クリミア・タタール語

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クリミア・タタール語
Qırımtatar tili
話される国 ウクライナウズベキスタントルコルーマニアブルガリア
地域 黒海沿岸部、中央アジア
話者数 約48万人[1]
言語系統
アルタイ語族
公的地位
公用語 クリミア共和国
ウクライナクリミア自治共和国では公用語に準じる地位が認められている。
言語コード
ISO 639-1 なし
ISO 639-2 crh
ISO 639-3 crh
消滅危険度評価
重大な危険 (UNESCO)
Status-unesco-severely.svg
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クリミア・タタール語(クリミア・タタール語:Qırımtatar tili, Qırımtatarca, Qırımca)は、ウクライナクリミア自治共和国を中心に居住するクリミア・タタール人によって話されるテュルク系言語の1つ。

クリミア・タタール人の民族離散の結果、ウズベキスタン等の中央アジア諸国、トルコルーマニアブルガリアにも話者が存在する。話者数は、クリミアに26万人、中央アジアに15万人と推計される。

言語系統は、テュルク諸語のキプチャク語群に属し、同語群のクムク語カラチャイ・バルカル語に近縁とされるが、オスマン帝国との歴史的な関係から、トルコ語からの影響が顕著に見られる。そのため、トルコ語が属するオグズ語群とキプチャク語群の中間として分類する場合もある。

他のテュルク系諸言語と同様に膠着語であり、母音調和の特徴を持つ。語彙はアラビア語ペルシア語トルコ語ロシア語からの借用語が多い。

方言[編集]

キプチャク系の北方方言(ノガイ方言)、オグズ系の沿岸方言(ヤルボイル方言)、両者の特徴を併せ持つ中央方言の3方言に分類される。現在の文章語は、中央方言に基づいている。 また、クリミアのユダヤ教徒の間で話されるクリムチャク語、キリスト教徒(en:Urums)の間で話されるウルム語英語版は、クリミア・タタール語の下位言語であると考えられている。

正書法[編集]

20世紀初頭まで、クリミア・タタール語はアラビア文字により記述され、当時のオスマン語の影響を強く受けた文章語が使われていた。1928年にラテン文字のアルファベットによる正書法が制定されたが、1938年には、キリル文字による正書法に改められた。ソ連邦の崩壊後、クリミア・タタール人の民族意識の高揚により、ラテン文字による新正書法が制定された。

IPA
а b c ç d e f g ğ h ı i j k l m n ñ o ö p q r s ş t u ü v y z
[a] [b] [ʤ] [ʧ] [d] [e] [f] [g] [ɣ] [x] [ɯ] [i, ɪ] [ʒ] [k] [l] [m] [n] [ŋ] [o] [ø] [p] [q] [r] [s] [ʃ] [t] [u] [y] [v, w] [j] [z]
クリミア・タタール語の新旧正書法の対照表
キリル文字 А Б В Г Гъ Д Е Ё Ж З И Й К Къ Л М Н Нъ О П Р С Т У Ф Х Ц Ч Дж Ш Щ Ъ Ы Ь Э Ю Я
а б в г гъ д е ё ж з и й к къ л м н нъ о п р с т у ф х ц ч дж ш щ ъ ы ь э ю я
現行のラテン文字 A B V G Ğ D Ye Yo J Z İ Y K Q L M N Ñ O P R S T U F H Ç C Ş I E Yu Ya

Ââは、子音の口蓋化を表記するために用いられる。 (例:oktâbr - октябрь.

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]