp. 2022年8月27日閲覧。
  18. ^ 公式サイト
  19. ^ 仮面病棟 愛蔵版|実業之日本社”. 実業之日本社. 2020年2月24日閲覧。
  20. ^ 読もう!行こう!広島×光文社キャンペーン!〜本屋さんへ行こう〜”. 光文社. 2019年10月12日閲覧。
  21. ^ 11月開催「読もう!行こう!広島×光文社キャンペーン」で、知念実希人の最新刊『神のダイスを見上げて』広島県限定で先行発売!”. PR TIMES (2018年10月26日). 2021年3月14日閲覧。
  22. ^ 坂口健太郎; 知念実希人 (2020年1月9日). 映画「仮面病棟」主演の坂口健太郎さん&原作者の知念実希人さんインタビュー 息もつかせない脱出ミステリー. インタビュアー:根津香菜子. 好書好日.. https://book.asahi.com/article/12994968 2021年1月6日閲覧。 
  23. ^ “三浦貴大&安藤政信、ダブルで民放連ドラ初主演 『神酒クリニックで乾杯を』実写化”. ORICON NEWS (oricon ME). (2018年11月6日). https://www.oricon.co.jp/news/2122894/full/ 2019年10月12日閲覧。 
  24. ^ Kis-My-Ft2 玉森裕太、日テレGP帯ドラマ初主演で研修医に 『ハコヅメ!』根本ノンジ脚本” (日本語). Real Sound|リアルサウンド 映画部. 2022年8月4日閲覧。

外部リンク