パラリンピック・マスコットの一覧

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パラリンピック・マスコットの一覧(パラリンピック・マスコットのいちらん)は、パラリンピックのマスコットの一覧である。

最初のパラリンピック・マスコットは、1980年アーネムパラリンピックのためにオランダの放送局AVROが開催したコンペティションにて制作された「2匹のリス」で、競技大会において重要な役割を担った[1][2]

夏季パラリンピック[編集]

開催年 都市 名前 特徴 デザイン 備考 写真
1980年 オランダの旗 アーネム ゴンドリ[要出典] 2匹のリス[2] Necky Oprinsen[2] 最初のパラリンピック・マスコット[2]
1984年 アメリカ合衆国の旗 ニューヨーク ダン・ディー・ライオン[3] ライオン[4] Maryanne McGrath Higgins[4] 名前はニューヨーク・アルバートソンの特別支援学校の生徒による投票で決定された[4]
イギリスの旗 ストーク・マンデヴィル ストーク・マンデヴィルで開催された大会には公式のマスコットはいなかった[4]
1988年 大韓民国の旗 ソウル コンドリ[3](コムドリ) 2頭のツキノワグマ[5] Lee Yun Soo 名前は韓国語で「テディベア」を意味する[3][5]
1992年 スペインの旗 バルセロナ ペトラ[3] 腕のない少女[6] ハビエル・マリスカル英語版[6] ハビエル・マリスカルは1992年バルセロナオリンピック・マスコットのコビーもデザインした[6]
1996年 アメリカ合衆国の旗 アトランタ ブレイズ[3] フェニックス[7] Trevor Irvin[7] フェニックスは再生、忍耐、決意の象徴であるだけでなく、アトランタ市のシンボルでもある[7]。鮮やかな色で、翼幅と体高が大きいデザインは障害を持つ人々が充実した人生を送るための意思と決意を表している[7]。また、ブレイズはブレイズスポーツ・アメリカのシンボルとして、アメリカ合衆国で最も知られる障害者スポーツのシンボルとなった[7]
2000年 オーストラリアの旗 シドニー リジー[3] エリマキトカゲ[8] フリルオーストラリア大陸の形、黄土色の体は国土の色を表している[8]
2004年 ギリシャの旗 アテネ プロテアス[3] タツノオトシゴ[9] Spyros Gogos[9]
2008年 中華人民共和国の旗 北京市 フーニウララ[3] ウシ[10] Wu GuanYing[10] 名前の「フー (Fu)」は「幸運」、「ニウ (Niu)」は「牛」、「ララ (Lele)」は「幸福」を意味する[3]。色は中国の伝統的な新年の贈り物や年画から選ばれた[10]
2012年 イギリスの旗 ロンドン マンデヴィル オリンピックスタジアムの最後の鋼桁[11] Iris[12] 名前はパラリンピックの前身となったストーク・マンデヴィル競技大会発祥の地であるストーク・マンデヴィル・ホスピタルに由来[11]。光沢のある鋼鉄の体は出会う人々の外見と性格を映し、目はカメラ、額にはロンドンタクシーを思い出させる黄色のライトがある[11]。ヘルメットの3つのスパイクはパラリンピックロゴの「スリー・アギトス」を表している[11]
2016年 ブラジルの旗 リオデジャネイロ トム[3] ブラジルの植物相[13] Birdo Produções[14] 名前は「イパネマの娘」を作曲したアントニオ・カルロス・ジョビン(愛称はトム)に由来[15]。Birdoは2016年リオデジャネイロオリンピック・マスコットのビニシウスもデザインした[14]
2020年 日本の旗 東京都 ソメイティ 桜の触覚と超能力を持つクールなキャラクター[16] 谷口亮[17] ピンク色と白のキャラクターで、性格はクール。顔の両サイドにあるの触角で、テレパシーを送受信している。また、市松模様のマントで空を飛ぶことができる。普段は物静かだが、いざとなると誰よりもパワフル。自然を愛する優しさを持ち、超能力を使って石や風と話せる。また、見るだけで物を動かす念力もある。名前は、桜を代表する品種「ソメイヨシノ」と非常に力強いという意味の英語「so mighty」から生まれた[18]
小学生の投票により2018年2月28日にデザインが決定[17]
2024年 フランスの旗 パリ パラリンピック・フリージュ フリージュ Joachim Roncin
2028年 アメリカ合衆国の旗 ロサンゼルス 2026年に発表予定。 未定 未定
2032年 オーストラリアの旗 ブリスベン 未定 未定 未定

冬季パラリンピック[編集]

開催年 都市 名前 特徴 デザイン 備考 写真
1992年 フランスの旗 アルベールヴィル アルピー[3] グランドモット山[19] Vincent Thiebaut[19] 運動能力を強調するためにチェアスキーをしている様子が描かれている[19]
1994年 ノルウェーの旗 リレハンメル ソンドレ[3] 片足のトロール[20] 学校間で行われた全国的なコンペティションで、Janne Solemのデザインが選ばれた[20]。名前は別のコンペティションで、現代スキーの先駆者の一人であるソンドレ・ノルハイム英語版に由来する「ソンドレ」が選ばれた。[20]
1998年 日本の旗 長野市 パラビット[3] 緑の耳と赤の耳を持つ白ウサギ[21] 名前は学生間で行われたコンペティションで、3,408件の中から選ばれた[21]
2002年 アメリカ合衆国の旗 ソルトレイクシティ オットー[3] カワウソ[22] カワウソはユタ州で長い歴史を持つ動物で、かつてユタ州に住んでいたネイティブ・アメリカンには最も強い動物の一つだと考えられていた[22]。また、20世紀初頭に絶滅の危機に瀕していたが、1990年に野生に戻すことに成功しており、最大の妨げさえも克服できることを示している[22]
2006年 イタリアの旗 トリノ アスター[3] スノーフレーク[23] Pedro Albuquerque[23]
2010年 カナダの旗 バンクーバー スミ[3] 守護神[3] Meomi Design[24] シャチがモデルになっており、サンダーバードの翼の腕、アメリカグマの脚を持つキマイラ[24]。キャラクターは先住民族のイメージを反映し、名前はセイリッシュ語で「守護精神[3]」を意味する「Sumesh」に由来[24]
2014年[25] ロシアの旗 ソチ レイ・オブ・ライト[3] レイ・オブ・ライト Natalia Balashova[26]
スノーフレーク[3] スノーフレーク Anna Zhilinsky[26]
2018年 大韓民国の旗 平昌郡 バンダビ[3] ツキノワグマ[27] Mass C&G[28] ツキノワグマは韓国神話に登場し、韓国の文化と民俗に密接に関係している[27]。また、江原道のシンボルでもある[27]。名前の「バンダ (Banda)」は半月(ツキノワグマの胸部にある三日月形の白い斑紋)を意味するbandalから、「ビ (bi)」は競技大会を祝福する意味を持つ[27]
2022年 中華人民共和国の旗 北京市 シュエロンロン 提灯 Jiang Yufan
2026年 イタリアの旗 ミラノ/コルティーナ・ダンペッツォ 2024年に発表予定。 未定 未定

脚注[編集]

  1. ^ Paralympic Games Macots”. International Paralympic Committee. 2017年12月22日閲覧。
  2. ^ a b c d Arnhem 1980 Paralympic Mascot Two squirrels”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 東京2020大会 マスコットデザイン - 愛されるマスコットの歴史 パラリンピック”. 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会. 2018年4月7日閲覧。
  4. ^ a b c d New York 1984 Paralympic Mascot Dan D. Lion”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  5. ^ a b Seoul 1988 Paralympic Mascot The Gomdoori”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  6. ^ a b c Barcelona 1992 Paralympic Mascot Petra”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  7. ^ a b c d e Atlanta 1996 Paralympic Mascot Blaze”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  8. ^ a b Sydney 2000 Paralympic Games - Lizzy”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  9. ^ a b Athens 2004 Paralympic Games - Proteas”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  10. ^ a b c Beijing 2008 Paralympic Games - Fu Niu Lele”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  11. ^ a b c d London 2012 Paralympic Games – Mandeville”. International Paralympic Committee. 2017年12月22日閲覧。
  12. ^ Meredith buys stake in London 2012 agency Iris”. The Guardian (2011年10月21日). 2017年12月24日閲覧。
  13. ^ Rio 2016 Paralympic Games Mascot - Tom”. International Paralympic Committee. 2017年12月22日閲覧。
  14. ^ a b Meet the Rio 2016 Olympic and Paralympic Games mascots and help choose their names”. rio2016.com (2014年11月23日). 2016年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  15. ^ リオ五輪マスコットはビニシウス 「イパネマの娘」に由来”. JOC (2014年12月15日). 2017年12月22日閲覧。
  16. ^ 東京五輪の大会マスコット決定 市松模様のキャラに - ITmedia、2018年2月28日
  17. ^ a b 東京五輪・パラ:マスコットが決定 谷口亮氏デザインに”. 毎日新聞 (2018年2月28日). 2018年4月8日閲覧。
  18. ^ “東京2020マスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」がデビューしました!”. 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会. (2018年7月22日). https://tokyo2020.org/jp/news/notice/20180722-01.html 
  19. ^ a b c Tignes-Albertville 1992 Paralympic Mascot Alpy”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  20. ^ a b c Lillehammer 1994 Paralympic Winter Games – Sondre”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  21. ^ a b Nagano 1998 Paralympic Winter Games – Parabbit”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  22. ^ a b c Salt Lake City 2002 Paralympic Winter Games – Otto”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  23. ^ a b Torino 2006 Paralympic Winter Games - Aster”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  24. ^ a b c Vancouver 2010 Paralympic Winter Games - Sumi”. International Paralympic Committee. 2017年12月21日閲覧。
  25. ^ Sochi 2014 Paralympic Winter Games – Ray of Light & Snowflake”. International Paralympic Committee. 2017年12月22日閲覧。
  26. ^ a b Five Mascots Selected for Sochi 2014”. talisman.sochi2014.com (2011年2月26日). 2014年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  27. ^ a b c d PyeongChang 2018 Paralympic Mascot Bandabi”. International Paralympic Committee. 2017年12月22日閲覧。
  28. ^ (Yonhap Interview) PyeongChang Olympics' unlikely star: Soohorang the white tiger”. 聯合ニュース (2018年2月19日). 2018年4月8日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]