交通静穏化

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汐見台ニュータウンのハンプとフォルト

交通静穏化(こうつうせいおんか)とは住環境保全や交通安全のために自動車交通を抑制することである。英語のままトラフィック・カーミング(traffic calming)とも呼ばれる。最初の取り組みであるオランダのボンエルフの意訳としても呼ばれることもある。

取り組み[編集]

交通静穏化への取り組みは1970年代初めのオランダにおけるボンエルフ: woonerf、「生活の庭」の意)が始まりとされる。日本では、1980年に、大阪府大阪市長池町にコミュニティ道路が開通し、宮城県七ヶ浜町では西洋環境開発がボンエルフ建設に取り組んだ汐見台ニュータウンの分譲が開始された。

コミュニティ道路事業は1996年に「コミュニティゾーン」となって取り組みが広げられ、また、西洋環境開発は京都市西京区に建設した桂坂ニュータウンでもボンエルフを建設している。

その後、オランダでは交通信号道路標識をなくす「共有空間(Shared Space)」という考え方が提唱され、欧州連合の援助でドイツのボームテがこのプロジェクトに取り組んで国際的に注目されるなど、交通静穏化の手法は進化し続けている。

日本においても、2003年には国土交通省警察庁が進めるあんしん歩行エリアの指定による整備を進めている。

手法[編集]

ハンプ
狭窄
フォルト、ボラードなどを使用して車道の一部を狭くする。
蛇行(スラローム、クランク)
フォルトなどを使用して、車道を意図的に蛇行させ、車の直進を防ぎスピードを低下させる。
クルドサック: cul-de-sac、袋小路)
区域内を通過できない構造とし、地区に関係のない車の進入を防ぐ。もともと通過可能であった道路の一部を遮断したり、歩行者専用道路や一方通行にすることで、同様の効果を狙う場合もある。事故減少には有効な策である。ただし、周辺の道路交通が貧弱である場合は周辺の道路の渋滞を悪化させる短所もあるが、自動車の通行を最小限にする施策は重大事故大幅減につながる根本対策であり、人命優先には理想的。
ハンプの例。ソウル鐘路区嘉会路
イメージバンプの例
ハンプ(hump)[1]
Speed bump(英語版)も参照
道路上に低いカマボコ形の障害物を設けたり、路面の一部を盛り上げて舗装することによって、道路の横断方向に幅3-5m、高さ10-15cm程度の出っ張りを設けることで運転者にスピードの低下を促す。舗装材(アスファルト、コンクリート等)で成形したものの他、ゴム等の素材でできた製品を設置する場合もある。英語のhumpは「こぶ、起伏、土地の隆起」の意味。路面に物理的な凹凸をつけず、舗装の色や素材を変えてあたかも路面が盛り上がっているかのように見せる等、運転者の注意を引いて心理的な効果を狙うタイプを「イメージハンプ」という。
フォルト
一方の道路外側(がいそく)をもう一方の側に偏らせる構造。外側線や縁石などで車道の形状を蛇行させる。
ボラード
いわゆる「車止め(自動車の)」

脚注[編集]

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  1. ^ スリーピングポリスマンと呼ばれる場合もある

関連項目[編集]

外部リンク[編集]