「溶岩円頂丘」の版間の差分
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[[ファイル:Fugen.JPG|thumb|250px|[[雲仙普賢岳]]の溶岩ドーム[[平成新山]]]] |
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[[ファイル:Lake Shikotsu Mt Tarumae01n3200.jpg|thumb|250px|[[樽前山]]の溶岩ドーム(右・台形状の小丘)。[[明治時代]]の噴火で形成された。]] |
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[[ファイル:有珠山.jpg|thumb| |
[[ファイル:有珠山.jpg|thumb|250px|[[伊達市]]側より望む[[有珠山]]。大有珠、小有珠のピークが溶岩ドーム]] |
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'''溶岩円頂丘'''(ようがんえんちょうきゅう)または'''溶岩ドーム'''<ref>{{Cite book|和書 |
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'''溶岩円頂丘'''(ようがんえんちょうきゅう)、または'''溶岩ドーム'''(ようがんドーム、{{Lang-en-short|Lava dome}})とは、[[粘度|粘り気]]の強い[[溶岩]]が地上に噴き出して出来るほぼ[[ドーム]]状の[[地形]]である。上空からは、大よそ[[円形]]にみえ、地上から見ると[[塚|土饅頭]]、あるいは[[古墳|円墳]]のような外観を成した[[隆起]]を成す。[[火山]]からの粘度の高い[[水飴]]状の[[溶岩]]が押し出されてできた。この用語はれっきとした[[火山学]]用語として広く使われている。溶岩ドームを構成する[[火山岩]]は[[玄武岩]]から[[流紋岩]]まで変化に富むが、現在まで保たれている大抵の溶岩ドームは[[二酸化ケイ素]]([[シリカ]])を高い含有比で含んでいる<ref name="eov">{{Citation |
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溶岩ドームを構成する[[火山岩]]は、[[玄武岩]]から[[流紋岩]]まで変化に富むが、現在まで保たれている大抵の溶岩ドームは[[二酸化ケイ素]]([[シリカ]])を高い含有比で含んでいる<ref name="eov">{{Citation |
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== 溶岩円頂丘の変遷 == |
== 溶岩円頂丘の変遷 == |
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溶岩ドームとは、動的な構造物である。成長、崩壊、凝結、そして[[侵蝕]]のような、長い時を超えて、それが経験するいろいろな[[地形輪廻|過程]]によって進化するものである。 |
溶岩ドームとは、動的な構造物である。成長、崩壊、凝結、そして[[侵蝕]]のような、長い時を超えて、それが経験するいろいろな[[地形輪廻|過程]]によって進化するものである。 |
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溶岩ドームは、その成長の仕方によって、内成(ないせい)ドームと外成(がいせい)ドームに分けられる<ref name="eov" />。前者つまり内成ドームは、新しく湧き上がってくるマグマを包み込むために、外側の固化した溶岩でできたドームの内側面が拡がることで |
溶岩ドームは、その成長の仕方によって、内成(ないせい)ドームと外成(がいせい)ドームに分けられる<ref name="eov" />。前者、つまり内成ドームは、新しく湧き上がってくるマグマを包み込むために、外側の固化した溶岩でできたドームの内側面が拡がることででき上がり、後者、つまり外成ドームは、溶岩がドームの表層部に積みあがることででき上がる。溶岩が[[火口]]から押し出されて遠くへ流れ出すのを阻まれるのは、溶岩の高い粘度のためである。それゆえ、どろどろの溶岩がドームの様な形状をつくり、野外のその場でゆっくりと冷却していくのである。ドームは成長するにつれ、その高さは数百メートルに達することがある。成長はゆっくりと、しかも着実に続けられる。生長期間は、[[九州]]・[[島原半島]]に聳える[[雲仙岳]]の[[平成新山]]を作った[[1990年]]噴火のように、数か月で収まる場合もあれば、[[カリブ海]]に浮かぶ[[モントセラト]][[火山島|島]]にある{{仮リンク|スーフリエール・ヒルズ|en|Soufrière Hills}}のように、数年にわたって続く場合も、またあるときには[[インドネシア]]・[[ジャワ島]]にある[[ムラピ山]]のように、数千年も生長期間が続く場合もある。 |
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これらの構造体の脇は不安定な[[岩屑]]([[デブリ]])で構成されている。[[圧力|ガス圧]]による途切れ途切れの積み重ねのため、まさに噴出中のドームは何度も爆発的な噴火エピソードをよく経験する。もし、まだ内部が溶融状態にある溶岩ドームの一部が崩壊しでもしたら、噴火現象のなかでも一番致命的な[[火砕流]]が発生しうる{{要出典|date=2011年2月}}。他の災害で溶岩ドームとかかわりのあるものは、ドーム状をした山体自体が崩壊すること、[[山火事]]、[[泥]]や[[雪]]や[[氷]]のそばで発生した火砕流によって引き起こされる[[ラハール|火山泥流]]([[土石流]])がある。 |
これらの構造体の脇は、不安定な[[岩屑]]([[デブリ]])で構成されている。[[圧力|ガス圧]]による途切れ途切れの積み重ねのため、まさに噴出中のドームは、何度も爆発的な噴火エピソードをよく経験する。もし、まだ内部が溶融状態にある溶岩ドームの一部が崩壊しでもしたら、噴火現象のなかでも一番致命的な[[火砕流]]が発生しうる{{要出典|date=2011年2月}}。他の災害で溶岩ドームとかかわりのあるものは、ドーム状をした[[山体]]自体が崩壊すること、[[山火事]]、[[泥]]や[[雪]]や[[氷]]のそばで発生した火砕流によって引き起こされる[[ラハール|火山泥流]]([[土石流]])がある。 |
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溶岩ドームは世界中に位置する殆どの[[成層火山]]にある、主要な構造上の特色を形付けるものでもある。溶岩ドームには流紋岩質のシリカが豊富に含まれる溶岩で作られているため、丁度、火口に栓を嵌めたような状態になりやすい。そのため、火山の爆発的噴火を、それが |
溶岩ドームは世界中に位置する殆どの[[成層火山]]にある、主要な構造上の特色を形付けるものでもある。溶岩ドームには流紋岩質のシリカが豊富に含まれる溶岩で作られているため、丁度、火口に[[栓]]を嵌めたような状態になりやすい。そのため、火山の爆発的噴火を、それがない状態よりも危険なものにしてしまう。 |
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溶岩ドームを作る噴火には、火道内の空間を充たすマグマと、それらから分離して生成されたガスのもたらす過剰な圧力が原因で起こる、浅く、長い周期の複合的な[[地震|火山性微動]]を伴うという特徴が含まれる。 |
溶岩ドームを作る噴火には、火道内の空間を充たすマグマと、それらから分離して生成されたガスのもたらす過剰な圧力が原因で起こる、浅く、長い周期の複合的な[[地震|火山性微動]]を伴うという特徴が含まれる。 |
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他の溶岩ドームの地学的特徴は、半球形をした形状、長期間にわたるドーム成長サイクル、突然起こる激甚な爆発的噴火があげられる<ref>Sparks, R.S.J. (1997)</ref>。ドームが平均して成長する割合は地下にマグマが供給される量を荒っぽく示したものとして使われることがある。しかしながら、それは溶岩ドームを作る噴火のタイミングや特徴とはシステマチックな相関を何も示さない<ref>Newhall, C.G., W.G. Melson (1983)</ref>。 |
他の溶岩ドームの地学的特徴は、半球形をした形状、長期間にわたるドーム成長サイクル、突然起こる激甚な爆発的噴火があげられる<ref>Sparks, R.S.J. (1997)</ref>。ドームが平均して成長する割合は、地下にマグマが供給される量を荒っぽく示したものとして使われることがある。しかしながら、それは溶岩ドームを作る噴火のタイミングや特徴とはシステマチックな[[相関]]を何も示さない<ref>Newhall, C.G., W.G. Melson (1983)</ref>。 |
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== 関連する地形 == |
== 関連する地形 == |
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=== 潜在円頂丘 === |
=== 潜在円頂丘 === |
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'''潜在円頂丘'''('''潜在ドーム''')とは、地下浅いところで粘性の強いマグマが蓄積することで |
'''潜在円頂丘'''('''潜在ドーム''')とは、地下浅いところで粘性の強いマグマが蓄積することでできる構造である。潜在ドームの一例として、[[1980年]]5月の[[セント・ヘレンズ山]]の噴火でできたドームがあげられる。火山の山腹が滑り落ちることで引き起こされた[[山体崩壊|大規模な地滑り]]の後で始まった爆発的な噴火が起こり、そのために山腹に張り出した山体直下の潜在ドームは、弾ける様に崩壊した。現在のセント・へレンズ山は、[[馬蹄形]]カルデラ内部に新たな溶岩円頂丘が成長している。 |
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北海道の有珠山は、活動の度に溶岩円頂丘や潜在円頂丘を形成する。[[1944年]]([[昭和]]19年)の活動では東麓に溶岩円頂丘・[[昭和新山]]が生まれ、[[1910年]]([[明治]]43年)の噴火では北麓に潜在円頂丘の[[明治新山]](四十三山)を作り出した。有珠山周辺に点在する金毘羅山、西丸山、東丸山などの小山は、いずれも有珠山の太古の活動で生まれた潜在円頂丘である。 |
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[[北海道]]の[[有珠山]]は、活動の度に溶岩円頂丘や潜在円頂丘を形成する。[[1944年]]([[昭和]]19年)の活動では、東麓に溶岩円頂丘・[[昭和新山]]が生まれ、[[1910年]]([[明治]]43年)の噴火では北麓に潜在円頂丘の[[明治新山]](四十三山)を作り出した。有珠山周辺に点在する金毘羅山、西丸山、東丸山などの小山は、いずれも有珠山の太古の活動で生まれた潜在円頂丘である。 |
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=== 溶岩流 === |
=== 溶岩流 === |
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<!-- Coulees are lava domes that have experienced some flow away from their original position, thus resembling both lava domes and lava flows.--> |
<!-- Coulees are lava domes that have experienced some flow away from their original position, thus resembling both lava domes and lava flows.--> |
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! 火山名 !! 所在国 !! 火山地域 !! 火山岩 !! ドームを形成した直近の噴火<br />若しくはドームを成長させた火山活動 |
! 火山名 !! 所在国 !! 火山地域 !! 火山岩 !! ドームを形成した直近の噴火<br />若しくはドームを成長させた火山活動 |
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| {{仮リンク|チャイテン火山|en|Chaitén (volcano)}} || [[チリ]] || [[アンデス火山帯]]・{{仮リンク|南火山域|en|Andean Volcanic Belt}} || 流紋岩 || 2009 |
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| [[:en:Puyehue-Cordón Caulle|Cordón Caulle]] || チリ || アンデス火山帯・南火山域 || {{仮リンク|流紋デイサイト|en|Rhyodacite}} から 流紋岩 || [[完新世]] |
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| [[カトラ火山]] || [[アイスランド]] || {{仮リンク|アイスランド・ホットスポット|en|Iceland hotspot}} || 流紋岩 || 1999 onwards <ref>{{Cite web |
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|title = Eyjafjallajökull and Katla: restless neighbours « The Volcanism Blog |
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| 名無し || [[日本]] || [[日本列島]] || 流紋岩 || [[中新世]]<ref>{{Cite journal |
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| 昭和新山 || 日本 || 北海道 || 流紋岩 || 1944 |
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| [[クレーターレイク国立公園]]<br />{{仮リンク|ウィザード島|en|Wizard Island}} || アメリカ合衆国 [[オレゴン州]] || カスケード山脈 || 玄武岩 || 2850 BC |
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== 脚注 == |
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== 参考文献 == <!-- {{Cite book}}、{{Cite journal}} --> |
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* [http://www.volcano.si.edu/world/tpgallery.cfm?category=Lava%20Domes Global Volcanism Program: Lava Domes] |
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* [http://volcanoes.usgs.gov/images/pglossary/LavaDome.php USGS Photo glossary of volcano terms: Lava dome] |
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|title = Causes and consequences of pressurisation in lava dome eruptions |
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* {{Citation |
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|last = Newhall |
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|title = Explosive activity associated with the growth of volcanic domes |
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|journal = Journal of Volcanology and Geothermal Research |
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}} |
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{{Refend}} |
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== 関連項目 == |
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{{Commonscat|Lava domes|溶岩ドーム}} |
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* [[火山]] |
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* [[溶岩]] |
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== 外部リンク == <!-- {{Cite web}} --> |
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* [http://www.volcano.si.edu/world/tpgallery.cfm?category=Lava%20Domes Global Volcanism Program: Lava Domes] {{リンク切れ|date=2012年2月}} |
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* {{Cite web |
|||
|author = |
|||
|date = 2009-07-17 |
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|url = http://volcanoes.usgs.gov/images/pglossary/LavaDome.php |
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|title = VHP Photo Glossary: Lava dome |
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|accessdate = 2012-02-07 |
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}} |
|||
* {{Cite web |
|||
|author = [[早川由紀夫]] |
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|date = |
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|title = 7-6 溶岩ドーム |
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}} |
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* {{Cite web |
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|author = 早川由紀夫 |
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|date = |
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|url = http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/volcanology/c4.html |
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|title = 4章 火山のかたち |
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|publisher = 群馬大学教育学部 |
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|accessdate = 2012-02-07 |
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* {{Cite web |
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|author = [[産業技術総合研究所]][[地質調査総合センター]] |
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|date = |
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|url = http://www.gsj.jp/geomap/geophoto/lavadomeJ.html |
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|title = 溶岩ドーム |
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|work = 地質図のホームページ |
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|publisher = <!-- ウェブサイトを設置している組織・団体・企業・官公庁など --> |
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|accessdate = 2012-02-07 |
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}} |
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* {{Cite web |
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|author = [[布袋厚]] |
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|date = 2008-05-10 |
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|url = http://www.fsinet.or.jp/~hoteia/nature/unzen/unzen08/unzen08a.html |
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|title = 雲仙火山溶岩ドーム |
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|work = 長崎自然史仮想博物館 |
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|publisher = <!-- ウェブサイトを設置している組織・団体・企業・官公庁など --> |
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|accessdate = 2012-02-07 |
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}} |
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{{地形}} |
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== 外部リンク == |
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* [http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/kazan/field/0706.html フィールド火山学 7-6 溶岩ドーム-早川由紀夫-] |
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* [http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/volcanology/c4.html 群馬大学 火山 四章 火山のかたち] |
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* [http://www.gsj.jp/geomap/geophoto/lavadomeJ.html 産業技術総合研究所 地質調査総合センター(GSJ) 地質図のホームページ]] |
|||
* [http://www.fsinet.or.jp/~hoteia/nature/unzen/unzen08/unzen08a.html 雲仙火山溶岩ドーム] |
|||
{{CommonscatN|Lava_domes|溶岩円頂丘}} |
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[[Category:火山]] |
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[[Category:火山学]] |
[[Category:火山学]] |
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2012年2月7日 (火) 12:52時点における版
溶岩円頂丘(ようがんえんちょうきゅう)または溶岩ドーム[1](ようがんドーム、英: Lava dome)とは、粘り気の強い溶岩が地上に噴き出してできるほ、ぼドーム状の地形である。上空からは、大よそ円形に見え、地上から見ると土饅頭、あるいは円墳のような外観を成した隆起を成す。火山からの粘度の高い水飴状の溶岩が押し出されてできた。この用語はれっきとした火山学用語として広く使われている。
概要
溶岩ドームを構成する火山岩は、玄武岩から流紋岩まで変化に富むが、現在まで保たれている大抵の溶岩ドームは二酸化ケイ素(シリカ)を高い含有比で含んでいる[2]。特徴的なドーム状の姿形は、マグマが非常に長距離を流れるのを邪魔する高い粘性のおかげである。この強い粘り気は二つの原因が有ってもたらされるものである。即ち、マグマ中の高いシリカ含有レベル、地下で溶融状態のマグマからガスが抜けること、この2つである。粘性の高い玄武岩性の、あるいは安山岩性の溶岩ドームは早く風化し、生成しても溶融状態の溶岩を地下からさらに加えることで簡単に分割してばらばらになる。それゆえ、保存された殆どの溶岩ドームはシリカ含有量が高い流紋岩かデイサイト質溶岩でできているのである。
溶岩円頂丘の変遷
溶岩ドームとは、動的な構造物である。成長、崩壊、凝結、そして侵蝕のような、長い時を超えて、それが経験するいろいろな過程によって進化するものである。
溶岩ドームは、その成長の仕方によって、内成(ないせい)ドームと外成(がいせい)ドームに分けられる[2]。前者、つまり内成ドームは、新しく湧き上がってくるマグマを包み込むために、外側の固化した溶岩でできたドームの内側面が拡がることででき上がり、後者、つまり外成ドームは、溶岩がドームの表層部に積みあがることででき上がる。溶岩が火口から押し出されて遠くへ流れ出すのを阻まれるのは、溶岩の高い粘度のためである。それゆえ、どろどろの溶岩がドームの様な形状をつくり、野外のその場でゆっくりと冷却していくのである。ドームは成長するにつれ、その高さは数百メートルに達することがある。成長はゆっくりと、しかも着実に続けられる。生長期間は、九州・島原半島に聳える雲仙岳の平成新山を作った1990年噴火のように、数か月で収まる場合もあれば、カリブ海に浮かぶモントセラト島にあるスーフリエール・ヒルズのように、数年にわたって続く場合も、またあるときにはインドネシア・ジャワ島にあるムラピ山のように、数千年も生長期間が続く場合もある。
これらの構造体の脇は、不安定な岩屑(デブリ)で構成されている。ガス圧による途切れ途切れの積み重ねのため、まさに噴出中のドームは、何度も爆発的な噴火エピソードをよく経験する。もし、まだ内部が溶融状態にある溶岩ドームの一部が崩壊しでもしたら、噴火現象のなかでも一番致命的な火砕流が発生しうる[要出典]。他の災害で溶岩ドームとかかわりのあるものは、ドーム状をした山体自体が崩壊すること、山火事、泥や雪や氷のそばで発生した火砕流によって引き起こされる火山泥流(土石流)がある。
溶岩ドームは世界中に位置する殆どの成層火山にある、主要な構造上の特色を形付けるものでもある。溶岩ドームには流紋岩質のシリカが豊富に含まれる溶岩で作られているため、丁度、火口に栓を嵌めたような状態になりやすい。そのため、火山の爆発的噴火を、それがない状態よりも危険なものにしてしまう。
溶岩ドームを作る噴火には、火道内の空間を充たすマグマと、それらから分離して生成されたガスのもたらす過剰な圧力が原因で起こる、浅く、長い周期の複合的な火山性微動を伴うという特徴が含まれる。
他の溶岩ドームの地学的特徴は、半球形をした形状、長期間にわたるドーム成長サイクル、突然起こる激甚な爆発的噴火があげられる[3]。ドームが平均して成長する割合は、地下にマグマが供給される量を荒っぽく示したものとして使われることがある。しかしながら、それは溶岩ドームを作る噴火のタイミングや特徴とはシステマチックな相関を何も示さない[4]。
関連する地形
潜在円頂丘
潜在円頂丘(潜在ドーム)とは、地下浅いところで粘性の強いマグマが蓄積することでできる構造である。潜在ドームの一例として、1980年5月のセント・ヘレンズ山の噴火でできたドームがあげられる。火山の山腹が滑り落ちることで引き起こされた大規模な地滑りの後で始まった爆発的な噴火が起こり、そのために山腹に張り出した山体直下の潜在ドームは、弾ける様に崩壊した。現在のセント・へレンズ山は、馬蹄形カルデラ内部に新たな溶岩円頂丘が成長している。
北海道の有珠山は、活動の度に溶岩円頂丘や潜在円頂丘を形成する。1944年(昭和19年)の活動では、東麓に溶岩円頂丘・昭和新山が生まれ、1910年(明治43年)の噴火では北麓に潜在円頂丘の明治新山(四十三山)を作り出した。有珠山周辺に点在する金毘羅山、西丸山、東丸山などの小山は、いずれも有珠山の太古の活動で生まれた潜在円頂丘である。
溶岩流
粘性の高い溶岩流は溶岩ドームがその成長した場所から流しだす作用を受けたものとみなせるので、流紋岩の溶岩流と溶岩ドームは似たものである[2]。
溶岩円頂丘の例
火山名 | 所在国 | 火山地域 | 火山岩 | ドームを形成した直近の噴火 若しくはドームを成長させた火山活動 |
---|---|---|---|---|
チャイテン火山 | チリ | アンデス火山帯・南火山域 | 流紋岩 | 2009 |
Cordón Caulle | チリ | アンデス火山帯・南火山域 | 流紋デイサイト から 流紋岩 | 完新世 |
ガレラス山 | コロンビア | アンデス火山帯・北火山域 | ||
カトラ火山 | アイスランド | アイスランド・ホットスポット | 流紋岩 | 1999 onwards [5] |
ラッセン山 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 | カスケード山脈 | 玄武岩 | 1917 |
ミーガー山 | カナダ ブリティッシュコロンビア州 | カスケード山脈 | デイサイト | 2350 BP |
ムラピ山 | インドネシア | スンダ弧 | ||
ネア・カメニ島 | ギリシャ サントリーニ島 | |||
Volcán Nuevo | チリ | アンデス火山帯・南火山域 | デイサイト | 1986 |
ピュイ・ド・ドーム | フランス 中央高地 | ピュイ火山列 | ca. 5760 BC | |
サンティ・アギート | グアテマラ | 中央アメリカ火山弧 | 流紋岩 | 2009 |
ソジプジ山 | チリ | アンデス火山帯・南火山域 | 安山岩 から デイサイト | |
スーフリエール・ヒルズ | モントセラト | 小アンティル諸島 | 2009 | |
セント・ヘレンズ山 | アメリカ合衆国 ワシントン州 | カスケード山脈 | 玄武岩 | 2008 |
トルヴァヨークトル | アイスランド | アイスランド・ホットスポット | 流紋岩 | |
名無し | 日本 | 日本列島 | 流紋岩 | 中新世[6] |
昭和新山 | 日本 | 北海道 | 流紋岩 | 1944 |
クレーターレイク国立公園 ウィザード島 |
アメリカ合衆国 オレゴン州 | カスケード山脈 | 玄武岩 | 2850 BC |
脚注
- ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、288頁。ISBN 4-8181-8401-2 。
- ^ a b c Fink, Jonathan H., Anderson, Steven W. (2001), Sigursson, Haraldur, ed., Bernard Lewis, Academic Press, pp. 307–319.
- ^ Sparks, R.S.J. (1997)
- ^ Newhall, C.G., W.G. Melson (1983)
- ^ “Eyjafjallajökull and Katla: restless neighbours « The Volcanism Blog” (英語) (2010年3月). 2012年2月7日閲覧。
- ^ Yoshihiko Goto; Nobutaka Tsuchiya (2004). “Morphology and growth style of a Miocene submarine dacite lava dome at Atsumi, northeast Japan”. Journal of Volcanology and Geothermal Research (Elsevier B.V.) 134 (4): 255–275. doi:10.1016/j.jvolgeores.2004.03.015. ISSN 0377-0273.
参考文献
- Sparks, R.S.J. (August 1997), “Causes and consequences of pressurisation in lava dome eruptions”, Earth and Planetary Science Letters 150 (3–4): 177–189, Bibcode: 1997E&PSL.150..177S, doi:10.1016/S0012-821X(97)00109-X
- Newhall, C.G.; Melson., W.G. (September 1983), “Explosive activity associated with the growth of volcanic domes”, Journal of Volcanology and Geothermal Research 17 (1–4): 111–131, doi:10.1016/0377-0273(83)90064-1
関連項目
外部リンク
- Global Volcanism Program: Lava Domes [リンク切れ]
- “VHP Photo Glossary: Lava dome” (英語) (2009年7月17日). 2012年2月7日閲覧。
- 早川由紀夫. “7-6 溶岩ドーム”. フィールド火山学 Fieldguide to Volcanoes. 群馬大学教育学部. 2012年2月7日閲覧。
- 早川由紀夫. “4章 火山のかたち”. 火山. 群馬大学教育学部. 2012年2月7日閲覧。
- 産業技術総合研究所地質調査総合センター. “溶岩ドーム”. 地質図のホームページ. 2012年2月7日閲覧。
- 布袋厚 (2008年5月10日). “雲仙火山溶岩ドーム”. 長崎自然史仮想博物館. 2012年2月7日閲覧。