比布駅
比布駅 | |
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駅舎(2021年9月) | |
ぴっぷ Pippu | |
◄W32 北永山 (5.7 km) (5.7 km) 蘭留 W36► | |
所在地 | 北海道上川郡比布町西町2丁目 |
駅番号 | ○W34 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■宗谷本線 |
キロ程 | 17.1 km(旭川起点) |
電報略号 | ヒフ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗降人員 -統計年度- |
186人/日 -2014年- |
開業年月日 | 1898年(明治31年)11月25日 |
備考 | 無人駅 |
比布駅(ぴっぷえき)は北海道上川郡比布町西町2丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅である。駅番号はW34。電報略号はヒフ。
歴史
比布駅は、北海道官設鉄道天塩線(現在の宗谷本線)の永山駅 - 蘭留駅間が1898年(明治31年)11月25日に開通した際に、一般駅として開設された[1]。初代の駅舎はこの年の8月25日に完成したもので、駅員は12名配置されていた[2]。1934年(昭和9年)11月に母屋が改築され[2]、2015年(平成27年)まで使用された駅舎はこの時のものであった[3]。1953年(昭和28年)に待合室が増築され、翌1954年(昭和29年)9月5日から駅待合室内に鉄道弘済会の構内売店が設置されて、1970年(昭和45年)4月30日まで営業していた[2]。また1955年(昭和30年)1月31日には跨線橋も完成した[2]。
国鉄の合理化問題が取り上げられると、無人化や貨物取り扱いの廃止が進められることになり[2]、1978年(昭和53年)12月1日には貨物の取り扱いが、1984年(昭和59年)2月1日には荷物の取り扱いが、それぞれ廃止となった[1]。1984年(昭和59年)11月に無人駅化され、町内の時計店に乗車券の発売が委託された[2]。この時計店の主人が1987年(昭和62年)7月に喫茶店「ペペ」を駅舎内で開業し、旅行客から人気を博したが、2010年(平成22年)6月に閉店し、完全無人駅となった[2]。JR北海道の駅舎建て替え計画により、従来の駅舎よりコンパクトなものとする計画が出てきたことから、比布町では新たな観光施設としてまちの顔になる駅舎を計画し、新築することになった[2][新聞 1]。従来の駅舎は2015年(平成27年)6月19日限りで使用を終了した[3]。
新駅舎は2016年(平成28年)3月15日に供用が開始され、半月後の4月1日に交流スペースを兼ねたカフェカウンター「ピピカフェ比布駅」がオープンした。
年表
- 1898年(明治31年)
- 1905年(明治38年)4月1日:鉄道作業局に移管[1]。
- 1912年(大正元年)9月21日:宗谷線に線名を改称。
- 1914年(大正3年):王子製紙苫小牧工場により愛別伐採林の石狩川流送木材陸揚網羽から当駅土場へ馬車軌道敷設。
- 1919年(大正8年)10月20日:宗谷本線に線名を改称。
- 1922年(大正11年):石北線開通により王子製紙の木材流送及び馬車軌道廃止。
- 1934年(昭和9年)11月:駅舎が改築される[2]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道(国鉄)に移管。
- 1953年(昭和28年):待合室増築[2]。
- 1954年(昭和29年)9月5日:待合室内において鉄道弘済会の売店が営業開始[2]。
- 1955年(昭和30年)1月31日:跨線橋完成[2]。
- 1970年(昭和45年)4月30日:この日限りで鉄道弘済会の売店営業終了[2]。
- 1978年(昭和53年)12月1日:貨物取扱い廃止[1]。
- 1984年(昭和59年)
- 1987年(昭和62年)
- 1990年(平成2年)秋:駅舎の外壁をこげ茶色から、町特産のいちごをイメージしたピンク色に塗装変更[2]。
- 2010年(平成22年)6月:喫茶店「ペペ」が閉店する[2]。
- 2015年(平成27年)6月19日:この日限りで旧駅舎の使用終了[3]。
- 2016年(平成28年)
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2016年の建て替え以前の旧駅舎
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1982年の旧駅舎
駅名の由来・エピソード
町名より。アイヌ語の、「ピピペッ(pipi-pet)」(石のごろごろしている・川)、あるいは「ピオプ」(pi-o-p)」(石の・多い・ところ)の転訛と考えられる[5]。現存する国鉄→JR線の駅で唯一、半濁音で始まる名前の駅となっている[2][注釈 1]。
1980年(昭和55年)には駅名に因み、製薬会社藤本(現:ピップ)の「ピップエレキバン」のテレビCM撮影が行われ、放映開始後は駅を訪問する旅客で賑わった[新聞 2]。CMには樹木希林と横矢勲(当時の藤本の会長)が出演、当時は両隣が北比布駅と南比布駅だったことからCMの最後は「僕、北比布」「そんじゃあ、私は南比布だもん」と言って両方向に歩き出すというシーンであった[新聞 3][注釈 2]。2015年には比布町がこのCMをまねたPR動画を公開した[6]。
駅構造
相対式2面2線の地上駅で、2番線(駅舎と反対側)は一線スルー構造となっている。一線スルー構造になる前は2面3線であった。
ホーム間の移動は跨線橋を使う。
かつては有人駅だったが、後に無人駅となっている。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
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1・2 | ■宗谷本線 | 上り | 旭川方面 |
下り | 名寄・音威子府方面 |
-
待合室(2021年9月)
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1番線ホーム(2021年9月)
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2番線ホーム(2021年9月)
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跨線橋(2021年9月)
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駅名標(2017年10月)
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現駅舎に展示される国鉄時代の駅名標のレプリカ(2017年10月)
利用状況
- 1962年(昭和37年)の1日平均乗車人員は989人[7]。
- 2013 - 2017年(平成25 - 29年)の乗車人員(特定の平日の調査日)平均は112.4人[8]。
- 2015 - 2019年(平成27 - 令和元年)の乗車人員(特定の平日の調査日)平均は101.0人[9]。
1日の平均乗降人員は以下の通りである[10]。
乗降人員推移 | |
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年度 | 1日平均人数 |
2011 | 222 |
2012 | 214 |
2013 | 196 |
2014 | 186 |
駅周辺
比布町の中心駅。街の機能がそろう。
- 国道40号・北海道道390号比布停車場線
- 比布町役場
- 旭川中央警察署比布駐在所
- 比布郵便局
- 旭川信用金庫比布支店
- 比布町農業協同組合(JAぴっぷ町)
- 地域ふれあい館「ブンブンハウス」(休憩・宿泊施設)
- 北海道上川農業試験場
- 百年記念公園
- 比布神社
- 道北バス「比布」バス停
隣の駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- ■宗谷本線
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』第2巻 pp.896 - 897
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “広報ぴっぷ” (PDF). 比布町. pp. 2 - 3 (2015年5月). 2015年6月21日閲覧。
- ^ a b c 佐藤正樹 (2015年6月21日). “宗谷本線比布駅の木造駅舎が解体へ…新駅舎は本年度中に完成”. Response. 2015年6月21日閲覧。
- ^ “「通報」●函館本線江部乙駅ほか49駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年11月9日)
- ^ “アイヌ語地名リスト ノブト~ヒラキ P101-110”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- ^ “35年前のCM再現、北海道・比布町のPR動画が話題に”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2015年12月31日). 2016年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月23日閲覧。
- ^ 比布町史刊行委員会 編『比布町史』比布町、1964年、869頁。doi:10.11501/3018824 。
- ^ “駅別乗車人員(【別添資料】(2)宗谷本線(旭川・稚内間)の状況)” (PDF). 宗谷線(旭川~稚内間)事業計画(アクションプラン). 北海道旅客鉄道. pp. 11-12 (2019年4月). 2019年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月18日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員(【別添資料】(2)宗谷本線(旭川・稚内間)の状況)” (PDF). 宗谷線(旭川~稚内間)第2期事業計画(アクションプラン). p. 10 (2021年4月16日). 2021年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月29日閲覧。
- ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月21日閲覧
新聞記事
- ^ 石橋治佳 (2016年10月9日). “新比布駅舎 まちなかに活気 オープン半年 イベント集客増” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(道北) (北海道新聞社). オリジナルの2016年10月10日時点におけるアーカイブ。 2016年10月10日閲覧。
- ^ エレキバンCMで有名に、比布駅建て替え 希林さん感慨 - 朝日新聞DIGITAL(朝日新聞社、2015年6月20日付、同日閲覧)
- ^ テツの広場『JR北の18駅が廃駅に あのCMの「ピップ」駅の隣も』 - 朝日新聞DIGITAL(朝日新聞社、2021年3月13日付、2021年3月14日閲覧)
参考文献
- 『王子製紙山林事業史』(1976年発行)
- 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。