ナフシャ

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天から堕ちるナフシャ。

ナフシャNahusaサンスクリット語: नहुष)は、インド神話に登場する王である。アーユスとスヴァルバーナヴィーの息子で、プルーラヴァスウルヴァシーの孫にあたる。妃プリヤヴァーサスとの間に、ヤティ、ヤヤーティ、サンヤーティ、アーヤーティ、パンチャ、ウッダヴァをもうけた。もともとは月種族に属する優れた君主であり、神々に請われて天界の支配者となったが、後に傲慢になったため天より追われた。

あるときインドラ神は過去の罪業(バラモン殺し、友情の裏切り)によってひどい罪悪感に襲われ、天から逃げ出したことがあった。そこで神々や聖仙はナフシャに神々の王位に就いて欲しいと頼んだ。ナフシャは辞退したが、神々は彼に、自分の視界に入った者からテージャス(威光)を吸収してより強力な力を持つという力を授け、天を治めさせた。ところが次第にナフシャは傲慢な性格となり、インドラの神妃シャチーを自分のものにしようとした。神々が止めようとすると、ナフシャはインドラ神が聖仙の妻アハリヤーを寝取ったことを挙げて、自分の行為の正当性を主張しさえした。一方、逃げたシャチーはブリハスパティの勧めにしたがって夫を捜すための猶予を乞う。シャチーはインドラを見つけると策略を授かり、ナフシャのもとに戻ってきた。そしてナフシャが神々のようなヴァーハナ(乗物)を持っていないことを指摘して、彼に聖仙を乗物とするよう勧めた。ナフシャはこれを気に入って聖仙たちを車につないで乗物とし、酷使した。

しかしナフシャは聖仙たちと論争になり、聖典ヴェーダの聖句を非難し、聖仙アガスティヤの頭に足で触れてしまった。こうした非法(アダルマ)によってナフシャはあらゆる福徳を失い、呪われて天から堕ち、1万年の間大蛇の姿となった。しかしナフシャの懇願によって許されたとも、子孫の1人ユディシュティラに救われたともいわれる。