アドリー・ラッチマン

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アドリー・ラッチマン
Adley Rutschman
ボルチモア・オリオールズ #35
2023年4月7日
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オレゴン州ポートランド
生年月日 (1998-02-06) 1998年2月6日(26歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
230 lb =約104.3 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 捕手
プロ入り 2019年 MLBドラフト1巡目
初出場 2022年5月21日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

アドリー・スタン・ラッチマンAdley Stan Rutschman, 1998年2月6日 - )は、アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド出身のプロ野球選手捕手)。右投両打。MLBボルチモア・オリオールズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

高校時代に2016年MLBドラフト40巡目でシアトル・マリナーズから指名されたが、契約せず[1][2]オレゴン州立大学へ進学した[3]2018年カレッジ・ワールドシリーズで優勝し最優秀選手賞を受賞。

プロ入りとオリオールズ時代[編集]

2019年MLBドラフト1巡目(全体1位)でボルチモア・オリオールズから指名され[4]、6月24日に契約金810万ドルで契約を結んだ。2011年ピッツバーグ・パイレーツから全体1位指名を受けたゲリット・コールの契約金800万ドルを上回り、MLB史上最高額を更新した[5]。傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・オリオールズでプロデビューし、シーズン途中にA-級アバディーン・アイアンバーズ英語版、A級デルマーバ・ショアバーズ英語版に昇格した[6]。3チーム合計で37試合に出場して打率.254、4本塁打、26打点の成績を記録した[6]

2020年COVID-19の影響でマイナーリーグのシーズンが中止となり[7]、公式戦への出場はなかった[6]

2021年はAA級ボウイ・ベイソックスで開幕を迎えた[6]。シーズン途中にAAA級ノーフォーク・タイズへ昇格[6]。2チーム合計で123試合に出場して打率.285、23本塁打、75打点の成績を記録した[6]

2022年は開幕前に右肘を痛め出遅れた[8]。4月26日にA+級アバディーンで実戦復帰し、その後すぐにAAA級ノーフォークへ昇格した[6]。5月21日にメジャーに昇格し、同日のタンパベイ・レイズ戦に「6番・捕手」で先発出場してメジャーデビューを果たした[9]。同試合の7回、レイズのラルフ・ガーザ・ジュニア英語版からメジャー初ヒットとなる、ライト線への三塁打を記録した。オフの11月14日に全米野球記者協会(BBWAA)から1位票が1、2位票が18、3位票9の計68ポイントで最優秀新人選手賞には2位にランクインした[10]。また、2位にランクインしたことにより、同年のシーズン開幕前の3月にMLBとMLB選手会で合意された新しい統一労使協約に盛り込まれた特別ボーナス制度により、同じくナ・リーグで2位だったスペンサー・ストライダーと共に50万ドルのボーナスを取得した[11]。また同じくBBWAAの投票による最優秀選手賞(MVP)では5位票1、8位票1、9位票1、10位票3の計14ポイントで12位にランクインした[12]

2023年7月2日に選手間投票で初となるオールスターゲームに選出された[13]。7月3日に自身のインスタグラム本塁打競争への初参加を表明した[14]。本塁打競争での打撃投手は父親が務めた[15]

人物[編集]

生まれ、高校、大学とオレゴン州で育ち、車で3時間程のシアトル・マリナーズファンとして育った[14]。ラッチマンにとって初の野球観戦もT-モバイル・パークだった[14]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2022 BAL 113 470 398 70 101 35 1 13 177 42 4 0 0 3 65 0 4 86 4 .254 .362 .445 .807
2023 154 687 588 84 163 31 1 20 256 80 1 2 0 3 92 6 2 101 14 .277 .374 .435 .809
MLB:2年 267 1157 986 154 264 66 2 33 433 122 5 2 0 6 157 6 6 187 18 .268 .369 .439 .808
  • 2023年度シーズン終了時

MLBポストシーズン打撃成績[編集]




















































O
P
S
2023 BAL ALDS 3 13 12 0 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .083 .154 .167 .321
出場:1回 3 13 12 0 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .083 .154 .167 .321
  • 2023年度シーズン終了時
  • 太字はMVP受賞

年度別守備成績[編集]



捕手(C)






















2022 BAL 93 670 35 8 3 .989 2 36 25 11 .306
2023 110 932 45 6 5 .994 0 73 57 16 .219
MLB 203 1602 80 14 8 .992 2 109 82 27 .248
  • 2023年度シーズン終了時

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 35(2022年 - )

脚注[編集]

  1. ^ Vance, Miles. “Sherwood's Adley Rutschman finishes on top”. 2018年8月19日閲覧。
  2. ^ MLB Draft 2016: Sherwood's Adley Rutschman selected in 40th round by Seattle Mariners”. 2018年8月19日閲覧。
  3. ^ Trevor Larnach rolls with his Oregon State baseball role, whether at DH or RF”. 2018年8月19日閲覧。
  4. ^ https://www.si.com/mlb/2019/06/03/adley-rutschman-baltimore-orioles-mlb-draft-oregon-state-catcher
  5. ^ https://www.cbssports.com/mlb/news/orioles-sign-top-2019-mlb-draft-pick-adley-rutschman-to-record-breaking-8-1-million-bonus/
  6. ^ a b c d e f g MLB公式プロフィール参照
  7. ^ 2020 Minor League Baseball Season Shelved”. MiLB.com (2020年6月30日). 2020年7月1日閲覧。
  8. ^ Orioles top prospect Adley Rutschman progressing with elbow injury”. www.mlb.com. 2022年5月22日閲覧。
  9. ^ Adley Rutschman debut FAQs”. www.mlb.com. 2022年5月22日閲覧。
  10. ^ Mariners outfielder Julio Rodriguez wins AL Jackie Robinson Rookie of the Year” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月14日). 2022年11月15日閲覧。
  11. ^ 菊地慶剛 (2022年11月15日). “新人王受賞者にMLBから75万ドルを支給!今季から導入された特別ボーナス制度の中身”. 2022年11月16日閲覧。
  12. ^ Outfielder Aaron Judge adds another MVP Award to Yankees’ collection” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月17日). 2022年11月18日閲覧。
  13. ^ Thomas Harrigan (2023年7月2日). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. 2023年7月3日閲覧。
  14. ^ a b c Jake Rill (July 3,2023). “1st-time All-Star Rutschman to tag-team with dad in Derby” (英語). MLB.com. 2023年7月4日閲覧。
  15. ^ HRダービー途中で打席変更の珍事 左22発、右5発に千賀も大興奮…ラッチマンが魅了

関連項目[編集]

外部リンク[編集]