Ъ

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キリル文字
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非スラヴ系文字
Ӑ Ӓ Ә Ӛ Ӕ Ғ Ӷ
Ҕ Ӗ Ӂ Җ Ӝ Ҙ Ӟ
Ӡ Ӣ Ӥ Ҋ Ҡ Қ Ҟ
Ӄ Ҝ Ӆ Ӎ Ң Ӊ Ӈ
Ҥ Ө Ӧ Ӫ Ҧ Ҏ Ҫ
Ҭ Ҵ Ӳ Ӯ Ү Ұ Ӱ
Ҳ Һ Ҩ Ҷ Ӌ Ҹ Ӵ
Ҽ Ҿ Ӹ Ҍ Ӭ Ӏ
初期キリル文字
Ҁ Ѹ Ѡ Ѿ Ѻ Ѣ
Ѥ Ѧ Ѫ Ѩ Ѭ Ѯ Ѱ
Ѳ Ѵ Ѷ
キリル文字一覧

Ъ, ъ とは、キリル文字のひとつである。

呼称[編集]

  • ロシア語:トヴョールドゥイ ズナーク (твёрдый знак)、イェル (ер, еръ)
  • ブルガリア語:エル ゴリャーム (ер голя́м)

音素[編集]

  • 現在のロシア語では、独立した音は持たず、硬音符と呼ばれ、直前の子音と直後の母音を分けて発音させ(日本のローマ字アポストロフィー ( ’ ) と同じ)、直前の音が軟子音(口蓋子音)ならば硬子音(非口蓋子音)化する働きを持つ。
  • ブルガリア語では、曖昧母音 /ə/(IPA) = /@/(X-SAMPA) を表す。
  • 本来は母音字であり、o または u の非常に弱く短い音を表したと考えられている。この母音字の前の子音は必ず硬子音となった。ロシア語などでは、後の音韻変化で語の中の位置によってより完全な母音(о など)に変わるか、または母音が脱落した結果、独立した音を失った(сънъсон :眠り)。後述のようにロシア語の旧正書法で硬子音で終わる単語の語末に ъ がついていたのは、古スラブ語の単語が必ず母音で終わり(開音節)、本来この位置に母音としての ъ があったことの名残である。一方、ブルガリア語では位置によって曖昧母音に変化し、母音としての ъ が残された。
  • 日本語のキリル文字表記でローマ字表記におけるアポストロフィと同じように「ん」の次にア行またはヤ行が来るときに区切るために使用することがある。

アルファベット上の位置[編集]

ロシア語の第 28 字母、ブルガリア語の第 27 字母である。

Ъ に関わる諸事項[編集]

  • ロシア語では語頭に立たないため、元来大文字はない。
  • ロシア語旧正書法(1918年まで)では、硬子音で終わる単語の語末につけていたが、独立した音を持たなくなったため語末の Ъ は廃止される。
  • ベラルーシ語ではこの字を使用しない。
  • ウクライナ語ではこの字を使用せず、代わりにアポストロフィー ( ’ ) を用いる。

符号位置[編集]

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Ъ U+042A 1-7-28 Ъ
Ъ
ъ U+044A 1-7-76 ъ
ъ