信濃川発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
信濃川発電所
Ojiya power station.JPG
小千谷発電所(右)と新小千谷発電所(左)
1.千手発電所 2.小千谷発電所 3.小千谷第二発電所
日本の旗 日本
所在地 新潟県十日町市小千谷市
現況 運転中
事業主体 東日本旅客鉄道
テンプレートを表示

信濃川発電所(しなのがわはつでんしょ)は、新潟県信濃川流域に位置する東日本旅客鉄道(JR東日本)が所有する水力発電所である。管理業務は同社エネルギー管理センターの管轄下にある。

千手(せんじゅ)・小千谷(おぢや)・新小千谷(しんおぢや)の3つの発電所の総称である。合計最大出力は44万9,000キロワットで、JR東日本で消費する電力量の4分の1に当たるが[1]JR東日本信濃川発電所の不正取水問題の発覚により、2009年2月13日から2010年6月9日まで発電が停止された。

構成[編集]

千手発電所
1939年(昭和14年)に運用を開始した水力発電所。信濃川に建設した宮中取水ダム(みやなかしゅすいダム)左岸の宮中取水口より取り入れた水は、浅河原調整池を経て発電所に導かれる。5台の水車発電機を有し、出力は12万キロワット。なお、宮中取水ダムは東京電力信濃川発電所放水路の下流に位置し、同発電所で発電に使用した水も取り入れている。2020年現在、2027年3月完工を予定した改修工事が実施中。完成すれば発電機は現行の5基から4基に減少するが、もともと5基のうち1基は予備として停止させてきた発電体制を、常時4基を稼働させる体制に変更するため、実質的な発電能力に変更はない[2]
小千谷発電所
1951年(昭和26年)に運用を開始した水力発電所。千手発電所で発電に使用した水をそのまま水路によって導き、山本調整池を経て発電所に導かれる。5台の水車発電機を有し、出力は12.3万キロワット。
新小千谷発電所
1990年(平成2年)に運用を開始した水力発電所。信濃川に建設した宮中取水ダム左岸の新宮中取水口より取り入れた水は、山本第二調整池(旧称:新山本調整池)[3]を経て発電所に導かれる。2台の水車発電機を有し、出力は20.6万キロワット。
信濃川発電所
千手発電所 小千谷発電所 新小千谷発電所
形式 調整池式 自流 調整池式 自流 調整池式 自流
認可出力 120,000 kW 123,000 kW 206,000 kW
最大使用水量 - - m3/s - - m3/s - - m3/s
有効落差 - - m - - m - - m
水車発電機台数 5 5 2
運用開始 1939年 1951年 1990年

歴史[編集]

JR東日本による水利権に関する不正・隠蔽[編集]

首都圏の電力不足に従う措置[編集]

2011年平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)により、東京電力の発電所が相次いで被災・停止したため、関東地方で電力不足が起こり計画停電が実施され、鉄道各社でも運行本数の削減・列車の運休が相次いだ。

十日町市の提案と国土交通省の指示により、3月14日より信濃川の試験放流を暫定的に中断し、河川維持流量を毎秒7トンに低減させ、信濃川発電所の取水量を増して発電量を増やし[11]、JR東日本川崎火力発電所もフル稼働させて、東京電力へ電力の融通[12]を行った。

またJR東日本も、節電のため駅構内での照明の減灯、運行本数の削減・列車の臨時運休を行った。

信濃川へのサケ稚魚放流活動[編集]

2010年より中魚沼漁業協同組合の協力のもと、信濃川の河川環境と利用の調和を図る取組みの一環として、特定非営利活動法人「新潟水辺の会」との共催により、宮中取水ダム下流河川敷でサケ稚魚の放流を実施している。

観光施設[編集]

2016年7月、小千谷発電所近くに市民の家・小千谷信濃川水力発電館「おぢゃ〜る」がオープンした[13]

脚注[編集]

  1. ^ 環境活動 - クリーンな電力で列車を動かす (PDF) JR東日本
  2. ^ 昭和生まれの水力発電所、次の時代へ回れ”. 朝日新聞 (2020年11月29日). 2020年11月29日閲覧。
  3. ^ 山本第二調整池[新潟県] - ダム便覧” (日本語). 一般財団法人 日本ダム協会. 2019年3月22日閲覧。
  4. ^ a b c d e 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成(1976年度撮影)
  5. ^ 「三十六名今や絶望 生埋め惨事」『日本経済新聞』昭和25年9月6日 2面
  6. ^ 水が消えた大河。 - 朝日新聞新潟版 Archived 2009年2月17日, at the Wayback Machine.
  7. ^ JR東日本信濃川発電所の水利権取消しに - 十日町新聞
  8. ^ 東日本旅客鉄道(株)発電水利使用の不適切事案について -命令書を手交します- (PDF) - 国土交通省 北陸地方整備局
  9. ^ 東日本旅客鉄道(株)の信濃川の流水占有(千手、小千谷、小千谷第二発電所)について -許可を行いました- (PDF) - 国土交通省 北陸地方整備局
  10. ^ 信濃川発電所情報 - JR東日本(毎日11時頃までに情報更新)
  11. ^ a b 信濃川発電所における河川維持流量低減について
  12. ^ a b “JR東日本における自営電力の最大活用と電力使用量の節減について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道(JR東日本), (2011年3月18日), http://www.jreast.co.jp/press/2010/20110312.pdf 2011年3月22日閲覧。 
  13. ^ 市民の家・小千谷信濃川水力発電館7月21日オープン!! (PDF) 」 『広報おぢや』第949号、小千谷市、2016年7月10日、 1-7頁。

関連文献[編集]

  • 依藤義登「鐵道省千手發電所に就いて」『電氣學會雜誌』第60巻第622号、電気学会、1940年、 169-175頁、 doi:10.11526/ieejjournal1888.60.169

関連項目[編集]

外部リンク[編集]