鬼頭莫宏

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鬼頭 莫宏
本名 鬼頭知広
生誕 1966年8月18日[1]
日本の旗 日本 愛知県名古屋市[2]
国籍 日本
活動期間 1987年 -
ジャンル 青年漫画
SF漫画
代表作なるたる
ぼくらの
公式サイト パズルピースは紛失中 パズルピースがこんなとこ
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鬼頭 莫宏(きとう もひろ、1966年8月18日[1] - )は、日本漫画家イラストレーター愛知県出身。男性。名古屋工業大学工学部卒業。既婚[3]。血液型A型。趣味はバイク(自転車)。

1987年週刊少年サンデー』にてデビュー。その後、会社勤めやきくち正太アシスタントを経て、1995年月刊アフタヌーン』で再デビュー。代表作に『なるたる』、『ぼくらの』など[1]。特徴的な華奢な人物造形で、主に少年少女を主人公としたシリアスで陰鬱なSF作品を描く。2010年に『ぼくらの』で第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞 [4]

来歴[編集]

1966年8月18日、愛知県生まれ。小学生の頃、貝塚ひろしの漫画を読んだことがきっかけで漫画を描き始める。その後小沢さとる松本零士の(特にメカニックの)影響を受けた。高校時代からは戦闘機ものの作品を『週刊少年サンデー』などに投稿していたが、賞には届かなかった[2]。大学在学中はSF漫画研究会に所属。在学中の1987年、『週刊少年サンデー』にて「残暑」が新人賞に入選、デビュー作となる(『週刊少年サンデー』1987年28号掲載)。この時の審査員の中に藤子不二雄がおり、単行本の帯で当時のコメントが掲載された。

学業と並行して漫画制作を続けるもうまくいかず、卒業後は地元の自動車メーカーにエンジニアとして3年間就職し[5]、その後本格的に漫画を続けることを決意し退職する。同人活動を通じてやりとりのあった『週刊少年チャンピオン』の編集者を頼り上京し、その編集者の紹介できくち正太アシスタントとなる[5]

アシスタント業と平行して『週刊少年チャンピオン』に投稿した作品で受賞するも連載の企画が通らず、担当編集者に話を通した上で投稿先を『月刊アフタヌーン』に変え[6]、1995年に「ヴァンデミエールの右手」がアフタヌーン四季賞の準入選となる。この作品を第1話として翌年より『ヴァンデミエールの翼』を『月刊アフタヌーン』に不定期連載。これが連載デビュー作となる。1998年より同誌で『なるたる』の連載を開始。長期連載となりアニメ化されるなど、鬼頭の名を広く知らしめた出世作となる[7]

2003年、『マンガ・エロティクスF』で「誕生日の棺」を掲載。鬼頭としては読切のつもりだったが[8]、結果的にこれを第1話とした「外殻都市」シリーズとして不定期連載を開始。また、『なるたる』が完結し、それから間を置かず『月刊IKKI』2004年1月号(2003年11月発売)で『ぼくらの』を連載開始。こちらもアニメ化に加え小説化もされた人気作となった[9]。2004年には同作の1巻と同時にデビュー作を含めた短編集『鬼頭莫宏短編集 残暑』を、2005年には同年に完結した「外殻都市」シリーズを『殻都市の夢』としてそれぞれ刊行する。翌年2006年より『マンガ・エロティクスF』で『終わりと始まりのマイルス』を連載開始。

長期連載だった『ぼくらの』の完結後、2009年11月より『good!アフタヌーン』で『なにかもちがってますか』の連載を開始し、同年12月より、『イブニング』にて自転車漫画『のりりん』の連載を開始する。なお、『のりりん』連載の準備期間中に受けたMRI検査の結果で「あなたは自転車のっちゃダメですよ」と医者から診断されたと語っており[10]、後に自身のブログで頸部脊柱管狭窄症を患っていることを明かした[11]。『終わりと始まりのマイルス』と合わせて3作品を同時連載していたが、2014年に『マンガ・エロティクスF』が休刊。2015年には『のりりん』、『なにかもちがってますか』が共に完結した。

2015年8月発売の『月刊コミック@バンチ』10月号から、戦艦が空を飛び交う架空の世界を舞台とした構想10年[12]の戦争物語『双子の帝國』を連載開始。2017年1月からは『イブニング』にて、擬人化した中島一式戦闘機を題材にした短ページ漫画『隼ちゃんもとんでます』の連載を開始したが、同年8月頃から[13]前述の持病のリハビリの為、『双子の帝國』、『隼ちゃんもとんでます』の連載を休載している[14]

2年ほど連載休止状態であったが、この期間中に『イブニング』担当編集者の薦めでネーム原作案を作り始め[15]、2019年11月より『good!アフタヌーン』にて『能力 主人公補正』(作画:当麻)の連載を開始し、続いて翌年2020年2月より『コミックDAYS』にて『ヨリシロトランク』(作画:カエデミノル)を連載開始。

受賞歴(新人賞)[編集]

  • 1987年、『週刊少年サンデー』で「残暑」(鬼頭知広名義)が小学館新人コミック大賞入選。
  • 1991年、『週刊少年チャンピオン』で「はじめよう・僕達の曲目-プログラム-」(鬼頭知樹名義)が新人まんが賞特別奨励賞。
  • 1994年、『週刊少年チャンピオン』で「三丁目交差点電信柱の上の彼女」(鬼頭真嗣名義)が新人まんが賞入選。
  • 1995年、『月刊アフタヌーン』で「ヴァンデミエールの右手」がアフタヌーン四季賞準入選。

作品リスト[編集]

漫画作品[編集]

連載中
  • 能力 主人公補正(2019年 - 連載中good!アフタヌーン』、既刊2巻) - 原作担当。作画:当麻
  • ヨリシロトランク(2020年 - 連載中コミックDAYS』、既刊1巻) - 原作担当。作画:カエデミノル
休載中
完結、休刊
  • ヴァンデミエールの翼(1996年 - 1997年、『月刊アフタヌーン』、全2巻)
    • 新装版 ヴァンデミエールの翼(2018年、KCDX、全1巻)
  • なるたる(1998年 - 2003年、『月刊アフタヌーン』、全12巻)
    • 新装版 なるたる(2017年、KCDX、全8巻)
  • 辰奈1905〜トミコローツ戦記[16](1999年刊、ビブロス社、全1巻 ISBN 4-88271-728-X) - web上で連載されたもの
  • 殻都市の夢(2003年 - 2005年、『マンガ・エロティクスF』、全1巻 ISBN 4-7783-2004-2
  • ぼくらの[17](2003年 - 2009年、『月刊IKKI』、全11巻)
  • 終わりと始まりのマイルス(2006年 - 2014年(休刊)、『マンガ・エロティクスF』、既刊1巻) - 最後の掲載は2012年。
  • なにかもちがってますか(2009年 - 2015年、『good!アフタヌーン』、全5巻)
  • のりりん(2009年 - 2015年、『イブニング』、全11巻)
単行本収録読切
『鬼頭莫宏短編集 残暑』(2004年、IKKI COMIX ISBN 4-09-188501-2)収録
コミック☆星新一 空への門』(2004年7月、秋田書店 ISBN 4-253-10461-4)収録、『コミック星新一 ショートショート招待席』(2008年10月、同左 ISBN 978-4-253-17146-5)再録
単行本未収録読切

※上記の受賞作「はじめよう・僕達の曲目-プログラム-」は雑誌掲載されていない。

  • 彼の殺人計画(2008年、『ジャンプスクエア』5月号)- 『ジャンプスクエア マスターピース』Vol.001 再掲
    • 2020年6月から鬼頭のTwitterアカウント上で公開されている。
  • 風の王(2009年、『ジャンプスクエア』10月号)
  • えくらの(2012年、『月刊コミック@バンチ』7月号) - コミックバンチ公式サイト内の『バンチ読切アーカイブス』で無料公開されている。
  • バスを釣るなら(2019年、『イブニング』No.07)

イラスト、寄稿[編集]

  • 僕はイーグル(2000年 - 2003年、夏見正隆著、徳間ノベルス、全4巻) - 表紙イラスト、挿絵
    • 後に『スクランブル』シリーズとして改題し刊行されたが、そちらには収録されていない。また、3巻の表紙絵のみ下記の『鬼頭莫宏イラスト&バックヤード集『ぼくらの』』に収録。
  • マンガ・エロティクスF vol.19(2002年、太田出版) - カラーピンナップ
  • 季刊エス 2号(2003年、飛鳥新社) - イラスト
  • 茄子 アンダルシアの夏 アニメ&漫画コラボBOOK(2003年、黒田硫黄著、講談社) - 8ページ漫画『茄子 アンダルシアの夏 制作現場訪問記』
  • ファウスト vol.1 - vol.3(2003年 - 2004年、講談社)
    • 佐藤友哉の短編小説『赤色のモスコミュール』『黒色のポカリスエット』『虹色のダイエットコカコーラレモン』の挿絵
    • 『灰色のダイエットコカコーラ』として単行本化と文庫化がされているが、どちらにも収録されていない。
  • 茜のフライトログ(2004年、夏見正隆著、徳間ノベルス) - 表紙イラスト、挿絵
  • ぼくらの〜alternative〜(2007年 - 2008年、大樹連司著、ガガガ文庫、全5巻) - 原作、表紙イラスト、挿絵
  • 勇者と探偵のゲーム(2009年、大樹連司著、一迅社文庫) - 表紙イラスト、挿絵
  • マンガ・エロティクスF vol.59(2009年、太田出版) - 寄稿イラスト(青い花トリビュート企画)
  • 敷居の住人[新装版] 第5巻(2009年、志村貴子著、ビームコミックス) - 特別寄稿(1ページ漫画)
  • 別冊少年マガジン2010年4月号(2010年、講談社)
  • 少女自転車解放区(2011年、ワニマガジン社) - 挿絵、所持する自転車の写真、6ページ漫画『非UCIフレーム友の会へのお誘い』
  • Ham The Power(2013年、オリジナルTシャツブランド yonpo) - Tシャツイラスト
  • ロゲイニング丹沢・大山(2017、2018年、秦野市秦野市観光協会主催のロゲイニングイベント) - オリジナルグッズのイラスト(ランチバッグ、手ぬぐい、クリアファイル)[18]

書籍[編集]

  • ぼくらの OFFICIAL BOOK(2008年、小学館) - 『ぼくらの』のオフィシャルファンブック
  • 鬼頭莫宏イラスト&バックヤード集『ぼくらの』(2009年、小学館) - 『ぼくらの』のイラストや設定等が記載されたファンブック

その他[編集]

  • 家庭教師アドベンチャー2 季節が彼女を連れていく(1989年、サークルマイクロはげチャビン) - 同人ゲーム原画、ものみち湖名義 ※公式ホームページで原画が公開されていた。
  • RIDEBACK(2003年 - 2008年、カサハラテツロー著、『月刊IKKI』) - 新型RIDEBACK「SCROBO」(スクロボ)のデザイン提供(後に本編にも登場する)。
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年、劇場アニメ) - デザインワークスとして参加。第3使徒のデザインを手がけている。
  • デビルサバイバー2(2011年、アトラスニンテンドーDS用ゲームソフト) - セプテントリオン、龍脈の龍、ポラリスのデザイン

脚注、出典[編集]

  1. ^ a b c 記者オーハタが訊く!【鬼頭莫宏氏 vol.1】”. 2019年12月27日閲覧。
  2. ^ a b 『季刊コミッカーズ』1999年秋号 101-106頁
  3. ^ 鬼頭(きとう) 莫宏(もひろ)さん 自転車漫画『のりりん』(講談社)の作者”. 2020年3月20日閲覧。
  4. ^ 優秀賞 - ぼくらの”. 2020年2月27日閲覧。
  5. ^ a b 『Febri』Vol.40 137-140頁 ASIN B01N5EINZH
  6. ^ 『イブニング』2015年No.09 197-199頁
  7. ^ 『Febri』Vol.40 142頁 ASIN B01N5EINZH
  8. ^ 『殻都市の夢』184頁
  9. ^ IKKI8月号、小林じんこが連載開始&鬼頭「ぼくらの」完結”. 2020年2月27日閲覧。
  10. ^ 『ジャンプスクエア マスターピース』Vol.001 442頁 ISBN 978-4-08-111013-1
  11. ^ 年寄り定番の パズルピースがこんなとこ”. 2019年12月27日閲覧。
  12. ^ 構想10年!鬼頭莫宏が戦争を描く新連載「双子の帝國」@バンチで堂々開幕”. 2020年2月27日閲覧。
  13. ^ 『月刊コミック@バンチ』は2017年7月発売の9月号、『イブニング』は同年8月発売の17号を最後に休載している。
  14. ^ 『ぼくらの』『のりりん』『隼ちゃんもとんでます』鬼頭莫宏氏スペシャルインタビュー”. 2019年12月27日閲覧。
  15. ^ 【担当とわたし】『ヨリシロトランク』鬼頭莫宏×カエデミノル×担当ヤナガワ×担当イワマ 対談”. 2020年2月27日閲覧。
  16. ^ 「奈」、「戦」はそれぞれ「柰」、「戰」表記
  17. ^ ぼくらの :作品情報”. アニメハック. 2020年7月31日閲覧。
  18. ^ ロゲイニング丹沢・大山”. 2020年4月7日閲覧。

外部リンク[編集]