バララーマ
| バララーマ | |
|---|---|
| 農耕と力の神 | |
|
クリシュナの兄バララーマ | |
| 位置づけ | シェーシャもしくはヴィシュヌの化身 |
| 武器 | 鋤、ガダ |
| 配偶神 | レヴァーティー |
| 親 | ヴァスデーヴァ(父)、デーヴァキー(生母)、ローヒニー(代理母) |
| 兄弟 | クリシュナ 、 スバドラー |
| 子供 | ニシャータ、ウルムカ 、 シャシレーカー/ヴァトサラ |
バララーマ(サンスクリット語:बलराम、 IAST :Balarāma)はヒンドゥー教の神であり、プラーナ文献の伝統による9番目のアヴァターラである。弟はクリシュナ。
概要
[編集]バララーマは他のアヴァターラとは違って、ヴィシュヌ自身ではなくむしろヴィシュヌの蛇アナンタである。彼は、トライアドの神の1人として、ジャガンナートの伝統において特に重要で[1]バラデバ、バラバドラ、ハラダラ、ハラユーダとしても知られており [2]最初の2つの形容詞は彼の強さを示し、最後の2つは、必要に応じて農機具を武器として使用した神として、彼を農業や農民との強い関係からハラ(ランガラ、「すき」) [3]と関連付けられている [4]
紀元後の最初の1000年の後半、インドで仏教が栄えると共にブッダが9番目のアヴァターラであると言われる事が顕著になり、それはヒンドゥー教に同化された(これがインドでの仏教の衰退に寄与した)。
ヴィシュヌ派の詩人ジャヤデーヴァ・ゴスヴァミ(12世紀)の有名な『ギータ・ゴーヴィンダ』のダシャーヴァターラ・ストートラではバララーマ(8番目のアヴァターラとして)とブッダ(9番目のアヴァターラとして)両方が賛美されている[5]。
ブッダはそのため多くのヒンドゥー教徒からブッダデーヴ(「聖なるブッダ」)と見なされる。しかし、仏教徒はブッダをアヴァターラとして考えない。現在のブッダをアヴァターラと考える著名なヒンドゥー思想家にサルヴパッリー・ラーダークリシュナンがいる。
一方、ドヴァイタの支持者は、異なった基準を(即ちヴェーダなどを拒絶して)説くため、特にブッダをアヴァターラと考えずに代わりにバララーマをそうであると考える。
伝説
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ヒンドゥー教の伝統において、バララーマは農民の守護神であり、「知識の先駆者」であり、農具や繁栄の象徴とされている[6]。 彼は農耕に関わる知識を豊富に有しており、ヤムナー川の水をヴリンダーヴァンに運ぶために水路を掘った[7]ほか、果樹園、農場、森林を復元した[8]。
彼は幼少期からほとんどの伝説においてクリシュナともに登場し、形と精神の両面でクリシュナを支えている。しかし時に、バララーマとクリシュナの対話において異なる見解が示される場面もある。
図像学
[編集]バララーマは、肌の色が濃いクリシュナとは対照的に色白に描かれることが多い[5]。加えて、武器として鋤と棍棒(ガダ)を持つ。
インド東部および中部で特に広く信仰されているジャガンナート信仰においては、白い顔にアーモンド型の目をした図像で表現される[9]。

脚注
[編集]- ↑ James G. Lochtefeld (2002). The Illustrated Encyclopedia of Hinduism: A-M. The Rosen Publishing Group. pp. 82–84, 269. ISBN 978-0-8239-3179-8
- ↑ Jan Gonda (1969). Aspects of Early Viṣṇuism. Motilal Banarsidass. pp. 99–100. ISBN 978-81-208-1087-7
- ↑ Jan Gonda (1969). Aspects of Early Viṣṇuism. Motilal Banarsidass. pp. 100, 152–153. ISBN 978-81-208-1087-7
- ↑ Lavanya Vemsani (2006). Hindu and Mythology of Balarāma. Edwin Mellen Press. pp. 30–31, 52–59, 68–69 with footnotes. ISBN 978-0-7734-5723-2
- 1 2 James Lochtefeld, ed (2014-1-1). The Illustrated Encyclopedia of Hinduism (2 Volume Set). Rosen Young Adult. p. 84
- ↑ Lavanya Vemsani (2016). Krishna in History, Thought, and Culture: An Encyclopedia of the Hindu Lord of Many Names. ABC-CLIO. pp. 23–25. ISBN 978-1-61069-211-3
- ↑ “Vishnu Purana 5.25” (英語). Vishnu Purana. 2026年4月27日閲覧。
- ↑ Lavanya Vemsani (2006). Hindu and Jain Mythology of Balarāma: Change and Continuity in an Early Indian Cult. Edwin Mellen Press. pp. 64–66, 94–100, 116–125. ISBN 978-0-7734-5723-2
- ↑ “「ジャガンナート三神の仮面」”. 「ジャガンナート三神の仮面」. 日本玩具博物館 (2008年10月1日). 2026年4月27日閲覧。
参考文献
[編集]- Beck, Guy L. (Ed.) (2005). Alternative Krishnas: Regional and Vernacular Variations on a Hindu Deity. SUNY Press. ISBN 0-7914-6415-6
- Doniger, Wendy (1993). Purana Perennis: Reciprocity and Transformation in Hindu and Jaina Texts. SUNY Press. ISBN 0-7914-1381-0
- Singh, Upinder (2016), A History of Ancient and Early Medieval India: From the Stone Age to the 12th Century, Pearson Education, ISBN 978-93-325-6996-6