ディパーテッド
ディパーテッド | |
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The Departed | |
監督 | マーティン・スコセッシ |
脚本 | ウィリアム・モナハン |
原作 |
オリジナル脚本 アラン・マック フェリックス・チョン |
製作 |
マーティン・スコセッシ ブラッド・ピット ジェニファー・アニストン ブラッド・グレイ グレアム・キング |
製作総指揮 |
G・マック・ブラウン ダグ・デイヴィソン クリスティン・ホーン ロイ・リー ジャンニ・ヌナリ |
出演者 |
レオナルド・ディカプリオ マット・デイモン ジャック・ニコルソン マーク・ウォルバーグ マーティン・シーン レイ・ウィンストン ヴェラ・ファーミガ アレック・ボールドウィン |
音楽 | ハワード・ショア |
撮影 | ミヒャエル・バルハウス |
編集 | セルマ・スクーンメイカー |
製作会社 |
プランBエンターテインメント イニシャル・エンターテインメント・グループ ヴァーティゴ・エンターテインメント 寰亞綜藝集團 |
配給 | ワーナー・ブラザーズ |
公開 |
2006年10月6日 2007年1月20日 |
上映時間 | 150分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $90,000,000[1] |
興行収入 |
$132,000,000[1] 15.6億円[2] $289,373,442[1] |
『ディパーテッド』(The Departed)は2006年公開のアメリカ映画。製作会社はワーナー・ブラザーズ。2002年から2003年に架けて3作品製作された大ヒット香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品。
監督・製作はマーティン・スコセッシ。出演はレオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグ。
第79回アカデミー賞作品賞受賞作品(外国映画のリメイク作品としては史上初である)。原題である「The Departed」 とは「分かたれたもの」転じて「体から離れた死者の魂」の意。R-15指定作品。
この作品でレオナルド・ディカプリオはマーティン・スコセッシと3度目のタッグを組んだ。 また、この作品のビリー・コスティガン役でニューズウィーク誌に「この役でディカプリオの新たな時代が到来した」と絶賛された。
2006年10月6日に全米で公開、日本では翌2007年1月20日に公開され、日米両方で初登場第1位を獲得した。
キャッチコピーは、「男は、死ぬまで正体を明かせない。」。
概要
警察に潜入したマフィアの男とマフィアに潜入した警察官の数奇な運命を描いたサスペンス映画。それぞれの任務を遂行するために互いの組織への潜入を試みるというストーリーはオリジナルにほぼ忠実であるが、物語の舞台となるアメリカ合衆国の独自色を強めることを目的としてアイリッシュ・マフィアやFBIが登場している。
本家の『インファナル・アフェア』は香港の闇社会と仏教観念を題材にしているのに対して本作品は、本家の“暗黒街”のモチーフを保ちつつボストンを舞台にニューヨークという土地に根付いた話に造り替えられている。
また、オリジナルでは第1作目を主軸に物語が展開されているが、登場人物を増やしたり結末を異なるものにしたりと本家とは多少異なる作品に仕上がった。
本編ではFBIと警察との対立を描きつつも、アイルランド系アメリカ人が抱える人種問題にもスポットを当てた。
本作によって「無冠の名監督」と呼ばれていたスコセッシ監督がアカデミー監督賞を受賞した。
ストーリー
マサチューセッツ州ボストン南部、通称「サウシー」。警察はこの街に蔓延する犯罪を撲滅すべく最終戦争に突入しようとしていた。標的は犯罪組織のトップ、フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)。その支配力を内部から崩そうと警察は新人警官のビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)を組織に潜入させる。
一方、コステロはスパイとして新人警官のコリン・サリバン(マット・デイモン)を送り込んでおり警察の捜査は筒抜けになっていた。お互い素性を隠して潜入生活を続けるビリーとコリンだったが、やがて警察もマフィアも内部に通報者がいることに気づき、お互いの情報源を使って、通報者を突き止めようとする。
キャスト
()内はDVD・Blu-ray日本語吹き替えキャスト。
- ビリー・コスティガン:レオナルド・ディカプリオ(内田夕夜)
- 父親は南部のブルーカラーで親戚に犯罪者の多いアイルランド系の家系に生まれたビリー。警察学校で優秀な成績を収めて刑事となり、クイーナン警部はその経歴に目をつけ危険な任務に相応しいと見込み、5年間に及ぶ暗黒街への潜入捜査を命じた。
- コリン・サリバン:マット・デイモン(竹若拓磨)
- コスティガンと同じくボストン南部で育ったサリバンはある商店でコステロと出逢い、彼の助力で幼い頃から正規の教育を受け警察学校に入り着実に階級を上がり"特別捜査課"に配属される。そこでの目的はコステロを逮捕することだった。
- フランク・コステロ:ジャック・ニコルソン(石田太郎)
- 地域の暗黒街のボス。サリバンの才能に着目しエリート警官の道を歩ませた。そしてサリバンに、自分の組織内の警察内通者を、見つけ出させようとする。
- クイーナン警部:マーティン・シーン(佐々木勝彦)
- コスティガンの経歴に目をつけ危険な潜入捜査の任務を与える。マサチューセッツ州警察の"特別捜査課"に配属されている。
- ティグナム巡査部長:マーク・ウォルバーグ(咲野俊介)
- クイーナン警部と同様に"特別捜査課"に配属されている。
- マドリン:ヴェラ・ファーミガ(本田貴子)
- 精神科医でサリバンの同棲相手。ビリーの担当医師。
- ミスター・フレンチ:レイ・ウィンストン(飯塚昭三)
- コステロの一の手下
- エーラビー警部:アレック・ボールドウィン(加藤亮夫)
- サリバンが配属されたエリート集団SIU-"特別捜査課"を率いる。
- ブラウン:アンソニー・アンダーソン(桜井敏治)
- サリバンの部下
- バーリガン:ジェームズ・バッジ・デール
- グウェン:クリステン・ダルトン
- コステロの情婦
その他
劇中、fuckなど下品な言葉の使用回数は『パルプ・フィクション』の271回を更新しなかったものの、237回とかなり多めである。
当初ヒロイン役には、すでに名の知れたケイト・ウィンスレットとヒラリー・スワンクが候補に挙げられていたが、スコセッシ監督はまだ無名だったヴェラ・ファミーガを起用した。
また、ブラッド・ピットがビリー・コスティガン役を演じる予定だったが、設定年齢とブラッド・ピットとの年齢差がありすぎることを理由に、辞退した。しかし、制作という形でこの作品に携わっている。
マーク・ウォールバーグの実の兄のロバート・ウォールバーグもFBI捜査官のフランク・ラツィオ役で出演しており、兄弟そろっての共演作でもある。
日本の地上波放送で放映された時は、ショッキングなシーンにはBGMを流すなどの配慮がとられた。
受賞・ノミネート
- 第79回アカデミー賞
- 受賞:作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞
- ノミネート:助演男優賞(ウォルバーグ)
- 第64回ゴールデングローブ賞
- 受賞:監督賞
- ノミネート:ドラマ部門作品賞、主演男優賞、助演男優賞(ニコルソン、ウォルバーグ)、脚本賞
- 第12回ブロードキャスト映画批評家協会
- 受賞:作品賞、監督賞
- ノミネート:脚本賞、主演男優賞、助演男優賞(ニコルソン)、アンサンブル演技賞、音楽賞
- 第27回ボストン映画批評家協会賞
- 受賞:作品賞、監督賞、助演男優賞、脚本賞
- ノミネート:アンサンブル・キャスト賞
- 第19回シカゴ映画批評家協会賞
- 受賞:作品賞、監督賞、脚色賞
- ノミネート:主演男優賞、助演男優賞(ニコルソン)、撮影賞
- 第11回フロリダ映画批評家協会賞
- 受賞:作品賞、監督賞、脚本賞、助演男優賞(ニコルソン)
- 第10回ラスベガス映画批評家協会賞
- 受賞:作品賞、監督賞
- 第77回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
- 受賞:作品部門トップ10、監督賞、アンサンブル演技賞
- 第72回ニューヨーク映画批評家協会賞
- 受賞:監督賞
- ノミネート:作品賞、脚本賞
- 第5回サテライト映画賞
- 受賞:ドラマ部門作品賞、助演男優賞(ディカプリオ)、脚色賞、アンサンブル賞
- ノミネート:監督賞、助演男優賞(ニコルソン)
脚注
- ^ a b c “The Departed (2006)”. Box Office Mojo. 2009年10月19日閲覧。
- ^ “日本映画産業統計 過去興行収入上位作品 (興収10億円以上番組) 2007年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年4月5日閲覧。