2007年のMLBオールスターゲーム
会場となったAT&Tパーク | |
開催日時 | 2007年7月10日 |
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開催球場 | AT&Tパーク |
開催地 | カリフォルニア州サンフランシスコ |
最優秀選手 | イチロー (SEA) |
観客数 | 43,965人 |
2007年のMLBオールスターゲームはアメリカンリーグとナショナルリーグの間で行われた78回目のオールスターゲーム。2007年7月10日にサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地AT&Tパークで行われた。監督は、ナショナルリーグはトニー・ラルーサ(カージナルス)、アメリカンリーグはジム・リーランド(タイガース)が務めた。
試合結果は5 - 4でアメリカンリーグが勝利した。この勝利でアメリカンリーグの連勝が1997年以降2002年の同点を挟み10連勝となった。これにより2007年のワールドシリーズでアメリカンリーグのボストン・レッドソックスがホームフィールド・アドバンテージを獲得した。MVPは3安打2打点、5回にオールスター初のランニング本塁打を放ったイチローが受賞した。
アメリカ合衆国内のテレビ中継はFox Broadcasting Companyが行い、視聴率は8.4%だった[1]。前年より0.9%下落したが、視聴者数は約3,140万人で前年より20万人ほど増加した[2]。観客は43,965人を動員した。
凡例
[編集]- 表中の守備の項は守備位置を示し以下の略記で示す。
- 表中のチーム名の略称についてはチームの表記参照。
- †:出場辞退 ‡:代替選出
試合結果
[編集]先発メンバー
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試合経過
[編集]アメリカンリーグが 5-4 で勝利し、オールスター10連勝(1引き分けを挟む)を記録した。オールスターの連勝が2桁になったのは1972年 - 1982年のナショナルリーグ11連勝以来史上2度目である。通算対戦成績はアメリカンリーグの36勝40敗2分。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
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アメリカンリーグ | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 | 5 | 10 | 0 |
ナショナルリーグ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 4 | 9 | 1 |
- 勝利:ジョシュ・ベケット
- セーブ:フランシスコ・ロドリゲス
- 敗戦:クリス・ヤング
- 本塁打
AL:イチロー (1) カール・クロフォード (1) ビクター・マルティネス (1)
NL:アルフォンソ・ソリアーノ (1)
先発投手は、ナショナルリーグがジェイク・ピービー、アメリカンリーグがダン・ヘイレン。ナショナルリーグは初回にホセ・レイエスが中前打を放ちすかさず盗塁。2死後、ケン・グリフィー・ジュニアの中前適時打でレイエスがホームインし先制する。アメリカンリーグは3回に2死三塁、4回に無死二塁のチャンスを迎えるが得点できず。しかし5回、1死一塁の場面でイチローが右翼フェンスを直撃するランニング本塁打を放ち逆転する。
アメリカンリーグは6回にカール・クロフォードのソロ本塁打で1点を加える。しかしその裏にナショナルリーグもグリフィーの犠飛で1点を返す。アメリカンリーグは8回、ビクター・マルティネスが2点本塁打を放ち点差を広げた。
9回裏、アメリカンリーグはJ.J.プッツが登板。しかし2死まで奪ったもののアルフォンソ・ソリアーノに2点本塁打を浴び1点差に迫られると、続くJ.J.ハーディにも四球を与え降板する。この場面でリリーフしたフランシスコ・ロドリゲスは2者連続与四球で2死満塁・一打サヨナラの場面を迎えるが最後はアーロン・ローワンドを右飛に打ち取った。
選出選手
[編集]ファン投票選出
[編集]ファン投票は4月27日から6月28日まで大リーグ公式サイトなどで行われ、結果は7月1日に発表された。総投票数は約1,850万票だった[3]。最多得票は、ナショナルリーグがケン・グリフィー・ジュニア(レッズ)、アメリカンリーグがアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)。地元ジャイアンツからは、バリー・ボンズがただ一人選ばれた。結果は以下の通り。
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監督推薦
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最終投票選出
[編集]選出選手の発表後、選出に漏れた選手の中から各リーグ5名が選ばれ、最後の1枠をかけたファン投票(All-Star Final Vote)が行われた。投票はMLB公式ウェブサイト上でのオンライン投票で実施された。投票は7月5日まで続き、クリス・ヤング(パドレス)と岡島秀樹(レッドソックス)が選出された。
今回の投票はノミネート選手が全員が投手だったが、これはこの企画が始まって以来初めてのことだった。
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本塁打競争
[編集]試合前日の7月9日には第23回本塁打競争が開催され、ブラディミール・ゲレーロ(エンゼルス)が優勝した。前回大会優勝者のライアン・ハワード(フィリーズ)がオールスターに選出されていないにもかかわらず出場したが、第1ラウンドで姿を消している。
AT&Tパークは、球場後方の入り江(通称 "マッコビー・コーブ" )に本塁打が飛び込む“スプラッシュ・ヒット”が名物となっている。この日は200を超える数の小舟やカヌーが本塁打ボールをキャッチしようと待ちかまえていたが、ファウル2本が着水しただけにとどまり、スプラッシュ・ヒットは1本も出なかった。
ルール
[編集]本塁打以外は見逃しを除いて全てアウトとし、10アウトまでに何本塁打を打てるかを競う。第1ラウンド上位4名が第2ラウンドに進出する。第2ラウンドでは第1ラウンドとの合計本数を競い、上位2名が決勝へ進む。決勝ではそれまでの2回のラウンドは関係なく、決勝戦の本数だけで競う。第1・第2ラウンドともに複数の選手が同点で並んだ場合には5アウト方式のプレイオフを行う。
9アウトになるとボールが普通のものから "ゴールデン・ボール" に変更される。これを本塁打にすると1球ごとに17,000ドルが、大リーグ機構とスポンサーから慈善団体 "ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブス・オブ・アメリカ" に寄付される。この日は9アウト後に12本の本塁打が出たため204,000ドルが、50,000ドルの追加金とともに寄付された[4]。
結果
[編集]順位 | 選手(チーム) | ラウンド1 | ラウンド2 | 1+2 | 決勝 |
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1 | ブラディミール・ゲレーロ (LAA) | 5 | 9 | 14 | 3 |
2 | アレックス・リオス (TOR) | 5 | 12 | 17 | 2 |
3 | マット・ホリデイ (COL) | 5 | 8 | 13 | – |
4 | アルバート・プホルス (STL) | 4(2) | 9 | 13 | – |
5 | ジャスティン・モルノー (MIN) | 4(1) | – | – | – |
6T | プリンス・フィルダー (MIL) | 3 | – | – | – |
6T | ライアン・ハワード (PHI) | 3 | – | – | – |
8 | マグリオ・オルドニェス (DET) | 2 | – | – | – |
- ( )内はプレイオフでの本数。
フューチャーズゲーム
[編集]試合が行われる2日前の7月8日には、AT&Tパークでマイナーリーグのオールスターゲーム“フューチャーズゲーム”が開催された。試合は世界選抜が米国選抜を 7-2 で下し、MVPには、先制適時打を放つなど2打数2安打2打点1盗塁を記録した世界選抜の胡金龍(台湾出身 / ドジャース傘下)が選ばれた。
脚注
[編集]- ^ 時事通信 「米球宴の視聴率は8.4%=米大リーグ」 [リンク切れ]『スポーツナビ』、2007年7月12日。2007年7月13日閲覧。
- ^ 時事通信 「球宴の視聴率上昇=米大リーグ」 『スポーツナビ』、2006年7月13日。2007年7月13日閲覧。
- ^ Barry M. Bloom, "Best of veterans, youngsters at Classic / Mix of MLB's seasoned pros, bright new stars to be on display", MLB.com, July 1, 2007. 2007年7月13日閲覧。
- ^ Mark Newman, "Gold balls go deep for good cause / Boys and Girls Clubs to receive $254K from State Farm," MLB.com, July 10, 2007. 2007年7月13日閲覧。