メンローヴ・アヴェニュー

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メンローヴ・アヴェニュー
ジョン・レノンコンピレーション・アルバム
リリース
録音 1973年1974年
ジャンル ロック
時間
レーベル パーロフォンEMI
EMIミュージック・ジャパン
プロデュース ジョン・レノン
フィル・スペクター(#1, #3, #4, #5のみ)
専門評論家によるレビュー
ジョン・レノン アルバム 年表
ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ
(1986年)
メンローヴ・アヴェニュー
(1986年)
イマジン(サウンドトラック)
(1988年)
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メンローヴ・アヴェニュー』(英語: Menlove Ave.)は、ジョン・レノンの死後6年目の1986年にリリースされた、1973年から74年の間にレコーディングされた未発表音源を集めたコンピレーション・アルバムである。レノンの未亡人であるオノ・ヨーコが監修した。

アルバム・タイトルはレノンが幼少期を過ごした伯母ミミの家(通称:メンディップス)のある、リヴァプールメンローヴ・アヴェニュー251番地にちなんでいる[注釈 1]

解説[編集]

2年前の『ミルク・アンド・ハニー』に続く、レノンの死後2作目の未発表音源集である。過去のアーカイヴから編集されたものとしては最初のアルバムである。

サイド1は、1973年にロサンゼルスで行われたオールディーズ・カバー・アルバム『ロックン・ロール』のレコーディング・セッション録音されたもの。「ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン」はこのセッションで唯一のオリジナル楽曲。但し「ロック・アンド・ロール・ピープル」のみ、アルバム『マインド・ゲームス』のレコーディング・セッションで録音されたもの。この曲はジョニー・ウィンターのアルバム『俺は天才ギタリスト』(1974年)に提供された[1]。「エンジェル・ベイビー」は元の音源を編集で約30秒引き伸ばしている。

サイド2は、アルバム『心の壁、愛の橋』のリハーサル・セッションで録音されたものである。

1986年のクリスマスにリリースされたこのアルバムにはレノンの未発表音源が収録されていたにもかかわらず、プロモーションをほとんど行わなかったため、イギリスではチャートインできず、アメリカでは127位が最高位という低調な結果に終り、レノンにとって当時最も成功しなかったアルバムとなってしまった。

2023年現在、廃盤で配信・ストリーミング共に行われていない。

アートワーク[編集]

このアルバムのアートディレクションはマーク・シューリー[注釈 2]とロイ・コハラ[注釈 3]が担当した。1980年にレノンが亡くなる数ヶ月前にアンディ・ウォーホルが制作したポートレートが使われている[4][注釈 4]

収録曲[編集]

オリジナル・アナログ・LP[編集]

サイド1
#タイトル作詞・作曲時間
1.「ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン」(Here We Go Again)
2.「ロック・アンド・ロール・ピープル」(Rock 'n' Roll People)ジョン・レノン
3.エンジェル・ベイビー(Angel Baby)ロージー・ハムリン
4.マイ・ベイビー・レフト・ミー(Since My Baby Left Me)アーサー・クルーダップ
5.トゥ・ノウ・ハー・イズ・トゥ・ラヴ・ハーフィル・スペクター
合計時間:
サイド2
#タイトル作詞・作曲時間
1.鋼のように、ガラスの如く(Steel and Glass)ジョン・レノン
2.心のしとねは何処(Scared)ジョン・レノン
3.枯れた道(Old Dirt Road)
4.愛の不毛(Nobody Loves You (When You're Down and Out))ジョン・レノン
5.果てしなき愛ジョン・レノン
合計時間:

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ メンローヴ・アヴェニューは、リヴァプール南部にある長い道路である。レノンの母ジュリアは、この通りを横断中に自動車事故で亡くなっている。
  2. ^ アメリカのグラフィックデザイナー、アートディレクター。ボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンドの『ライク・ア・ロック』、リトル・リバー・バンドの『ノー・レインズ』、エリック・クラプトンの『ラッシュ』のグラフィック・デザインを担当した[2]
  3. ^ アメリカの写真家、デザイナー。1963年、キャピトル・レコードのクリエイティブ・サービス部門に入社。1972年にアシスタント・アート・ディレクター、1974年にアート・ディレクターに昇進。1980年リリースのボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンドの『奔馬の如く』で1981年グラミー賞最優秀アルバム・パッケージ・グラミー賞を受賞。ビートルズの『ロックン・ロール・ミュージック』『リール・ミュージック』、レノンの『心の壁、愛の橋』『ロックン・ロール』のアート・ディレクションを担当した[3]
  4. ^ レノンは「アンディのやり方はなかなかいい。彼は何もせず、ただサインするだけなんだ。」とウォーホルの手法を皮肉っぽく賞賛した。

出典[編集]

  1. ^ Calkin, Graham. “Mind Games”. Jpgr.co.uk. 2013年1月27日閲覧。
  2. ^ Mark Shoolery Projects”. markshoolery.com. 2022年3月31日閲覧。
  3. ^ Roy Kohara”. Discogs. 2022年3月31日閲覧。
  4. ^ 10 Album Covers Designed by Andy Warhol”. :Complex Networks (2013年1月28日). 2015年1月1日閲覧。

外部リンク[編集]