東日本旅客鉄道労働組合

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東日本旅客鉄道労働組合
(JR東労組)
East Japan Railway Workers’ Union(JREU)
設立年月日 1987年昭和62年)2月
組合員数 13,540名(2018年5月)[1](JR東日本の職員・社員)
国籍 日本の旗 日本
本部所在地 151-8512
東京都渋谷区代々木2丁目2番6号JR新宿ビル13階
法人番号 3011005000948
加盟組織 全日本鉄道労働組合総連合会
公式サイト JR東労組

東日本旅客鉄道労働組合(ひがしにほんりょかくてつどうろうどうくみあい、略称:JR東労組(ジェイアールひがしろうそ)、英語:East Japan Railway Worker's Union、略称:JREU)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の労働組合。加入数最多の第一組合であった。組合員数は2018年7月現在で13,540名[1]

日本労働組合総連合会(連合)に所属している連合組織である全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)に加盟している。鳩山由紀夫内閣でも日本政府警視庁は、革マル派が浸透している組織と認識している[2][3]。なお、JR東労組側は関連性を否定している[4]

概要[編集]

国鉄分割民営化で誕生した、JR東日本最大多数派の労働組合である。JR東日本とは「共に国鉄改革を成し遂げる」目的から過去には協力関係にあり、JR東労組はJR東日本の諸施策に基本的に協力し、またJR東日本も会社幹部がJR東労組主催の行事等に参加するなどしていた。しかし、2018年春闘で将来にわたる一律定額ベアを要求し会社と対立が深まると、本部が地方を無視しストライキ予告を行うなど過激な運動が起こり関係性がかなり悪化した。このためJR東日本にある組合のなかで、唯一会社と労使共同宣言を締結していたが破棄される結果となった。結局ストは行われなかったものの、2018年2月の1ヶ月間で届出組合員数は2月1日の約4万7,000人から3月1日には約3万3,000人と大幅に減少。3月にも脱退の動きに歯止めがかからず、深沢祐二社長は4月3日、記者会見で過半数は割り込んでいるとの認識を示した[5]

JR東労組綱領[編集]

  • 1, 私たちは労働条件の維持・改善をはかり、経済的・社会的地位の向上をめざす。
  • 1, 私たちは鉄道労働者の使命を自覚し、技術の錬磨と人格の陶冶に励み、21世紀鉄道の興隆をめざす。
  • 1, 私たちは組合員の利益を第一義とする労働組合主義にもとづき、政党の支配・介入を許さず、団結を強化し、労働者の総結集をはかり、日本労働運動の統一と発展をめざす。
  • 1, 私たちは国民の先頭に立ち、個人の尊厳を尊重し、日本国憲法に沿った自由にして公正・平等・平和な社会の実現をめざす。
  • 1, 私たちは基本理念を同じくする国内外の労働者と連帯し、基本的人権の確立と世界平和の達成をめざす。

歴史[編集]

歴代委員長[編集]

  • 松崎明 1987年 - 1995年
  • 菅家伸 1995年 - 1996年
  • 柚木泰幸 1996年 - 2000年
  • 角岸幸三 2000年 - 2004年
  • 石川尚吾 2004年 - 2008年
  • 千葉勝也 2008年 - 2014年
  • 吉川英一 2014年 -

主な事件[編集]

三鷹電車区事件[編集]

1999年9月、当時JR総連・JR東労組に所属し三鷹電車区で勤務していた運転士がJR連合のメンバーと芋煮会に出席し、その運転士が嘘の供述を繰り返したことについてJR東労組が反発、「JR連合解体闘争宣言」と題した宣言を出した上で、当該運転士を「組織破壊者」と認定。運転士はJR東労組から脱退した。加えてJR東日本側は、当該運転士を運転業務からのシフトを外し日勤勤務とし、三鷹駅助勤を経て警備会社への出向と言う措置を取った。この措置に当該運転手は2007年に運転士復帰と損害賠償を求め提訴、2008年に運転士として復帰した。なお、2009年にJR東日本と和解が成立し、提訴を取り下げている。

浦和電車区事件[編集]

2000年12月から2001年7月にかけて、JR東労組に所属し浦和電車区で勤務していた青年部所属の運転士が前の勤務地の同僚らとキャンプに参加。その中にJRグリーンユニオン(後のJR東日本ユニオン)の組合員がいたが、このことが発覚すると、JR東労組が問題視。運転士は「JRグリーンユニオン組合員をJR東労組に勧誘する目的であった」という架空のストーリーを作ったが、辻褄が合わなくなって嘘が発覚。検察側は「JR東労組組合員から運転士に罵声を浴びせる等して東労組脱退を迫った。東労組脱退後も運転士はJR東労組合員らから退職強要を迫り、運転士は退職した」と主張。一方、弁護側は「罵声を浴びせたとする日時は、運転士とはすれ違っただけで全く会話をしていない。退職強要を迫ったとする日時は乗務交代などでいることは不可能」と主張した。なお、JR東労組組合員が発した言葉の一部は元運転士によって秘密録音された。この秘密録音の反訳をめぐっても検察と弁護側に食い違いが見られた。

その後、2002年11月、強要罪の疑いでJR東労組大宮地本副委員長ら組合員7人が逮捕された。JR東日本側は2007年7月の一審有罪判決後に6名を懲戒解雇処分(7名のうち1名は既に自己都合退職)とした。2012年2月6日、最高裁判所上告棄却する決定を下し、有罪が確定した。

起訴された組合員7人は344日間の拘留から美世志会(みよしかい)を結成し、懲戒解雇・退職の後にはJR東労組から専従職員として雇用され、現在もJR東労組と共に冤罪であるとして活動を続けている。またこの事件に関し、佐藤優[6]週刊金曜日[7]二木啓孝[8]警察・公安当局を批判している。

大量脱退[編集]

2018年2月中旬から4月1日までで、約2万9000人もの組合員が脱退し、同年1月時点で約4万7000人(社員の約8割が加入)の組合員が半数以下(30パーセント台)になったことが報じられた[9][10]。7月までに、全体の7割超に相当する3.3万人が脱退した[1]。きっかけは「格差ベア(個々の基準給に対する定率での定期昇給」ではなく一律同じ金額での昇給「定額ベア」を求めた労組による、スト権行使について会社と厚生労働省へ通告したものであったが、基本給の2.2%という高額な組合費や平和主義活動への批判も加わったもの、とされる[9]

なお、この大量脱退については不当労働行為ともとられる指示が会社より各地で行われていたと組合側は発している[11]

4月12日、JR東労組は臨時大会を開催し、一連の騒動の責任は中央本部にあるとし、委員長吉川英一の執行権剥奪、組合員資格停止処分を決定した[12]。6月の定期大会において、「敗北」と総括し、執行部を刷新した[1]

離脱した元組合員の一部は、親睦団体「社友会」を設立しているが、大半はいずれの組合にも加入していないとされている[13]

革マル派との関係[編集]

2010年2月、警視庁は広報誌にて「労働運動等への介入を強めた過激派」への動向に警鐘を鳴らした上で、JR東労組やJR総連革マル派が浸透しているとの認識を示した[3]。この事から佐藤勉衆議院議員第174回国会質問趣意書にて、鳩山由紀夫総理大臣に問い質したところ、総理は「JR総連及びJR東労組の影響を行使し得る立場に、革マル派活動家が相当浸透している」との答弁書を送付した[3]。さらに、8月3日に開催された第175回国会予算委員会にて平沢勝栄衆議院議員が「JR総連及びJR東労組の政策調査部長という幹部が民主党の公認で全国比例区から出馬し当選している」と指摘、それに対して中井洽防災担当相は「革マル派が相当浸透しているとの認識は事実である」と答弁した[14]。また、菅直人首相は「いろいろな労働団体、さらにはいろいろな各種の団体、そういうところから候補者が民主党から出たいということで、当時の執行部として判断されて公認をした」との答弁を行った[14]。なお、JR東労組側は関連性を否定している。

JR東労組が、週刊現代の連載記事「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」で名誉を傷付けられたとして、発行元の講談社とライターの西岡研介に損害賠償を求めた裁判で、最高裁判所は上告を棄却し、名誉棄損の成立を認めて770万円の賠償を命じた講談社と西岡研介側敗訴の判決が確定した[15]

政党との関係[編集]

2010年に民主党の田城郁JR総連と共に組織内候補している[16][17]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d JR東労組、7割超が脱退 春闘契機、組織運営に反発か朝日新聞 2018年7月30日
  2. ^ 岩手日報 (2011年2月21日). “首相、予算早期成立求める 政権維持へ意欲表明”. 2011年2月21日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b c 衆議院 (2010年5月11日). “第174回国会 430 革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問主意書”. 2011年2月21日閲覧。
  4. ^ 国家賠償請求訴訟の勝利判決にあたって
  5. ^ JR東労組の脱退者1万4千人 深沢祐二社長「過半数割ったのでは」産経新聞 2018年4月4日
  6. ^ 『佐藤優 国家を斬る』(同時代社)
  7. ^ 「JR総連への政治弾圧」 週刊金曜日 2008年2月8日号
  8. ^ 2005年11月講演
  9. ^ a b JR東労組、組合員2.8万人「大量脱退」の衝撃”. 東洋経済 (2018年4月10日). 2018年4月10日閲覧。
  10. ^ INC., SANKEI DIGITAL (2018年4月21日). “スト通告のJR東労組、2万9千人脱退 全体の半数割る” (日本語). 産経ニュース. https://www.sankei.com/economy/news/180421/ecn1804210003-n1.html 2018年4月20日閲覧。 
  11. ^ “18春闘情報「闘争委員会速報」|JR東労組東京地方本部│東京都│北区│労働組合” (日本語). JR東労組東京地方本部. http://jreu-t.jp/publics/index/80/ 2018年5月31日閲覧。 
  12. ^ 組合員資格を停止 JR東労組委員長労働新聞 2018.05.08
  13. ^ JR東労組「3万人脱退」で問われる労組の意義 JR労組の脱退問題続報、「無所属」が大量発生週刊東洋経済 2018年5月8日
  14. ^ a b 衆議院 (2010年8月3日). “第175回国会 予算委員会 第2号”. 2011年2月21日閲覧。
  15. ^ JR東労組巡る名誉毀損、週刊現代側の敗訴確定[リンク切れ]
  16. ^ [1]JR東労組とは 組織部情報 No.43 組織内予定候補「たしろ かおる」民主党公認決定
  17. ^ JR総連定期大会に近藤洋介選挙対策委員長代理が来賓として出席2017年06月06日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]