のりりん

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のりりん
ジャンル 自転車漫画
漫画
作者 鬼頭莫宏
出版社 講談社
掲載誌 イブニング
レーベル イブニングKC
発表号 2010年2号 - 2015年7号
巻数 全11巻
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のりりん』は、鬼頭莫宏による日本漫画作品。『イブニング』(講談社)にて、2009年(雑誌番号は2010年2号)から2015年7号まで連載。単行本は全11巻。自転車を題材とした自転車漫画である。

概要[編集]

もともと自転車嫌いで、走り屋仕様の自動車を乗り回していた主人公が、とあるきっかけで自転車に乗らざるを得ない状況に追い込まれ、自転車の魅力に目覚めて行く。コメディセンスもあり、地方都市の独身男女の群像劇としても楽しむこともできる[1]

南信長は自転車での走行シーンの描写を本作の見どころに挙げると共に、主人公視点で描いた自転車という乗り物の特性の描写を評価している[1]

あらすじ[編集]

イベント企画兼広告代理業を営む地元の零細企業に勤めるノリこと丸子一典は自動車好きで公私ともドライブするのが日課であったが、ある日、交差点を右折する際に対向車線をタイムトライアルバイクで走っていた女子高生、織田輪をあやうく轢きそうになり、警察沙汰を避けたかったため免許証を輪にあずけてしまう。その後、呼び出されて合コンに参加した友人達を乗せているときに杏真理子に酒を口移しされ酒気帯びとなり、その直後に警らに遭遇。酒気帯びに加え、定員超過と免許不携帯で免許証取消が確定してしまう。

ノリは、それまで「速く走れない」を理由としつつ、その実は高校時代の友人三ツ渕進との確執で、自転車には乗らずにいたが、織田家に唆されて自転車に乗る(ポタリングする)ハメになる。

やがて、織田家の営むラーメン屋「輪」の常連客、等々力潤との自転車勝負などを経て、丸子の仲間たちも自転車に乗りだし、ツーリングロードレースに参加して行く。

三ツ渕進との再会をきっかけに、輪の好きな人の秘密、ノリが自転車に乗らない理由の秘密を賭けた、輪とノリの競争が行われる。輪は自身の初恋の相手が三ツ渕だと思っていたが、それが実はノリだったことに気付く。ノリの後ろを走っていることが楽しいと、賭けを忘れかけていたが、ドマチの余計なひと言で我に返り、一気に抜き去っていった。

夏休みが終わり、ノリはすっかり自転車がある生活が日常となる。自身の身の丈にあったスピード、それを他ならぬ自分の肉体が産み出しているという快感を実感しながら、ノリと輪は相変わらず2人で自転車通勤/通学を続けていく。

登場人物[編集]

丸子の仲間たち[編集]

丸子 一典(まりこ かずのり)
本作の主人公、通称「ノリ」。28歳で彼女なし。愛車はフォード・マスタング5代目後期型をドレスアップしたものであった。
自転車はGT Edge Tiを織田家から借りていたが、後にLiteSpeed Bladeを自分で組み上げる。ホイールは三夢、南に合わせ650C
過去のトラウマで自転車が嫌いで、雨の日の通勤は電車やバスを使うほどの筋金入りだったが、織田家の計らいで自転車に乗らされて以来、自分でも無意識に自転車の魅力に目覚めつつある。
水泳をやっていたため、体幹が鍛えられており心肺能力・回復力も高い。走りを見た三ツ渕進は将来は輪よりも早くなると判断している。
杏 真理子(からもも まりこ)
通称「モモ」。門真洋一らとの合コンに参加していた女性のひとり。ノリの免許証取消の原因になったことを謝罪した際の優しい対応からノリに惹かれるようになる。体育会系で学生時代は「オニモモ部長」と呼ばれていた。ドマチらに自転車チームを結成すると言われ、クロスバイクを買うが、2ヵ月程度乗った後に東に譲り、C4 Jokerのフレームによるロードバイクを新たに入手する。ノリへの告白を三夢と南の前で宣言したが、告白には至っていない。
丸子 三夢(まりこ みむ)
通称「ミム」。丸子一典の妹。25歳。体育会系。アパートに一典と一緒に住んでいる。仕事は信用金庫の総務。購入したロードバイクFELT ZW75。
東 均(ひがし ひとし)
通称「ヒガシ」。肥満気味の男性なため、「デブ」とも呼ばれることもある。高校時代からのノリの友人。愛車はホンダ・フュージョン。織田輪に影響され、BMXを買う。仕事は進学塾の講師。杏がロードバイクを購入した際にそれまで使っていたクロスバイクを引き取った。自転車の楽しみ方は他の仲間たちと異なり、食べることを目的に走る。仲間内では最も運動神経がよく、スタンディングスティル(その場で乗ったまま足を地に着けず自転車を停止させる技術)では手放しのまま維持することが可能。
江端 宗弘(えばた むねひろ)
通称「クマ」。丸子一典とは小学校の頃からの友人。愛車はスズキ・カプチーノ。織田輪に影響され、ミニベロを買う。仕事は製菓工場のライン設計保守。背が高い。理系出身のためか、機械が好きな一面を見せる描写が多々ある。
門真 洋一(かどま よういち)
通称「ドマチ」。高校時代からの丸子一典の友人。ノリ達が生活する市内の大手スーパー「カドマート」の跡取り。愛車は日産・スカイライン、R34型25GT-t前期。織田輪に影響され、MTBを買う。その後ノリへの対抗意識からロードバイクDedacciai STRADA ASSOLUTOを購入。見たままのノリの軽い人物だが、ノリ曰く「結構真面目に考えている」。
若江 南(わかえ みなみ)
通称「ミナミ」。東均の彼女。東を尻に敷く「飼い主」。仕事はコンビニのアルバイト。門真のR34でドリフトするなど、持ち主より車の操縦が上手い。小柄なためサイズ合うのロードバイク探しに苦労するが、陽子に650Cのホイールがあることを教えられ、TESTACH PILLADELLEを購入。以前、ノリに好意を寄せていたことがある。

織田家[編集]

織田 輪(おだ りん)
自転車乗りの高校3年生。ラーメン屋「輪」の看板娘。17歳。年間3万キロを走るほどの自転車好きだが、母・陽子が組んだ自転車に乗っているだけで自転車のことは何も知らず、ノリが自転車の購入を検討するまで自転車屋にも行ったことがなかった。携帯電話を持っていない。愛車はケストレル 500SCi。親は標準語であるが、博多弁の訛を理由にイジメをうける転校生の日向を守るため自らも博多弁を喋るようになった。方向音痴。
小学校の頃、パンクし道に迷っていたところを助けてくれた男性に初恋し、その思いを秘めている。当初、その男性は三ツ渕進だと思われていたが、実はノリであったことが判明。
最終エピソードで、告白を賭けてノリと競争するが、輪が勝ちうやむやとなる。
織田 陽子(おだ ようこ)
輪の母。夫の栄と共にラーメン屋「輪」を切り盛りしている。自らは自転車に乗らないが、自転車に詳しい。人を自転車に乗せるためなら手段を選ばない自転車伝道師で、ノリを自転車の世界へ引き込んだ張本人。輪の上にプロのロード乗りである転(てん)・競輪選手である轟(ごう)という息子たちが居る。
自身は自転車には乗らず、当初、輪は「医者に止められている」ためと説明していた。実は輪以上に、自転車に乗ったら仕事も子育ても何もかも忘れるタイプで、ある意味「病気」。そのために自転車には乗らないようにしている。
愛車はスポールスピダーソットヴァン
織田 栄(おだ ひさし)
輪の父。ラーメン屋「輪」の主人。大柄で筋骨逞しく、スキンヘッドに口髭を生やした強面の人物。自転車乗り。コミックス8巻収録の「とあるラーメン屋さんの裏メニュー」にて、プロレスレフェリーを副業にしていることが判明した。

ラーメン屋「輪」の客[編集]

等々力 潤(とどろき じゅん)
通称「トドロー」。ロード乗り。25歳。ロード歴2年。愛車は最速仕様のTIME RXR Ulteam。その他にANCHOR RNC3も所有している。丸子 三夢と若江 南とは昔リトルリーグで敵チームだった。
老松(おいまつ)
頭髪が後退した、顎髭を生やした中年男性。通称「オイちゃん」。口は悪いが人は良い。車と自転車が趣味。独身。自転車はColnago Bititan。愛車はランチア・デルタ
中 日向(なか ひなた)
コミックス10巻より登場。夏休みを利用して福岡から1000km以上の距離をランドナーで走り「輪」を手伝いにくるメガネの女子高生。織田 輪の旧友。
上述のように輪が博多弁を話すようになったきっかけでもある。

桧山のチーム[編集]

桧山 周作(ひやま しゅうさく)
等々力がロードバイクを買ったショップの店主の甥っ子でそのショップの自転車チームのリーダー。脱色した短髪とゴリラのような体格が特徴。掛け声も合図もなくノリの直近をチームで隊列を組んで追い抜いたり、走りながらゴミをポイ捨てするなどマナーが悪く、自分より遅い自転車乗りをこき下ろす。等々力曰く「女にだらしない」など絵に描いたような敵役として登場する。婚約者がいる。
木町 茂(きまち しげる)
桧山のチームの一員。金髪のボブ。ノリのチームとのチーム・タイムトライアル対決の際に初登場。桧山とも一定の距離を置くような発言をしている。他の3人と違って他人を貶めたりせず、4時間エンデューロではノリ達が集団に追いつくのを手伝う行動をしている。チームの中では等々力とあまり面識がない。

その他[編集]

三ツ渕 進(みつぶち しん)
ノリの中学時代の同級生で、ノリの自転車嫌いの原因ともなった男。フランスに渡り自転車ロードレースのプロ選手として活動していたが、その後日本に帰国した。輪とも面識がある。 Neilpryde Alize(現nazare)に乗って登場。
輪と日向との関係と同様に、転校してきた進に対するいじめがあり(もっとも、進の場合は実力で相手を殴り飛ばしていたようではあるが)、学校の嫌われ者となっていた進に対し、ノリが近づいてきたことから、交友関係を築くことになる。「死ねよ」といった類の口癖があり、ノリの口癖の悪さは進の真似をしたもの。ノリが仲間たちとよくやっている「罰ゲームとしてスクワット100回」も元はと言えば、進とノリの間で始まったことだった。
輪の初恋の人だと思われていたが、その対象は、その時いっしょにいたノリのほうだった。
小月 優(おづき ゆう)
通称「オヅちゃん」。ノリの昔の思い人。かつてはノリ、三ツ渕、小月の三人でしばしば行動を共にしていた。物語の序盤、結婚して「谷和原 優(やわら ゆう)」となった、という旨の葉書がノリの元に届いている。他の登場人物の回想の中で過去の姿が登場するのみで、物語が進行する時系列での登場はない。
実際には結婚しておらず、自分に対する感情で前に進めなくなっているノリにたいする方便であった。

単行本[編集]

脚注・出典[編集]

外部リンク[編集]