新金貨物線

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総武本線 > 新金貨物線
JR logo (east).svg新金貨物線
新金線・中川放水路橋梁と貨物列車(2007年3月)
新金線・中川放水路橋梁と
貨物列車(2007年3月)
概要
起終点 起点:小岩駅[1]
終点:金町駅[1]
駅数 3駅
運営
開業 1926年7月1日 (1926-07-01)
全通 1924年12月27日
所有者 鉄道省運輸通信省運輸省
日本国有鉄道
東日本旅客鉄道
運営者 東日本旅客鉄道(第1種)
日本貨物鉄道(第2種)
路線諸元
路線総延長 8.9 km (5.5 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500 V 架空電車線方式
運行速度 最高95 km/h (59 mph)
路線図
新金貨物線・路線図・1.jpg
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
1 2
1+2: 総武本線
STR BHF
0.0 小岩駅
STR
重複区間[路線図 1]
WASSER+l WBRÜCKE WBRÜCKE
中川放水路橋梁 新中川 117.2m
STR STRl
総武緩行線
ABZgl STRq
総武快速線
ABZl+l DSTq
2.3 新小岩信号場駅
STR
越中島支線
WASSERl WBRÜCKE
中川放水路橋梁 新中川 155.0m
KRZo
京成本線
STRc2 STR3
STR+1
STRq
常磐快速線
STRl ABZg+r STR+l
常磐緩行線
KHSTeq STR BHF
8.9 金町駅
STR STR
京成金町線
3 4
3+4: 常磐線
  1. ^ 総武快速線と線路を共用

新金貨物線(しんかね/しんきんかもつせん)は、東京都江戸川区南小岩七丁目にある小岩駅[1]と東京都葛飾区金町六丁目にある金町駅[1]を結ぶ総武本線貨物支線通称である。路線名は新金線(しんかねせん/しんきんせん)とも呼ばれる。

路線データ[編集]

金町駅付近(新小岩信号場駅起点6.0 kmポストから金町駅寄り)のみJR東日本東京支社、それ以外の区間は同千葉支社の管轄である。

歴史[編集]

明治期及び大正期の(鉄道院→鉄道省→)国鉄総武本線の東京側の終着駅両国橋駅であった。隅田川への鉄道橋の架橋がなかなか行われなかったためである[2]。そのため国鉄の貨物列車は次のような経路で千葉県内外との連絡をはかっていた。総武本線亀戸駅東武亀戸線亀戸駅 -(東武亀戸線)- 曳舟駅 -(東武伊勢崎線)- 東武北千住駅常磐線北千住駅[3]。あるいは、千葉県内から輸送されてきた貨物は両国橋駅で荷馬車に積み替えて隅田川を渡り、隅田川西岸へ運ばれた[2]

総武本線の貨物列車が隅田川を渡れないことは物流にとって非常に不便なことであり、千葉県の経済にも影響が大きいため、1920年(大正9年)に総武本線新小岩信号場 - 常磐線金町駅を結ぶ本貨物線 (7.1 km) が計画され、1926年(大正15年)7月1日に開通する。同時に貨車の入換を取り扱うために新小岩操車場も開業する。本貨物線の開業により、総武本線の貨物列車は本貨物線と常磐線を経由して隅田川西岸へ直通することができるようになった[4]

その後、両国橋駅止まりだった総武本線は関東大震災復興計画として中央本線御茶ノ水駅まで延伸することになり、総武本線は隅田川西岸へと伸びることになる[5]。ただし、ここで延伸された御茶ノ水 - 両国間は、秋葉原駅の前後が電車列車のみ通過することを前提として33 の急勾配で敷設されたため、その後も貨物列車は本貨物線経由で運転された。

1984年(昭和59年)2月1日の国鉄貨物輸送の大改革によって貨物列車の運行形態が大きく変わったが、その後も本貨物線は総武本線と常磐線を結ぶ連絡線として役目を果たしており、臨時旅客列車の経路としても使われることがある[6]2000年(平成12年)より武蔵野線南流山駅 - 西船橋駅間および京葉線の西船橋駅 - 蘇我駅間を経由して貨物列車が運行されるようになり、当線を通過する貨物列車は大幅に減少した。

全区間が単線。用地は複線分確保されているが、一部は駐車場等に転用されている。

年表[編集]

  • 1920年大正9年)本貨物線が計画。
  • 1926年(大正15年)7月1日 新小岩操車場 - 金町駅間 (7.1 km) が開通[7]。新小岩信号場を新小岩操車場に変更[7]
  • 1928年昭和3年)7月10日 新小岩操車場を新小岩駅に変更。
  • 1933年(昭和8年)6月12日 新宿駅発のイベント列車として行先不明列車が本貨物線を経由[8]
  • 1959年頃 新中川掘削工事のため、一部線路の付け替え。
  • 1964年(昭和39年)9月25日 電化[9]
  • 1968年(昭和43年)6月1日 新小岩駅の貨物取扱・操車場業務が分離され新小岩操駅開業。
  • 1986年(昭和61年)11月1日 新小岩操駅を廃止し新小岩操車場に変更。これに伴い起点を小岩駅に変更。
  • 1987年(昭和62年)
    • 3月31日 新小岩操車場を貨物駅に変更し新小岩操駅開業。
    • 4月1日 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道が第一種、日本貨物鉄道が第二種鉄道事業者となる[7]
  • 2011年(平成23年)3月12日 新小岩操駅を新小岩信号場駅に改称。

旅客路線化構想[編集]

葛飾区・江戸川区区域は東西を結ぶ鉄道路線に恵まれる一方、南北に走る鉄道は総延長 2.5 km の京成金町線のみであり公共交通路線バスに依存している。そこで当貨物線を旅客化して新小岩駅とJR金町駅をつなぐ南北公共交通手段とする構想が浮上し、検討されている。

例えば1953年第16回国会では、天野公義が当時の吉田内閣に対し「地元民間にある」「熱烈な要求」として当路線の複線・旅客化を求める「金町駅、新小岩駅間客車運行に関する質問主意書」を提出している[10]。これに対して政府は多額の設備費を理由に困難であると回答している[11]

貨物輸送量の減少など状況の変化はあるものの、現在でも需要予測に基づく採算性や設備の問題(葛飾区新宿地区で国道6号踏切で横断する)など、数々の課題が存在し、計画は検討中断状態にある[12]。また一部区議会議員が、LRTでの運行計画などを提唱しており、あくまで企画旅行の団体列車ではあるが、社会実験も兼ねて旅客列車が新金貨物線を走行したことがある[13][14]ほか、2014年6月14日から翌年3月29日の土日祝日に、京成バス京成タウンバス葛飾区が連携し、新金貨物線に沿って新小岩駅南口から金町駅南口を結ぶバス社会実験路線「新金01系統」を運行させた。

葛飾区は2017年度予算案にLRT運行時の需要予測等の費用として2000万円を計上し、具体的な検討を始める[15]2018年度は調査を行い、検討結果をとりまとめる[16]

駅一覧[編集]

全駅東京都に所在。

駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 所在地
小岩駅 - 0.0 東日本旅客鉄道総武本線(本線) 江戸川区
新小岩信号場駅 2.3 2.3 東日本旅客鉄道:越中島支線 葛飾区
金町駅 6.6 8.9 東日本旅客鉄道:常磐線

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成28年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.34
  2. ^ a b ちばの鉄道一世紀』p. 37
  3. ^ 『ちばの鉄道一世紀』p. 26
  4. ^ 『ちばの鉄道一世紀』p. 37, 38
  5. ^ 『ちばの鉄道一世紀』p. 41
  6. ^ 『ちばの鉄道一世紀』p. 38
  7. ^ a b c 曽根悟(監修) 『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』26号 総武本線・成田線・鹿島線・東金線、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月17日、17-19頁。
  8. ^ 『ちばの鉄道一世紀』p. 218
  9. ^ 全線全駅鉄道の旅4 関東JR私鉄2100キロ』p. 224
  10. ^ 金町駅、新小岩駅間客車運行に関する質問主意書(衆議院)
  11. ^ 衆議院議員天野公義君提出金町駅、新小岩駅間客車運行に関する質問に対する答弁書(衆議院)
  12. ^ 公共交通 - 葛飾区。新金貨物線について記述がある。
  13. ^ 新金貨物線の体験乗車ツアー (PDF)
  14. ^ 「新金線」旅客化に新たな一歩 〝体験乗車ツアー〟成功で議論再燃? - 東京村.com(東都よみうり新聞社)
  15. ^ 葛飾区 路面電車導入を検討へ”. NHK 首都圏 NEWSWEB (2017年2月6日). 2017年2月6日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年2月6日閲覧。
  16. ^ 路面電車導入目指し葛飾区調査へ”. NHK 首都圏 NEWSWEB (2018年3月10日). 2018年3月10日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]