ポテトサラダ
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ポテトサラダ(英: Potato salad)は、茹でたジャガイモを主材料としたサラダのことである。ポテサラと略される場合もある[1]が、この言葉はケンコーマヨネーズの商標登録である。
概要[編集]
作り方が簡単なうえ、安価にも出来、他のサラダ類よりも冷蔵庫で日持ちがすることから、世界各地に様々なポテトサラダが存在しており、コールスローなどと並ぶサラダの代名詞的存在となっている。家庭料理としてはもとより、肉屋、惣菜店や弁当屋の定番メニュー、給食の献立としても出される料理である。日本ではサンドイッチの具にされることもある。
火を通したジャガイモをマヨネーズで和えることが多い。この場合、少量の植物油を混ぜると水っぽさが抜け、風味が増すが、ここにマヨネーズの代わりに酢を加えたドレッシングで料理を完成させることもある。ジャガイモをマッシュポテト状に潰す調理法もある。アメリカ合衆国では、マスタードを加えることもある。また、様々な副材を入れることで個性を持たせることができる。たとえば、野菜ではニンジン、キュウリ、トウモロコシ、スライスオニオンなどが副材の代表格であり、他にも、肉類ではハムやツナ、酢漬けのサケやゆで卵、リンゴやミカンなどの果物を入れる場合もある。
変種[編集]
- 上海サラダ(上海沙拉、拼音: シャンハイシャーラー)
- 繊切りサラダ
- マヨネーズのカロリーを気にする人向け。繊切りにしたジャガイモをさっと茹で、好みのドレッシングをかける。合わせる具材も好みで。ジャガイモは男爵よりメークインが向く。
- オリヴィエ・サラダ
- ロシア風サラダ(西: Ensalada rusa/土: Rus salatası)
ポテトサラダ論争[編集]
2020年夏頃、総菜コーナーでポテトサラダを買おうとした幼児連れの女性が、高齢男性から「母親ならポテトサラダくらいつくったらどうだ」と言われるのを目撃した、という内容がTwitterに投稿された。投稿内容の真偽は不明であるが、この投稿内容について「母親像の押しつけである」、「ポテトサラダは一見簡単そうに見えるが作るのには手間がかかるから惣菜を買ったほうが良い」、逆に「手作りすべきだ」、といった多数の意見がSNS上を席捲し、特に日本の高齢男性の家事見識のなさへの批判など日本の社会構造にまで問題を波及させた議論が行われた。この論争がポテトサラダ論争、ポテサラ論争と呼ばれた[2][3][4]。
上述のような問題はさておき、こういった論争が日本で活発化した理由としてポテトサラダが日本人に身近なものであったためではないかと推測されている[2]。
また、ポテトサラダに限らず、惣菜を購入することを問題視する風潮は1976年発行の『日本の民俗2 日本人の衣食住』(瀬川清子、河出書房新社)にも見られている(ただし、『日本人の衣食住』では仕事帰りの男性がデパートで惣菜を購入する姿を批判的に記している)[5]。小林カツ代は『働く女性のキッチンライフ』(1981年、大和書房)で、「たまにはお総菜を買っても良い」と女性を応援する記事を書いているが、当時、惣菜を購入する女性が増え始め、批判されるようになっていたことへの反論でもある[5]。
脚注[編集]
- ^ [1] ケンコーマヨネーズ
- ^ a b 山尾有紀恵 (2020年7月27日). “ポテサラは惣菜?手作り? キユーピーが語る論争の裏側”. 2022年2月17日閲覧。
- ^ 水無田気流 (2020年8月15日). “「ポテサラ論争」が示す深い闇 怒鳴る高齢男性の孤独”. NIKKEI STYLE. 2022年2月17日閲覧。
- ^ “まさにそれな! SNSで話題の“ポテサラ論争”に、「完璧な答え」を出していたスーパーの貼り紙が話題”. まいどなニュース (2020年7月14日). 2022年2月17日閲覧。
- ^ a b 阿古真理. “活発化する総菜論争「買ってきた総菜」をそのまま食卓に並べるのはアリかナシか”. プレジデント社. p. 2. 2022年2月17日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- ほりべのぞみ (2021年10月29日). “マヨ派 or お酢派?ドイツ国内のポテトサラダのレシピ調査”. デイリーポータルZ. 2023年4月15日閲覧。