チップ・ガナッシ・レーシング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ガナッシのマシン(インディカー・シリーズ)

チップ・ガナッシ・レーシング(Chip Ganassi Racing)は、アメリカ合衆国のレーシングチームの一つ。1990年に元インディカードライバーのチップ・ガナッシが設立した。本拠地はノースカロライナ州コンコード

2018年現在はインディカー・シリーズNASCARWECUSCCに参戦している。米国の大手小売店であるターゲットが長年メインスポンサーを務めていたことで知られる。

歴史[編集]

オープンホイール[編集]

1989年、チップ・ガナッシが共同オーナーを務めていたパトリック・レーシングの創設者、パット・パトリックの引退に伴い(後に引退は撤回)、チームの資産とマシン・エンジン契約(パトリック・レーシングはペンスキー・レーシングからシャーシーの提供を受けており、イルモアシボレーエンジンの搭載もセットで契約されていた)を引き継ぐ形で1990年にチームを設立。インディカーワールドシリーズ(後のCART、チャンプカー)への参戦を開始。1996年には、ジミー・バッサー、1997年・1998年にはアレックス・ザナルディ、1999年にはファン・パブロ・モントーヤが同チームでシリーズチャンピオンを獲得するなど、チャンプカーの強豪チームとして成功を収めたが、2002年にチャンプカーのエンジンレギュレーションを巡る混乱でトヨタホンダが相次いでインディカー・シリーズ(IRL)に移籍した際に、それに追随する形でチャンプカーから撤退した。

インディカー・シリーズには2000年からインディ500のみ参戦していたが、2002年より試験的にシーズンエントリーを開始し、2003年にそれまでチャンプカーに参戦していた主力がチームごとインディカー・シリーズに移籍して本格的な活動をスタート。2003年、2008年、2013年、2015年にスコット・ディクソンが、2009年から2011年にダリオ・フランキッティがシリーズチャンピオンを獲得している。2014年現在は、ペンスキー・レーシングアンドレッティ・オートスポーツと並ぶ、インディカー・シリーズにおける「3強」の一角を占めている。2011年にはファクトリーを増設しこれまでの2台体制から一気に4台体制になった。

2013年7月7日、24年ぶりに開催されたポコノインディ400レースにおいて、スコット・ディクソン、チャーリー・キンボール、ダリオ・フランキッティにより、チーム初となる1-2-3フィニッシュを達成。また、この勝利は、ディクソンの通算30勝目(歴代10位)、ツーリングカーやNASCAR等を含めたターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング通算100勝目、エンジンサプライヤーであるホンダのインディ通算200勝目であり、記録ずくめの週末となった[1][2][3]

ターゲットはディクソンとフランキッティのスポンサーを務めるが、他にもグラハム・レイホールにはオーストラリアのサービスセントラル社、チャーリー・キンボールにはデンマークのノボノルディスク[注 1]NTTデータ[注 2]がスポンサーについている。

2018年から再び2台体制に縮小。チャーリー・キンボールとマックス・チルトントニー・カナーンの3人はチームから離脱し、スコット・ディクソンは残留、2017年のインディカー・ルーキー・オブ・ザ・イヤーのエド・ジョーンズデイル・コイン・レーシングから移籍してきた。

NASCAR[編集]

NASCARには2001年に、中堅チームの「チーム・サブコ(Team SABCO)」を買収する形で参戦を開始。2006年にはF1マクラーレンを離脱したモントーヤを自チームよりNASCARに参戦させているほか、2008年には前年のIRLチャンプであるダリオ・フランキッティがNASCAR転向と同時に同チームに移籍してきた。ただ、ロードコースでこそモントーヤが2007年に1勝を挙げているものの、オーバルレースではあまりいいところがなく、フランキッティは1年限りでIRLへ復帰するなど、苦戦を強いられた。

2009年から2013年まではNASCARの名門チームであるデイル・アーンハート・インクと合併、「アーンハート・ガナッシ・レーシング(Earnhardt-Ganassi Racing)」としてNASCARに参戦していたが、2014年からは再びチップ・ガナッシ・レーシングとして参戦している。

2017年は日系4世であるカイル・ミヤタ・ラーソンがシボレー勢の中で圧倒的な速さを見せプレーオフ進出を果たしているが、チーム初の栄冠には届かなかった。

スポーツカーレース[編集]

ライリー・レクサス(2007年)
フォード・GT(2016年)

グランダムのロレックス・スポーツカーシリーズに、レクサスのセミワークスとして参戦。シャシーはライリーのデイトナプロトタイプで、2006~2008年のデイトナ24時間を3連覇。2008年は選手権も制覇した。2010年はレクサスの撤退によりBMWエンジンにスイッチ、12戦中9勝を挙げて再びチャンピオンとなった。2011年には4度目のデイトナ優勝を果たしている。

2014年にはロレックス・スポーツカーシリーズが統合されて開幕したUSCC(ユナイテッド・スポーツカー選手権にライリー・フォードのデイトナプロトタイプで参戦。2015年のデイトナ24時間で、日系4世のカイル・ラーソンらがドライブして総合優勝した。

2016年からはフォード・GTを運用し、マルチマティックとのジョイントによりWECLM-GTEプロクラス、USCCのGTLMクラスへ、フォードのワークスとして参戦している。北米でのチーム名は「フォード・チップ・ガナッシ」で、WECでは「フォード・チップ・ガナッシUK」。両チームはル・マンおよびデイトナで別チームとしてエントリーしている。2016年のル・マン24時間では、フォードのル・マン初制覇50周年記念のクラス優勝を果たした。

ラリークロス[編集]

もともとは2輪のAMAスーパークロスへ参戦する計画であったが、これを変更して2014年の終盤からフォード・フィエスタグローバル・ラリークロスに参戦。2015年と2016年の2年のみフル参戦し、2度の勝利とドライバーズランキング最高3位を獲得した。

ドライバー[編集]

オープンホイール(CART/インディカー)[編集]

現シーズン(2018年)[編集]

過去の所属ドライバー[編集]

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ[編集]

現シーズン(2018年)[編集]

過去の所属ドライバー[編集]

ターゲットとの関係[編集]

2008年のNASCARマシン。ターゲットのマークがボンネットに大きく描かれている。

チームが創立されて以来、長らく大手小売業社のターゲットとスポンサー契約を結んでいた。ターゲット社内では、ターゲット・レーシング・プロジェクトと呼称され、対象のマシンやメカニックの制服は同社のイメージカラーである赤に塗られ(スペシャルカラー時は別色になる)、白色でブルズアイ(ダーツボードの中心のこと)が描かれる[4]他、同チームのイベントや優勝時には、ターゲットのマスコットである犬のブルズアイ(通称「ターゲット犬」。ブルテリアの左目にブルズアイが描いてあり、Bull TerrierとBullseyeを掛けている。)が登場するなど[5]、非常に良好なパートナーシップとして知られていた。

しかし2015年にUSCC、2016年インディカ―、翌2017年シーズンにはNASCARでのスポンサー契約も終了して関係は途切れることとなった[6]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ キンボールは1型糖尿病患者であり、ノボノルディスクは糖尿病の治療薬開発に力を入れていることから、彼のスポンサーに就いている。
  2. ^ NTTデータは2013年のインディ500に於いてライアン・ブリスコーの乗る8号車のメインスポンサーを務め、NTT DATA CHIP GANASSI RACINGとして参戦している。http://americas.nttdata.com/News/News/Events/Indy.aspx
  3. ^ a b c インディ500のみ出場。
  4. ^ 2003年10月22日インディアナポリス・モーター・スピードウェイでタイヤテスト中に事故死したため、レースには出場していない。レナの代わりにダレン・マニングが参戦した。
  5. ^ a b c レギュラードライバーが負傷欠場のため、代役として出場。
  6. ^ 第16戦ソノマのみスポット参戦
  7. ^ 2001年から2006年のいずれも第22戦ワトキンズ・グレンのみスポット参戦
  8. ^ 第9戦タラデガのみスポット参戦
  9. ^ 第11戦ダーリントン及び第12戦シャーロットにスポット参戦
  10. ^ ネイションワイド・シリーズ参戦中に負傷したため、第9戦タラデガから第13戦ドーヴァーを欠場。その後第17戦ロードンを最後にカップシリーズから撤退。
  11. ^ 第10戦リッチモンドのみスポット参戦
  12. ^ 第13戦ドーヴァーのみスポット参戦

出典[編集]

  1. ^ Double Podium for Team Target at Pocono Results in 100th Win for Target
  2. ^ Target Racing Program Reaches 100 Wins in Pocono
  3. ^ スコット・ディクソンが今季初優勝 Hondaはインディカー200勝目を表彰台独占で飾る
  4. ^ Target Racing Program Reaches 100 Wins in Pocono
  5. ^ TARGET MASCOT, BULLSEYE, AT SONOMA
  6. ^ チップ・ガナッシ・レーシングと赤白ロゴのTARGET、27年間の歴史に幕 - オートスポーツ・2016年8月1日

外部リンク[編集]