トゥー・ヴァージンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
「未完成」作品第一番 トゥー・ヴァージンズ
ジョン・レノンオノ・ヨーコスタジオ・アルバム
リリース 1968年11月29日
録音 1968年5月19日
ジャンル 前衛音楽
時間 32分59秒
レーベル アップル・レコード / ライコディスク
プロデュース ジョン・レノンオノ・ヨーコ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 124位(アメリカ[1]
ジョン・レノンオノ・ヨーコ 年表
- トゥー・ヴァージンズ
(1968年)
ライフ・ウィズ・ザ・ライオンズ
(1969年)
テンプレートを表示

「未完成」作品第一番 トゥー・ヴァージンズ(みかんせいさくひんだいいちばん とぅー・ばーじんず, 原題Unfinished Music No.1: Two Virgins)は、1968年に発表されたジョン・レノンヨーコ・オノのアルバムである。

解説[編集]

制作過程[編集]

レノンは1960年代中盤から前衛音楽に興味を抱き、自作のアルバムを制作する構想を持っていた。1966年にレノンはアメリカ前衛芸術家として活動していたオノとロンドンで出会い、翌年にはオノの個展に出資したり、オノをビートルズレコーディングセッションに招待したりするようになった。レノンがインドマハリシ・マヘシ・ヨギ修行を受けに行っていた1968年2~4月には、2人は文通で密に連絡を取り合っていた。このようにして次第にオノへの思慕を深めていったレノンは、1968年5月19日夜、妻シンシアの旅行中にオノを自宅に招待し、翌日明け方にかけて、前衛音楽のアルバム制作に着手した。『トゥー・ヴァージンズ』はこのときに2人が完成させた最初のアルバムであり、その内容はレノンとオノが即興で出した音ばかりを集めた計12曲で成り立っている。なおレノンは、本作録音中にオノと初めて肉体的に結ばれたことを公言し、宣伝に利用していた。以後、オノはレノンと同棲生活を始め、常に行動を共にするようになった。

アルバムジャケット問題とリリース[編集]

このアルバムで最も有名なのはその内容ではなく、制作中の出来事に関連して、レノンとオノが全裸で写ったジャケット写真である。これは当時2人が同棲生活を送っていた、リンゴ・スターが所有していたアパートで撮影された。陰茎を露出したレノンと、乳房陰毛を露出したオノが写ったこのジャケット(参照)はイギリスアメリカだけでなく、全世界で大きな物議を醸した。彼が所属していたビートルズは1968年にアップル・レコードを設立し、以降数年間メンバーは、このレーベルからレコードを発売し続けている。しかし、アップル・レコードのディストリビュート先であったイギリスのEMIやアメリカのキャピトル・レコードは、ジャケット写真に大きな抵抗感を示してこのアルバム発売を拒否した。そのため、イギリスとアメリカでは別のレコード会社(英トラック、米テトラグラマトン)の配給でリリースされた。アメリカ盤は二人の顔のみ印刷された茶色のカバーに入れて出荷された。

日本ではビートルズの作品を販売していた東芝音楽工業(現EMIミュージック・ジャパン)を始めとするあらゆるレコード会社が、猥褻図書販売の容疑で警察の手入れを受けてしまうことを恐れたため、リリース当時には本作は発売されなかった。事実、このアルバムのジャケット写真を掲載した雑誌「フォークリポート」1970年冬の号は、同じ号に掲載されたポルノ小説との合わせ技とは言え、大阪府警と曽根崎署に猥褻文章図画販売の容疑で出版元強制捜査を受ける事態となっている。

リンゴもこの件に関して「なあ、ジョン。君はいいと思ってやっているのかもしれないが、ちょっとは僕たちのことも考えてくれ。庇うのが大変なんだから」と忠告している。

1997年ライコ・レコードから初めてCD化され、日本では公式リリースから29年ぶりにビデオアーツ・ミュージックから発売される運びとなった[2]。このリイシューの際に英・米ステレオ盤LPで12曲に分かれていたセクションは、英モノラル盤LP同様「サイド・ワン」と「サイド・トゥー」と名づけられた2つのトラックに統合された。さらに、ボーナス・トラックとしてオノの自作曲「リメンバー・ラヴ」が追加収録されている。

収録曲[編集]

  1. "Two Virgins Side One": – 14:14
    • "Two Virgins No. 1"
    • "Together"
    • "Two Virgins No. 2"
    • "Two Virgins No. 3"
    • "Two Virgins No. 4"
    • "Two Virgins No. 5"
  2. "Two Virgins Side Two": – 15:13
    • "Two Virgins No. 6"
    • "Hushabye Hushabye"
    • "Two Virgins No. 7"
    • "Two Virgins No. 8"
    • "Two Virgins No. 9"
    • "Two Virgins No. 10"

Rykodisc CD bonus track: "Remember Love"

脚注[編集]

  1. ^ Unfinished Music, No.1: Two Virgins - John Lennon, Yoko Ono | Awards | AllMusic
  2. ^ ライコ・ディスク特有のケース全体を覆うオーバーカバーが付けられ、日本盤では同様のデザインのカードが付属している