マイク・フィギス

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マイク・フィギス
Mike Figgis
Mike Figgis
生年月日 (1948-02-28) 1948年2月28日(71歳)
出生地 イングランドの旗 イングランド カーライル
国籍 イギリスの旗 イギリス
職業 映画監督脚本家作曲家
ジャンル 映画
活動期間 1984年 -
主な作品
リービング・ラスベガス

マイク・フィギスMike Figgis, 1948年2月28日 - ) は、イギリス映画監督脚本家作曲家

略歴[編集]

少年時代[編集]

1948年イギリスカーライル生まれ。生後間もなくケニヤナイロビに移住し、幼年期を過ごした後、8歳からはイングランド北部のニュー・カッスルで育った。

大学時代[編集]

ニューカッスル大学 (イングランド)芸術学部に進学し、在学中は音楽活動に没頭した。様々なバンドでプレイしたが、学友だったブライアン・フェリーのバンド<The Gas Board>にも参加し、トランペットギターを演奏していた。67年にロンドンで3年間、本格的な音楽活動を行い、<The People Band>を結成し、ローリング・ストーンズチャーリー・ワッツのプロデュースでトランスアトランティック・レコードからアルバムをリリースした。後に、同バンドは映画『ストーミー・マンディ』にカメオ出演することとなる。

音楽から映画の世界へ[編集]

70年代には、前衛演劇グループ<The People Show>にミュージシャンとして参加したのをきっかけに、演技に興味を持ち、その後10年間は同演劇グループの一員となり世界中で公演を行い、成功を収め、批評家からも絶賛された。

80年に同グループから脱退し、王立演劇学校で映画を学びながら、自身の劇団<The Mike Figgis Group>を立ち上げ、映像も組み込んだマルチメディア製作法を考案する。音楽アニメ映画を融合した表現を試みた『ショートストーリーズ』を製作、マルチクリエイターとして活躍し、『Redhugh』(1980)、『Slow Fade』(1984)、『Animals of the City』(1985)をヨーロッパで上映し、ライヴアクションと音楽と映像の革新的な融合を試み、数々の賞を受賞した。

映画監督として[編集]

『Redhugh』が英国のチャンネル4の目に留まり、『Slow Fade』はスティーヴン・レイ主演で『The House』というタイトルで84年にTV放映化され、高い評価を受けたことにより、映画界から注目を浴び、『ストーミー・マンディ』製作のための映画資金調達が可能となった。

そして87年、メラニー・グリフィス主演によるメジャーデビュー作品『ストーミー・マンディ』を監督し、スティングも出演した。同作品は英国よりもアメリカで評価され、89年にはリチャード・ギア主演の「背徳の囁き」を監督し、ハリウッドデビューを飾った。

91年には、引退していたキム・ノヴァクを起用し、スリラー作品『オブセッション/愛欲の幻』の監督と音楽を手掛け、カルト的支持を集めた。HBO局のオムニバスTV番組『男が女を愛する時』3部構成の1編を任せられ、ヘンリー・ミラーの短編「Mara」をジュリエット・ビノシュ主演で監督し、パリで撮影した。

93年にはリチャード・ギアレナ・オリン共演の『心のままに』、翌94年にはテレンス・ラティガンの戯曲「The Browning Version」をアルバート・フィニーグレタ・スカッキジュリアン・サンズ主演でリメイクした『明日に向かって・・・』等々、魅力的なキャストを起用した作品を次々と発表し、アメリカでの知名度を確実なものにしていった後、ハリウッドのメジャー製作からインディペンデント作家に戻った。

翌94年、英国のファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドについてのドキュメンタリー短編映画『Vivienne Westwood on Liberty 』を監督した。

95年には、ジョン・オブライエンが91年に書いた半自伝小説を基に脚色し、ニコラス・ケイジエリザベス・シューを主演で、ラスベガスを舞台に、自暴自棄なアルコール依存症の男と高級娼婦との絶望的で儚い恋を感動的に描いた『リービング・ラスベガス』を監督し、音楽も自ら担当した。同作品は、ニコラス・ケイジにアカデミー賞主演男優賞をもたらし、その他にも計4つの主要な賞にノミネートされ、世界中の注目を浴びた。劇中使用される音楽には、スティングがジャズのスタンダード・ナンバーを3曲提供した。なお、マイク・フィギスとは『ストーミー・マンディ』以来の友人であるスティングは製作費がぎりぎりだと知り、ノーギャラで承諾した。

同年、フランクフルト・バレエのアヴァンギャルドなアーティスト、ウィリアム・フォーサイス (バレエダンサー)についてのドキュメンタリー映画『Just Dancing Around』をチャンネル4の出資で撮影し、ヨーロッパで放映された。

97年、ウェズリー・スナイプスナスターシャ・キンスキーロバート・ダウニー・Jrが共演した『ワン・ナイト・スタンド』では、監督、脚本、音楽の三役をこなした。同作品で、ウェズリー・スナイプスヴェネツィア国際映画祭主演男優賞を獲得した。

同年、女性のフラメンコ・ダンスについてのドキュメンタリー長編映画『Flamenco Women』も監督した。

99年には、構想に17年(マイク・フィギスが第一稿を書き上げたのが82年)をかけた映画『セクシュアル・イノセンス(原題: The Loss of Sexual Innocence)』を、ジュリアン・サンズサフロン・バロウズジョナサン・リース=マイヤーズケリー・マクドナルド等々の魅力的なキャストで完成させた。製作段階でのタイトルは、“Death and The Loss of Sexual Innocence(死と性的無垢の喪失)”だったが、映画公開時には“Death”が省略された。なお、映画の中で重要な役割を果たすアダムとイヴ役には、一般オーディションを行い、演技未経験の黒人の男性と白人の女性が選ばれた。

同年、カンヌ国際映画祭の最高賞「パルム・ドール」受賞作品『令嬢ジュリー』(1951年)をリメイクし、サフロン・バロウズ主演による心理劇「仮面令嬢(原題: Miss Julie)」も監督した。

2000年以降もなお、実験的な作品「タイムコード(Timecode)」や『HOTEL ホテル』を監督するなど、常に新しいジャンルへと挑戦し続けているが、2003年にはブルース音楽をテーマにしたドキュメンタリー映画『レッド・ホワイト&ブルース』を撮影した。

2007年には、英国の過激でセクシーなランジェリーブランド「Agent Provocateur(エージェントプロヴォケイター)」のキャンペーンに、スーパーモデルケイト・モスを起用し、4編の短編映画『The 4 Dreams of Miss X 』を撮影した。

監督作品[編集]

長編[編集]

公開年 邦題 原題 備考
1984 The House The House テレビ映画
1988 ストーミー・マンディ Stormy Monday
1990 背徳の囁き Internal Affairs
1991 男が女を愛する時 Women & Men 2: In Love There Are No Rules テレビ映画
オブセッション/愛欲の幻 Liebestraum
1993 心のままに Mr. Jones
1994 明日にむかって… The Browning Version 第47回カンヌ国際映画祭パルム・ドールノミネート
1995 リービング・ラスベガス Leaving Las Vegas 全米映画批評家協会賞 監督賞受賞(1995年)
ロサンゼルス映画批評家協会賞 監督賞受賞(1995年)
インディペンデント・スピリット賞監督賞受賞(1995年)
インディペンデント・スピリット賞脚色賞ノミネート(1995年)
英国アカデミー賞 脚色賞ノミネート(1995年)

第68回アカデミー賞監督賞ノミネート
第68回アカデミー賞脚色賞ノミネート
第53回ゴールデングローブ賞最優秀監督賞ノミネート

1997 ワン・ナイト・スタンド One Night Stand
Flamenco Women Flamenco Women ドキュメンタリー映画
1999 セクシュアル・イノセンス The Loss of Sexual Innocence
仮面令嬢 Miss Julie
2000 タイムコード Timecode
2001 HOTEL ホテル Hotel
The Battle of Orgreave The Battle of Orgreave ドキュメンタリー映画
2002 10ミニッツ・オールダー Ten Minutes Older オムニバス映画
2003 コールド・クリーク 過去を持つ家 Cold Creek Manor
2004 レッド・ホワイト&ブルース Red, White and Blues マーティン・スコセッシ製作総指揮
ドキュメンタリー映画
Co/Ma Co/Ma ドキュメンタリー映画
2008 Love Live Long Love Live Long
2009 One & Other a Portrait of Trafalgar Square One & Other a Portrait of Trafalgar Square ドキュメンタリー映画
2010 The Co(te)lette Film The Co(te)lette Film
2012 Suspension of Disbelief Suspension of Disbelief
2019 Rotterdam, I Love You Rotterdam, I Love You

短編[編集]

  • Vivienne Westwood on Liberty (1994年) ドキュメンタリー映画
  • Un matin partout dans le monde (2000年) テレビ映画
  • 激情 Cold Cuts (2004年) テレビシリーズ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』の一話
  • Tied Up at the Office (2006年)
  • The 4 Dreams of Miss X (2007年)
  • Pilot (2008年) テレビシリーズ『Canterbury's Law』の一話
  • Jeff Koons (2009年) テレビシリーズ『3 Minute Wonder』の一話
  • Dan Flavin (2009年) テレビシリーズ『3 Minute Wonder』の一話
  • Marcel Duchamp (2009年) テレビシリーズ『3 Minute Wonder』の一話
  • This Is Sculpture: Carl Andre (2009年) テレビシリーズ『3 Minute Wonder』の一話
  • Lucrezia Borgia (2011年)
  • China-Town (2011年)

著作[編集]

  • Mike Figgis: Collected Screenplays 1 – Stormy Monday, Liebestraum, Leaving Las Vegas (2002年)
  • Digital Filmmaking (2007年)
  • デジタル・フィルムメイキング ─新しいプロフェッショナルとは何か (2010年、桂英史村上華子訳 フィルムアート社)

外部リンク[編集]