木村英樹 (工学者)

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木村英樹
Hideki Kimura
人物情報
生誕 (1964-07-27) 1964年7月27日(55歳)
日本の旗 日本東京都世田谷区
居住 日本の旗 日本神奈川県秦野市
国籍 日本の旗 日本
出身校 東海大学
学問
活動地域 オーストラリアの旗 オーストラリア 南アフリカ共和国アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦サウジアラビアの旗 サウジアラビアタイ王国の旗 タイ チリ
研究分野 電子工学電気工学
研究機関 東海大学
博士課程
指導教員
黒須楯生
指導教員 飯田昌盛
博士課程
指導学生
春田憲一
主な指導学生 佐川耕平
学位 博士(工学)
主な業績
主要な作品
影響を
受けた人物
学会 日本太陽エネルギー学会応用物理学会電気学会
主な受賞歴 平成27年度文部科学大臣科学技術賞(理解増進部門)(2015年)、日本クリエイション大賞2011ドリームテクノロジー賞(2012年)
公式サイト
東海大学木村研究室
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木村 英樹(きむら ひでき、1964年 - )は、日本の工学者電気工学電子工学分野においてエネルギー変換・貯蔵を専門とし、その具現化として太陽エネルギーを利用した高性能ソーラーカーなどの開発で世界トップレベルの業績を有する。一般社団法人日本太陽エネルギー学会理事、公益社団法人応用物理学会代議員などを務め、創エネルギー・省エネルギー・蓄エネルギーの技術に関する啓発活動を推進してきた[1]東海大学工学部電気電子工学科教授。専門以外に、プロジェクト活動によって学生の社会的実践力を培うことを目的とした東海大学チャレンジセンターの立ち上げに関わった[2]

人物・来歴[編集]

東京都生まれ。幼少時代に手塚治虫著の鉄腕アトムの影響を受け、科学者への道を志す[3]東京都立広尾高等学校、東海大学工学部電子工学科を卒業。同大学大学院工学研究科電子工学専攻博士課程後期修了。学位は博士(工学)。父は、元東海大学工学部通信工学科教授の木村登名誉教授であり、1960年に東海大学陸上競技部を創設し同部の顧問を務める。

略歴[編集]

1995年に学校法人東海大学の専任助手に採用され、東海大学工学部電子工学科に配属される。1996年から東海大学ソーラーカーチームに所属し現在は監督。2001年から2005年までは、電子情報学部エレクトロニクス学科に所属し、現在は工学部電気電子工学科教授。2006年に東海大学チャレンジセンター推進室長に就任し、平成18年度文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」の採択を受けた[4]。2014年から2015年は、東海大学チャレンジセンター所長。2015年は文部科学省の地(知)拠点整備事業(大学COC事業)の採択を受けて設置された[5]、地域連携を担当する東海大学To-Collabo推進室室長を務めた。2017年度に東海大学現代教養センター所長に就任した。2018年度から、東海大学大学運営本部副本部長と大学IR室長も兼務する。

現在の兼職[編集]

一般社団法人日本太陽エネルギー学会理事 学校法人三信学園やまばと幼稚園理事

専門[編集]

太陽エネルギー利用、超高効率ブラシレスDCモータ電気二重層キャパシタ応用、プロジェクト活動による人材育成、大学による地域連携など。

主な業績[編集]

研究テーマ[編集]

受賞[編集]

  • 東海大学総長賞(1988年)東海大学
  • 第4回応用物理学会講演奨励賞(1998年)応用物理学会[8]
  • 98 ワールド・ソーラーカー・ラリー未来賞(1998年)ワールド・ソーラーカー・ラリー組織委員会[9]
  • 平成22年度神奈川県・横浜・川崎・相模原四首長地球温暖化防止表彰(2010年)神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市[10]
  • 日本クリエイション大賞2011 ドリームテクノロジー賞(2012年)日本ファッション協会[11]
  • 日本太陽エネルギー学会特別賞(2012年)日本太陽エネルギー学会
  • 平成27年度 科学技術賞(理解増進部門)(2015年)文部科学大臣賞[12]
  • 松前重義記念基金牧野不二雄奨励賞(2016年)学校法人東海大学

活動[編集]

省エネ競技用小型電気自動車 Faraday's Magic 2
2009年型ソーラーカー Tokai Challenger

ソーラーカー等を通した活動は顕著で、オーストラリア大陸のダーウィンアデレード間の3,000kmを縦断するワールド・ソーラー・チャレンジに1996年、1999年〜2001年と2009年〜2017年は隔年で参戦し、2009年と2011年は東海大学ソーラーカーチームを世界一に導いた[13][14]

1998年には、日本ケミコンと共同して世界で初めてソーラーカーに電気二重層キャパシタを搭載した[15]

2003年には、特殊電装、日本ケミコンとともに鉄系アモルファス箔積層コアを用いた変換効率93%のブラシレスDCモーターを開発[16]。その後、特殊電装から市販化された[17]

2004年5月、改良したアモルファスモーターを搭載した省エネ競技用小型電気自動車「ファラデー・マジック2」で、大潟村ソーラースポーツラインで開催されているワールド・エコノ・ムーブに出場し、鉛蓄電池部門で総合優勝。それ以降2008年まで5連覇を達成した。2008年〜2011年には燃料電池部門でも4連覇を達成した。

2005年から東海大学ソーラーカーチームの監督に就任。2008年に、ラリードライバーの篠塚建次郎らとともに、国際自動車連盟公認のサウス・アフリカン・ソーラー・チャレンジに出場し初優勝を成し遂げた。

2009年には、シャープから太陽電池#多接合型太陽電池の一種である三接合化合物太陽電池の供給を受け、ソーラーカー2009 Tokai Challengerを開発した。このソーラーカーにより、2009年のワールド・ソーラー・チャレンジで、日本の大学チームとして初優勝を遂げた。これは、1996年にホンダのソーラーカー「Dream」が優勝して以来、日本勢として13年ぶりの優勝であった。

2010年5月、日本学術会議シンポジウム「環境・エネルギーと電気電子情報技術」で講演[18]集英社ジャンプ・コミックスより、太田垣康男(原作)・村田雄介(漫画)による『曇天・プリズム・ソーラーカー』の発行に際し取材協力を行った。

2011年には東日本大震災の影響で計画停電などによる活動の制約を受ける中、パナソニックから太陽電池モジュールHIT、東レから炭素繊維トレカの供給を受けて、2011 Tokai Challengerを製作し、ワールド・ソーラー・チャレンジで2連覇を達成した。12月には日本記者クラブからの要請を受け、ワールド・ソーラー・チャレンジ2連覇に関して会見を行った[19]

2012年1月、アラブ首長国連邦のアブダビ首長国のアブダビで開催されたW: World Future Energy Summitにソーラーカーを出展。4月には新東名高速道路開通前に、ソーラーカーの性能を実証するために清水パーキングエリアを車体整備拠点として、新清水インターチェンジ新富士インターチェンジを、100 km/hの速度による往復走行を繰り返した[20]

2013年4月、アメリカ大使館からの招待を受け、大使公邸にてジョン・ケリーアメリカ合衆国国務長官と東海大学ソーラーカーチームメンバーが対談した[21]タカラトミーから、東海大学ソーラーカーの東海チャレンジャーがトミカNo.26として発売開始された。10月にオーストラリアで開催されたワールド・ソーラー・チャレンジでは、4輪(カタマラン型)の新型ソーラーカーで出場し総合2位となった。

2014年2月、アラブ首長国連邦アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子(H.H Sheikh W: Mohammed bin Zayed Al Nahyan)が公賓として来日した際に、東海大学高輪キャンパスでソーラーカーについて直接説明を行った。これを契機に、アブダビの石油大学(W: Petroleum Institute)と共同でソーラーカー開発を行った[22][23]。一方、チリ共和国で開催されたソーラーカーレース es: Carrera Solar Atacamaでは東海大学チームを優勝に導いた。[24]

2015年1月、中東初のソーラーカーレースであるアブダビ・ソーラー・チャレンジで、指導を行ったアブダビの石油大学チームが2位となった。2015年に開発された2015 Tokai Challengerは、オーストラリアで開催されたのブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジに出場し、総合3位となった。[25]

2016年11月、カザフスタン共和国ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領が、東海大学高輪キャンパスで行われた名誉学位授与式に出席した際にソーラーカーを見学し、これに対応した。[26]

2017年10月、オーストラリアで開催されたブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジで総合4位となった。[27]上位3チームは多接合化合物太陽電池を使用しており、シリコン太陽電池を採用したソーラーカーとしては最高順位であった。

著書[編集]

単著[編集]

共著[編集]

  • 『エコ電気自動車のしくみと製作』オーム社, 2006年, ISBN 4-274-20291-7
  • 『持続可能エネルギー講座第1巻 持続可能エネルギー総論』日本太陽エネルギー学会, 2007年
  • 『2008最新電池技術大全』電子ジャーナル, 2008年
  • 『世界最速のソーラーカー』東海大学教育研究所, 2010年, ISBN 978-4-486-03715-6
  • 『太陽エネルギーがわかる本』オーム社, 2012年, ISBN 978-4-274-21236-9
  • 『新太陽エネルギー利用ハンドブック第㈸編』日本太陽エネルギー学会, 2014年

報道・出演[編集]

テレビ番組[編集]

ラジオ番組[編集]

雑誌[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ researchmap
  2. ^ 東海大学木村研究室木村英樹プロフィール
  3. ^ 木村英樹著『ソーラーカーで未来を走る』くもん出版
  4. ^ 平成18年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」選定取組 テーマ2:地域活性化への貢献(広域型)
  5. ^ 平成25年度「地(知)の拠点整備事業」の選定状況
  6. ^ 【応物学会】東海大,出力100W前後の直流モーターで効率96%以上を実現
  7. ^ 特開2016-025818
  8. ^ 第4回(1998年春季)応用物理学会講演奨励賞受賞者紹介
  9. ^ 1998WSR入賞記録
  10. ^ 環境情報「神奈川県知事、横浜市長、川崎市長、相模原市長、地球温暖化防止活動に取り組む団体を連名で表彰」
  11. ^ 日本クリエイション大賞2011受賞案件
  12. ^ 工学部の木村英樹教授が科学技術分野の文部科学大臣表彰を受けました
  13. ^ 世界最大級のソーラーカーレースで東海大学チームが優勝
  14. ^ パナソニックが協賛する東海大学ソーラーカーチームが、「2011 ワールド・ソーラー・チャレンジ」で優勝!
  15. ^ 東海大学紀要電子情報部 Vol. 1, No. 1, 2001, pp. 41-45
  16. ^ 電波新聞2004年2月26日版
  17. ^ 特殊電装株式会社 製品情報 レース用モーター
  18. ^ 日本学術会議シンポジウム「環境・エネルギーと電気電子情報技術」
  19. ^ 日本記者クラブ会見リポート 東海大学ソーラーカーレース優勝チーム 記者会見
  20. ^ 新東名高速を「世界一のソーラーカー」が駆けた 東海大チーム 14日の開通前に走行実験
  21. ^ ライトパワープロジェクト・ソーラーカーチームが アメリカ大使公邸にて交流しました
  22. ^ 濱田秀明著『石油・天然ガス資源情報』UAEで初のソーラーカーレースとADNOC、Masder、IOCの活動, 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構発行(2015年)
  23. ^ Abu Dhabi’s first solar car to be displayed at Yas Mall
  24. ^ パナソニックが支援する東海大学のソーラーカーチームが優勝!「Carrera Solar Atacama 2014」(チリ共和国)
  25. ^ AFPBB News
  26. ^ Degree of Honorable doctor of engineering sciences of Tokai university is appropriated to Nursultan Nazarbayev
  27. ^ CAR WATCH 「2017 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ チャレンジャークラス優勝はオランダ Nuon Solar Teamの3号車「Nuna9」 10号車 東海大学「Tokai Challenger」は4位で日本勢トップ
  28. ^ NHK BS ハイビジョン特集「疾走!3000km〜大陸縦断ソーラーカーレース〜」
  29. ^ テレビ朝日開局55周年パナソニックスペシャル「挑戦!オーストラリア縦断3000キロ 世界最高峰ソーラーカーレース 密着ドキュメント」
  30. ^ BSジャパン開局15周年特別企画「太陽を追え!激走!ソーラーカーレース オーストラリア縦断3000キロ」
  31. ^ BSジャパン「オーストラリア縦断3000キロ 過酷!ソーラーカーレース 日本の知恵と技術の結晶で挑む」
  32. ^ NHK「超絶 凄ワザ! 目指せソーラーカー世界一スペシャル」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]