台北南山広場

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臺北南山廣場
Taipei Nan Shan Plaza
台北南山広場 地図
施設情報
所在地 中華民国の旗 台湾 台北市信義区松仁路100号
座標 北緯25度02分04秒 東経121度34分01秒 / 北緯25.03444度 東経121.56694度 / 25.03444; 121.56694
状態 完成
着工 2015年1月26日[注釈 1]
竣工 2017年10月26日[注釈 1]
用途 商業施設、オフィスビル
建設費 176億8,800万NT$[1]
地上高
最頂部 272m[4]
最上階 48
各種諸元
階数 地上48、地下5[1]
敷地面積 17,708 [1]
建築面積 10,271 [1]
延床面積 193,843
エレベーター数 12
関連企業
設計 日本の旗三菱地所設計[4]
中華民国の旗瀚亜設計[4]
構造エンジニア 中華民国の旗永峻工程顧問[4]
施工 中華民国の旗互助営造 [1]
所有者 南山人寿中国語版地上権
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台北南山広場
各種表記
繁体字 臺北南山廣場
簡体字 台北南山广场
拼音 Tái běi Nán shān Guǎng cháng
通用拼音 Tái běi Nán shan Guǎng cháng
注音符号 ㄊㄞˊ ㄅㄟˇ ㄋㄢˊ ㄕㄢ ㄍㄨㄤˇ ㄔㄤˊ
ラテン字 t'ai pei nan shan kuang ch'ang
発音: タイベイナンシャングァンチャン
日本語漢音読み たいほくなんざんひろば
日本語慣用読み たいぺいなんざんひろば
英文 Taipei Nan Shan Plaza
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台北南山広場(タイペイなんざんひろば[5]臺北南山廣場)は台湾台北市信義区信義計画区中国語版内、台北101の北東に隣接する超高層ビル。低層の商業施設と高層のオフィスビルで構成されている。松仁路と松智路の間、松廉路北側にある敷地面積約5,300坪の、かつての台北世界貿易中心世貿2館跡地に建設された。

オフィス棟の高さは272メートル、地上48階、地下5階で総床面積は60,340坪。2017年10月26日に竣工、2018年6月11日に開業した[6]。竣工時点では高さは世界第219位で、市内では南西隣の台北101に次ぐ第2位、台湾全体では高雄85ビルに次ぐ第3位。低層部の商業施設ゾーンにはブリーズ・センター(微風南山)とその核店舗として日本アトレ2019年1月10日に開業を迎えた。年越し花火イベントでは恒例行事となっている台北101との共催が期待されている[7]

沿革[編集]

台北南港展覧館中国語版1館開業後、世貿2館はコンベンションセンターとしての役目を終えた。台北市政府は資産活用のため地上権の公募を開始し、2012年に国内生保大手の南山人寿中国語版が50年間の使用権を取得した[8]

オフィスや商業施設、博物館を整備する計画による投資総額は450億ニュー台湾ドル(NT$)を越え、市政府には台北101開発権時の206億8,889万NT$を上回る約270億NT$の保証金収入がもたらされることになった[9]。このほか、市政府には開業後に毎年2億NT$前後の賃料および不動産税収入がもたらされる[10]

2013年に世貿2館で最後の展示会『台北国際工具機展(TIMTOS)』が閉幕すると建物は撤去され、同年11月27日に南山人寿が起工式典を開催した[11][12]。事業費は176億8,800万NT$(法定46億9,900万NT$)[1]

建築仕様[編集]

地下は、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)、鉄筋コンクリート構造(RC造)、地上は鉄骨構造(S造)の混合工法[4]。オフィスタワーの44階には動吸振器(TMD)2基を備え耐震機能を強化している。東西2棟の低層棟が中央の超高層のオフィスタワー棟を挟みこむ形は南山人寿の『山』のロゴをモチーフにしている。『ハの字』型のオフィスタワー断面は感謝を表す「合掌」を象徴している[4]。外壁ガラスウォールはYKK APが担当した[13]

館内には三菱電機製エレベーター27台、エスカレーター45台が納入されている。このうち高層用エレベーター8台は分速360メートルの高速型[14]

受賞[編集]

インテリジェント・ビル緑の建築などの項目が評価されている。

  • 国内の社団法人台湾智慧建築協会(TIBA)主催のTIBA AWARDS 2017でプラチナ賞[15]
  • アジア太平洋地区スマート建築連盟(APIGBA)設計部門で金賞(プラチナに次ぐ)[16]

フロア構成[編集]

地上48階のうち、6-43階の38フロアはオフィスエリアとなり、2018年6月の開業時点で9割以上が埋まっていた[17]。46-48階はルーフトップバー。

世貿2館時代。
奥は華南銀行総行世貿大楼
(2013年2月)
施工中の台北南山廣場。
奥は華南銀行総行世貿大楼
(2016年)
施工中の商業施設棟と
ペデストリアンデッキ。
奥は台北101
(2017年7月)
オフィスタワー棟北側と
ペデストリアンデッキ
(2017年7月)
上層部 台北101との並び
東側エントランス 東側エントランス(夜)
(西)低層棟[18] 高層棟[18][19] (東)低層棟
48 微風南山レストランフロア
47 微風南山レストランフロア
46 微風南山レストランフロア
45
44 (ダンパー)
43
42
41 スイスの旗エフ・ホフマン・ラ・ロシュ[17]
40 スイスの旗エフ・ホフマン・ラ・ロシュ
39
38
37
36 マーズ・ブロックチェーン(火星区塊鏈)[20]
35 アメリカ合衆国の旗台湾Facebook[21][22]
34 香港の旗徳事商務中心[17]
33 玉山銀行貴賓理財中心[17]
32 アメリカ合衆国の旗Apple台湾[23]
31 アメリカ合衆国の旗アップル台湾
30 日本の旗台湾電通[17]
29 日本の旗台湾電通
28 アメリカ合衆国の旗ブラックロック証券[17]
27 香港の旗徳勤企業管理咨詢(太平洋)有限公司[24]
26 イギリスの旗ロイター[17]
25 (機械室)
24 (機械室)
23 シンガポールの旗愛芙健康管理顧問股份有限公司[25]
22 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾中国語版[注釈 2][17]
21 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾
20 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾
19 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾
18 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾
17 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾
16 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾
15 日本の旗セイコーエプソン(台湾愛普生科技)[17]
14
13
12
11 常在国際法律事務所[17]
10 日本の旗台湾電通
9 日本の旗台湾電通
8 日本の旗台湾電通
7 微風南山 アメリカ合衆国の旗デロイト台湾
6 微風南山 日本の旗台湾三菱地所[26]
5 微風南山
4 日本の旗微風南山アトレ 日本の旗微風南山アトレ
3 日本の旗微風南山アトレ 日本の旗微風南山アトレ 文化施設
2 微風南山 日本の旗微風南山アトレ 文化施設
ペデストリアン・デッキ(北側)
1 微風南山 文化施設、
オフィスエントランス
B1 微風南山 文化施設
B2 微風南山 バスターミナル

微風南山[編集]

微風南山 / 微風南山アトレ
Breeze Nan Shan / Breeze Nan Shan atre
微風南山が入る低層棟
店舗概要
所在地 台湾台北市信義区松仁路100号
開業日 2019年1月10日
建物名称 台北南山廣場
土地所有者 台北市政府
施設所有者 南山人寿
施設管理者 微風置地股份有限公司
商業施設面積 約54,000 m2
店舗数 200
最寄駅 台北捷運淡水信義線台北101/世貿駅象山駅
外部リンク 公式ウェブサイト
中華民国の旗Breeze(微風集團)、
日本の旗JR東日本/アトレ、三井物産
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微風南山(びふうなんざん、 Breeze NAN SHAN)は台湾の小売大手ブリーズ・センター(微風廣場)が運営する同社10店目の複合商業施設。 微風置地股份有限公司が20年間の使用契約を取得し、高層棟の地上部と地上7階建て低層棟から構成され、総面積は約1.6万坪[27]。核店舗のアトレ微風南山とともに2019年1月10日に開業[28]

レストラン街[編集]

高層棟の46-48階は微風のレストラン街となる[18][4]

微風南山アトレ[編集]

微風南山アトレ(びふうなんざんアトレ、ブリーズなんざんアトレ、Breeze Nan Shan atre)は微風南山の売り場面積の約4分の1を占めるアトレブランド初の海外店舗。2-4階にアトレ主導の51店舗が入居する。16店舗は台湾初進出となる。アトレと三井物産の合弁によるアトレインターナショナル(AICO)が微風と設立したブリーズ・アトレ・ホールディングス(中国語名・微風艾妥列控股)により運営される[29]

また、アトレの親会社である東日本旅客鉄道(JR東日本)が設立した現地法人「台灣捷爾東事業開發股份有限公司(JR東日本台湾事業開発)」によってシンガポールに次いで海外2例目となる現地向けのインバウンド情報発信拠点「JAPAN RAIL CAFE」も併設される[30]

立地[編集]

交通[編集]

周辺[編集]

北側
南側
  • 信義区公所(松廉路を挟んで南隣)
  • 中華郵政台北信義郵局(松廉路を挟んで南隣)
  • 台北市政府警察局信義分局(松廉路を挟んで南隣)
  • 中華電信台北東区服務中心(松廉路を挟んで南隣)
  • 幾米月亮公車/ジミームーンバス(パブリックアート。信義路反対側)
松智路を挟んで西側
松仁路を挟んで東隣

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 内政部営建署使用執照107使字第8888號、107使字第8899號[2][3]
  2. ^ デロイト トウシュ トーマツの台湾現地加盟事務所

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f (繁体字中国語)臺北南山廣場2018-07,建築師雑誌
  2. ^ (繁体字中国語)建造執照”. 内政部営建署. 2018年12月22日閲覧。
  3. ^ (繁体字中国語)tpe-building-license/103/103建字第6688號.json github.com
  4. ^ a b c d e f g 「臺北南山廣場」オープンのお知らせ2018-07-25,三菱地所設計
  5. ^ 三菱地所グループとして海外初のプロパティマネジメント事業会社を設立2017年3月13日 三菱地所プロパティマネジメント株式会社
  6. ^ 台北南山広場が開業、台湾2位の超高層ビル2018-06-12,NNA ASIA
  7. ^ (繁体字中国語)南山廣場估2017年完工 尹衍樑:將與101辦跨年煙火秀2013-11-27,ETToday
  8. ^ (繁体字中国語)林巧雁 (2012年10月13日). “挑戰101租金 世貿二館改建南山廣場”. 台灣蘋果日報. http://www.appledaily.com.tw/appledaily/article/finance/20121013/34570873 2013年11月15日閲覧。 
  9. ^ (繁体字中国語)挑戰101租金 世貿二館改建南山廣場
  10. ^ (繁体字中国語)“世貿二館 南山268.8億天價得標”. 中国時報. (2012年7月20日). https://www.chinatimes.com/newspapers/20120720000454-260102?chdtv 
  11. ^ (繁体字中国語)王玉樹 (2013年11月28日). “台北南山廣場 打造親善商圈”. 中国時報. http://www.chinatimes.com/newspapers/20131128000436-260114 2016年6月17日閲覧。 
  12. ^ (繁体字中国語)重大建設!台北南山廣場開工動土,將成台北新地標2013-11-28,MyGoNews買購房地產新聞
  13. ^ YKK、台湾の大規模複合ビル工事を受注2015-05-05,香港ポスト
  14. ^ 三菱電機ビルシステム海外事業部 (2019-07-10). “台北南山広場”. Elevator Journal (日本エレベーター協会) (No.25): pp10-11. https://www.n-elekyo.or.jp/about/elevatorjournal/pdf/ElevatorJournal_No25_20190710.pdf 2019年7月15日閲覧。. 
  15. ^ (繁体字中国語)臺北南山廣場 榮獲鉑金獎2017-07-20,中国時報,
  16. ^ (繁体字中国語)亞太優良智慧綠建築暨系統獎 台灣獲7大獎2018-06-29,聯合報
  17. ^ a b c d e f g h i j (繁体字中国語)南山廣場今開幕 招租已達9成2018-06-11,聯合報
  18. ^ a b c 台湾におけるショッピングセンター事業、駅等 商業施設への開発・運営事業への共同出資2017-08-08,株式会社アトレ
  19. ^ (繁体字中国語)臺北市信義區松仁路100號的公司行號”. 台灣公司情報網. 2018年12月22日閲覧。
  20. ^ (繁体字中国語)火星區塊鏈有限公司”. 104人力銀行. 2018年12月23日閲覧。
  21. ^ (繁体字中国語)Google臉書等加碼台灣 人才是主要誘因 2019-04-14,聯合報
  22. ^ グーグルなど巨大企業の台湾投資拡大 主な誘因は「人材」 2019-04-15,フォーカス台湾
  23. ^ (繁体字中国語)蘋果分公司進駐南山廣場 月租591萬2018-12-07,聯合報
  24. ^ (繁体字中国語)香港商德勤太平洋企業管理咨詢有限公司台灣分公司”. 104人力銀行. 2018年12月22日閲覧。
  25. ^ (繁体字中国語)新加坡商愛芙健康管理顧問股份有限公司”. DATAGOVTW 資料臺灣. 2018年12月23日閲覧。
  26. ^ 台湾にて現地法人を設立 2018-07-17,三菱地所株式会社
  27. ^ 凃盈如. “1月10日終於要開了 微風南山公布獨家品牌”. 自由時報. 自由時報. http://ent.ltn.com.tw/news/breakingnews/2642803 2018年12月18日閲覧。 
  28. ^ 微風南山アトレ、19年1月グランドオープン2018-12-17,NNA ASIA
  29. ^ アトレが台湾進出、微風南山にSC出店へ2017-08-09,ワイズニュース
  30. ^ JR東日本、台湾にインバウンド拠点「JAPAN RAIL CAFE」が開業 2018-12-21,日本経済新聞

関連項目[編集]

外部リンク[編集]